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短くなり、ただの灰となった煙草の吸殻を携帯灰皿に入れ、俺は再び林を中を歩いた。
見上げれば目標地点である通信連は目の前。俺とシックス達がたった二人の人質をつれて脱出するリカバリーポイントだ。
あのヘリポートにたどり着けば、すぐさまシックスの操作するブラックホークが駆けつけ、俺を迎えに来てくれる...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十二話「強襲」
FOX2
今一度深呼吸すると、すうと空気の流れる音が鼻孔内に染み渡り、澱みない新鮮な空気が俺の体内にある人口肺を巡り、次の瞬間にはふうと吐き出された。
ここの空気は今まで吸っていたものとは別物だ。
いくら俺が酸素を必要としないアンドロイドでも、発声には空気を必要とするし普通に呼吸することも出来る。
そ...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十一話「心境」
FOX2
水のせせらぎの音が、暗闇に覆いつくされた通路の向こう側より、微かに聞こえてくる。
いや、正確には音が頬に触れる感じで音の存在を確認できるのだろう。
その音が響き来る方向へと歩き始め、もう既に、五分ほど経っている。
それなのに、一向に音は強まる気配を見せない。
かといって、この暗闇の中を走...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十話「暗闇から」
FOX2
「少佐。所長と接触した。だがこいつも死んだぞ!!」
『うーむ、一体どういうことなんだか・・・・・・。』
「何故だ・・・・・・どうしてなんだ!!!」
俺には、この現象が理解できない。
だが、無線越しにいくら少佐に訴えても、目の前で息絶え、今や亡骸となって俺の足元に転がっている所長、春日了司の...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十九話「下水道」
FOX2
先ずは電源を入れ、モニターを確認し、安全装置をロックからオフに切り替える・・・・・・。
バッテリーの容量とミサイル弾頭に異常がないかを確認し、モニターを覗き込む。
これでいい。後はトリガーを引けばニキータがダクトに向けて発射されるはずだ。
発射後はモニターに表示されるミサイルカメラの映像を頼...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十八話「遺言」
FOX2
再びあの鉄の箱に揺られ早一分。
この技術研究連の最深部である地下二階に到達したことをエレベーターのベルが知らせた。
慎重にエレベーターから顔を出す。
そこは幅広い空間で、突き当りには大きな食堂が見られる。
レーダーを見るとここに勤務する者の居住区らしく幾つもの小部屋が並んでいる。
外見的...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十七話「通告」
FOX2
液晶画面には、移動している光点が見られる。
それ以外には見当たらない。
レーダーを縮小してみても、このフロアは既に無人と化していた。
先のFA-1か、ワラ達の仕業かもしれない。
ともかくこれで人質の救出が大幅に楽になった。
あとはレーダー上に表示された光点を追いかけるだけだ。
だが、...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十六話「人質」
FOX2
思えば今まで予想外のことが起こりすぎた。
施設に侵入するなり倉庫連が爆破され、倉庫連から技術研究連に逃げ込んだと思えば正体不明の味方、シックスに遭遇し、成り行きのまま敵部隊と死闘を繰り広げた。
ようやく地下一階にたどり着き、人質が捕らわれている電子演算室に向かおうとすれば失神した兵士達が累々と...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十五話「予想と暗示」
FOX2
ふと振り向くと、小部屋の扉が開け放たれ、そこには黒い人影が立っていた。
「動かないでよ!」
その人影は、まだ幼い少女の声で言った。
構わず俺は銃のライトで人影を照らすと、その人影が幾つかの光を反射した。
そこには前にも見た黒い戦闘服を着た何者かが、俺にアサルトライフルの銃口を突きつけている...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十四話「意志を持って」
FOX2
確か人質が捕らわれている場所は目の前のはずなのだが・・・・・・。
俺は今確かに人質がいる部屋、大型雑庫の前に来ている。
レーダーを見ても内部に人影がいることは明らかだ。
しかし、この部屋には部屋として機能するための決定的な部分が存在しない。
扉が無い。
いや、扉があったと思われる場所は白...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十三話「目的」
FOX2
「何だお前は?!」
俺は目の前の人物に言った。
目の前には、黒い戦闘服を纏った人影が背を向けているのだ。
その背には対戦車ミサイルと思われる兵装を背負っている。
感情に身を任せ、赤き電撃を纏う黒い彼女と俺の間に、それは立ちはだかった。
一瞬シックスかと思ったが、明らかに背が小さい。
1...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十二話「あの人」
FOX2
全身に漆黒を纏う彼女の手には、その髪色と同じく、黒き輝きを放つコンバットナイフが握られている。
そして、その矛先は俺の髪色と同じ白銀の銃口に向けられている。
彼女は、俺を確実に敵と捉えている。
