かなきの投稿作品一覧
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手のひらにのる幸福
床に落下した
合い鍵 結んだ赤い紐
この部屋に残るのは
軽い缶ひとつ
中にも ドロップひとつだけ
覗きこんでみるけど
きみの好きだった色はなくて
手の温度も 一緒の明日も消えて
耳の奥に いつまでも焼きつく...◎ ポラロイドロップ
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駆け出す鼓動の 速度をゆるめて
深い息をひとつ
窓辺に届いた 季節の知らせに
きみの髪がゆれた
行き先もしらずに どこにも行けぬまま
なにかに思いを馳せてた ひたすら ひたすら
着崩した制服には 隠しきれぬほどの
情熱とか憂鬱とか抱え ぼくら笑う
あの日から ほんのちっとも
変わらずにいれたら...● natsumado
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七色のはなびら降りそそぐ
いつまでも見上げてた
木漏れ日が影模様つくる
織りなした光と影 踏みしめた
遠い日に そっと開いた
白と黒の神話
描ききれぬほどの色を抱いて
太い幹が貫く 胸の奥で生きづく
それが瑞々しく染まればいいな
巡りめぐる命が あるなら それならば...● イグドラ
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もっと近く近く 遠く遠く 届く届く
七色使って 描いていく
手をつなご この距離で
「近くにいることが 一番だいじなの」
…あの子は言うけれど そうは思えない
二駅だけど それでももどかしい
肩のぬくもり 手渡し こころごと
「遠くにいるからこそ だいじに感じるの」
…あの子は言うけれど ちょっとわ...◎ キョリカンレンアイ
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右の頬を
剥がれ落ちていく花びら
嘘でいいと 嘘をつくたびに
崩れる アネモネ
ため息で 持て余す
舌のうえ しろい花
このむねと その横に
隠された かなわない願望/人(もの)
実を結ぶには なにかが
たりないままの 一輪...◎ 無実
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おおさじ2杯 シュガーポップ
かきまぜて 恋のカップ
ユメかウツツか シュガーガール
ウソはホント あれマサユメ?
キスのエチュード 奏でても
すぐ途中で 朝になって
みるみるうち 上がる体温
胸のうち バレてしまいそう
鏡の中 ここはどこ?
真夜中 あなたはだあれ?...◎ シュガーポップ・シュガーガール
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そこは歯車の隙間 ぬき足さし足
塗り立て注意の空に 貼りつけた月
じぐざぐの路地裏には 人ひとり影もなく
いつの間に静寂の海 ざぶり 一息
両目開けて そっと
つま先はたゆたう ふわふわ浮かぶ
夜中を横切って あなたに逢える
通り過ぎる魚の群れ 夢見駅で待ち合わせ
波間ではあの涙も ただの塵になれる...◎ 夢見駅にて
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日常に埋もれた
コンビニ帰りの路上
風ひとつ吹かない
退屈にも慣れっこだ
種も仕掛けもない
純粋なよろこびは
ポケットの中に
いつのまにか忘れてた
六畳一間+小さな窓
僕のすべてだ...◎ 風待ちハローワールド
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ささいなサイン 路地裏ダンジョン
無垢な瞳 あのまま生きてる
背は伸びたけれど まだ赤いラインは遠く
悔しいな、なんて 青空仰いだ
はじまりは偶然で 手を取り合う必然
「僕らなら」 そうやって何度だって輪になろう
傷を負って後悔もして もっとやさしくなって
そしていつか 誰もがおとなになる
石畳を叩...◎ Lighthome Call
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淹れたてのコーヒーさえ すぐに
冷えきった 夜のできごとだった
きらめいて消えてく きみの一欠けら
その残り香 かおる ゆれる
遙かぼくら つなぐラインは
もう息も絶え絶えで
かじかむ指先 つなげないで 遠いままで
本当に最後になる気がした してた
両手に余るほど 哀しみは増えてく
何も言わない 受...◎ 朝焼けに染まる君に
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駅のホームに陽が落ちたら サヨナラ
雫 きらめいて綺麗だった
ふたり乗り ふたりきり
風になれ 坂道
あれも これも 過去になる
改札を抜けて お馴染みのベンチで
ぼくら以外は そのままで
また逢おう そのために手をふるから
落ちてしまった涙 拭えない
それじゃね 「ひとりで平気だから」...◎ 夕焼けグッドバイ
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いつでも どこでも
何度も ―それでも、
デジタルの海 泳いでゆく
地上は苦しい
手探りで リンク探す
閉ざされたドア 溶かしてゆく
声のノック
拙くても伝えて となりどうし
さっきまで 凍えてた
指先 つないでshift...◎ いつでも どこでも
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割れる 消える 溶けて
滲む 夜更けに雨を待って迷子
真夜中の長電話 つないでた赤い糸
もつれて切れてコールは もう聞こえない
告げて軽くなれたら
月まで飛べたのかな
信号の赤が告げる―行き止まりだ。
あわ色の恋は 昨日に弾けた
きみさえいるなら それでいいと思えた
いつか錆びるから 慰めは嫌い...◎ 5cm先の恋
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ずっと来なければいい そんな日が来た
最後まできみに とどかない
もっと早く出逢えていたら 近くにいけたかな
行き場ない後悔が 胸をしめつける
おねがい、遮断機ずっと上がらないでいて
夢みたく滲む ゆうやけグラデーション
何度も夢ならいいと願った さよなら
夢でならちゃんと まっすぐ言えた
だいす...◎ ゆうやけグラデーション
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harmonic girl 音符は手と手つないで
harmonic girl かわるがわる光るわ
鼓動は あっという間にまだ高まる
走るテンポで 跳ねるリズム
あなたと いつのまにかまた逢いたい
むねの真ん中 結ぶリボン
harmonic girl ウインクすればtwinkle
harmonic g...◎ harmonic girl
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群青のなみだ 橙がにじむ
どこかで いつか見たように見えた
「もういいかい?」 “まあだだよ”って応え続けた
まだ 部屋の隅に夢は 転がしたまま
不思議な魔法ばかり溢れていた あの頃
僕等は どこへだって行けた
17時のサイレン いまは聞こえない
考えていたよりも 世界はたぶん、狭い
なのに 前より...◎ スカイ・シグナル
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ハロー グッバイ ハロー またね
ハロー グッバイ シーユー ハバナイスデイ
ぽんと タマゴを割れば
きゅんと なるよな双子で
そんな 些細なことが
ぐっときて ご機嫌な朝
へたなハナウタも
せまいキャンバスでも
オリジナルだから
みんな味つけ次第...◎ ス・テ・キ・スケッチ
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雨あがり晴れた 白いノイズ
その胸の 深いかさぶたも乾いたころ
開いた窓から見送る ひとり何処でも行ける
旅立ちなのに 泣いたりもして 手を振って
誕生日、身長、性格
きみとぼくの足し算 引き算
やさしさ、涙 かさねたのに
いつからかマイナスになって
きみのイメージは散らばって
ランダムにぼくを攻め...◎ honey,Good-bye honey
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きみとぼくいっしょ いつの日もいっしょ
空の下いっしょ ちゃんと見える?
