ここは、カレード町。訳すると、舞踏会の町になる。その名の通り、舞踏会場が2つもあるのが特長だ。その他に、ビルやレンガの建物、花や水などでこの町は構成されている。
「美しい町なのだが、それゆえに何かが足りない・・・。それは、何なのか・・・」
紫色の長い髪を1つに束ねたがくっぽいどが、とある屋上で町を見下ろしながら呟いていた。
「それは、混乱。そのために我々は、人知れず準備を進めている」
「ぶつぶつ言うのはやめにして、手伝ってよー、がくっぽいどさーん」
その後ろで何かを取り付けている、ところどころに包帯を巻いている仲間(?)の帯人が言った。
「時間がかかるようなら、俺に頼んでもいいんですよ。ただし、代償は高くつきますけどね、帯人さん?」
そう言って、にっこり笑う優しげな表情のキヨテルの言葉に、
「・・・俺は、がくっぽいどに手伝ってって言ったんだけど」
苦々しく帯人は言ったのだった。
「こう毎日毎日平和だと、あくび出ちゃいそう、ふわあーあー」
とあるビルの一室で、思いっきりあくびをする黄色い髪をしたレンはぼやく。そんなレンに、
「・・・そんなんだと、彼女できないぞ? レン」
赤い髪をしたアカイトは、そう言って鼻で笑う。
「彼女いない前に、俺、VOCALOID警察だもん! ・・・それに、アカイトだって彼女いないくせにー」
「なっ!! お、俺だって、恋人の1人や2人いたからな!」
「あれー、過去形??」
「う、うるせえ!」
そうやって、レンとアカイトが言い合いをしていると、部屋のドアが開いて中に入って来たのは、
「平和な時間が、終わりになりそうだぞ」
青い髪をしたカイトが、1枚の紙を手に持ってそう言った。
「「ほんとに!?」」
「あ、ああ・・・本当だ。これを見てくれ」
レンとアカイトに圧倒しながらもカイトは頷き、テーブルに紙を置いた。2人は覗き込む。
「・・・これ、いつ届いたんだ?」
しばらくして顔を上げて、アカイトがカイトに聞いた。
「昨夜1時15分だ。おそらく犯人グループが直接、ここに送ってきたと推定できる」
「・・・え? まさか入口のポストに入ってたの??」
レンが目を丸くさせながら、カイトにたずねる。
「・・・・・・2人とも、気づかなかったのか?」
「どうせ何も入ってないと思って・・・なあ、レン」
「そ、そうだね、アカイト」
「・・・いくら平和だとはいえ、ここまで注意を怠るのは信じられないな」
そう言って、ため息をつくカイト。
「あ!」
突然、レンが声を上げてテレビのスイッチを入れる。
「ぐっさんのお天気番組終わっちゃう! 俺、ぐみちゃん好きなのに!」
「・・・はあ」
「お前、この大事な時に何してんだよ・・・」
そんなレンに、カイトはため息をつき、アカイトは呟く。
「だ、だって、可愛いもん! ・・・って、ん?」
レンは言いかけて、首を傾げてテレビの音量を上げる。
「・・・えー、ここで臨時ニュースが入ってきたようです。昨夜1時15分に、VOCALOID警察に脅迫状が届いたようです・・・」
「・・・」
レンは、2人を睨みつける。
「わりい、わりい。レン、今度なんかおごってやるから、な?」
苦笑いしてアカイトが言い、
「まぁ、もう1度、確認するのもいいだろう」
仕方ないな、といった表情でカイトは言った。
「・・・その内容は、『この町6か所に、時限爆弾を設置した。今日午後6時までに解除しないと、この町が爆破される』というものです」
テレビの中のめぐっぽいどはそこまで言うと、にっこりとした笑顔で言った。
「ですが、心配ありません。私たちには、VOCALOID警察がいますから」
「ぐみちゃーん! 俺、全力でぐみちゃんのこと、守るから!!」
レンは嬉しそうにはしゃいで言う。
「・・・何も、ぐみちゃんだっけ? 狙われるわけじゃないんだから、そんなに大声で張り上げなくてもいいだろ」
アカイトは、ぼそっと呟く。
「・・・・・・それで、どうするの?」
テレビのスイッチを切り、レンはアカイトを振り返る。
「もちろん、爆弾を解除するぜ、レン」
「アカイトには聞いてない」
「・・・」
「アカイトの言う通り、爆弾を処理する。・・・レンとアカイトは、そっちに行ってくれ」
「えっ、カイトはどうするんだよ?」
「俺、こいつと行かなきゃだめなの? そんなのやだよ・・・」
「・・・レン、爆弾を処理できるのは、レンとアカイトしかいないんだ。それでもいやなら・・・今回の事件が無事に解決したら、ゆっくり話聞いてやるから」
「ほんとにっ?」
「あのー・・・俺のことスルー??」
カイトとレンが何やら見つめる後ろで、アカイトはぼやいた。
「それで、カイトはどうするの?」
「僕は、この脅迫状を送ってきたのが一体どこのどいつなのか探ってくる」
そう言って、カイトはアカイトを振り返る。
「アカイト、レンのこと頼む」
「・・・言葉だけだったらかっこいいけど、その見るからにいやそうな顔と口調はやめろ、カイト」
「カイト、大丈夫だよ。俺、絶対こいつとは何も無いから」
「お前ら、いつからそんな変な関係になったんだよ、男同士で」
アカイトはそう言って、ため息をついたのだった。
一方、ここはとあるビルの一室。
「ねえ、がくっぽいど。今更だけど、脅迫状送らなくても良かったんじゃないかと思うんだよなー」
帯人はアイスピックの手入れを入念にしながら、ぼやく。
「それに、脅迫状送るって案は、そこの変態だし」
「・・・何か言いました?」
何やらパソコンの画面を見ていたキヨテルは、帯人の方を見る。
「まぁ、派手にやるのもいいじゃないか。我々に地味に何かをやるのは似合わないというものだ」
がくっぽいどは、窓の外から帯人に目を移して言った。
「・・・」
帯人はなんとなく色っぽい瞳で、がくっぽいどを見つめた。がくっぽいども、見つめ返す。
「・・・はあ」
その様子に、キヨテルはこっそりとため息をついたのだった。
1話 VOCALOID警察、東奔西走せよ!! 【時限爆弾編】
こんにちは、もごもご犬ですこんばんは!
この作品は、以前どこかで言っていた面白いものの1つです!><
ほんとに、面白いかはよく分かりませんが。
もうちょいシリアスにしたかったけど、どうしてもこうなった!
VOCALOID警察って、なんか誰かがもう先に考えついてそうだな・・・。
もし、問題があればメッセージにてお知らせ下さい!><
ちなみに、これは続きます。
次回も、お楽しみに!^^
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