タグ:LEON
75件
-招待-
全速力で、全神経を集中させて逃げても、逃げても追ってくる悪夢は獲物を追う狐のように素早く、狙われた黒兎はそれから逃れるすべを持たない。怯えた黒兎は追ってくる狐を避けるために別の狐に付け入って、狐同士が戦っている間にその場から逃げ去ってしまう。そうして黒兎は囚わ...鏡の悪魔Ⅲ 6
リオン
-記憶-
まただ。
また、真夜中に目を覚ましてしまう。
昨日もそうだった。けれど、ベッドから動こうという気持ちになるほどではなかったし、疲れていたからそのまま眠れるだろうと思って、ずっとベッドの中にいたからあんなふうになったのだろうが、まあそれとこれとは別の話だ。起き...鏡の悪魔Ⅲ 5
リオン
-接触-
少なくとも、レオンはアンについて何か知っているらしい。あえて追求はしない。レオンは何かを隠し、レンに、そしてランに接触してきているのだ
「嫌な感じがするな」
夕方の六時、鈴は仕方なくアンを探すのをあきらめ、帰路につこうとしていた。隣には今、用を済ませて...鏡の悪魔Ⅲ 4
リオン
-失踪-
結局、殆ど眠れないまま、レンは登校しなければならなくなった。
朝見た限りではランも特に可笑しな様子もなし、レンを意識しているようにも見えず、いたって普通だ。少しばかりの不安を感じながらも、レンはリンに連れられて学校へと向かっていた。
途中、見覚えのある...鏡の悪魔Ⅲ 3
リオン
-進入-
館へと戻り、レンはリンとランの飛びつき攻撃によって出迎えられることとなった。
「お帰り!遅かったね、レン!」
「もう、リンさんとずっと待ってたんだよ?お姉ちゃんを困らせないで」
楽しそうに言うリンとランを適当に振り払うと、レンは思い切り悪態をついて見せ...鏡の悪魔Ⅲ 2
リオン
-転校生-
今日も退屈な毎日が始まる。
今日からまた五日間、金曜の夕方ほどまで毎日毎日、学校での退屈で面倒な授業を繰り返さなければならないのかと思うと、“反吐”が出そうだ。
「――リン?どうした、学校行かないのか?」
そんなことを考えていたリンの妄想を断ち切...鏡の悪魔Ⅲ 1
リオン
緑の森の奥深く
青い泉のほとりに
旅人が落としていった種
それがあたしだった
いつも誰か傍にいてくれていた気がするのに
この手を握っていてくれていた気がするのに
あたしはひとりぼっちだ
太陽は言った
「私達がいるじゃない」
泉は言った...イロトリドリノセカイ
sizuku_27
In Underground Tube station
The busker was singing
People walked or run
some of them were confused
In Underground Tube station
The busker was singing
...A day after bombing【全英語詞】ver.1.2
切身魚
第8話 「決戦! きのこ研究所 第4部 再会編」の巻
(前回のあらすじ)
発信器の反応と熱源反応がある“司令室”の手前の門を守る最強のガーディアンと大扉を、球体の脱出ポッドに乗ったKAITO社長が破壊し、プリマ医師以外のリン一行は、目的地の司令室へと足を運ぶ。
プリマ医師は、味方だった好敵手のアンと...秘密結社・きのこ研究所 第8話 「決戦! きのこ研究所 第4部 再会編」の巻
enarin
「あ!!」
「道が終わった」
光の道は、蓮と鈴の真上と真下で、円を描き、そのまま、消えていた。
「ここが、そうなのかな?」
「たぶんな」
光の円を覗き込みながら、そう聴いた鈴に、蓮は、光の円を見上げながら、そう答えた。
「くぐってみる?」
「空からと水から、どっちから? それとも、二人で、一遍に...双子の月鏡 ~蓮の夢~ 十九
和沙
「天鳩(ミク)お姉ちゃん……どうしているかな?」
ふいに、鈴が呟いた。先ほどから、遠くを見るような目をすることが多かったし、ずっと、考えていたのだろう。
もう、海は静まっているとはいえ、その気持ちは、蓮にも、痛いほど、よくわかった。
「どうだろうな」
ただ、だからこそ、安易な答えは返せなかった...双子の月鏡 ~蓮の夢~ 十四
和沙
「うん。約束」
そう言って、鈴は、小指と親指を立てた。
「ああ。約束」
そう言って、蓮は、鈴の小指に、自分の小指を絡めた。
その小指を、離した、そのときだった。
ゆっくりと、二人を、丸く、描いていた光が、溶けるように、消えていったのは。
「…………!?」
刹那、蓮の胸は、押しつぶされそうに...双子の月鏡 ~蓮の夢~ 十三
和沙
とうとう、この夜が来た。
蓮は、下弦の月を見据えながら、先ほど、かったるい儀式で、賜(たまわ)ってきた、剣の束を、ぎゅっと、握った。
蓮の肩に、ポンと、手が置かれる。見やれば、“僕がいるから”とでも言うように、海渡が、微笑んでいた。
頷いて、自分も、軽く微笑む。それで、肩の力が緩んで、必要以...双子の月鏡 ~蓮の夢~ 十一
和沙
十枚目の楽譜を暗譜し終えた蓮は、はたと、海草が生い茂っているところを睨んだ。
「海九央(ミクオ)! そこで、何やっているんだよ」
守り帯を下げて、蓮が叫ぶと、海草の密集したところが、サワサワと掻き分けられて、その海草と同じ色の髪と瞳の少年、海九央が現れた。
「あ。神子蓮。いいもの、巻いているね」...双子の月鏡 ~蓮の夢~ 六
和沙
「蓮君。何枚、終わった?」
「七枚」
鍛錬や仕事を終えて、暗譜を始めた蓮は、海渡の声に、楽譜から、目線を上げずに、そう答えた。
「へぇ。蓮君にしては、ゆっくりだね。蓮生(はすう)みの儀式で、疲れちゃった?」
「それは、結構、好きだから、平気………気が乗らないだけ。早く、寝たい」
「蓮君って、寝るの...双子の月鏡 ~蓮の夢~ 五
和沙