タグ「doriko様」のついた投稿作品一覧(43)
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その翌朝。
私はいつも通りに朝練に出ていた。
ウォーミングアップをして、軽く走る。
その日の朝練は、あんまり集中できなかった。
「美術室からだと、グラウンドがよく見えるから……」
悠のそんなセリフが頭から離れなくて、私はつい校舎を見上げてみてしまう。
でも、そのときの私にはそもそも美...茜コントラスト 3 ※2次創作
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いったいどこから話したらちょうどいいんだろう。
やっぱり、彼と初めて話したときのことからかな。
中学二年の夏の日、部活の帰り道。あの日の夕日に照らされた白い校舎は、鮮やかな茜色に染まっていた。
その背後の空は深い青のままで、そのコントラストがとてもきれいだったのをおぼえている。
そのこ...茜コントラスト 2 ※2次創作
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茜コントラスト ※二次創作
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「ラスト一周でーす!」
そんな後輩の声を聞き流しながら、私は荒い息をついてトラックを駆ける。
学校のグラウンドにあるトラックは競技場のそれより小さくて、一周三百メートルだ。千五百メートル走だと五周することになる。高校トップレベルなら四分二十秒台、インターハイに出る...茜コントラスト 1 ※2次創作
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2-6.
結局、たこ焼き一つと焼きそば二つをおごってもらってしまった。量が多いのは、愛の分も買ってくれたからだ。
「実行委員なら、結構忙しいんじゃない?」
「それは、まぁ……」
私がつけている腕章を見てそう聞いて来るその人に、どう答えればいいか分からず、私は言葉を濁す。すると、私たちのことな...ロミオとシンデレラ 10 ※2次創作
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2-5.
「あ、あのっ!」
息を切らせて、半ば叫ぶようにしてかけた私の声に、目の前の三人はびっくりしたようにこっちを見た。
その人は、二人の男の人と一緒だった。たぶん、友人なんだろう。三人とも制服は着てないから、神崚の生徒じゃない。
三人の視線に一瞬だけ恥ずかしくなる。でも、本当に一瞬だけ...ロミオとシンデレラ 9 ※2次創作
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2-4.
翌日、神崚大学附属神崚高校学園祭当日。
一応、学園祭実行委員と生徒会は別ものということになっているけど、実際にやってることは実行委員と全然変わらなかった。今日つけている腕章だって、生徒会じゃなくて実行委員って書いてあるし。こっちの仕事のおかげで、クラスの仕事はしなくてもいいことにな...ロミオとシンデレラ 8 ※2次創作
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2-3.
「そんなことがあったんだ……」
午後の図書館。明日にせまった学園祭の準備を少しだけ抜け出して、私は愛に昨日の夜のことを話した。
見知らぬ三人組に襲われかけたところまで話すと、愛は隣りに座る私に手を伸ばして、抱き締めてくれた。私の頭を抱えるようにして、いたわるように、とても優しく...ロミオとシンデレラ 7 ※2次創作
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2-2.
教室を逃げ出して、生徒会室にやってきた。
……のに。
愛が私を追いかけてきた。そして、背後から私に抱き付いてくる。愛が興奮したように「うふふふふ」と笑うのが、すごく怖い。
「つぅーかぁーまぁーえぇーたぁー!」
「ひ、ひぃぃぃっ!」
悲鳴をあげる私に、愛は頬をふくらませる。そ...ロミオとシンデレラ 6 ※2次創作
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Allegro con brio
2-1.
失敗した。
とんでもない大失敗だ。
自分の馬鹿さ加減に呆れ果ててしまう。
なんで、そんな当たり前のことすら忘れていたんだろう。
……本当に、信じられない。
その失敗に気付いたのは、あの人と別れたあと、電車に乗ってしまってからだった。それ...ロミオとシンデレラ 5 ※2次創作
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1-4.
「その子がやめてって言ってるの聞こえてるんだろ?」
その人が通りがかるのが五分早くてもダメだっただろうし、五分遅くてもダメだっただろう。その偶然に、私はこれまで信じてもいなかった神様に、初めて感謝した。
「あ? 何言ってんだテメェはよ。かんけーねーヤツは引っ込んでろよ」
金髪がそう...ロミオとシンデレラ 4 ※2次創作
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1-3.
私が通っている塾は、最寄り駅から少しだけ離れている。
駅から塾まで徒歩でだいたい十五分。行きも帰りも、いつも独りだ。
暗い夜道を、女子高生が独りだなんて、危ないことくらい私にだってわかる。でも、パパとママの塾の基準は塾生の志望校合格率、ただそれだけだった。「危ないから気をつけて」...ロミオとシンデレラ 3 ※2次創作
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1-2.
私は神崚大学附属神崚高校の二年生。生徒会に所属している。
神崚高校はこの辺りではわりとレベルの高い公立校だ。神、なんて仰々しい漢字がついているけれど、別に宗教なんてちっとも関係ない、普通の進学校だったりする。
男子は紺色の詰め襟の学生服で、女子は同色のブレザーに白のブラウス、それ...ロミオとシンデレラ 2 ※2次創作
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intro Andante
1-1.
『私の恋を悲劇のジュリエットにしないで
ここから連れ出して……
そんな気分よ 』
私はふと思い付いたそんな言葉を、声には出さずにつぶやいて、自嘲気味に笑った。
――くだらないわね。
きまぐれに読んでいた戯曲、シェイクスピアの「ロミオとジュリエッ...ロミオとシンデレラ 1 ※2次創作
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