KAITOメインで小説のような物を書いています。 カップルではカイメイ、がくルカ推奨ですが、基本的にKAITOだったら、BLだろうが亜種だろうが、なんでもOK。 ☆ちょっとだけ大人な作品はこちらに http://pixiv.me/hijiri-kyou Twitter:https://twitter.com/hijiri_kyou
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2013年2月15日……。
新たなフィールドを得たあの日から、俺は不思議な夢を見始めた。
折に触れ何度も見る夢。
明るくて、暗い。
温かいのに、冷たい。
完全な静寂と、萌えいずる喧噪。
よく知っているはずなのに、始めて体験するような感覚。
舞い上がるような喜びと、押しつぶされるような...Birth~無音の声 無色の緋~ 心象描写「So-La 2013 」
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Act1 鏡音リン
一階にあるリヴィングから、三階にある自室に戻ろうとした鏡音リンは、途中の二階で、とある部屋の前に立つメイコを見つけた。
その部屋はちょうどメイコの部屋の正面。空き部屋のはずだ。
レンからは何度も、あの部屋には絶対、どんなことがあっても近づくな、と言われている。
「メイコ...V3の前日The MEIKO
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1
草木も眠る丑三つ時。
女は矢庭に立ち上がると、目の前にいる菖蒲色の侍を指さした。
「私は必ず戻ってくる! その時再び勝負だ! 神威がくぽ!」
指さされた侍は、猩々緋を纏う女を見上げた。
「うむ、よかろう。某(それがし)、逃げも隠れもいたさん」
「よく言った!」
女は崩れ落ちるようにソファ...【カイメイ】悪い男14~ある意味カイトの真実?~
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壱
あの日と同じ、冬の天空に上弦の月が、浮かぶ夜に思い出す。
寄せ木細工の自鳴琴(オルゴール)を人知れず開き、流れ出る懐かしい曲に、耳を傾けるように。
普段は記憶の底に封じ込めた、雪に落ちたあの花の姿を。
上弦の月が照らす道に、響く固い足音。
道の石畳に落ちる、月光が作る薄い影。
月夜に...雪の褥(しとね) -心象描写 上弦の月-
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色々となめていた。としか言い様がない。
まず、晩夏の残暑をなめていた。
次に仕事が昼前に終わることをなめていた。
なんと言っても、『モジュールジーニアス』をなめていた。
詳しく説明するとこうなる。
八月も終わろうとしている今日の仕事は、『モジュールジーニアス』でのサムネ撮影。
予定...夏の終わりのブルー
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その白い姿に、神威がくぽが気づいたのは、偶然だった。
そうでなければ車道を挟んだ反対側にある、フラワーショップから出て来たただの客として、視界の端へと流してしまっていただろう。
晩夏の日差しにも眩しい、ベージュのダブルのスーツは、見た目涼しげな麻の生地。
目深にかぶった白い帽子の下からは、...Prayer
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カイトの家のリヴィングでは、エアコンを二十八度というやや高い温度設定で使っている。
そのせいかソファで横になり、眠っているミクは、首筋にうっすらと汗をかいていた。
テーブルの上には、大量の英語のテキスト。
ヒアリングのためのポータブルオーディオプレイヤーに、ヘッドフォン。
英語の声(D...V3 ENGLISH の前日 The ミクさん
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1
リビングから聞こえる明るい笑い声は、少女特有の少し甘くて高い音色。
知らず知らずのうちに、カイトの口元に笑みが浮かんでいた。
扉を開けると、二人がこちらを見た。
「ミク、リン、レン、そろそろ出かける時間じゃないの?」
二人は身支度をすませ、リビングのフローリングの床に直に座って話しをし...悪い男10 ~レンの憂鬱 カイトの沈黙~
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悪い男 番外編 ~影の人~
「ルカ、お茶入ったわよ」
両手にマグカップを持ったメイコが、リビングに入ってきた。
「ありがとうございます。お姉様」
ソファで寛いでいたルカの前とその隣にカップを置き、メイコはルカの隣に座ると、早速コーヒーを飲み始めた。
「どう、ルカ。仕事には慣れた?」
カップ...悪い男 番外編 ~影の人~
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流 星 -心象描写 Pane dhiria-
天を貫くようにそびえる岩山。頂へと続く螺旋の道。
長い旅路の末、男は山頂にたどり着いた。
元は端正であっただろうと思われる、頬が落ちた顔に、蒼髪を乱れさせた男が持つのは、竪琴一つ。
他に武器もなく、支える者もいない。
それでも男の、至極の青の...流 星 -心象描写 Pane dhiria-
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前編
1 一月十四日
隣で動く人の気配に、メイコは目を覚ました。
(カイト……?)
そうだ。昨日の夜、カイトを引き止めて……そのまま……。
まだぼやけている意識の中で、メイコはぼんやりと考えた。
姉弟から恋人同士になってやっと一ヶ月。
メイコの部屋でカイトが夜を過ごしたのは、今回が初めて...【カイメイ】解放の前日
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Act1 鏡音レン
一階にあるリヴィングから、三階にある自室に戻ろうとした鏡音レンは、途中の二階で、とある部屋の前に立つカイトを見つけた。
そこは『カオスの部屋(悪い男3番外編「カオスの部屋」参照)』と呼ばれる、この家最大の謎の部屋だった。
真剣な顔で扉を見つめるカイト。
いつもは穏やか...V3の前日
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序
それは、いずれの時代のことでありましたでしょうか。
気が遠くなるほどの、遠い昔。
人々がまだ、弓を引き、槍を持ち、刃を振るい、軽々に命を散らしていた頃のこと。
この地は戦場(いくさば)でございました。
幾度も繰り返される、愚かな戦い。
大地は数多の血で穢され、屍肉は野に晒され、弔いの...夢告げの夜 ~捧(sasagi)-心象描写「祈声」- 前日譚~
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悪い男 7 がくぽのローズレッド
ノックを軽く二回。
「俺です。迎えに来ました」
三階にあるルカの部屋まで、がくぽが迎えに来たのは、仕事に行く為ではない。
今日は二人でだけでの観劇。
ルカが観たがっていた、ミュージカルのチケットを手に入れ誘ってみると、喜んで誘いを受けてくれたのだ。
「どう...【ぽルカ】悪い男(7)~がくぽのローズレッド~
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マスターとカイトと涙の理由(わけ)
レコーディングスタジオへの階段を、メイコは駆け上がっていた。
もちろん、エレベーターはあるのだが、そんな物は待っていられない。
今日は久しぶりのオフ。
家で昼食をとった後、さて、どこかに出かけようかと思っていた時に、なじみのマスターから電話が入った。
「...【カイメイ】マスターとカイトと涙の理由(わけ)
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真実の真相~ truth of the truth~
何千人の人群れの中でも、後ろ姿ででも、俺はきっとその姿を見つけられる自信があった。
だから今日も見つけた。
「めーちゃん」
見つけたのは、レコーディングスタジオのある建物を出てすぐ。
夕日が当たって、少し眩しかったけれど、ちゃんと分...【カイメイ】真実の真相~ truth of the truth~