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螺旋状ノ恋
01
「カイト殿下、ミク秘書官様。本日はお越し戴き誠に感謝しておりますわ。」
アタシは満面の笑みを浮かべて言う。勿論その笑みは普段浮かべている偽りの物などではなく、心からの物だった。
「いや、丁度≪紅≫の工業の技術を学ぼうと視察を考えていたところでしたから。僕達にとっても都合がいい。」...螺旋状ノ恋 第一話 01
kmy。@元蒼刻楼藍
最初に...
この“螺旋状ノ恋”は、年齢・兄弟関係総無視、キャラ崩壊は当たり前の状態です(汗)
それでもおkという方のみ前のバージョンへお進みください★螺旋状ノ恋 第一話 前章
kmy。@元蒼刻楼藍
蒼い魔女が微笑んだ。彼女の手招きを目にした瞬間、そんな風に見えた。
四肢に装着した拳銃。流れる青い髪。妖艶な微笑み。
苦音シク・・・・・・。
数百の銃口を向けられようとも、そんな威風堂々たる姿を崩さない彼女の態度に、俺は一瞬、体を縛られたような感覚に陥った。
「デル!おい!!」
背後から...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十三話「蒼い魔女」
FOX2
体は無重力に包まれ、視界に蒼き地表が広がっていた。
ここは高度五万フィートの空。地球から、宇宙へと繋がる場所。
ミサイル型カプセル、ドローンの窓から周囲を見渡すと、そこには俺と同じくドローンに搭乗した仲間、そして、役五百発の空対地ミサイルだ。
これから、この仲間とミサイルと共に、的の重要施...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十二話「ハイテンション・ダイヴ」
FOX2
ロッカーの立ち並ぶ部屋で、俺はタイトと共に、あの浅黒いクリプトン社員、クロギンから渡されたコンテナの中身を確認していた。
まずは、俺が水面基地に置いて来たスニーキングスーツと特殊自動拳銃Ⅳ型、GPS端末で、タイトにも色違いのスーツが用意されていた。
そして次に目に付いたのが、異常な数の銃火器類...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十話「得体の知れない男」
FOX2
鉄の階段を、駆け上がった先に到着した俺は、まず最初に、絶句した。
眼前には、視界を覆いつくす程の巨大な何かが聳え立ち、その周りを色とりどりの作業服を着たクルーが忙しなく駆け回っている。
「これって・・・・・・。」
隣のワラが驚きのあまり声を漏らした。
確かに、突然こんなものが視界に迫った...SUCCESSOR's OF JIHAD第五十九話「ブリーフィング」
FOX2
ブリーフィングルームで俺達を出迎えたのは、海軍将校の制服を纏った、威厳のある顔をした初老の男性だった。
「ようこそ。我が雪峰へ。私は本艦の艦長である、壮河凪だ。諸君らとは、あの戦闘以来だな・・・・・・。」
そう言い、彼は俺達に向け敬礼した。
彼の襟を見ると、大佐の階級を示す三ツ星が輝いている...SUCCESSOR's OFJIHAD第五十八話「『す』から始まる言葉」
FOX2
第二回目の出撃。
その任務開始から既に十時間ほど経過したところだろうか。
そしてこのVTOLの操縦桿を握り締めて三時間が経つ。
自体は思わぬ方向に発展したものの、俺とタイトは任務を遂行することができた。
が、現在の状況が絶望的であることに変わりはない。
Piaシステムの作動により、日本...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十七話「着艦」
FOX2
コンソールに視線を巡らせ、ボタンやスイッチ類に指を走らせる。
問題ない・・・・・・こういった航空機の操縦は熟知しているつもりだ。
油圧正常。エンジン異常なし。
飛べる。
コックピット内に、エンジンの躍動が響き始め、メインパネルのモニター類から正常に起動したことを告げる電子音が鳴り響いた。
...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十五話「覚悟」
FOX2
「ようやくお出ましか・・・・・・。」
無意識にそんな言葉が漏れたが、それも頭上に群がる鋼鉄の巨鳥達、VTOLが轟かせるエンジンの爆音でかき消された。
無線にパイロットの通信が入る。
『遅れてすまない。そいつのほかに敵勢力は。』
そいつ。つい今まで俺と激戦を繰り広げた重音テッドは空中のVTO...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十四話「緊急離脱!」
FOX2
「さぁ、ここからが本番だ!」
その言葉と同時に突き出される、鋭利な刃。
だがそれはこの男の腕、重音テッドから繰り出されるグロテスクな触手だ。
「うおぁ!!」
