「おーい、起きろ―」
「んんっ……んぅ…?」
「お、レンは起きたな」
「あっ……ルキ兄、おはよぉ……ふあぁ」
彼は鏡音レン。金髪碧眼の14歳の少年だ。
レンには双子の姉がいる。
その姉が…………
「さーて、次はリンだなー」
「あ、僕が起こすよ…リン、起きて。ねぇ、早く起きないと朝ごh……」
「おはよ…ぅ…!!」
彼女は鏡音リン。レンの双子の姉だ。
まるで今まで起きていたかのような速さと声で起きると、リンはベッドの布団を畳みだした。
「ん。リン、枕」
「ありがと」
2人分を畳み終えると、それを見守っていた2人の兄、ルキが言い出した。
「よし、2人とも合格。今日は起きる速さも畳むペースもいい。だから今日はメシのおかわりを許す!」
「やった!ほら、レン。いこっ」
「うん!」
一階のリビングへ階段を下りると、キッチンに腰の辺りまである長い髪をポ二ーテールにしてまとめた女性が立っていた。
「「おはよう、ルカ姉」」
「姉さん、今日はこいつらおかわりOKね」
「うん、ありがとう、ルキ」
彼女はルカ。リンとレン、そしてルキの姉だ。
この家に親はいない。他界してしまったのだ。
バラバラになって親戚に引き取られるか、4人だけでいつもの家で暮らすか。兄弟4人全員が後者を選んだ。
上の2人はもう大学生、高校生であり、しかも中学生の双子と、4人なら大丈夫だろうと、周りも許してくれた。
そんなわけで、今はこうして4人で一緒にいる、というわけだ。
「はい、朝ご飯。ご飯と味噌汁はいいけど、鮭のおかわりなんてないからね?」
「「いただきま~す!」」
声を揃え、そして一斉にかきこむ。
その食事中、ルカが真剣な声で言った。
「ねぇ、リン、レン」
「ん?どーしたのっ、ルカ姉」
リンが応えた。
「最近、この辺りで行方不明事件が多発してるから、気をつけなさい」
「うん。でも、それ全部高校生狙いでしょ?……ルキ兄じゃないの、大変なのは」
次はレンがルカの言葉に応えた。
「俺は大丈夫だ。でもお前らは弱っちいだろ?しかも、もしかしたら犯人とかが高校生から中学生に路線変更すっかもしんねーぞ?高校生には飽きた、なーんて」
ルキは、ルカに比べて冗談半分で話している。
「……まぁ、とにかく、気を付けてよ?この兄弟4人じゃないと、私は嫌よ。また誰か一人欠けたら……」
「大丈夫だって!何てったって……」
「僕たちは…」
「「いつでも一緒、2人だからっ!」」
「……そだな。んじゃ、準備してとっとと学校行って来い!」
その声を合図に、また二人はご飯をかきこみ始めた。
「「行ってきまーす!!」」
「行ってらっしゃい!ルキ、あんたは?」
「あと30分くらいで行くー」
「そ。まぁ、まだ7時半だしね」
姉と兄の会話を後ろに聞きながら、2人は家を元気よく飛び出していった。
ちょうど、曲がり角に差し掛かった時―――
ドン!
「きゃっ!?」
「あ、リン!」
何者かにぶつかってしまい、リンは尻餅をついてしまった。
「あ……ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「だーいじょうぶですっ、こんくらい」
見ると、リンがぶつかったのは、「夢音グミヤ」という名前の青年らしい。名札がついてた。
黄緑の髪で、顔立ちも整ってるけど、我が弟の方が上!……と、リンは思った。姉バカだろうか。
「いえ、でも……あ、じゃぁ、5分くらいで済みます。ので、ついてきて下さい」
「大丈夫ですって!そんな、ぶつかっちゃっただけなのに……」
「いいから、こっちです。2人とも、どうぞ」
何かくれるのか?何しにどこへ行くんだ?でも、2人一緒だし、きっと大丈夫!!
