春 の投稿作品一覧
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ねえ
君も思うでしょう 桜色ってさ
青空の中にある 桜を見てなんかないね
ねえ
見上げたとこにある 桜の花ってさ
光につつまれて ぼんやり見えるだけね
下水道の側溝 花壇の隅
植え込みの奥にうずくまって
塵の山だなんて 言わないで
君がほんとうの桜だよ...ほんとうの桜
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それなら私、鬼になります
散る点々は花か否か
狂ったように散る夜の
桜のかすかな匂いに咽ぶ
舞踏のように散る赤の
叫びを早く消し去って
鬼になる花は散る 私は鬼になる
ひらひらひら ひたひたた
ひらひ桜 ひたひ足は
音もたてず進んでいく...桜に泣いた鬼の色は
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透き通った紺の空に
ちりばめられた真珠のかけら
ぐらり傾いて落ちてくる
きっと愛が重いからね
繋いだ手を揺らして
ほら何か流れてるって
その大きな手の温もりが大好きで
ただ 強く握ったら はじけた!
波打つきもちは きっと伝えられない
光るきらきらは お姫さまのおとしもの...お星さまの愛のうた
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花
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ヌクモリ
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おとめ座の一等星になりたくて
アルクトゥルスを右折する
大きな夢を捨てられないまま
小さな夢をかきあつめてる
君の心を知れないまま
君の背中を追いかけてる
どうしても 諦めたくないから 許してね
誰にもいわないから ないしょにしててね
息継ぎを小数点の先でした
止まれないままもう少しだけ...まっててスピカ
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君がのこした百八の
感情をかき集めて
もう隣にいないなんて
まだ 信じられないよ
涙をためた瓶の中
切れた赤い糸の先を
ひたしてまばたきをひとつ
ほうら 灯りがともった
ひどい事 たくさん言ったね
わがままもたくさん言ったよね...涙のランプ
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青い小鳥がさえずるように
「すき」って言ってしまえれば
わたしの小さなどきどきが
全部あなたに届くのに
紫陽花が雨に打たれるように
涙が私を染めるなら
いくじなしの唇が
少しの勇気を持てるのに
気付きたくなかったの こんな気持ち
気付かない振りしてたのに...青い小鳥のたからもの
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あなたの綺麗な字
その字で「好き」と書いてほしい
あなたの優しい声
その声で「好き」と言ってほしい
遅いかもしれないけど
漫画や映画でいつも見ていた
こんなに胸が苦しいって意味が
今痛いほど分かるよ
わたし 意気地なしだから...恋
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失敗ばかりの人生って
君は顔を歪めるけど
この左手の温もりも
青に滲むあの虹も
君にとっての失敗作なの?
千切ったノートを散りばめて
星の屑にも及ばないって
嘲る君の瞳には
もう光は映らないの?
届かなかった夢の海に...トラペジウム
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小さな坂道挟んで 手を振り合ったね
今までありがと さよならって
「僕らが歩くこれからは 違う道だけれど
さよならはしたくないよ」だなんて
我が儘は押し込めた
ちがう街に行くけれど
ちがう世界に飛び込むけれど
花束から零れるものは私の
涙じゃないよ 知ってるでしょ
花が咲く前に 話したいよ...はなうた - flower of good-bye
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ぼくは紙飛行機 大空を飛びまわる
風を切って 海をこえて
両手を広げたら バランスを崩さずに
山をこえて 谷もこえて
部屋をとびだして 遠くの町へ
青い世界が ぼくを待つよ
さよなら ぼくのふるさと
ぼくは飛び立ってゆくよ
すずめもからすも ホラもう友達
ありがと ぼくの思い出...いじっぱり少年の紙飛行機
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ほら 空を見上げてごらん
希望の光が揺れている
あの 灰色の雲も
野ばらのアーチに変わるから
下を向かないで
歩いたらいいのさ
自分で決めたこの道の
草原を掻き分けて進め
過去という時間よりも...九十九個の星屑
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置いてかないで まだいけないの
ひとりで置き去り タルトタタン
置いてかないで みんなも時間も
ひとりは嫌なの タルトタタン
きらきらひかる みんなの瞳
真っ赤なリンゴと キャラメリゼ
私のハート ひっくり返って
もう見えないの タルトタタン
分かっているのよ ひとりじゃないって
分かっているの ひ...タルトタタン
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帰り道 手をつないでた
あの日の夕日 覚えてる
秋あかね ふたりを急かした
夏が終わって さよなら大好きだった君
君の隣を ふわふわの
白い木綿の ワンピース
