ゆくりさんのお店「ゆっくり」で、アルバイトを始めたレンくん。
彼女といっしょに、お得意先の、「星を売る店・上海屋」にやってきた。
そこで、彼らが店長のりりィさんと話をしていると、一人の女性が現れた。
それは、デザイナーの霧雨さん。
さきほど、みんなで、“この雑貨と、あの雑貨、ちょっと似てるね”と話していたが、
霧雨さんは、その一方の作者だった。
「こんにちは。お邪魔します」
にこやかに、店に入ってきた彼女。
店にいる、ゆくりさんを見つけて、「あら!こんにちは」と笑った。
「いらっしゃい」と優しく応対するりりィさん。
「あ、そこに私の作ったバッグがある。置いてくださって、有難うございます」
と、霧雨さんはお礼を言う。
●ヒット商品を作った方よー!
「霧雨さん、最近、活躍してるんじゃなーい?」
ゆくりさんは、ちょっと意味ありげな言い方で、片目をつぶってみせた。
「そうそう、ウチのレンくんも紹介しましょうー。ウチの店でこんど働いてもらう、加賀美 蓮(かがみ・れん)くんよ。
こちらは、霧雨きょうこさん」
彼女は、霧雨さんに彼を向かわせた。
「よろしくお願いします」
「どうぞよろしくね」
ゆくりさんは、つづけて、レンくんに教えた。
「霧雨さんは、ヒット商品の“アマガエルのフォギー”を作った方よ」
「へぇー、あの商品を作った方ですか!」
レンくんは、目を丸くした。
「あれ、いいですよね!」
「まぁ、どうもありがとう」
霧雨さんは、嬉しそうに言う。
りりィさんは、そんな様子をにっこり笑って眺めている。
●私が作ったバッグなの...
レンくんと、ゆくりさんがふと気づくと、店の入口にもう一人、女の子が立っている。
霧雨さんの、連れの女性のようだ。
彼女はそちらを向いて、呼び寄せるように声をかけた。
「さくやさん。ほら、あそこ。私の作ったバッグよ」
呼ばれた女の子は、こちらにやってきて、商品を見つめた。
「いらっしゃい。この間もいらしたわね」
女の子に向かって、りりィさんは優しく声をかけた。
●気に入ると、作品が似ちゃう?
その頃。
カフェ・ギャラリー「ゆうひ」のテーブルで、お茶を飲んでいるテトさんに向かって、
モモちゃんが話をしていた。
「ゆうひ」では、霧雨さんの絵の展示会が、いま、開かれている。
「ほら、そこに展示してある“ハミング”っていう絵だけど」
モモちゃんは、指をさす。
「私も、“メグ・ハミング”に似てるな、って思ったから...。きのう、作者の霧雨さんに、ちょっと聞いてみたの」
「作者さんに?」
「ええ。“この絵のインスピレーションは、どこから生まれるのですか?”ってね」
紅茶を飲みほして、テトさんはうなずいた。
「うん。そしたら?」
「霧雨さんは、こう言ってたわ。“いいな、と思った何かがあると、パッとひらめくんです”って」
「ふぅん」
「彼女ね、気に入ったものがあると、作品が似てしまう傾向があるみたいね」
モモちゃんは、テトさんを見つめて言った。
「ただね、どうもそれだけじゃ、ないみたいなのよ」(-ω-;)
(Part6に続く)
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