「あ、コヨミさん、こんちには」
「どうも」

りりィさんのお店「星を売る店・上海屋」に入ってきたのは、雑貨コーディネーターのコヨミくんだ。

リサイクルショップ「鑑定団」の店長で、かつ、大手メーカーの「デーエノエー」のプロデューサーもつとめている、彼。
りりィさんと、雑貨デザイナーの重音テトさんと3人で、いま売り出し中の「テト・ドール」の制作をしている。

「どうですか。テト・ドールの動き、いい？」
「そうね。順調な滑り出しですよ」
コヨミくんの問いに、りりィさんが答える。

「雑貨ファンのあいだだけでなく、けっこう男の子にも人気があるみたいだよ」
ぱみゅちゃんが言う。

「そう、それは良かった」

ちょっと長髪の髪の間からのぞく、片目を細めて、コヨミくんは優しそうに笑った。

●盛り上がる人形の話題

「ところで、いま人気の人形、“はっちゅーね”なんだけど」
コヨミくんは切り出した。

「うん、そうね。私たちもいま、その話題をしてたの」
りりィさんが、お店の売り場の棚を、指差して言った。
「いま、一部ですごく盛り上がってるじゃないですか」

「コヨミさん、言ってたよね。なんかネットですごい話題なんだって？」
ぱみゅちゃんは、棚の“はっちゅーね”のところに歩いて行った。
「そうだね」

●ビックリだよね！

「盛り上がったキッカケは、やっぱり、リンちゃんのブログでしょ？」
りりィさんは、お店のカウンターにほおづえをついて、言った。
コヨミくんはうなづいた。
「ひとつには、それもあるね。ネットの、ミクさんの親衛隊と、リンちゃんのブログのファンは、けっこう重なるからね」

「ふぅん、知らなかったな。リンちゃんって、結構カリスマのブロガーでもあるんだ」
ぱみゅちゃんは、目を丸くした。

すると、売り場に置いてある“はっちゅーね”が、答えるようにしゃべった。
「うーん、ビックリだね」

3人も思わず、ビックリしてしまった。!!(゜ロ゜屮)屮

（次回に続く）

ライセンス

玩具屋カイくんの販売日誌（173)　はっちゅーねの人気のキッカケ!?

tamaonion

お店のイベントをブログに書いたことがキッカケで、人気が出たり。ヒットは、ふとしたことから、生まれるみたいですネ。

投稿日：2012/10/28 12:27:42

文字数：842文字

カテゴリ：小説

コメント1
関連動画0

ご意見・ご感想

お名前

enarin
ご意見・ご感想
今晩は！　早速拝読させていただきました。

コヨミさんのリーダーにした”テト・ドール陣営”も順調に行っているわけですが、その中で、”はっちゅーね”さんの話題が入り込み、研究のために買った１体が、喋りだしました！

これには全員ビックリ！　さーて、この現象とこの事態、コヨミさんはどう理解するのでしょうか？　楽しみです。

そうそう、このはっちゅーねさんではないですが、着ぐるみミクさん１号、通称”ミクダヨー”さんの名前の特許＝商標の出願が、関係３社の協同出願の形で行われましたね。これまであまりそういうのはされてなかったのですが、権利のアヤフヤから来るコレまでの痛い経験から、出願されたわけで、今後が楽しみであると同時に、パチンコもやっている某ゲーム会社が共同とはいえ、１つの権利を入手するかもしれない事に危機感を募らせるこの頃です（私の昔の特許実務の経験から）。

ではでは～♪

P.S グッと寒くなりました。私も急に着る枚数が増えました。貴方もご自愛下さいませ。
2012/10/28 21:18:17
- tamaonion
  enarinさん、感想有難うございます！
  
  ＞そうそう、このはっちゅーねさんではないですが、着ぐるみミクさん１号、通称”ミクダヨー”さんの名前の特許＝商標の出願が、関係３社の協同出願の形で行われましたね
  
  そうでしたか。新たな形でライセンス・ビジネスをする可能性がある、ということでしょうか。ちょっと注目したい動きですね。
  
  ＞某ゲーム会社が共同とはいえ、１つの権利を入手するかもしれない事に危機感を募らせるこの頃です
  
  まあ、ネットで人気のキャラクターは、ユーザーが育てたものなんですが、ああいう企業はガッチリしてますよね。勝手に変な方向に商品化とかしないで欲しいですね（笑）
  その辺は、某ゲーム企業さんのお手並みと出方を拝見したいですよね。
  
  ＞（私の昔の特許実務の経験から）。
  
  いろんな経験を持ってらっしゃるみたいですね。
  enarinさんの作品は幅が広くて、面白いのも頷けます。
  
  でも、キャラクターにはいろんな話題があって、興味深い世界ですね！
  
  また、感想を聞かせてください！
  2012/10/28 22:11:54