リンとレンは、グミヤに手を引かれながら、そんなことを考えていた。
「はい、ここです」
ついた先は人目の少ない路地裏。
その一点に大きなマットが敷いてあり、グミヤに促され、二人は荷物へ置き、そのマットに座った。
リンは期待を、レンは不安を露わにしながら。
「それでは二人とも、ここまでお疲れさん。そんでありがと。…じゃぁ、おやすみ」
そういうと、グミヤは二人の目を同時に両手でふさいだ。
一瞬の事だったため、抵抗できず、そしてそのまま、2人は眠りに落ちていった。
「リン!起きて、起きてってば!!」
「ん……あ、レン!」
2人が目を覚ますと、そこは草原。
そして、目の前には、深い森があった。
「……なに、どこなの……?」
「さっきの人に連れて来られたのかな…?でも、眠らされたから、夢かも……」
リンとレンは立ち上がって、何があったのかを必死に考えようとした。
すると……
「こんにちは、ダイヤアリス」
「「へっ!?」」
振り向くと、少年が立っていた。
「なんだぁ、子供か……驚かさないでよね、もぅ」
「待って。……ダイヤアリス?何それ、誰?」
レンがいぶかしげに尋ねる。人違いだろうか。間違って僕らに話しかけてきたのかな?…そう、考えながら。
「ダイヤアリスは、あなたたちのことです。そして、ここは、げんじつ。ゆめではありません。そして、ぼくはゆめといいます。よろしくおねがいします」
「ふぇ?よ、よろしくおねがいします……」
ダイヤアリスはまず私達で、私たち二人のことを指していて、でも私達はそんな名前じゃなくって…てか、ここは現実?なのに自分の名前が夢?意味わからん。
リンの頭の中はぐっちゃぐちゃだった。
対してレンは、
「何で僕たちがダイヤアリス?人違いかな?もし、本当にに僕たちなら、どうして?いつ、誰が決めたの?ここはどこ?現実だとしても、ここは僕達がいつも見ている景色じゃないんだ。そうすると、ここは夢としか言えなくなる。……そして、なぜ、僕たちはここにいるの?」
リンは心の中でレンに拍手を送った。
質問攻めにされた夢は、顔色一つ変えず、
「ひとちがいではありません。あなたがたがダイヤアリスなのは、ぼくがおふたりがふさわしいとおもってきめたからです。そしてここは……げんじつのなかのゆめです。ゆめのなかのげんじつともいえますね。それと、おふたりは、ひつようになったから、ここにいます」
「……全然よく分かんないけど、私たち、どうすればいいの?必要とか、ふさわしいとか…」
「あぁ、なにしてもいいですよ。すきなことを、すきなだけすればいいんです。……どうです、かんたんでしょう?それでは、がんばってください、ダイヤアリス」
「あ、ちょっ……」
ふっ、と夢はどこかに消えた。
それにリンは目をキラキラさせているが、レンは大きく溜息をついた。
「話は終わったん?」
「終わったっぽいなん!!」
ひょこ、と森の陰から顔を出し、こちらに向かってきたのは、自分らと同い年くらいの男女だった。
「だ、だ、誰………?」
次から次へと、今日は何なんだ……
早くもレンは疲れていた。
「へへっ、俺らは、迷ってるお前らを助けに来たんだっ!俺の名はリント!」
「どこへ行きたい!何したい!にお答えするよ!あたしの名前はレンカ!よろしく!」
同い年くらいだし、案内役みたいなものか、この2人は。……てかハイテンションだな…!
レンは、少し警戒を解いた。リンは、さっきより目をキラキラさせていた。
「よ、よろしくっ!私はリン!」
リンが名乗ったので、レンもそれに習うことにした。
「あ、僕はレン!リンの双子の弟。よろしくね」
そういうと、リントとレンカはすこしリンとレンに顔を近づけてきた。
「へー、やっぱ双子なんだぁ…あたしはね、リントの双子の妹だよ~」
分かり合えそうだ、何となく、色々と!
リンとレンは、目の前の二人を気に入ったようだ。
「んで、お前らは、何かしたいこととか無いの?何でもいいぞ、連れてってやるよ」
「ん――――………」
リントの言葉に、2人はしたいことを考え始めた。そして、声を揃えて、こういった。
「「ぼうけんっ!!」」
リントとレンカは、この声を聴き、ニカッ、と笑うと、
「「じゃあ、ついてこーいっ!!」」
こちらも、声を揃えて言った。
そして、森の中に入っていった。
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ご意見・ご感想
美里
ご意見・ご感想
鏡音来たーーーーーー!
こんばんは、いつもよりテンションが高くなってしまった美里です。
ついに来たね、鏡音編。しかもリトレカつきのルキルカつき!しかもグミヤ君まで!
……グミヤ君何者!まさか…私のミクをさらった犯人か!←違う。
いや、違うんですよ。最近ミクのキャラが掴めなくなってしまったのです。
ハイテンションなリトレカは好物です。冒険…鏡音と一緒なら魔界でも天国でも二次元でもいける!(二次元は行きたい。)
三話にしてもらいたい…
ルカルキは好きですよ。リトレカなんてもうその単語を聞いただけで倒れそうになるのです!
ミク編の時来れなくてごめんなさい!ミクオ君凄くかっこ良かったのです!
それでわ。続き楽しみにしてます!長々と失礼しました。
2011/10/14 20:28:52
アストリア@生きてるよ
テンション高くなって当然!ww
ついに来ました来ちゃいました書いちゃいました鏡音編!!!
ふふふ、グミヤんはね………って、その予想……
ミクのキャラは人それぞれだよ!ね!はい!!
リトレカはむしろハイテンションじゃないと嫌だっ!!(((((
3話おk!?大変だけどね、頑張るよb
おぅ、クオ君かっこよかった!?嬉しいね!イケメソだもんね、クオ君!w
2011/10/14 20:40:33