棕櫚エリコの投稿作品一覧
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手を振る間さえなく遠のく意識だけ
すべては思い出と呼べる日がくるまで
はやく見つけてつかまるまでお家に帰れない
繰り返すたび谺する呼び声
かえれない カラスが鳴いてもかえれない
かえれない あのこ泣かせてもかえれない
かえれない カラスが鳴いたらかえれない
だからもう、かえれない あのこ泣かせたらか...わすれおに
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遠く見下ろす赤い月 銀の鎖と籠の鳥
もしも笑顔にあえたなら 素足のままの暗い場所
眠りのくる前の少しだけでも
誰のためでもない夢を見ている
静かなこの時が終わらないよう
できることは何もないだけの今日だとしても
誰のためでもない私のための
ささやかな幸せ見つかるまでに
静かなこの時が終わらないよう
...双葉のような
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かわれ かわれ 光にかわれ
生まれかわれたなら鳥になりたいと願う
君に憧れてみてた春の午後の日が嘘のようです
誰もいないけれど何もなくなっても
誓いだけを残せるほど強いだなんていうこと
手をとりあえばどこへでも飛べる気がした
空をかけて陽に灼かれて燃えおちるまで
かわれ かわれ 光にかわれ
誰の目に...小鳥の子守唄
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夢に見る悪夢に浮かされてうなされて
むせぶあの子の毒にもならない恋(うた)
ささやかな戯言 永遠に続くのならいいと
祈るその指で扉に爪をたてる
ねえ ねえ 少しだけそばにいていられたのなら
何かが変えられるような気がした
誰か止めて思い出すように廻りまた繰り返す悪夢を
決められた終わりに抗う術がない...毒にもならないうた
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小指のリングに誓った夢を果たすため星の降るあの丘まで
きままな人のあてさき、捨て猫にたずねてみよう
せがむ憐れみを心ごと突き放すように凍えた輝く目
もとめてやまない理由が私を今も眠らせない
記憶に宿したあなたが風のむこうに薄れるまで
きままな恋のあとさき、ひだり胸にあずけてみよう
慰めをゆるすとろけ...an abandoned link
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夜は不思議 月が紅く染まれば頬も染まるのね
夜は素敵 人目も憚らずに今すぐ会いに行きます
恋は不思議 とても正気の沙汰じゃいさせてくれない
恋は不気味 元ある場所へ還る本能みたいに
骨を焼き尽くすような熱はもう制御不可能
真っ赤に揺らいだ糸を首へ巻きつけても足りない
だからお願い口走ってよ私のことが...引力100%
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Cherry pink 口先にこぼれるJelly beans
Cherry pink 幸せにこだわるあまりにね
Jelly beans 目の前の不幸を縋りしがみついてる
やがて目覚めれば冷めてく愛ごときに もはや永遠を誓えるとでもいうの
覚えておいでね 忘れないでいて あなたに刻みつけた おまじない...JELLY PINK
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誰もいないよここは 深い闇の中だよ
暗くつめたいけれど どこか心地がいいよ
誰も来やしないから 思うさまに泣けるね
希薄なだけの存在だから 誰かに許して欲しくて
緑の髪も なよやかな身も 全てをその手に委ねた
疑うことも知らず 稚いまま
彼が私を抱く きっと夢の続きね
響き渡る静寂だけ優しく幾許かの...朽葉姫
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風にさらわれて途切れた足音
散り急ぎゆく季節を 息を殺して委ねる
手を振る間さえかなわず 遠のくだけの意識に
はやくみつけて 捕まるまでお家に帰れない
繰り返すたび こだまする呼び声
帰れない カラスがないても帰れない
帰れない あの子なかせても帰れない
はやくみつけて 捕まるまで今夜も帰れない
時...忘れ鬼
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この声が君に届く頃はきっと私は夢の中でしょう
あの歌が響き渡る頃は 祝祭は幻想に包む
赤い花 街中でみだれ 繰り返す磔の言葉