君の右手は 握ってた
私のじゃない 左手を
のっぽの向日葵 長い影
高鳴る鼓動は 止められなくて...さよなら初恋だった君
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ららら 恋してる始発
君までの 一時間
ゆっくりと 各駅停車で 参ります
改札口で 見かけた君を
追いかけて 往復切符
駆け込み乗車は 危険です
高鳴る気持ちは マナーモード
片思いの 長いトンネル
抜けたらそこは 夢の街
君と乗りたいの 快速電車...恋してる始発
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あのね もっと深く
入道雲を 掻き分けて
深く深く 潜っていくんだ
真っ青な あの空の底まで
そうだ もっと遠く
霧の暖簾を くぐり抜け
遠く遠く 泳いでいくんだ
真っ白な あの雲の上まで
僕は空飛ぶ深海魚
曇った提燈 ぶら下げて...空を飛ぶ深海魚
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「暑い日が続きますね」 朝顔柄の暑中お見舞い
浮かぶ君の言葉 あの夏を思い出す
風鈴がさえずる朝 麦わら帽子 虫かごも
準備は万端だよ
太陽の匂い ざわめく蝉の声
照りつけるアスファルト
向日葵 君の笑顔
鳳仙花 はじけるように 指先を触れるだけ
僕の心はこんなにも簡単に 飛び跳ねて爆発しそう...夏一枚
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青嵐(せいらん)が星屑 散らす夏 追いかけていく
露草の青い息が頬 切って走ってく
朧雲に溶けた 彼岸花もう届かない
香る君が 見えなくなる 煙る夜
三日月が灯す宵 静けさは乱れ深く響く
霹靂が掻き混ぜ 居なくなる
夕闇の墨黒く 薄(すすき)の小筆を馴染ませてく
風鈴の音色に 耳傾け(かぶけ)
...泡沫の夏、消失
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土砂降りの午前二時
蒸し暑くて 眠れない
見上げた空は 暗い灰色
君の好きだった 星が見えないよ
どうして?
幾つの朝焼け 東に見て
幾つの夕焼け 西を眺めた
感じてた温もりは
もう思い出せなくなって
泣いても泣いても 何も変わらない...午前二時の土砂降り
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空は泣いてた 嘘つき二人
雲の切れ間に 押し潰されそうな僕が一人
掻き混ぜられた夢の途中で
蟻地獄みたいに底無しの不安を
積み上げてきた 僕らは二人
嘘をつき続けて これからも過ごすの?
本当にいいのかな 分かんない
寄せ集めの憧れを 持て余してる
もう時間はないと急かす追い風
子供だった僕を追い詰...十八の嘘
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溶けそうな夏
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春一番を待つ
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ほおずきの提灯 小路に月草
楓は風誘う 紅葉は水屑に
長月九日 菊の香を仰ぐ
初霜はおしろい 藪柑子(やぶこうじ)は口紅
小夜烏の歌合 小文は君に届きましたか
竜胆(りんどう)の生垣 覗けば思い出
羞花閉月の君 十三夜の前に
長月十日 時は泡沫で
小筆は花薄(はなすすき) 彼岸花は朱筆
女郎花(おみ...文と撫子
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ひとつ その小さな罪が
タランテラを歌うカナリアのように
ふたつ 重なった鼓動の
片方が泡になって 青に消える
声のない私 音の奏でられない私は
そうね丁度 あなたの哀れな妹
君に触れるための代償
歌声は永遠(とわ)に 空に吸い込まれました
君に誘われるたび ガラスの靴が割れて散ります
それでも私は...chanter(シャンテ)
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昨日図書館で借りた革表紙の
分厚い本を返した帰り道
ずっと憧れていたあの雲が
いつの間にか ただの水の塊に見えるように
なっていた
世界を証明するだけの そんなつまらない
知識なんていらなかったのに 意思に反して
私の中に積もってく
午後2時20分 地面を蹴って...東京発、青空行き
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右手と左手いっぱい使っても
10本じゃ解き明かせない方程式
単語カードに書き散らしても
覚えきれない恋のロジック おまじない
インテグラルの端っこにまたがって
今日は難しいこと忘れよう
星屑こぼした黒画用紙に
靴紐を結んで飛び出せば
蛍光ペンで夜空に落書きしちゃえ
空っぽにしたテトラパックに...星空探訪
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ハローマイファミリー
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草唄う
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ゆれた雫を零さぬように
小さなバケツを右手に持って
濡れた瞳を隠せるように
大きな風呂敷に入道雲詰めて
僕はずっと憧れてたんだ
人差し指をめいいっぱい伸ばしても
届くことは決してなかったんだ
それだからホントに欲しかった
小瓶の中の透き通った碧を
吸い込んだ小さな塊は...バイバイ・ブルー
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