ねぇ、目隠しもいっしょ 寂しいのいっしょ
臆病さいっしょ あの日おなじ光見えた
伸ばしかけた指が 怖気づいてる
まだ暗闇が すこし怖いの
「きみは違うの?でも、」って思った
それなのに
「んーとね、えっとね」 いつも言葉は
喉...● いっしょ
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ふたり、あの日 最後の
ひとしずく 「ごめんね」
きみが残してく すべて
儚いハナムケ
面影は降りしきる 波間に消えてく
重ねては Error -回るライト
もしかして バグ? こんなはずじゃ
なくて Error -水溜まり
思わず掴んだ手 離した
雨は 晴れ間の夢埋め尽くすように...● Made in Rain
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孤独感と、呼吸
5文字じゃたりない“何か”
ぼくは空の器
虚ろに移ろうだけの、
抜けて落ちた 夜の底で
雨が 足をすくうようで
冷たい世界―だれも知らない
だから、涙に意味だってない
独りきりの、1・2・3(ひふみ)
数えて 鼓動がひびく...● iknow
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夜空に開いたのは
神様のファインダー
そこから覗く月
この頬を照らした
落ちる影ひとつ
だけど面影いまも
憶えているの
さよなら永遠 届かない言葉
噛み砕くと苦く
雨傘翳せど よみがえる記憶...◎ 神様のファインダー
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さらした素足の白
月の光に 似ていて綺麗
夜風に ながれてゆく
吐息はトリガー
ため息 零れるブルー
毒吐きのきみはしずか
缶コーヒー 飲み干す
その色に 溶かしてきた
哀しみも 知られず
ぼくらはお互いに きづいている...◆ トリガートリック・エンジェル
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目を閉じて カウント
3回 尾が跳ねたら
孤独さえ 今夜だけ
自由になって 海を舞う
光になる
息潜め 静粛に!
イルカの うた届いた
いのちさえ 一度きり
出逢いも 一度だけなら
だきしめた 夜の深さごと...◆ クラムボンは朝焼けの夢をみる
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視界ではじける世界
ユビサキほら絡めて
その手が撫でてくライン
交差する スキキライ
泡粒ひとつとったって
爽やかシャンプー、スパゲティ
耳元 もてあました
恋の香り、くらくら
昨日来たメールが
きみ行きの限定パス...◆ シャンプーとスパゲティ
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いつも多めのシュガー 今日は少しでいいかな
駆け込んだベルの音 窓越し伝う通り雨
柔らかくなったページを
2本の指でめくれば
机上のダンジョン 探索きょろきょろ
視界開けて ストーリーの世界
なぞった言葉は いつだって優しい
本の隙間に あまやどかり
まばたきひとつで はじまる瞬き
飛び込むの...◎ あまやどかりダンジョン
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レンズのむこう、たしかに見えた
飲み込んだロキソニン
アウトロー 夜を追いかけ
「また今夜も同じさ」
湿気が髪に絡まった
もう、いいんだ なんて言えない
夢をみていたのはどこのだれなの?
欲しかったんだ きらめいた
そら
捨てられない...◎ レンズ
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響いた秒針の円が
帰らない月日 描いた
かたちのない その鼓動が
そっと ユメになる
足掻いても 叶わない
ものばかりの世界
知ってるけど それでもまだ
前を向いて 生きていたいの
羽ばたいて、いま この空になる
二度とない 風に乗ってゆく...◎ ユメドリ
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声さえも 知らなかった
届いた ドアノック
何度でも 逢いにいった
Did you call me? 嬉しくて
指先で つながる
なにもかも ハジメテ
モニター越し 超えて
ほらほら このリアルで
すれ違うはずの影
重なって 駆け出してく...◎ with you WORLD
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ひらり、積もる雪のように
冷えた指に ふれた独り
ひやり、鼓膜ゆらすノイズ
広い部屋に ひどく響く
せつなさは むねの奥も
まっしろに 染め上げていく
ふわり、きみの影が
溶けて 消える
熱くなった 手をとって
引きとめてれば よかったのかな...◎ ホワイトノイズ