有沢ねむ

　One Call　誰かに呼ばれた事を　今日も存在意義と言い聞かせ
　馴れた　仕草で支度を済ませ　今日も誰かの元に納まる
　One Day　互いのエゴで積まれた　愛と居場所と欲とぬくもりと
　いつも　別の名を呼んだ口に　焦がれ自分の影で塞いだ
　重ねたぬくもりの数だけ　これが運命なのだと信じ
　離れ...

　優しさを重ねれば重ねたほど
　君が傷付いたのは知っていた
　描（えが）いた愛の質は理想的で
　現実の中で裂け　澱んでく
　君を抱き寄せることも　いつか恐れてた
　振り返ってそのまま　「キライ」と言われそうで
　「明日また会えるよね」と　一人自己暗示
　赤く腫れた目にさえ　未だに気付かぬまま
　愛し...

　大好きだって言う度　しかめっ面を見せる
　照れ隠しなの　嫌悪感なの　そそらせる
　無関心を装う　ツンと澄ました顔
　どこを見てるの　こっち見てるの　愛シテル
　キミが嫌いなキミが好きだよ　もっともっと見下して
　意味がわからないよと吐き捨て　あぁ　たまらない
　キミに踏み躙られた背中が火照るから
...

　生温い風の中で　つたない深呼吸をして
　誰を呼んでいるの　誰も見ないでいるの
　優しさが歪み映る　水溜まりのプリズム見て
　僕が泣いているの　僕は笑っているの
　浮かんだ"ナゼ"のシャボン　吹き飛ばし遊び
　答えを知ることすら　いつも恐れてる
　どうか　僕を見ないで　全てを暴かないで
　触れられぬ...

　愛したいの？　愛されたいの？　止まらない感傷
　心どこに流れてゆくの　君の声が聞こえる
　絡み合う蔦は　小さな花咲かせ
　散り枯れる時を怯えて揺れるばかり
　二人出逢うこと　今更後悔して
　深く繋いでる　絆なんて見えない
　夜の藍に呟いた戯言（ことば）　エゴに溢れた愛情
　君の中に残れたとしたら　...

　生きてた場所追い出され　居場所を探してた
　当て所ない路地裏には　転がる星の影
　一筋の光求め　伸ばした指の先
　泣きじゃくる幼い声　心がざわめいた
　出逢えた奇跡を　噛み締める間もなく
　深い夜に奪い去られる　その前に
　君の無邪気な笑い声　どうか僕に聞かせて
　その為なら毎夜でも会いに行くから...

　降り止まない雨はないと信じ
　疲れ切るその頃には
　手の平を擦り抜ける雨以外
　もう何も残されてなかった
　生まれる前に聴いた
　世界を抱（だ）く夜の中
　泣き続けるのは誰？
　白い月を抱き寄せた
　体は鉛のよう
　ノイズに融けてしまうよ...

　空ろな僕の中身を
　雨で満たした少女を
　いつでも飢えた目をして
　汚れた僕は貪った
　ずっと欲しかったものは
　闇に　溶けて　溶けて　消える
　白い冷えた鍵盤を
　指でなぞり　跳ねる音は
　あの日のように奏でてくれ
　僕の愛した雨音を...

　いつから気付いていた　気付かないフリをしてた
　「戻れないくらいなら...」　ただ現状維持を選んでた
　愛しさ失えたら　執着捨てたら
　もしくは割り切れたら　こんなに苦しくなかったのに
　愚かと哂う自分自身が　這い蹲りすがってる
　見つめる先で踏み躙られて　「忘れないで」と叫んだ
　別に痛いわけじ...

　昔はこんなはずじゃなかったのにな
　はしゃぐ人たち見て思い馳せる
　私の知らないトコで話が進んでる
　取り残された　バイバイ　me
　妬んでるんじゃないの　サミシイだけなの
　私だって昔は　みんなの傍にいたじゃない？
　忘れたって言わせないよ　私ってなんだっけ？
　楽しそうなあなたたちをずっと見て...

　嘘吐くことは何も怖くない　本当を言う方が恐いもの
　偽善者のあなたニコリと笑う　優しく引き金を引いたの
　ガラスで作られたダイアモンド　薬指でキラリ光るわ
　模造品の愛で隠されたあなたが見エナイ
　あの日あなたが撃った銃弾は　捻くれた軌跡描（えが）き
　撃たれたフリをした私　そっと寄り添って
　「...

　遺伝子の中　巡る原罪が
　私を糸の終わりへ駆り立てる
　この胸に咲いた白い花
　あなたの手が優しく手折った
　百度合わせたその顔に
　慈しみのキスを落とさせて
　「愛してる」なんて安っぽい台詞よりも
　あなたの言葉聞きたい
　この先に何も残せなくても
　ただ今　あなたと混じり合いたい...

　逆らいなさい　人の子よ　この世界の全てに
　従うなど愚かだと思い続けなさい
　逆らいなさい　愛し子よ　運命という私に
　この手に絡め取られて　息絶えないように
　明日（あした）が見えないのは　自ら目隠しを取ろうとしないから
　目を背けているのは　自分が望んだ選択ではないから
　あなたが迷い戸惑う全...

　"ボクハココニイルヨ"
　遠い空の彼方だとか　人ごみの果てだとか
　そんなトコなんかじゃなくて　隣にいるよ
　今のキミにはもうボクは　見えないだろうけど
　ずっとココでシグナルを　送っているよ
　共に歩いた道はもう　色褪せたカケラの中に
　ボクはココにいるよ　ずっと傍にいるよ
　寂しいのならそっと...

　大切なモノ　こぼれる音が聴こえるよ
　幻の中で　そっと耳を塞いだ
　「大好き」だなんて　そんな嘘を言う
　虚言だらけの恋（キミ）に恋してた
　すりこまれた世界は　誰だって作れるんだよ　なぁ
　「愛信じてる」とほざいて　今日も生きてってよ
　種残すため　そう理由つけ愛でるんだ
　そうして人間　ずっと...

　機械の翼　ぎこちなく飛ぶ
　コードのリボンで着飾って
　心を作り与えられた
　それはヒトの夢を見るの？
　いつしか子供が大人になってゆくように
　世界は忘却を辿る　私のコトも　あなたのコトも
　消したがっているように
　天の階段　駆け上がる
　「どうして、どうして？」と繰り返したのに
　もう叫んで...