その腕は思いのほか長く伸び、俺の鼻先で空を切る。
「どうした?お前からは仕掛けてこないのか?」
奴の顔に浮かぶ余裕の笑みが月明か...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十三話「ABANDON ALL HOPE」
FOX2
互いの背中が触れ合い、タイト背後を任せながら、俺は神経を知り巡らし奴の気配を探った。
重音テッドと名乗ったあの男は、俺達の前に姿を現したかと思うと異常な跳躍力で森の中に紛れ込んでしまった。
だが今のところ、奴がどのような攻撃手段を講じてくるのは不明だ。
「デル。俺はこの二人を安全な場所に退避...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十二話「キメラ」
FOX2
闇の中から響き渡った、禍々しい微笑み。
その笑い声を発した主は、まるで空気のように気配だけで木々中からこちらへ近づいてくるのが分かる。
俺とタイトは、寸分の油断なく銃口を気配の方向へ突きつけていた。
「ふふっ・・・・・・。」
木と木の合間から不気味な笑みが漏れ、そこから赤い髪をした男が、...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十一話「月夜語り」
FOX2
全てが停止した。
時間も。風も。ここにいる全ての者たちも。
キクが羅刹の如き奮迅ぶりでABLやテロリストのヘリを破壊した後、世界は、黄金色の月明かりに照らされた夜となった。
あれほど大地を焼き尽くし全てを飲み込んでいった炎は跡形もなく消え去り、ただ荒れ果てた無毛の地の上には、一人の少女が立ち...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十話「内なる何か」
FOX2
突如として転がり込んだその報は、この場所そのものを凍てつかせた。
ここにいると、危ない?
何故?
「キク。どういうことなんだ?何が危ない?」
決して取り乱さぬ口調で、タイトが問いかける。
『てき・・・・・・敵がきてるの。たくさん・・・・・・たくさん。囲まれてるよ。』
彼女の声には、まる...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十八話「紅き巨月」
FOX2
彼女に導かれるまま、俺は板張りの床へ踏み込んだ。
コンクリートや鉄とは違う、素足で感じるのは初めての感触に新鮮味を覚える。
俺と、そしてタイトは縁側に近い、ガラス越しに竹藪が映える客間に通された。
こんな日本家屋でも洋室ぐらいはあるのか。
「ちょっと待ってて。すぐに着替えてくるから。」
...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十七話「本拠地」
FOX2
俺の周りでは、人々が生み出す様々な音で溢れている。
雑踏・・・・・・。
話し声・・・・・・。
笛の音・・・・・・。
太鼓の音・・・・・・。
そして、俺の周り、この商店街には様々な人間で溢れている。
この町独自の祭行事か、法被や浴衣姿の人間が目立つ。
こんな場所にいることは、俺にとって...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十六話「尾行」
FOX2
いつの間にか、窓に映る景色には目が癒されんばかりの緑が覆っていた。
灰色の世界から、いつの間にか緑色の世界に放り込まれたのだろうか。
その緑さえも、時の流れによって朱に照らされそうとしていた。
「そろそろ火窪町です。降りる準備をしてください。」
ため息混じりに運転手が告げる。
そういいな...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十五話「目的の地」
FOX2
・・・・・・。
仄暗い空間の渦中より視界が蘇った。
起床時間も近く、部屋の発光壁は外と変わらぬ光を部屋に行き渡らせている。
俺はベッドから這い上がり充電器のプラグを手首から外すと、スニーキングスーツに着込み、バックパックを取り付けた。
そろそろ時間だ・・・・・・。
レーダー用の端末を見る...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十四話「今度は・・・」
FOX2
午後九時十分。
全ての装備を解きヘッドに身を深く沈めると、脱力感としか言いようのない感覚に襲われた。
今日という日に行った任務は、今まで体験したどの訓練よりも意外な出来事だった。
人質は死に、今となっては仲間であるミクやキクに襲われ、ヘリの大軍団を相手にした・・・・・・。
今までに、二十四...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十三話「眠れぬ夜」
FOX2
