かぎろい灯火の投稿作品一覧
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君の居場所つきとめて まっしぐらに駆けつけて
その腕の中飛び込めたらいいのに
思うに任せぬ僕は ここに縛られたままで
受け身に君の訪れを待ってる
花びらくるくるちぎって
来る、来ない、来る、来ないと 今日を占いながら
昨日の君が来なくても 松帆の浦の夕凪に
今日の君こそ来てくれる 信じているのいつま...97.君に焦がれる
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一つ 秀でた芸術は
昔も今も衰えぬ
歌を集めよ時代を問わず
天も動かす優れた歌を
二つ 不朽の名作を
後々の世に伝うべく
歌を集めよ評価の高い
先達にさえ負けない歌を
三つ 見事な作品を
埋もれさせるな拾い出せ...歌を集めよ
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届きようのない人と
すっぱり諦められたなら
胸が痛んだとしても
きっと高は知れていた
なまじ顔を合わせて
言葉さえ時に交わせて
つい夢を見てしまう
まるで手を伸ばせそうで
いっそあなたと出逢わなければ
この苦しみも知らずに済んだ...44.いっそあなたと
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憂いの絶えぬ世の中よ
先の見えない毎日よ
気の持ちようでは片づけられぬ
悩み苦しみが押し寄せて
自分が運良く今のところは
平穏に過ごせていたって
知らないふりではいられない
僕には何ができるだろう
憂き世の民に覆ふかな
わが立つ杣に墨染めの袖...95.身の程知らずな願い事
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芽吹いて繁りやがて散りゆく
生きた葉っぱがいっぱいに
散った後にはまた次が
季節と共に芽吹くのに
本物まねた作り物を
あえて描き加えるなんて
蛇足でしょうと笑いつつ
今日も絵筆を走らせる
絵の具で描いた命を持たぬ
壁の葉に目を留めた...贋の葉を描く
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火花が散ります ちかちかと
あるいは牡丹 あるいは松葉
儚くも美しいでしょう
手に取ることは叶わずとも
焼きつく一瞬 華やかに
確かにそこに咲くのです
さあ 火をつけましょう
ご覧に入れます 鮮烈に
燃えて焦がれる小さな花を
その目が捉えてくれるよう...口上
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あなたがそこにいてくれたこと
巡り合わせに感謝を深く
ふざけ慣れないあなたが好きで
不安そうでも微笑ましくて
不得手なことに挑むときにも
無理なく笑えていましたか
一歩下がってこれからは
振るってください 自信の腕を
伸ばした羽根で飛び立つ空へ
ついていきます 許されるなら...表舞台より退いた人へ
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スタンダードな道を 大きく外れても
気負いなく淡々と 歩く僕の日々
世をうぢ山と想像だけで
おもしろおかしく言う声も
自然と耳に入ってくるけど
相手にしないで 言わせておくさ
僕は僕らしく生きるだけ
楽だってわけじゃない 最初は悩むだろう
でもいずれ吹っ切れて やりやすくなるさ
世をうぢ山と勝手なこ...8.世をうぢ山と人は言へ
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柔らかな目が円くなり
笑い転げて手を打って
明るいだけが取り柄じゃないけど
明るいあなたがやっぱり好きよ
身振り手振りもオーバーに
解いてくれます 身構えを
当たりの日には雄姿を見せて
両手合わせて道筋探り
拳振り上げ勝利を叫ぶ
あなたに拍手を贈るから...リアクションの豊かな人へ
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落ち着く声で紡ぐのは
一風変わった問いかけよ
読まれてたまるかとばかり
くるりひねって締め括り
険しい分だけ張り合いのある
仲間と拓いていく道で
その入念な拵えが
万全にするあなたの舞台
遥かな高みから見下ろして
どうぞ手玉にお取りなさいな...ユニークな人へ
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最初の一ページが遠い昔のよう
指を折れば少し大袈裟だったとわかるけれど
一枚一枚引き返せない扉を
二人で開いてここまで辿り着いたわね
わたしたちの未来はまるで
果てしないようだけれど
本当は一日先も見通せないわ
長からん心も知らず 永遠を誓うあなたは
今でこそ嘘偽りなく そう言うけど
黒髪の乱れて今...80.物思いの朝
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約束したのとうきうきしてた
あなたが今は打ちひしがれて
会いに行くよって言ってた彼は
結局来なかったのね
やすらはで寝なましものを
信じて起きていたのでしょう
ときめきが不安に移り変わって
月が傾くまで
恨み言一つも言っておやり
ひどいことだと教えておやり...59.月が傾くまで
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今日も僕らのおでましですよ
拍手で迎えてくださいな
余裕綽々 大口叩き
尖ってみせよう尊大に
縮こまってもそれまでだから
前へ前へと今はただ
躓いたって自分で立つけど
いざとなったら そこの手が
差し出されること 信じてる
僕ら 一人じゃないんでね...僕ら、なので
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みかの原という名前を
高い評価と共に聞く
歌に詠まれる名所なのだって
いづみ川という名の川が
湧き出ているとも聞いたよ
きっと美しい流れなのでしょう
いづみ川のように
いつみきとてか
こんなにも恋しいの
あなたの何を知ってるんだって...27.あなたの何を知っていて
