かぼちゃを下さいの投稿作品一覧
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落下した海底が
傷はどうした、と、云うから
「ああ、それなら今さっきあの娘にあげてきたよ。」
そう 半円をぶら下げた、
のです。
離れなくてもいいように、
離れなくてもいいように。
だけど、
そろそろ留まれないみたいなんだ
この下肢はずたずたで痛いのに...海岸の人
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掌の中光るのは
処分しかない桃源郷
そこはかとなく愛でした
果ての無いことと思えたんでしょう
その光を吸収するには
わたしには綺麗過ぎて、痛いの
野暮な道理を買い与えられた道化の様に
あなたのため 踊りますので
どうか笑ってください
掌の中疼くのは...Mr.R
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ビニールハウスで魚は泳ぐ
何れ絶えるとも知らないで
吸い付いたようにわたしの指は
あなたの皮膚から離れない
嗚呼 光る光る群青や
脆い脆い神経が
あなたを繋ぐ管ならば
こんな夜は来ないのかな
群がる列から逃れてみたの
切られたのだとも知らないで...synapse
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浸かった指 君まで届かず
ぼやけた視界 掌で覆った
何百回目かの強がりを
雨で流して、流して
千切れた青に目が霞む。
沈んでく君が
足りない上肢が
蝕んだ声が
此処で蹲っていて
落ちていく夕日が...水葬
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段々思い出せなくなる、あなた
まぶたの裏 焼き付いた光景
剥がれず
きっと泣いてしまう
わかっているから離せなかった
きっと最後になる
わかっていたのに離したかった
あの人はどっちだ
ねえこのまま溶けてくんだろ
その内忘れてしまうんだろ...Blind
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掻き集めた理想郷を
組み立てた檻で
わたしはまた 弱く、囀った
止め処ない雨の中
絞められた首に
もう少しだけ 強く、残ればいい
消せないように。
昨日以上が無いのなら
昨日以上は要らないから
あ、終わってく...それは確かな愛でした
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着色料で誤魔化した感情
保存瓶に詰め込んだ永遠
どれもあなたは知らなかった
それでよいのだと呟いた
なんにも聞きたくないよ
わたしを救うひとかけらだけ
その手で掬ってちゃんと捧げて
今後まだわたしが続くのだとして
そんなの、絶望と呼ぶには少し甘いね
くだらない人って早く笑ってよ...モラトリアムグラム
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でも、この牙の痕消えないんだ
重ね録っては惜しくなって
二時五分に起きた事件のこと
語る様子は寂しそうよ
云う事を聞けない心臓です
わたしはまた笑った
ひらひら散ったばらの花が
薬指捕えたら、可憐ね
瞼閉じれば体温さえ
あの頃となにひとつ変わりない...コールド・レッスン
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あなたの骨 まだ残ってるだろうか
少し怖いから さようならのままだ
梅の花が 今年も咲いたらしいよ
思い出せるから 見には行かなかった
hello hello
逢えないことが終わりなら
わたしの息はきっと続かない
goodbye goodbye goodbye
憶えてるでしょう
あの日の嘘も 二人笑...hello goodbye
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悲しいのですか
散らばってる、構造
悲しいのですよ
燻るから、残像
その名前 もう思い出せない
千回も きっと呼んだのに
この記憶 もう増やせないんだ
有り触れた 続きを待つけれど
期待して捲る次の頁
弾けてしまうソーダみたいだ...207頁目のソーダ水
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誤ってしまった
心臓から抉り出したお前が
絡まってしまった
嗚呼
退屈な泳ぎを
呆れる程繰り返した海底
救いなどあって堪るものか
あのとき、攫い損ねた一行に
纏う埃を払ったんだ
お前はもう戻らないと謂うのに...揺蕩う
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君は、がらくたを拾い上げて
「捨てちゃ駄目だよ。」ってさ 笑うんだ。
僕は、いつだって困り果てて
「じゃあ、君が持ってて。」って 手渡した。
あの御伽噺に 救いがない事、
本当はもうわかってるんだろ?
でも花が綺麗で 君は其処に居て
余す事なくくれた三日月を
そっと、織り込んで。
ありふれた悲しみが...April's letters.
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沈む 沈む 沈む 深くまで
君との螺子はもう回らない
此処に 此処に 何處に 居たんだろう
世界の螺子はもう回せない
鱗粉に忍ばせた麻酔で
何千回も恋に落ちました
疾うの昔に捨てたユートピア
忘れたい事が 多過ぎる
これから行く当てなんてないのなら
君が連れ出してくれればいいと思ってた...東京マイナス君
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時間がないからと捧げた小指
忙しなく過ぎる些細な季節
嫋やかな海であなたは溺れ
密やかな土にあなたを埋める
口付けを麻酔に浸した
もう痛くなんてなかったよね
弦を爪弾く速度 次第に衰えて
再び過去を真似て 誓って欲しくなる
永遠嫌いの性質 知っているんだから
それでも手放せない あなたの細い腕...グッドバイ・マイアイ
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聞いて欲しい話があったのと
拙い誤魔化しを 君が笑う
繰り返した綺麗な光景は
もう繋がらないよ
繋がらないなあ。
君がいなくて
ただそれだけで
息が止まって
しまいそうで
途切れた温度...scar
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きっとわたしはまた嘘を吐く
くだらない温度で 物足りない偽善で
至らない技術で つまらない科白で
きっとわたしはまた傷付ける
冷たい刃で 愛しい約束で
優しい仮面で 寂しい楽園で
退廃的な永遠を無駄にするなら
化石ですら容易く 腐ってしまうと人は云うけど
そんな言葉はもう時効だと あなたに言い聞かせ...価値
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あなたが残した傷に埋もれて
あなたの残した愛を平らげて
熟れ過ぎた檸檬は処分せずに
薄く切って飾る
あのひとは永遠になったから
交わした約束ももう要らないね
無機質な呼吸確かめた後
下ろす瞼、綺麗
Eternal eyelid
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その内 あのメリーゴーランドも
あっさりと 止まって
退廃的な シーラカンスになり
嘘さえ 凍る
知らないとでも思っていたの?
