#3「成長」
僕は村の人が用意してくれた小さな空き家を利用して診療所を開設した
正直、医師としての経験がまだまだ浅い僕だったが、それでも精一杯やることをやった
そして、僕がここに来て二カ月が過ぎ、仕事にも少しずつ慣れてきたころだった
診療所が休みの日
僕は孤児院の廊下にあるベランダに出て外を眺めていた
「レン。何か用か?」
僕は柱の陰に隠れてこちらを見ているレンに気づいて話しかける
「お前…村のみんなは騙せても、俺は騙されないからな!」
レンはそう叫ぶと向こうに走って行ってしまった
「はぁ?」
僕には、なんのことかさっぱりだった
「なんか変な義務感があるみたいなのよ」
後ろから突然話しかけられた
振り返るとそこにはミクがいた
「ミク…」
「あの子…14歳だけど、男の子の中では一番年上なの。だから、自分がみんなを守らなきゃっていう気持ちがあるみたいなの」
ミクが僕の横に並んでそういった
「そっか…じゃぁ、俺はここのみんなに害なす存在か。」
「そんなことない!カイト兄は…」
ミクが必死に否定してくれた
「ははは。ありがと。冗談だよ。別に気にしてないさ」
そう言って笑って見せたが、ミクは笑っていなかった
「カイト兄……」
「ん?なんだ?」
ミクが真面目な顔をして、僕に話しかけてきた
「私ね…私…カイト兄が戻ってきてくれて、ほんとに嬉しいんだ。」
ミクがベランダの柵に腕をのせて、外を眺めながらそういった
「カイト兄がいたころの義兄弟たちは、みんな独り立ちしていったり、お金持ちの人の養子にもらわれたり………私、孤独だったんだ…」
「そうか…」
僕はそれ以上何も言えなかった
「だからね!カイト兄が戻ってきてくれて、ほんとによかった!」
ミクは満面の笑顔で僕を見た
それは八年前に見てた純真無垢な笑顔とは違う、大人の女性を感じさせる美しい笑顔だった
「わぁぁぁん!ミク姉~!」
その時、他の部屋から、子供の泣く声が聞こえてきた
「あ~…またかぁ…まったく、あの子はいつもケンカして!じゃぁ、またね、カイト兄!」
「お、おぉ…」
そういうとミクは泣き声のする方に走って行った
「ミク……ほんとにかわったな」
僕は、ぼそりとつぶやくと自分の部屋に戻った
その日の夜
僕は自分の部屋の窓を開けて、外を眺めている
辺りに明かりという、明かりがないため、外は真っ暗だ
かろうじて、この孤児院の周りがぼんやりと見える程度だ
その時、森の入口のあたりに人影がぼんやりと見えた気がした
「え?」
僕は何かの見間違いかと思い、目をこすった
すると、さっきの場所には何も見えない
「いまの時間には誰も森に近付いたりしないもんな……気のせいだろうな」
僕はそう思って、窓を閉めた
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もっと見る#5-2「みんなから注目を」
時間稼ぎ班:ミク、リン、レン
彼らは、新しい入居者が間もなく着くという駅にやってきた
「あのさ、ミク姉…俺、重要なことに気がついたんだけどさ…」
「なに?レン君?」
「新しい子って…どんな子?」
「あ…」
そう、彼らは新しい子がどんな子か…男か女かさえも知らなかった
「...みんなでボーカロイド観察(仮)#5-2
しるる
#4-1「みんな!飲むわよ!」
ある休日前日の夜中、子供たちとルカが自室でベッドにもぐったころ
「さぁ!今日も飲むわよ~!!」
メイコは手に持っていた酒瓶をテーブルの上にドンと乱暴に置いた
「は!はいぃぃ。」
ハクはビクッと驚き、少し涙目になりながら返事をした
「メイコ殿、一つよろしいでござるか?」...みんなでボーカロイド観察(仮)#4-1
しるる
#5-1「みんなで手分けして」
ある日の昼下がり
「みんな、ちょっと下のリビングに集まって」
という、メイコの声が下の階から聞こえた
そしてみんなが、なんだなんだといった具合にリビングに集まった
「今日、この寮に新しい子が来ることになってるの」
「えええぇぇ!」
メイコの発言にみんな驚いた
「私たち...みんなでボーカロイド観察(仮)#5-1
しるる
#4-2「みんな、だらしないわね」
―――1時間後 ぽっぽー♪
ドサッ!
