タグ「物語」のついた投稿作品一覧(21)
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銀扇草の香りが いとけない日を偲ばせ
剣戟の音に迷いを 与えた腕がぐらつく
護るべき人のため 河の両岸に
分かたれし宿命なら あらがえぬと知れども
ともに語った夢は 今でも覚えている
おまえより強くなると誓い 重ねた手の熱さえ
正面で交差する 抜き身の刃が
もう二度と戻らない 憧憬を切り裂いた
視界...銀扇草
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【凛音ツバサ・夕歌ユウマ】銀扇草
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明日には花嫁の 私にさよならを 告げる朝
涙を隠す雨もない 泣いたりしないように 晴れたのかな
恋はこの胸に しまってゆくから
今日だけ今だけ わがままを言わせて
いつもの堅い 呼び方じゃなくて
好きな人みたいに 名前を呼んで
手の甲にしか もらえないキスも
両手にほしいだなんて 困らせるの
明日に...loyalty(ロイアルティ)
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【東北ずん子・穂歌ソラ】loyalty(ロイアルティ)
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静寂をまとう坂 言問わぬ杉木立
山際にたちのぼる 朝もやを噛んだ風
さびしい鳥居 くぐればよみがえる
あなたを見送った おととしの神無月
あかいあかい花緒が切れた 追いかけられない背中
きっと帰ると指切りした 小指に残るぬくもり
黄昏に肩たたく あやかしのいたずらに
振り返りさがしては からすにもか...花緒
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【洛天依・夕歌ユウマ】花緒
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おとぎ話を照らす 太陽もかじかんで
永遠に続くような冬の 曇り空を見上げてた
細い管をつながれて 君は眠り姫
動かない手を握った 僕の手の方がまだ冷たい
あの日の帰り道で 君とはぐれてしまってから
抜け出せない迷路で一人 迷ってる気がするんだ
おとぎ話ならもう 目を覚ますはずなのに
白いだけの病室の...眠り姫 - 春 -
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【凛音ツバサ・鏡音リン】眠り姫 - 春 -
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冒険へと 漕ぎ出す船は
英雄を乗せ 高らかに浮かぶ
物言う樫の 船首を向けた
海の彼方は 遥か遠くとも
どんなに夢が 叶わないように見えても
投げ出してしまわないで 一人じゃないから
進め 五十の櫂で 逆巻く波を掻いて
風は押し戻せども 前へ前へと
アルゴー その名は今 僕らを連れてゆくよ
迷いふ...アルゴー船
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【猫村いろは・鏡音レン・薪宮風季】アルゴー船
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1A
左に座す天使の
白い百合の花影
躊躇いも奪われて
宿る命
聖なる星瞬く
ベツレヘムの宵闇
馬小屋に生まれ落つ
救世主は
1B...ヨシュア
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真白い壁を 焦がしてく影
風下にわき立つ 積雲は遥かなり
鳥の行方を 横目に追いかけたあなたは
透明で儚くて どこへゆくの
抱きしめて 体中で
それ以上は 何もいらない
愛された記憶だけで
私は生きてゆける あなたがいなくても
長い廊下に 響く足音
蝉時雨の中で 君も哭いただろうか...なつそびく
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【猫村いろは・鏡音レン】なつそびく
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ティレニアの海に 浮かぶ島影は
ローマを呪い呪われた老帝の 孤独な背を見るようで
古傷のように 刻まれたシワの
ひとつひとつが露と消えた亡者の 記憶をとどめて歪む
虚飾と欺瞞に満ちた 大理石の都を 捨て去って
美しいだけの島を ただ愛しただけ
背徳に溺れるなら 煩わしい全てが
忘却の河に流れてゆくと...カプリ隠遁 -とある小姓の覚え書き-
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【猫村いろは】カプリ隠遁 -とある小姓の覚え書き-
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海の凪いだ5月の朝
手を取り合って生まれてきた
祝福は二人で 分けようと決め
どんな日でもこの手は はなさないと
アンジェリカ 天使と名付けられた
おまえの笑顔が大好きだよ
アンジェリカ 喧嘩した日だって
消えちゃえだなんて言わなかっただろ
いつも俺の後ろにいて
顔だけ出して挨拶した...アンジェリカ
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【鏡音レン・鏡音リン】アンジェリカ
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薄紫の朝焼けは
終末のように音もなく
言葉足らずの夢が
消えてしまいそうで追いかけた
イカロスの翼を背負って
生まれくる子供たちの
灼熱の太陽は砲台の中
墜ちてゆく運命も知らぬままで
声の限り叫んだら
願いは誰かに届くのか...イカロスの翼
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【猫村いろは・鏡音レン】イカロスの翼
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お忍びの城下 大道芸
兄様と見たあやつり人形
鮮やかな夢を 浮かべては
人形の真似をした幼き日々
無垢な時間は 過ぎ去りゆき
兄王は私に告げました
敵国を籠絡せよと命じられて
嫁ぐ姫君
見えない糸が引く 傀儡の手足踊れ
うつろなマリオネット 偽りの愛...マリオネット・ナイトメア
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マリオネット・ナイトメア