世界は今日も 果てているって
あなたの胃袋に隠れて朝を待ちたい
そして排出される頃 溶けた躰を麻酔に浸して
一秒先の未来だって あっという間に過去になる
廃れてしまうから...ナトリウム
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浅い眠り繰り返して 繋いだ夢、脆く
尖る背骨なぞりながら 夜に凭れ掛る
あの日君が寂しそうに呼んだ三日月には
いくら待てどいくら待てど辿り着けないまま
踊ろうか 唄おうか 白い腕を引いて
さよならを一秒で 済ませば大丈夫
永遠の紛い物 上手に縫い付け
草臥れた約束が 土に還るまで
いつか君にあげる為...LastDance
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わかってるんだろ
ヒーローなんて来ないって
心の臓が疼くんだ やってられないんだ
わからないのか
その安寧は腐ったと
またお前は嗤うから ぶっ壊したくなる
what's the big idea?
死んじゃいたいよ
ああ そうさ 普通じゃない
何もかもが疎ましい...sad
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あの夏に残る君
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古びたポラロイドに 滲むインク
そっと撫でてみたの
あのときの嘘のこと ばかだねって
遠く飛ばしてほしい
頁を捲る指は 溶けた夏と
ちっとも似ていない
その内また秋が 来るんだって
わかっているのに
使えずに 寂しくなった
むかし色の封筒に...エンドロールと金木犀
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>Center
埃塗れビルディン
求めるアミノピリン
明白なる要因
紛れてアドレナリン
忘却済みの愛を今更売却して
纏わりつく圧覚 所詮は世界の一角
壊れた秩序に
痛々しい言い訳
精々この藻を掻け...Welt Ende Marsch
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夢を叶える魔法の杖も
遠く空飛ぶ絨毯も
なくたっていいよ
光り輝くあの冠も
頬っぺが落ちる御馳走も
なくたっていいよ
いいよ
裏切らない理想郷で
怯えることも知らないで
降り注ぐ雨の中 二人笑い 手を取って...ユートピア
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疎んじた喧騒 甘んじた裏切り
其れ以上ご遠慮願います、願います。
耳塞いでワンツー、ワンツー
翻したスカアト
五月の風に責任転嫁、故の感傷
見るな 触るな 云うな 聞かせてくれるな
どうかその手を解いて 今直ぐに
煩い耳鳴り 止まない雷
あの子が呼んでる わたしをわたしを
耳塞いでワンツー、ワンツー...ミテミヌフリ
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あなたの痕 暫く消えなかった
まだ幼いわたしは 泣いてしまった
並んで 腰かけた遊具
三月には 無くなるそうよ
選り好みの激しい あなたのため
走り回るくらいは 嫌じゃないの
小さく 柔らかな背中
抱いてるのは どちらだろうね
エディ、思い出すわ エディ
あなたの笑い方...エディ
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群青は途絶えた
君の所為にして
例えば絡めた指は縺れる
だけど、途絶えた
わざと離したり
下手な嘘を吐いたりも、した
繰り返し君が その話をするから
飽きないねってさ 鞄を揺らして
「誓った覚えは無いんだけど
知らない間に君のものだ」...my vernal days
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春が枯れる
繰り返し、心臓が
名前を呼ぶ
あなたを乞う
細胞は何處だろう
身を裂いて 脈打って
永遠を綺麗なものにしないで
たった今誓ったことが いつ朽ちるともわからないのに
永遠を欲しがったりしないで
きっと明日を知らないから あなたはわたしを手放せない...永遠
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謂いたい事が有るのです
破れてく件のテヰプ
修復ヲして下さいな
もう一度再生させて
折れそな手首、手錠され
しゅるりと抜け出す暇を
息を潜めて待っている
ハイカラな爪の配色
「ちゃんちゃら可笑しい事態ですこと
呼止める名さえ知らぬ癖して...華奢でハイカラ
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わたしの瞳がビデヲだったら 良いのに
それなら何一つ零さずに
あなたを此処に写し取る
わたしの瞳がカメラだったら 良いのに
それならシャッターを切る度に
あなたを切り取り、残せた
あなたの癖を覚えましょう
離れていても大丈夫なように
あなたに花を捧げましょう
今では悲しくなるだけの...花とレコード