がくぽが椅子から転げ落ちた
「がくぽ!大丈夫!?」
カイトが心配して、がくぽに近付いた
しかし、当のがくぽはスヤスヤと寝てしまっていた
「え?もう酔っ払っちゃったの?だらしないわね~」
メイコががくぽを見下しながらいった
...みんなでボーカロイド観察(仮)#4-2
しるる
#5-3「みんなにもアイスを」
買い出し班:カイト、ハク
2人は近くのスーパーにきていた
「ねぇ、ハクさんはどのアイスが好き?」
「…え?」
「やっぱり、歓迎会にはアイスは必須でしょ!バニラ?チョコ?抹茶?ミント?」
「え、あの…カイトさん…」
ハクは歯切れ悪く呼びかける
「ん?なに?…あぁ!そうか...みんなでボーカロイド観察(仮)#5-3
しるる
#3-4「みんなに広まる秘密」
寮のリビング
「う…うーん…」
「あ、がくぽさん気が付きましたか?」
がくぽは意識がはっきりしない中、目の前にピンク色の髪をした女性がいることに気がついた
「ルカ…どの?」
そして、次の瞬間には驚いたようにがばっと起き上がった
「ルルルルル…ルカ殿!拙者のために…そそ...みんなでボーカロイド観察(仮)#3-4
しるる
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ご意見・ご感想
june
ご意見・ご感想
ミクちゃんのキャラは本当にバリエーション豊富だなあw
カイトとミクちゃんの関係好きだわwww
また続きが気になる終わり方だなww
早く見ないと……w
2012/05/30 21:13:40
しるる
ミクちゃんは、私の中でオールラウンダーの称号を手に入れてますからwww
私もこの二人の関係好きですよww
それゆえに、当初の予定と異なることをこの先していってますww
2012/05/31 02:04:20
イズミ草
ご意見・ご感想
ミク可愛い!!
やっぱり可愛い!!
やっぱりカイトは、お医者さんでしたかww
レンは幼い感じで、新鮮ですね
これからも楽しみにしてます!!
2012/05/29 21:08:42
しるる
ミクちゃんかわいいですよねww
ここでは一番上のお姉ちゃんですから、しっかりしてますw
でも、カイト兄さんにだけはその責務から逃れられて、自然に接することができるんだと思いますww
レン君…ほんと幼いww
2012/05/30 01:14:15
目白皐月
ご意見・ご感想
初めまして、目白皐月といいます。
読んでいて疑問に思ったのですが、しるるさんはどうして句点を打たないのでしょうか?
そのせいで、私にはどうにも文章が「手抜き」に見えてしまいます。
小説という形式を取るのでしたら、きちんと句点を打った方がいいのではないでしょうか。
これは小説ではなく、叙事詩や物語詩のつもりで書いているというのでしたら申し訳ありません。
また
>風景の描写、個々のキャラの気持ちを丁寧に書いていくつもりです
とありますが、現時点で描写がほとんどされておらず、文章が全体的にスカスカなので、読んでいて全体的にピンと来ません。
その場の風景も心情もろくにつづられておらず、ただ単に起きたことの羅列としか読めないんです。
もう少し、その辺りを考えてみてはいかがでしょうか。
2012/05/29 00:01:41
しるる
はじめましてですww お名前はよく耳にいたしますww
句点はですね
紙媒体の小説なら、必須だと思ってます
ですが、ネット上のものは、携帯小説などと同じスタイルを考えてます
つまり、改行を多く使い、文字数を減らして、または制限してデータを軽く、読みやすくをめざしています
あとですね、私はこれを小説と言い張るつもりはなくってですねww
テキストと呼んでますwww 所詮、言葉遊びかもしれませんが、それでもいいんですww
あ、そうですか?ww
いやぁww私個人としては、頑張ってたつもりでしたw
でも、伝わっていないなら、意味ないですもんね!!ww
精進いたしますで候wwww
はい、ふざけましたwごめんなさいwww 頑張ります!w(>A<)
2012/05/29 01:11:51
Turndog~ターンドッグ~
ご意見・ご感想
なんかこう…レンがよく居るガキんちょの年上っ子だなwww
なんかその辺とかにいますよね、こんな感じの生意気ながきんちょがwww
現在私の思い浮かべるミクは二十歳ぐらいの顔立ちになっておりますwww
大人っぽいなこの子!wwwうちの『あれ』とは大違…
『アア!?』(Dark発動)
ごめんなさいごめんなさいごめんなs(ry
2012/05/28 23:27:23
しるる
そそ。よくいる子をイメージしてますww
白状するとですね…元々ボカロで書くつもりがなかった作品なので、年齢と感じが異なるんだと思いますwwこの辺まではすでに書いていあったのでwww
当初の設定だと、カイト28歳、レン8歳、ミク18歳でしたww
2012/05/29 00:02:17