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ふと見渡せば目の眩む
はるかな高みに立っている
いつやめたっていいのだと
強がりでなく思ってる
世界は広く未来は多い
頂上はここだけじゃない
時に試してみたくなるんだ
一人の足で挑んだら
どこまで登れたはずだろう
君が僕をここへ連れてきた...はるか高みで戸惑いながら
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絡み合う糸ほぐす指には
ただただ見入るばかりだけれど
易しいパズルに組み直し
自らの手で解いてごらんと
差し出すのなら腕まくり
応えぬわけにはいきますまい
あなたが示す扉の先に
広がる世界の果てしなさ
入口ならば踏み出してこそ
きっと生かしてみせましょう...優れた教師へ
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噂になってるなんて
早すぎるんじゃないかな
まだ芽生えたばかりの
若葉のような恋だよ
誰に打ち明けてもない
ただ自分だけの秘密だったの
人知れずこそ思ひそめしか
あなたが好き 飛び立てそうなほど
胸の空が爽やかに晴れるほど
あなたが好き 体じゅうが叫ぶ...41.人知れずこそ
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あなたが僕をどれだけ知っているだろうと考えたとき
言葉を交わせるだけで十分幸せだって思った
閉じ込めていたつもりで すまし顔でいたつもりで
気づけば物わかりよくいられないぐらい育ってたの
もう忍ばせておけないよ もう隠しておけないよ
あふれる想いは 物や思ふと人の問ふまで
同じことならいっそ 叫びた...40.物や思ふと
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追い風が背中押してくれるなら
大きく帆を張り受け取ろう
凪に止まったら櫂を握ろう
向かい風にも怯まない
港を離れ 岸辺を離れ
届かなかった沖へと
はるかな青海原に 白波が連なって
まるで雲の上を目指してるみたい
広がる大海原に 僕ら漕ぎ出してくよ
目に映せてた景色の その先へ...76.まるで雲の上を
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初めて足を踏み入れたとき
どんな気持ちでいたでしょう
大好きなのねと微笑みながら
挑むあなたを眺めるの
あるいは協力 あるいは勝負
うっかりしたのも思い出ね
得難い仲間に囲まれて
今日の勝利は誰のもの
そこで競える喜びが
はしゃぐ姿に満ちている...好きなところにいる人へ
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くるくる回る舌先を
裏打ちするのは確かな知
得意満面 語るにも
引き際悪くごねるにも
他の追随を許さない
豊富な土壌が窺えて
プレッシャーなぞ踏み越えて
どこまで登る? どこまでも!
陰りを見せぬ太陽の
あなたの前途に祝福を...王者へ
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あなたがそこにいてくれたこと
巡り合わせに感謝を深く
ふざけ慣れないあなたが好きで
不安そうでも微笑ましくて
不得手なことに挑むときにも
無理なく笑えていましたか
どこか遠くで今のあなたは
元気でいますか 心身共に
ただそれだけを案じています
寂しいことは受け入れて...どこかへ去った人へ
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僕にも君にも楽しいことを
知れば知るほど尽きない興味
謎が謎呼ぶ興奮を
魅了の旅路 魅惑の探査
この口先でご案内
知れば知るほど広がる世界
君も出ないか冒険に
期待の夜明け 閃きの朝
隈なく明かす太陽に
知れば知るほど高まる鼓動...知れば知るほど
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今度は何をやろうかと
発案を得て計画を立て
僕らは未来しか見ていない
次の一手の参考に
振り返ることはあるにせよ
だから君は正しかったのだ
過ぎ去った日々に絆されて
翼を畳まなかったこと
君の空はどうだい かつての仲間
ここに劣らず 飛び甲斐はあるかい...前略、あれから
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ひらり はらり 暦めくり
あと一枚で明日が来る
これを限り僕らの中に
君がいなくなる
行かないでと泣いたら
気を変えてくれる?
引き止めずにいられるかな
ちょっと自信がないな
さよなら さみしくなるよ
君の夢を知ってても...見送り
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過去に塞がれる未来じゃないし
未来に消される過去じゃない
だから出ていくよ 顔を上げて
きっと誰もが一度は思うように
この道を曲がらなかったらと
感傷と共に振り返る日が来るだろう
このまままっすぐに進んだ先も
叶うなら見てみたかったけど
まだ題名も読み取れない白紙の明日へ
後ろ髪を切り捨てて 走って...題名のない明日
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最後の最後まで涙こらえて
背中を押したい方の自分だけ
まとめて前に持ってこよう
あなたの決意が僕のせいで鈍るなら
その方がずっとつらくて後悔するし
否定したいわけじゃないんだよ
あなたが望んだことを 夢見たことを
そのためにあなたが僕たちの間から
いなくなってしまうとしても
幸運を ――幸運を!...Good luck!
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わがままを承知で最後に一つ
どうか付き合ってくれないか
誰もが臨めるわけじゃない
高みを指しての挑戦に
君は僕らのいないところで
僕らは君のいないところで
これからは重なり合わない物語を
それぞれに紡いでいくから
その前に今の僕らが辿り着ける
最高峰へ駆け上がっておきたいんだ...餞