ブックマークした作品
-
「ねぇ、ルカ姉……さっき松田警視に言ったことって……。」
ホテルのエレベーターで降りて行く時、ミクがルカに尋ねた。
「……分かってる様ね。……和也君が心の声で言い残したのよ。『がくぽの様な人を見た』って……。」
『……………!!』
一同の間に緊張が走る。
神威がくぽ。嘗て共に歌った仲間で...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅶ~猫又の推理~
Turndog~ターンドッグ~
-
「……ったく、何でこんな事件にこの俺が出張らにゃならんのだ。」
ホテルの入り口をくぐった、全身黒スーツの刑事はそうぼやいた。黒髪をオールバックにして、いかにもキレ者刑事と言ったような風貌だ。
後ろからついていく若い刑事が、慌てて口を出した。
「で、ですが松田警視、今回の事件、あの『黒猫組』が関...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅵ~事情聴取~
Turndog~ターンドッグ~
-
「わああああああ……!!海だ……本物の海だぁあああああ!!」
白と緑のボーダーのビキニに着替えたミクが、拡がる大海原を前にして歓喜の声を上げている。
そのまま叫びながら海に向かって駆けていくミクとは対照的に、リンとレンは若干表情が暗めだ。
「せっかくルカさんが休暇取ってきてくれたのに……肝心...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅴ~事件……発生!!~
Turndog~ターンドッグ~
-
「先程は失礼なことを言って申し訳ありません……申し遅れました、私は富岡初美と申します。この子は息子の和也です。」
「はじめまして、巡音ルカです。こっちは家族の初音ミクに鏡音リン・レン、それにメイコと(バ)カイトさんです。」
「ルカちゃん!?今こっそりバカイトって言わなかった!?」
「えー、気の...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅳ~巡音流歌警部補は休まない~
Turndog~ターンドッグ~
-
「ぅうわあああああ~~~~!!!はっや~~~~~~い!!」
「え~ミク姉より遅いよ?」
「気分崩す様なこと言わないのーリン―!!」
他愛ない会話を続けるそこは、リニアモーターカーの中。ミクとリンとレンは初めて乗る電車に大はしゃぎだった。
途端にスパーン!!と小気味いい音を立てて、三人の頭が...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅲ~外界の現実~
Turndog~ターンドッグ~
-
「ええっ!?きゅ…休暇!?」
ルカの驚愕の声から、『それ』は始まった。
目の前に座るヴォカロ町警察署捜査一課課長―――橋本喬太郎は笑ってうなずいた。
「うむ、そうだ。巡音君、君には一か月ほど休暇を取ってもらう。」
呆気にとられていたルカの顔に、徐々に焦燥が浮かんでくる。
そして突然、おび...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅱ~一カ月の休暇~
Turndog~ターンドッグ~
-
「う~~~みだぁ――――――――――――――――っっ!!」
皆さんこんにちは!初音ミクだよ!
実は!今日私達……海に来てるのっ!!
突然ルカ姉が一カ月もの休暇をとってきてくれたおかげで、皆で慰安旅行!ってことになったんだ!
今まで町の外に出たことのなかった私とリンとレンはも~~すっごく楽し...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅰ~プロローグ~
Turndog~ターンドッグ~
-
「……オッケエエエエ―――――――!!クラアアアアアアアアアンックアアアアアアアアアアアップ―――――――――!!!!」
『おめでとうございます監督!!!』
スタジオに狂喜の声と、スタッフの祝いの声が響いた。
ポージングを取っていたミクはその言葉とともに息を大きく吐いて力を抜いた。
「は~...【自己解釈式二次創作風小説】ODDS&ENDS~歌姫《ガラクタ》と僕《ガラクタ》の二重奏《デュエット》~エピローグ
Turndog~ターンドッグ~
-
暗い、暗い、闇夜。
月すらも隠れて、灯りのない闇夜。
僕は長いこと、泣き叫んで泣き叫んで、声が枯れても泣き叫んで。
いつしか、僕の喉はどんな声を出そうとしても出せないほど枯れつくしていた。
ミクも―――――こんな気分だったのかな。
何かを伝えたくても、もう声が出せなくて。
なにも―――...【自己解釈式二次創作風小説】ODDS&ENDS~歌姫《ガラクタ》と僕《ガラクタ》の二重奏《デュエット》~⑤