先の発言で、全てが決まったのだ。
「まて・・・・・・どういうつもりだ。俺を殺すつもりか。」
と...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十一話「Fight for you」
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正直、まともに歩くことさえままならない。
先の銃撃戦で大暴れした結果と言うか、人質達が囚われている証拠と言うか、いくらなんでも敵の数が多すぎる。
通路を通ろうとすれば防弾シールドとボディアーマーで完全武装した兵士が歩き回り、ただ隠れていても巡回する敵から逃げ回らなければならない。
レーダーを...SUCCESSORs OF JIHAD 第二十話「黒き刃」
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低く機械音を響かせながら、鉄の箱、エレベーターが下降する感触を俺は直に感じている。
微かな振動が足元から頭の先まで伝わっていくのが分かる。
だが、それ以外は何も感じない殺風景な鉄の箱だ。
俺はいいまでに起こったこと、そして作戦目標の確認のために、少佐の下へ無線を入れた。
「少佐。今技術研究...SUCCESSORs OF JIHAD 第十九話「疑心」
FOX2
乾いた衝撃音が空気中を伝い、頬に触れる。
衝撃音の発信源は鋭利に研ぎ澄まされた鉛の塊。
それが空間を、音の壁を突き破り衝撃波を撒き散らしながら鼻先を掠めていく。
刹那的な時間、1秒にも0.1秒にも満たない、本物の刹那。その瞬間が俺の眼に像として映し出されていく。
眼前の弾丸が、弾丸が・・・...SUCCESSORs OF JIHAD 第十八話「侵入者」
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少佐からの無線だ・・・・・・。
少々タイミングが悪い気もするが。
俺は背後で男を待たせたまま少佐との無線を繋いだ。
少佐とヤミの声が、俺を出迎えた。
『倉庫練が爆発しただと?』
『少佐。こちらでも衛星で確認できたよ。見事に吹っ飛んでる。』
「原因は分からないが、技術研究練手前に差し掛か...SUCCESSORs OF JIHAD 第十七話「アラートフェイズ」
FOX2
扉の先の通路では無数の銃口が俺と特殊部隊の男に照準を定めていた。
それを目の当たりにした瞬間、一切の思考が空白で塗りつぶされていた。
「敵だ!撃て!!」
次の瞬間、乾いた発砲音と共に数十発の弾丸が俺の鼻から数センチの空間を突き抜けていった。
俺と男は反射的に扉から身を引き、敵の掃射を回避し...SUCCESSORs OF JIHAD 第十六話「奇妙な会話」
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火の手から逃げついた先は、殺風景な鉄の小部屋だった。
内部に続くと思われる巨大な自動扉がある。
そして目の前に立つ、黒尽くめの男。
謎の爆発によって襲い掛かってきた火の手から俺を助けてくれたのはいいのだが、なぜかこの男のことが不審に思えてならない。
漆黒の戦闘服にタクティカルベストを纏い、...SUCCESSORs OF JIHAD 第十五話「遭遇」
FOX2
ここは倉庫エリアと言うだけあってかなり広い場所だ。
体育館のような巨大な倉庫に、様々な物資が置かれている。
この倉庫の一つ上の階には、更に物資を詰める小部屋が並んでいる。
俺はコンテナの一つに身を隠し、周囲の状況をうかがった。
敵がいる。
倉庫を見下ろす場所にある通路に、数名。
さらに...SUCCESSORs OF JIHAD 第十四話「爆発」
FOX2
扉を抜けた先には、蛍光灯で照らされた鉄の通路がある。
数メートル手前でT字に分かれており、どちらへ向かえばいいかは分からない。
それ以前に、俺の頭の中には先程施設内部に侵入するときに聞こえた航空機のエンジン音、そして、その直後に聞こえた爆発音らしき音が気にかかっている。
あれは一体なんだった...SUCCESSORs OF JIHAD 第十三話「バックアップ」
FOX2
ここはどこだろうか。
見渡す限りでは、建物の屋上と見えても不思議ではない。
手すりの向こう側には、俺が泳いできた湖と、外界と絶縁しているかのように針葉樹林が聳え立っている。
この屋上には先程通過した潜水艇のドックの部屋にあったもの同じコンテナが数個、隅に寄せられている。
背後では、俺をここ...SUCCESSORs OF JIHAD 第十二話「状況」
FOX2
十人のボーカロイドが食事をしていた。
一人がアイスをのどに詰まらせ九人になった。
九人のボーカロイドが夜更かししていた。
一人が葱でたたいても起きず八人になった。
八人のボーカロイドが外に出かけた。
一人がロードローラに轢かれ七人になった。
七人のボーカロイドが薪をわっていた。
一人が刀を振り回して...そして誰もいなくなった++十人のボーカロイド
Hituzi123
ダダダダダダダダ
勢いよく家の階段を駆け上がる。
プレスリーのポスターが貼ってある扉を乱暴に開ける。
「兄貴!!!」
「どうした。お前のプリンなら食ってねえぞ。」
「そんなんじゃない!」
異様なまでに真剣な妹の顔を見てデルはただ事ではないと思ったらしい。
「とりあえず、落ち着いてから話してみな。」
...止まるな心臓(モーター) 中編
晴れ猫
午前8時18分
「遅刻だ遅刻だ遅刻だーーーーーー!!!!」
そう叫びながら道を走る美少女(自称)。朝の陽光が私の銀色の髪を照らす。
午前8時21分 2年O組
「さー、授業始めるぞー。」
少し頭の薄い小太りの担任が朝のHRを始めようと出席をとる。
「浅井ー。井上ー。鵜飼ー。榎本ー。」
呼ばれて返事をす...止まるな心臓(モーター) 前編
晴れ猫