KAITO+鏡音リン
+++
カイトは一つ興味深いものを見ていた。
一番末っ子の妹、リンが身体を小刻みに揺らしているのだ。その視線には置時計。
暫くその様子を観察していたけれど、カイトにはリンが何故時計をあんなにも熱心に見ているのか理解できなかった。
――そもそも自分はリンではないのだから当たり前と言えば当たり前なのだが。
よいしょ、と椅子から立ち上がり、床にぺたんと座ったリンの横でしゃがむ。
「何してんの、リン」
んー、と言う生返事に、カイトも首を傾げながら置時計を見た。
ちっちっ、と小さな音で時を刻む時計。
ふ、とその音とリンの動きが比例している事に気付いて、カイトは噴出した。
「リンは本当リズムとかが好きだね」
同じVOCALOIDだから解る事だが、刻む音はまるで音楽に似て、そう自然に身体を揺らしたくなる一定音だった。
おそらくそれにつられたのだろう、とリンの思考をようやく読み取ったカイトはクツクツと隠すように笑う。 隠せてないのが、バレバレなのはカイトの悪い所であり、良い所でもあった。
けれど本人はムッとした顔で煩いなぁと一言。
ごめん、と苦笑を織り交ぜて笑うのを止め、カイトは胡坐をかいて其処に座った。
「俺も混ざろうかな」
「馬鹿にしたくせに」
「違うよ、可愛いなって思って」
ポンポン、と大きなリボンを崩さないように頭を撫でると、あたしが可愛いのは当たり前じゃない、なんてちょっと拗ねたように口を尖らせる。
じゃあアイス作ってあげるから許して、と笑うと、オレンジのがいいとグリーンの瞳がこちらを見て、小さく笑いあった。
ちくたく、と時計の秒針に身体を揺らす二人に、レンが首を傾げるのは数分後の話。
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*
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