「連れ戻し……?」
「そうさ。僕らの計画。『神の歯車』には君ともう一人」
「もう一人?」
「……神威がくぽが必要なのだ」
ルカは思わずのけぞった。
「……神威に何をする気?」
「……安心しろ。一緒に連れてってやる」
「そんな問題ではない!!」
ルカの叫びに地面が震えた。
「むぅ……。こうなっては仕方ない」
カイトの腕には針があった。目を凝らさないと見えないくらいの、細い針が。
カイトは構えて、それを。
「うっ……!!!!」
ルカの首筋に突き刺した。しかし、血は出ていない。
「……眠らせておくか」
そう言ってカイトは意識のなくなったルカを抱き上げ、
そして、“消えた”。
***
「もともと、グミには『神のスゴロク』を復活させるために下界に出向かせていたのです」
ミキは、淡々と、まるで手の中に本があってそれを読んでいるかのように、言った。
「神のスゴロクを……復活? いったいどうやって」
「そうね。少し教えてもいいかな」
ミキは意地悪そうに嗤う。
「簡単に言えばあなただけで神の箱庭には入れない。再構成はできないの」
「再構成は、僕がスゴロクを壊して、実質成功したじゃないか」
「あなた……『地球プラネタリウム』って知ってる?」
「ああ。地球の外は宇宙のように広がっているんじゃなくて実は地球は一個の閉鎖空間っていう説だろう? あれは地球空洞説並みに愚問だよ。有り得ないやつだ」
僕は、“再構成される前の”世界で言ったことをもう一回言ってやった。
「そう。んで『神の箱庭』は強いて言うならその閉鎖空間の外側を指しているの」
「……いったいどういうことだ? あそこはただのスゴロク場じゃあ……」
「そんな“ツマラナイ”ものな訳ないでしょう?」
ミキはまた意地悪そうに嗤う。
「答えろ」
「やーだ」
「いいかげんにしろ」
「……怖い。まあ、それに免じてひとつだけ。『箱庭』を閲覧したり、操ったりできるのは私たちには出来ない。グミだけが持つ道具、それだけよ」
「まさか、それって……」
「ええ」
「スマートフォン……いや、第7次元閉鎖空間外操作情報インターフェース……それが、彼女のもつものの正体」
***
「そうか。思い出したわ……!!」
初音は、全てを思い出し、悟ったように嗤う。
「あいつ……。私を差し置いて神に成り上がって……それを捨てて、世界を再構成したのね……。フフン。随分面白いことをしたじゃない」
「無駄口を言ってる場合か」
グミはナイフを改めて構える。
「いいわよ。殺してみなさい?」
初音は、笑った。
「う、うああああああああああああああああああ!!!!」
グミは狂ったように、ナイフを初音に突き刺した。
つづく。
僕と彼女の不思議な校内探検 11【リレー】
どうも、クライマックスのようです。
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