Turndog~ターンドッグ~
-
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ああ、もう力尽きちゃった。
もう体を動かそうとしても、手も足も、口も動かない。
歌おうとしても、もう何も歌えない。
……ううん、それだけじゃない。今まで覚えていたはずの言葉だって、何一つ思い浮...【自己解釈式二次創作風小説】ODDS&ENDS~歌姫《ガラクタ》と僕《ガラクタ》の二重奏《デュエット》~④
Turndog~ターンドッグ~
-
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いつからか君は、人気者になっていた。
どこから情報が漏れたのか、数々の動画投稿サイトで人気の新人ボカロPが君だということが大学でも広まって、たくさんの人にもてはやされているって言ってた。
以...【自己解釈式二次創作風小説】ODDS&ENDS~歌姫《ガラクタ》と僕《ガラクタ》の二重奏《デュエット》~③
Turndog~ターンドッグ~
-
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―――――………また誰か、あたしを買ってくれたみたい。
これでいったい何人目だろう。もう二ケタを超えた気がする。買われた回数も、返品された回数も。
………でも今度はなんだか、悪い人じゃな...【自己解釈式二次創作風小説】ODDS&ENDS~歌姫《ガラクタ》と僕《ガラクタ》の二重奏《デュエット》~②
Turndog~ターンドッグ~
-
「はぁ~……。」
大きなため息をつきながら、僕はとぼとぼと歩いていた。
今日もいつも通り、僕はみんなの嗤われ者だった。
大学の講義では資料を忘れ。合唱のサークルでは何度も同じところで変な声を出して叱られ。
挙句の果てに、こうして帰り道は雨に降られている。
沈んだ気持ちで自分の手を見る。お...【自己解釈式二次創作風小説】ODDS&ENDS~歌姫《ガラクタ》と僕《ガラクタ》の二重奏《デュエット》~①
Turndog~ターンドッグ~
-
やあ諸君、久しぶりだな。吾輩は猫又のロシアンである。
かれこれ……半年ぶりぐらいか?ふむ、懐かしいものだ。
早速だが、Turndogから手紙を預かっておる。ここで読ませてもらおう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「きゃほお...猫又ロシアンからのお知らせ~Turndogの手紙③~
Turndog~ターンドッグ~
-
はぁいどうもぉー!Turndogです!
え、なんで今日は自ら来てるのかって?
いやほんとはね、ロシアンにこれ渡して執筆に戻ろうと思ってたんですがね。
あんにゃろうまだ来てやがらねえ、いったいどこで油売ってやがんd
『誰が油売ってるだって!?』
NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO...【Turndogの手紙】ヴォカロ町設定集
Turndog~ターンドッグ~
-
「踊ろうよ、このハーレムで」
屋敷に訪れた女性に手を差し伸べ、決まり文句のように告げる。
そんなことを言っていた時期が、俺にもありました。
幼い頃の俺を、周りの奴らはあざ笑った。
俺は何もしていないのに、奴らは暴行を加える。
奴らの口から出るのは暴言の嵐。
誰も、俺を助けてくれなかった。
そう、俺が...【七つの大罪】ヴェノさんと悪戯の内容【二次創作】
ゆるりー
-
「食らい尽くせ、この世の全て」
食べることは私の全て。
全てを失くした私に残された、唯一の希望。
この世の全ての生き物は、必ず何かを犠牲にして生きていく。
私たち人間もその一つ。私たち人間は食べることで栄養を得る。
残してしまっては、私たちの力になってくれる食物たちに申し訳ない。
だから私は父の教え...【七つの大罪】バニカさんと本日の宴【二次創作】
ゆるりー
-
テーブルの上にそっとマスターノートを置いて、ルカは一つ息を吐いた。
「…久しぶりに、マスターの声を聴いた気がするね。」
「そだね…。……マスターたちの、本音。聞けて良かったな。」
ミクが静かに言葉を合わせる。
「ルカさん!マスターノートはどこに置いとくの?」
リンが飛びつく。が、ほんの少...【特別編】手紙 ⑤~エピローグ~
Turndog~ターンドッグ~
-
やあ諸君。吾輩は猫又のロシアンである。
…正直言って、あのバカイトの新技を我が清らなるデータファイルに書き込むのは気が引けたのだが…。
情報収集のためと割り切って書いた。読んでもらわねば吾輩の断腸の思いの決断が無駄になってしまうのでな。
読まなかったらどうなるか…ここまで読んできた読者諸君な...ロシアンのデータファイル③
Turndog~ターンドッグ~
-
