今日も息を漏らして
何もせずままベッドに座って
吐く息から意味を取り上げた灰色の世界

当たり前に慣れ過ぎて
当たり前を放棄して
神様は僕から色を取り上げた

「生きていればきっと楽しい」とか
そんな歌詞を書いては読んでゴミ箱に捨てた
それでも縋りつくものに気付かないで
気付きたくなくて
もう一度歌詞を広げた

嗚呼
こんな綺麗な歌詞のように生きられたら
どれだけ幸せだろう
ため息を吐いて文字をなぞった

毎日頭に浮かぶのは
あったかもしれないと望む
あるはずの無い別の現実の御伽噺

無意識のうちにでも動き続ける心臓にすら
気付かないまま
頭の中で理想の演劇(人生)を観て
ふと思い出す「現実」のこと

握り締めた歌詞は滲んでいた


毎日毎日自分に問うのは「どうして」
その答えを探す無防備な僕を
卑怯な手で振り向かせてくれ


嗚呼…
そんな事をする必要はないよと言いたげに
僕は僕に振り返り
まっさらな灰色の紙を差し出した
喉から出そうになった「どうして?」

だけど気付いてしまったんだ
もう、目を背けていた僕には戻れない
縋って、泣いて、助けてくれと手を伸ばしていた

僕は自分で這い上がれたのに。



仮タイトル「灰色の紙」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

灰色の紙

初投稿です。



とてもありがたい事に楽曲を作ってくださった方がいらっしゃいましたので、募集は締め切らせていただきます。


とても素敵な楽曲に仕上がっていますので、是非そちらもご観覧ください!

閲覧数:312

投稿日:2023/06/09 18:10:46

文字数:522文字

カテゴリ:歌詞

ブクマつながり

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