遅い帰りの
夕暮れ
ヒグラシが まだ
鳴いてた

妹の 小さな
手のひらを握った

稲穂の香り
ざわめき
風の姿を見ていた
ずっと


秋の日暮れ
何処までも
水面 揺れる
街並み

寂しくて
優しげな

心細い道 続く
あの日の風
ふと出会うよ


畦道照らす
夕焼け
彼岸花 咲き
並んだ

かくれんぼ
あの子に
オニさんが
近づく

麦わら帽子
かぶった
案山子 笑って
立ってた いつも


秋の日暮れ
過ぎてゆく
胸の痛み
残して

切なくて
儚げな

心迷う道半ば
あの日の色
ふと染まるよ



おそいかえりの
ゆうぐれ
ひぐらしが まだ
ないてた

いもうとの ちいさな
てのひらおにぎった

いなほのかおり
ざわめき
かぜのすがたおみていた
ずっと


あきのひぐれ
どこまでも
みなも ゆれる
まちなみ

さびしくて
やさしげな

こころぼそいみち つずく
あのひのかぜ
ふとであうよ


あぜみちてらす
ゆうやけ
ひがんばな さき
ならんだ

かくれんぼ
あのこに
おにさんが
ちかずく

むぎわらぼうし
かぶった
かかし わらって
たってた いつも


あきのひぐれ
すぎてゆく
むねのいたみ
のこして

せつなくて
はかなげな

こころまようみちなかば
あのひのいろ
ふとそまるよ