タグ「MEITO」のついた投稿作品一覧(44)
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-第十九章-
ふと、レンは甘い香りに顔を上げた。甘い紅茶とジャムの香りである。
「レン、いらない?紅茶とお菓子。ジャムつけると美味しいんだ、コレが」
「あ、うん。ありがとう…」
「ルカさんのこと、気になるの?大丈夫、きっとすぐに目を覚ましたって報告が入るよ。だって、守...真実のガーネット 20
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-第十八章-
言ったまま、メイトはしばらく何も話さなくなった。
誰も、声を発しようとはせず、狭い部屋に重い沈黙が流れていった。一秒過ぎるごとに、空気の重さがずんずんと増えていくように感じて、皆が固く口を閉ざした。
「…よくわからないけど、その病院にいってみない?パトカ...真実のガーネット 19
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-第十七章-
「…そっくりだね」
そういったのは、やっと車から降りてきたリンだった。
「うん、双子みたいだよね」
「それは、お前らだろ」
ぎろりとレンを睨んだメイトに、レンは少し困ったように笑った。
「しかし、俺はレン以外の奴らを呼んだ覚え...真実のガーネット 18
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-第十六章-
二人はとりあえず、町へ出てみることにした。と、いうのも、カイトから頼まれたお使いのついでに、町の中で帝国がおかしな行動を起こしていないか、見てみる必要があると踏んだからだ。
とことこと歩きながら、頼まれたものを探しつつ、周りの人間たちの行動には目を光らせて...真実のガーネット 17
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-第十一章-
リンは紙袋の中をごそごそと漁り、お目当てのものを見つけると嬉しそうにそれを取り出し、部屋を出た。進む先は勿論一つ、レンの部屋に他ならなかった。
コンコンと何度かノックし、反応ナがないことを確認すると、リンはにやりとわらってわざと中に聞こえるように、声...真実のガーネット 12
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-第六章-
酷く眠い。
流石に、一睡もしていないのは、辛いのだ。
今目を閉じると、すぐに眠ってしまいそうで、瞬きするのも少しためらってしまうほどだった。手元にある分厚い本は、レンにきづかれないようにそっとレンの部屋から持ち出した本だった。題名から察するに、守護者たちに...真実のガーネット 7
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・第五章・
「――どういう風の吹き回しですか?」
館を出ようとした二人に、ルカが言った。
いや、正しくはレンに言ったのだろう。その声にレンは立ち止まり、そしてルカのほうへ静かに近づくと、意味がわからないといった表情でルカを見た。
「何が?」
「あなたがこんなこ...真実のガーネット 6
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「さあ、早く。何をぐずぐずしているのよ!早くその子を頂戴」
せかされて恐る恐る足を前と進める怜の背中にはつめたい汗が一筋、背筋をゆっくりと伝い落ちていった。
一歩ずつ前に出ると、相手がじれったいと言う様に歯軋りを始めた。
「…芽衣子、いいか」
「ええ」...満月の夜に Ⅹ
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☆*゜・。
内容を理解した芽衣子は唐突な展開に脳がついていかず、理解した内容を何度も繰り返しては流騎に確認を取っていた。
「…わかったわ、大体のことは。それで?これから、どうしたらいいの?」
「めー姉は…というか、めー姉達はやられ役。芽衣斗さん達は簡単に近づけるだろ...満月の夜に Ⅷ
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☆*゜・。
来緒が部屋の中へ入っていってしまったのを見ていた三人は、顔を見合わせて小さな声で話し出した。
「…どうする?」
「どうするも何も…来緒が案内してくれるみたいだし、行かないの?」
「ですが、この洋館が地図で示された場所ならば、彼も敵の一人かも知れません...満月の夜に Ⅶ
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あらかたの説明を終えると、来緒は満足げにソファの上にあったクッションを抱きかかえてあくびをした。
「…どう?協力…してくれる」
「…。…はい。協力しないと危ないみたいですし…。いいですよ」
「よっしゃあ!!」
嬉しそうに立ち上がってガッツポーズをとる来緒...満月の夜に Ⅵ
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☆*゜・。
桁外れのスピードを出して、海翔が走る。屋根から屋根へ、屋根から電柱へ、電柱から今度は木々の枝へと飛び移り、学園へと急いだ。学園の校舎が見え始めるとさらに足を速め、行儀などお構いなしに部室の窓を見つけると開きっぱなしの窓から中へと飛び込んだ。しかし、その...満月の夜に Ⅴ
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学校では今日も天文部のミーティングが開かれていた。
とは言っても、話し合おうことなんて殆どなく、結局は今度の文化祭のときに使う押し付けられた装飾品の制作をしているのだが。文化祭はまだ先の一ヵ月後だというのに、こういうものを作るのが専門であるはずの美術...満月の夜に Ⅳ
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家というよりかは洋館といったほうがしっくりくるような造りと、二階へと続く螺旋階段。色とりどりの食器や青々とした木々が生い茂る、庭――いや、庭園といったほうが正しいのだろうか。中世ローマなどを思わせる洋館の中に住んでいたのは、所謂“お年頃”の男女だった...満月の夜に Ⅲ
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