ここはどこ？





目を開けると…白い。





白って言っても天井の白だと思う。








ここは…保健室？





ボクが起きてキョロキョロしてると声をかけられた。







　「おや…起きたんですか…？」





この声としゃべり方は…






　「大丈夫ですかぁ…？」






弱音ハク先生だ。







ハク先生は保健の先生で…





名前の通り、弱音ばかり吐く人だ。








　「はい、ボクは大丈夫です」






　「そうですかぁ…」





しゃべり方も何か…心配そうなしゃべり方。





もう慣れたけど…







　「何でボク保健室にいるんです？」




　「あれ？覚えてないんですかぁ？あなた体育でボールが顔に当たって倒れたのよ…」




　「あ…そうなんですｋ痛っ」




頭が痛い。ズキズキする。




あの時、余計なことなんか考えなければ…





　「うぅ…」



ボクはあまりの痛さに頭を抱えた。




　「あ…無理しないでください…ちゃんと寝てて…」





　「あ、はい…」




そう言われて横になった。うぅ…





　「メイコ先生に…伝えてきますね…」





そう言ったハク先生は保健室を出て行った。







あーあ…つまんないな…




でも授業さぼれるからいっか。







ガラッ





ドアが開いた。




ハク先生かな？





そう思ったが、




　「すみませーん」




違う声がした。






この声は…





　「誰かいますかー？」





間違いない。






クオだ。








こいつはサボりに来たのかな…







　「先生なら今いないぞ」




ボクは答えた。






　「えっその声はレン？」



気付いたか…





　「そうだよ」





　「何でいるの？」






　「体育の時ボールが顔にあたってさ。それで寝てんの。お前はサボりか？」





　「サボりじゃねえよ。マジケガ。指切ったんだよね」




クオでも指切るんだな。





　「おい保健委員！手当てしてくれ」





　「いやボク保健委員じゃないし…っていうかクオが保健委員じゃなかったっけ？」






　「オレケガ人。分る？」



　「いやボクだってケガ人」





　「…」



　「…」







ボクとクオはにらめっこをしてた。






ガラッ






　「レンさん…メイコ先生に伝えてきましたよ…あ、クオさん」






　「あ、ハク先生！指切っちゃったんでバンソーコーください」






　「はい…いいですよ」







先生は棚からばんそうこうを取りだした。





　「はい…クオさんどうぞ…」




　「先生サンキュッ」




　「はい…お大事に…」





そう言ってクオは去っていった。