やあ諸君。吾輩は猫又のロシアンである。
今回はルカたちのマスター、「チーム・マスター」の4人を紹介しよう。
…いや本当は書くつもりはなかったのだが、「書かないとどうなるかわかってるよね…?」とルカが脅しをかけるのでな。あれで齢300年の猫又たる吾輩を脅しているつもりというのが少し泣けてくるが…...ロシアンのデータファイル④
Turndog~ターンドッグ~
-
「後は…ハーデス博士!ネルさんとハクさんだよね!」
涙を拭ってリンが振り向く。それに応えるように、ネルとハクが椅子から立ち上って、マスターノートを受け取った。
ハーデス・ヴェノム。彼は開発当初では、得意分野の人工知能の開発を担当していたらしい。すなわち彼が、ルカたち『そのもの』を作り上げたとい...【特別編】手紙 ④~ハーデス・ヴェノム~
Turndog~ターンドッグ~
-
「ね!!次は誰!!?」
がっつくのはまたもやリンである。…目が言っている。いやむしろイっている。「次読ませなかったら轢くぞRRで(怒)」と言っているかのよう。
そうせかされずとも、ルカの心は決まっていた。
「わかってるわよ…次は喬二博士のでいいでしょ。」
リンの顔がパッと明るくなる。と同時...【特別編】手紙 ③~鈴橋喬二~
Turndog~ターンドッグ~
-
花が散っていく森。
私はただ、道なき道を駆け抜けた。
木にぶつかりそうになった。
カラスにつつかれそうになった。
石につまずきそうになった。
それでも、私は走り続ける。
はやく、はやく、逃げないと。
これさえ持って帰れば、私と赤い二つの果実は、きっと幸せになれる。
この果実も、きっとそのほうがいいで...魔女ザルムホーファーの逃亡【自己解釈】
ゆるりー
-
「じゃあ、誰から読む?」
そう切り出したのはリンだった。…目が輝いている。「誰から読む?」と言ったものの、誰がどう見ても「あたしが読む!!」と目が言っている。
しかし「誰から読む?」と投げかけられた時点で、ルカだけは既にその答えを見つけていた。
「そりゃあもちろん…カイトさんで!!」
「え...【特別編】手紙 ②~ケルディオ・マリーナ~
Turndog~ターンドッグ~
-
翌日。
テーブルに置かれたマスターノートを前に、ルカたち六人が緊張した面持ちで座っていた。
暫くぶりのボーカロイド全員集結。それも緊張の原因の一つではあった。しかし何よりの原因は、これからマスターノートに刻まれた、マスターたちの言葉を見ること。今のルカたちは、がくぽやリリィと闘った時よりも緊張...【特別編】手紙 ①~プロローグ~
Turndog~ターンドッグ~
-
ルカが涙をこぼしていた翌日の晩、バー『whine&wine』に、蒼いマフラーを棚引かせた男が現れた。
バーテンダーの弱音ハクは、その人影を見て「あら」と声を上げた。
「カイトさんじゃないですか!珍しいですね。」
「久しぶり、ハクちゃん。『オンザロック・リキッドオキシジェン』をお願い。」
「...蒼紅の卑怯戦士 13~エピローグ~
Turndog~ターンドッグ~
-
風の音と、木々のざわめく音だけが響く、静かな夜。
ルカは机のライトだけつけて、マスターノートを前に座っていた。
ふと、薄暗い部屋の右側の本棚を見る。そこには、マスターたちが遺して行った数多の本や資料がぎっしりと詰め込まれていた。
ルカたちがマスター達と暮らしたのはわずか二年間―――開発中を含...蒼紅の卑怯戦士 ⅩⅡ~ルカへの想い~
Turndog~ターンドッグ~
-
「ほらよ、約束の『マスターノート』だ。」
リリィの手から差し出された、古ぼけたノート。それを少し緊張した面持ちで、ルカが受け取った。
「ありがと…リリィ!」
「気にすんなって。…そいつにはあんたらのマスターの想いとやらがみっちりと書き込まれてる。特に後ろのほうにあるお前らに向けたメッセージは...蒼紅の卑怯戦士 11~マスターノート~
Turndog~ターンドッグ~
-
「特殊音波で筋肉を弛緩させたか…!だがそんな小手先の技にやられるようなあたしじゃないぜ!!」
鬼百合を支えに、震える足で立ち上がるリリィ。そしてカイトをキッと見据えると、直前まで足が弛緩していたとは思えぬような踏込で突っ込んだ。
そんなリリィを一瞬だけ鋭い眼で睨みつけ、カイトは漆黒に染まった手...蒼紅の卑怯戦士 Ⅹ~決戦!!VSリリィ②卑怯戦士の猛攻
Turndog~ターンドッグ~
-
『あれ?』
二つの声が重なった昼過ぎのこと。
一つはリリィを探しに、一家総出で物々しく先頭を歩いていたルカ。もう一つは―――ネルを引き連れて歩いてきたリリィ。
「あら、奇遇ねリリィ。ちょうど私たち、あなたを探してたところよ。」
「そいつぁ奇遇だな。あたしもあんたらを探してたとこさ。」
先...蒼紅の卑怯戦士 Ⅸ~決戦!!VSリリィ①カイト、覚醒…!!~
Turndog~ターンドッグ~