「それを報うのは人ではない」
二月の雪解けを待ち焦がれ祈るよに
この歌が君に届く頃に街はもう運命を拒む
赤い花 壁中で満たして嘲笑う仮初めの時間を
うまれて消える
二月の雪解...雪の病葉
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だれかをすがって喉を潰した
そんな日々はもう還らないのに
どうしていつも過ぎたことだけ浮かべて朧に笑うの
駆け抜けても戻らない記憶はもう戻らない
凍りついた砂漠の今を生きていると
一滴の望みさえ霞のようにたち消え
やむことない吐息は虚空を埋め尽くす
彷徨の果てに薄闇の小部屋で
煙るおもかげも露と消え...for fear
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唇よせてしめる赤と黒の飛沫
見渡す限りうつす絵空事の絵図は
いびつなほどに狂おしい
愛が満ち満ちて行き場なくする時に
嘆き惑う民に背を向けるよに
触れてなずむ刹那の代償なら
夢見に溺れて星も照らせぬ真白の暗夜
嘆き惑う民を従えて いざやかの地の果てへ
伝う思い今もわからない にじむ最初の言葉
今でも...Bloody Girl
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ひとつ ふたつ みっつ よっつ
あの子は恋人さがしです
一刻 二刻 三刻 四刻
満月の沈んでしまうまで
ひとつ ふたつ みっつ よっつ
こんな遅くまで起きている
一刻 二刻 三刻 四刻
ふしだらな子じゃなりません
よもすがらひとりよがり
ひらりはらりゆめあそび...血迷草
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呪文となえてツンとすました石の扉をこじ開けるように
こんなに月も赤いのだから奇跡のひとつ起きてみてもいいよね
まだよまだほら陽が高すぎる(だめよだめムードがないでしょう)
口が裂けても届かぬ想い(願いごと起源はふしだら)
恋のステップ踏み外してお嘆きでしょうか
いいえ、高まる予感に打ち震えているだけ...Mermaid in the well
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泣いている理由さえなくしても
泣いている ただ泣いている
束の間の慰みに花添えて彩れば真綿のいましめ
理想的な理想の途絶えた世界
正しく過ちを巡り重ねては揺れて
血溜りに零すこの雫のように
馴染みあうほどに通じあわない
願いごと振り替えては戯れごと
日毎夜毎ひびの割れた爪を砥ぐ
暗い部屋はひとりきり...A different finale
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目覚め鼓動震える痺れ
窓のアイツが囁く「ご機嫌ね」
空が笑う白目が跳ねる
今日の電波はマウマウ団だね
さあ出かけよう外は戦場だ
あたり見わたすばかりの敵意
生きるためなら鬼にもなれなくちゃ
誓いやぶる王子さまなど
心と一緒に捨てて置けばいい
温い嘘で取り入るほどに...真っ赤な青りんご
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星降る夜に通じ合えた、唯それだけで
捨て去ったはずの運命など信じてみてた
幸福を求め奈落へ転がる世界
傷つけ合うだけでも寄り添うなら暖かい
季節、流れて花は澄んで
季節、また流れて陽は落ち
夢を適えるなら思い出ごと彼方を知る
変わらない今だけ続くのならそれでいいの
夢を適えるなら思い出ごと彼方を知る...エリーナ・メシーナ
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さあ早く薄汚いその身体を放してください
溢れたミルクを嘆くのなんて非合理でしょう
お分かりかしら?
そうだから何も悲しむ事などありはしないから
浴びるように放埓かつ悪辣に輪廻を貶めるといい
お気に召すまま!
Dead reaction
Dead communication
Deadly action...フェ・タン・マルール
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にどと戻らぬ密かなる屈折と
喉を伝うのは淡い息づかい
白い腕のびて わたしを抱きすくめ
あまりにもいびつなくちづけ
ひとひとり残らない
風さえ及ばない底で
祈りはもたらさない
孤独に与する愉悦などを
白い腕のびて わたしを掻き抱き
少し哀れむよに零して見せるから...白い首
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涙の浮かばれる夢でも見たの?