追憶の内、今思えば、あれは一夜の夢であったような気がしてならない。
だが、実際夢ではなかった。
あの夜の出来事は、確かに起こった事態だった。
空軍配備の軍用アンドロイドとして、俺は遥か異国の地、今は無き国、興国の森林部へと、XC-2と呼ばれる空軍輸送機からパラシュート降下し、興国にある核ミサ...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十一話「月の下で」後編
FOX2
その巨大な鉄の空洞は、地下格納庫、と呼ばれている。
この水面基地に配備されている航空機は、全てここから地上の射出カタパルトまで、エレベーターで持ち上げられ、そして発進する。
この基地はかつて存在していた旧興国が繰り返す領空侵犯に対処すべく建造されたため、スクランブル発進する戦闘機を一刻も早く空...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十一話「月の下で」前編
FOX2
水面空軍基地。
何とも清潔な施設内だ。
皆と一緒にヘリポートから施設内に足を踏み入れた瞬間、そう思えた。
床は丁寧に磨かれ、清潔感のある白い壁はそれ自体に発光する装置が組み込まれているらしく、柔らかく目に優しい光を放っている。
俺が今まで過ごしてきた陸軍の研究施設は不潔ではなかったものの、...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十話「現状報告」
FOX2
アクリルのキャノピーから見下ろす景色は何時からか、黄色から朱に、緑から青に変わっていた。
午後から夕刻となり、樹林を抜け海へとたどり着いた。
俺は方角を見失わぬよう、レーダーのナビゲーションを注視しながら、今尚ブラックホークの操縦桿を握っている。
レーダーの液晶画面に記されたラインの先には、...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十九話「夕日の水面基地」
FOX2
目前に迫る絶望を打ち破るため、俺は親指のスイッチを押し込んだ。
その瞬間凄まじい振動が俺の腕を体後と揺るがし、前方で眩いマズルフラッシュが巻き起こった。
ミニガンから打ち出された弾丸がレーザーのように光線を連ね、ガンシップに吸い込まれていく。
俺はひたすらスイッチを押し続け、次の瞬間、光線...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十八話「一日の終わり」
FOX2
一瞬にして、鋼鉄の絶望が群れを成し、蒼天の空を覆い隠した。
俺達は、タイト達が乗るブラックホークごと完全に包囲されたのだ。
この絶望は、一体どこから?
「これで逃げられはせん。ゆっくりと話をしよう。」
奇妙なヘルメット越しでも、目の前に立つ男の余裕の表情が見て取れる。
「あなたが・・・・...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十七話「戦い」
FOX2
ミクが驚異的な力で群がる敵性アンドロイドを全て破壊しつくしたことを確認した博士が、ヘリを大きく揺るがせた。
「うお!」
シートなどに腰掛けていない俺はその衝撃で簡単にヘリの内部を転がる。
俺はどうにか座席に腰を下ろすと、ヘリの中を見回した。
ワラともう一人の部下、そして傷ついたタイトに寄り...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十六話「再び会えて」
FOX2
乾いた衝撃音が、ヘリポートから雲ひとつない蒼天の空へと響き渡った。
鉛の9ミリ拳銃弾が真空を切り裂き、音速で着きついた先で火花を散らした。
そうして一体のアンドロイドが、弱点である頭部センサーを撃ち抜かれコンクリートへ沈んだ。
それが、激戦の火蓋を落とした。
「ヴォォオオウゥ!!!」
残...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十五話「雷神降臨」
FOX2
その眼光は、たとえ片目であろうと鋭利な刃物の如く鋭く俺を突き刺し、引き金に掛かった人差し指さえも動くことは叶わない。
俺はただ、目の前にいるアンドロイドがどのような行動に出るかを待つしかない。
だが、おおよその見当はついている。
彼の紫の瞳が示すものは、俺に対する憤怒。
彼が胸に抱く赤髪の...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十四話「諍いと和解」
FOX2
いたい・・・・・・いたいよ・・・・・・
くるしいよ・・・・・・
だれか・・・・・・たすけて・・・・・・
あのおとが・・・・・・きこえるの・・・・・・
...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十三話「Cry Crysis」
FOX2