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17件
A
私は馬鹿だよ みんなは雑草だよ
泳いだって酸素はくれない
自分で生きてきて 途中で投げ出して
裏切ることしかわからない
意識がこの世で何も意味のないものと騒いで
S
泣いて 塞いで 聞いて
戦後の世界で
お家が静かで...命の灯【曲募集中】
saki
変わりゆくもの
目の前の敵兵が傾いで視界が開ける。手近の一群をかろうじて斬り捨てたトニオは、がっくりと膝を付いて項垂れた。息は上がり、鼓動が耳を打つ。双剣の一本は半ばで折れ、もう一本には亀裂が走っていた。
ここまでか……と自身の限界を悟り、重い頭を持ち上げる。周囲は血の海だ。王宮兵士と革命軍兵...蒲公英が紡ぐ物語 第51話
matatab1
外の世界から守られた鉄壁の箱庭、天高くそびえたつ鉄塔、
風はなく人工の空が輝く。
何百年も続いた戦争により、太陽は遮られ、森は燃え、
空は粉塵にまみれ、草木が生えない灰色の大地。
人は住めない地になった。
この箱庭だけを残して。ずっとずっと昔の話だ。
俺の名前はK。
このEDENで生まれた。
...EDEN
nika
王子の守護者
「来たか……」
反乱軍の先鋒が到達するまで間も無く。見張りからの報告を受け、アルは武器を握る手に力を込める。斧と槍が複合された長柄武器が僅かに揺れ動き、石突きが地面を撫でた。
「いよいよ、か」
両手に剣を携えたトニオが重く答える。近衛兵隊も含めた残存兵は庭園に集結し、息が詰まるよ...蒲公英が紡ぐ物語 第48話
matatab1
偽りの忠誠
黄の国騎士団が青の国へ出立して一カ月。
落ちぶれたとはいえ、一級品の装備に身を包んだ多勢の騎士団は瞬く間に海向こうの国を侵攻した。第三王子カイトが暗殺された事件によって混乱する青の国は勃発した戦争への対応が遅れ、各地を占領される事になった。
元々軍事力に劣り、後手に回ってしまった...蒲公英が紡ぐ物語 第38話
matatab1
断ち切りし因縁
「何事ですかな。王子殿下」
白々しい挨拶を述べるスティーブに舌打ちを堪え、レンは玉座から宰相を見やる。慇懃無礼の態度が酷く癪に障るのは、故意に火災を発生させておきながら王宮で安穏な生活を貪っていた事実を知ったからか。
爪が食い込ませて拳を固め、レンは腹の底に渦巻く感情を抑えつけ...蒲公英が紡ぐ物語 第35話
matatab1
内なる敵
騎士団が出立した黄の国の王宮。剣の稽古帰りにリリィを見かけ、レンは通りがけに尋ねた。
昨日からリンベルの姿が見えないが、何か聞いたりしていないか。
リリィは首を横に振る。行方を知っているかもしれないとなけなしの期待をかけていたが、彼女も事情が分からないらしい。
「一昨日の……確か夕方...蒲公英が紡ぐ物語 第34話
matatab1
各々の悩み
「ふあ……」
黄の国王宮。日の光がさんさんと降り注ぐ中庭で、リリィは口を押さえて大きく欠伸をする。庭園を抜けるそよ風が、腰近くまで伸びた金髪を揺らした。
暑すぎず寒すぎず、吹く風も気持ち良い。外出をしたり外で遊んだりするには絶好の季節。庭師が丁寧に手入れをし、花壇に綺麗な花をいくつ...蒲公英が紡ぐ物語 番外編 第19.5話
matatab1
変わるもの、変わらないもの
リンがリンベルとして王宮に仕えるようになり三ヶ月。
先輩のリリィから指導を受けつつ、リンは王子直属のメイドとして働いていた。最初の頃は激変した王宮に戸惑ったものの、玉座の間や王子の私室までは派手になってはおらず、おそらく上層部の貴族がやったのだろうと判断が出来、レン...蒲公英が紡ぐ物語 第20話