「お生憎様ね」と笑うお月様
この世の誰にも与えられるもの
それは等しく絶望できること
千代に解脱できぬ御伽噺を
いっそこのままで豪華にくべましょう
あまねく破滅へ向かう世界は
願いを抱けば条理に背く
あなたの心奪うのには
ころしあうほかないのだわ...スカーレッツのマーチ
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瑠璃や百合と戯れては なんて作り物のお姫様
耐え切れない心に耐え切れるほどに強くはないよ
お眼鏡ちがいの見込みちがい
あたしは狡くて小賢しい
それなのにあなたはどうして、そんなに優しくするの
こころはないからこわれない
きみをなかせてもいたまない
「だから早く、突き放して」
捕まえてよ今すぐにでも虚...ユリシス
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憎しみの裏側を辿るなら、優しさが密むだなんて、それは、メルヘンの過剰摂取
聞こえる?それでも哀れんで寄せる賛辞が
聞こえない誇らかなる侮蔑にしか!
花を捨て、こころを捨て、偲ばれる故もなく塵とをかし散り咲けど、浚うその手は冷たすぎる
磨き上げ錆付いた極上なおもてなし、眩さに魅せられる夜陰惨事、お茶会...紅×ナイフ(仮)
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枯れては朽ちる花に擬え儚むあなた愚かと笑った
絡む吐息と確かな余熱その隙間だけ芽生えた心
君の眠るその先にはどんな花が咲くのでしょうか?
「教えてください」
誰もいないこの丘には思い出さえ吹き抜けてしまう
「応えてください」
この声が届くなら悪い夢と悟れるけど
この歌は届かない尽きることもない
進む...廃線の向こうに見た虚実の心象風景
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壊れかけた意識がひとり語りだしたら
記憶は過ちと許しとを請うものなのですね
裏切りの歳月が心を縛めてまで
臨まない蕾も花のうちだと悟る
ねえ?どうして?なぜ?優しげな瞳
過去、今、未来でさえこの手が踏み躙るのに
あの日、月が見下したから泣いて笑っていた
色を失くし損ねたのは拾い揚げ抱いた胸の震え
熟...amour sans espoir
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眠れない朝陽を数え鍵の開かれるのを待つそれだけの命
夢は解けて薙がれ 花は朽ちて踏まれる
恋しさなどね
終わらない求めはやがて諦念という平穏へ身を寄せる
帰るところはひとつ 向かうところもひとつ
螺状の世界
だんだんだれがみつかった
だんだんだれにみつかった
ほしがったのはだれですか
きずつけたのは...HYSTERIC CHANDELIER
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マジカルケミカルパルライス
女の嫉妬は地底をも通ず
マジカルケミカルパルメザン
爛れて朽ちるは乙女心
船出に添えるのよ あかい花
踏みぬいた蜜にたかる蟻も、憎い
マジカルの女
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目も眩むような紅い月はね、あの子の瞳と同じ
いびつなくらいでちょうどいい
こんなにも甘口 お手製りんご飴
ひとりじめするのも味気ないから
分け隔てない気まぐれです いつだって
優しさをくれることはない運命
もっともっと甘露になれ 憎しみのエッセンス
嘘は至高の媚薬 嫌い大嫌い
荊を散りばめた花を握り...ノブレスオブリージュ
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にばんめのあの子なら本当の空に焦がれて
失くしたらいけない心を引き換えたわ
夢も眠る深層に手を伸ばせど跳ねのけ
無為な意思、無意識、生きるために捨てよう
禁忌の目を潰せば涙など果てるでしょう
彼女は振り向くのか拒む爪がまさぐる
ふたりきりの私は脱殻の身を挺して
調和を乱さぬうち加害者と呼ばれたの
心...第三の目の少女
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不完全な私は飽き捨てられた
唯ひとりの愛するあなたの腕から
調和を望んだ仲間たちは
互いの顔も知らず憎み合う
もういちど私の身体を抱え笑みかけて
もういちどだけその声を聞かせて
理想を続けるあなたの庭で
無垢な私たちは殺し合うため
不完全な心を衣裳で包んでみても
あなたを求めるこの手は止まずに...DOLL PARTY