matatab1
変化の一石
ドアを激しく叩く音。声がかき消されそうな中、レンは顔を上げて少女に簡潔に伝えた。
「ごめん。多分騒がしくなる。君は傷つく事を言われるかもしれない」
椅子から立ち上がって部屋の入り口に向き直る。同時にドアが開き、年配の男が入って来た。続けてトニオとアルが入室し、閉めたドアの両脇に立つ...蒲公英が紡ぐ物語 第12話
matatab1
救う者 救われた者
後は自分達に任せて欲しい。二人からそう言われて、レンは後ろ髪を引かれる思いをしながら、その意見を聞き入れる事にした。
本音を言うなら、救助隊に加わってリンを捜したい。しかし、先程トニオが指摘した通り、もうそんな事をする体力は残されていない。行った所で周りに迷惑をかけるだけだ...蒲公英が紡ぐ物語 第11話
matatab1
命の重さ
騎乗したレンは王都の中心部を駆け抜け、貧民街に一番近い地区を突き進んでいた。風を切りつつ街を見てみると、どうやらここまでには火の手が回っていないらしい。その事に安堵を覚えたが、レンは不安と恐怖を抱えたままイノベータを走らせる。
「何で……。何で!」
双子なのに。王女なのに。どうしてリ...蒲公英が紡ぐ物語 第10話
matatab1
「リンダ、リンダ~」
ギターを抱えた、リンちゃんが、マイクに向かってシャウトする。
横にいる、リードギターのサナギちゃんが、弦を弾いてのけぞる。
ギュウーンンン...
ベースとドラムがつくる低音のうねりが、ホールに渦を巻いてとどろいている。
「うわ~。あいつ、けっこう激しい曲やるんだなあ」
...玩具屋カイくんの販売日誌 (124) テトさんのドール(ゆくりさんの音楽アート・フェス Part4)
tamaonion
「このオモチャ、面白いですねえ!」
レンくんは、売り場の汽車の玩具を手にとって、ながめる。
「ドイツ製ですよ。ペン立てになってるんです」
トニオさんが言う。
馬喰仮面町にある、トニオ福森さんのお店「マルクト」に、レンくんは来ていた。
ここは、輸入の雑貨や文具を置いてあるお店だ。
このあいだ、りりィさ...玩具屋カイくんの販売日誌 (121) ゆくりさんの、音楽アート・フェス (Part1)
tamaonion
~五番目~
ピンクの髪の女はスッと目をひらいた。彼女の目の前には小さな女の子と髪の黄色い女の人が立っています。
「……今までのアリスっていうのを見せてもらったけど、どの人もあれね、急に我を失っているわ。」
ピンクの髪の女は紙の黄色い女性にいう。
「で、次は私がアリスに選ばれた。これであっているのよ...人柱アリス6
あき
「え、ミクドールって、私、よく見たことなかったけど」
モモちゃんは、そう言って、店のチラシを、机の上でトントンとそろえた。
「そんなに、ここに展示してる、“アマガエルのフォギー”に似てるの?」
彼女は、不安そうな顔をした。
「うん、なんか似てるみたいだヨ」
テッドさんはうなずいて、店内に並べてある、...玩具屋カイくんの販売日誌 (111) パクリかどうかを探れ!
tamaonion
●アース祭りのドナドナ号
「ぴよぴよぴよ、ぴーよぴよ」
野外ステージの上では、人気者のタレントで“学者”の、「ことりクン」が、さわがしく話している。
東京の大きな公園で開かれている、「アース祭り」のイベントは、多くの人で賑わっている。
「さわがしいけど、みんな楽しそうだね」
その様子を遠くに眺めなが...玩具屋カイくんの販売日誌 (101) 新しいお店が登場!
tamaonion