ブックマークした作品
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金がなくってサ
風呂に行ったんだ
金曜1時の
日付を置いて
おしどりの錠前
押し込んだアルミ板
番頭のババアが
気にならなくなるくらい
湯上がりに薔薇色
蓮池に広がる...二丁目3番地アパート裏にて、とある苦学生の洗身
一色
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爛れて薄皮めくれ
舐めてふやけて口は
お愛想浮かべ小鎚か
舌は何枚?ミントを噛んだ
言える内が華、乙女の
咲いた歳月(としつき)は姦し(かしまし)
鈴音や吟う(うたう)が誉れよ
コンクリ剥いだ裏の虫
如何に腐るか上人、情人
化し原(あだしはら)ゆく、角が伸びゆく...未必の故意
一色
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赤茶けた石組みの道が迷路のように絡み合って、アリアの町はありました。何本もなんぼんもつながってできた道は大通りから裏小路まで、通らない場所はありません。らせんのようにぐるぐる連なった道はどこでも古い魔術に満ちていて、時折カラスの仰々しい音頭がそら一杯に響き渡っては、少しの不思議を日常に潜ませるのでし...
【シナリオ】ごまかし師とアリア
一色
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〝小指に唾を取り″
〝唇に七つ夜″
〝ウソつきな娘(こ)の血で″
〝灰を飲んだら″
教えて教えておしえたげるよ
恐ろしい程よく効くのよ
おまじないなら山ほどあるけど
コレは確かなやつなんだから
おうらめ おうらめ おうらめ様々
御歳 お主と 卒塔婆とお箸...おうらめ様
一色
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地下鉄を抜けて駆けて
したり顔に迷子
マスカラもチークも
分かんないくらいにじんだ
一枚、二枚、葉っぱも抜いた
百の気持ち ひらひら逃げた
新しい生地 装い作って
花束になるんだ
ピンポンマム、ピンク
ピンポンマム、黄色...ピンポンマムを竪琴に
一色
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古い ぬるい 靴に 雨が
僕に チリに 溝に 注ぐ
「ここはどこだ」「僕は誰だ」
小説の真似事だ
息がし難い(しづらい)と
ウソをついていた
狭い机に
敷き詰めていた文庫本
十五の夜 十五の他人(ヒト)
妄動で呼吸をする...閉塞世界の最終宣告
一色
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うねる言葉が私を呼んだ
とぐろの形の
激情で
うねる言葉が私を呼んだ
鎖骨に浮いた
指の痕
うねる言葉が
うねる言葉が
形となって
私を呼んだ...怒り。
一色
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雪に移りてなお白く
あきらめ心地に喰む指が
天つ乙女に救われる
末期(まつご)覚えた晩のこと
稚児に行脚(あんぎゃ)の道はなく
転げ割れての緑瓜
骨張る皮が鼓を打ちて
萌えず枯れゆき、影入るか
愛く可く(うくべく) 愛く可く 思えども
飢えが浮き舟 世に流れ...月牙に君、雪に花
一色
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アヒル口のアバズレの
あっちゃいけないロード・ショー
アタシだって逢いたかったの
あんな画面の最愛に
慣れない夜のお仕事は
辛いわけでもないんだけど
なんだか何もかもメンドくて
味もしないね、こんな水
めくらましに脱ぎ捨てた
タイト・スカート、下着と一緒...裸族の女
一色
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揺れて 揺れて
咽が開く
むせて、嗅いで、味わう
動く 動く
手足伸びた
知らず求め、ふるえる。
光 目指し
知らず浮かぶ
望むままに、昇る体
揺れる 揺れる...おはよう
一色
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A
拝啓、ぼくのお友だち
もう桜は咲いたかな?
ぼくと君が会えたのも
こんな香りの頃ですね
B
あの時ぼくは淋しくて
駄々をこねては見栄っ張り
しょっぱさばかりで満たされてた
君に会うまでは...ことのは
一色
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A
大きな雲が流れてる
影が顔にかかかる気がして
見えないけれど眩しいね
きら星が落ちる陽の下
B
彼方行く 箒の尾
とても早いね、けれど
目を閉じて 耳も塞ぎ
思うままに飛び込む...【歌詞応募】星くずの庭
一色
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窓の外がたいへん白かったので
それはそれは白かったので
白く染め抜かれていたので
窓枠に手をかけた
とたん、雲間一筋に
青く切れたものですから
なんだかバカらしくなってしまって
カーテンを閉めたのです
※アタクシは、ただの女だものですから
煤けたハンカチーフで洟をかむしかなく...一畳一間、円卓のひと
一色
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※とうとつな話をしよう
正直なところ、いつ死んだっていいんだけれど
嫌に空が青いから
なんだか興が削がれてさ
嵐が叩いた雨粒に
紛れ消えたく外に出た
カビの臭いのする手帳
手垢の残った日めくりと
二枚に割れた爪先で
濡れた地面を蹴っていた...平らかな日のはなし。
一色
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※そうさ僕こそ 優秀ロボット!
なんでもござれな スーパーマン
どんな仕事を 今日はお望み?
なんでもやっちゃう すごいロボ
チクタク鳩さん ポッポと鳴いたら
おやつ時間だ プリンをどうぞ!
クタクタおつかれ 夕焼け見えたら
後はおまかせ! お家へお帰り・・・まっ直ぐね!
どんなことでも まかせてお...Mr,ロボット
一色
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月曜日にはプディング
火曜日にお出かけ
水曜でラブ・レター
もちろんまっ白な便箋で
いちばんかわいいアタシになるの
いちばんすてきなアタシでいるの
木曜日に告白して
金曜日にキスをした
土曜日に招かれて
日曜日にウエディング...女の子はスカートの中に悪魔を飼っている
一色
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※たわんで ゆるみきった夜に
はずんで はじけ散ったね嫌なコト
ほどいて 抜けていってく意識
カバンに 黙りきったなベルの音
ふるえて、こぼれる自分
なじんで意識外(よそ)へ溶けてく
遠くへ、とおくへ落ちる
落ちてく、下りて落ちる
たわんで ゆるみきってる意識
はずんで はじけ散ったなベル...おやすみ
一色
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ふるり 古々 震えて候う
麗し 御国(みくに)が おわすとこ
からすが 唄う 天地(あまつち)や
幸い 言祝ぐ(ことほぐ) 我がおぼろ
誰れが為やと 笛が啼き
からり からりら 下駄転げ
余り五つや 挿頭(かざし)花
火の下 陽の元 金を呑む
くもよ くもよと 乞...雲をひさぐ
一色
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ヤり過ぎてトんじゃって
ばっちくてもう・もう・もう
獲って 食って 酔っぱらっちゃって
ハイなベイベ、パッパ・ラッパー
ゆれる ゆれる 腰がゆれる
乱れ 締まれ 尻がはずめ
まるでバカなお馬さんね
えずき あえぎ ぶって 落ちた
ろくでなしみたく
恋がしたいね..."if"
一色
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A
知ってるかい? キミの
おへその奥 種があるんよ
色んなひとが お水くれてな
甘いのも、苦いのも、みんな
B
キミは全部 貰ってまうね
「ありがと」って 笑ろてな
もうええって あふれてたって
でも「ありがと」って...マザー
一色
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藍が海に溺れんと
星降る廻りに任せんと
なんぞ憐れとおもうなよ
淡いの間合いがみちみちて
いつか時代にある話
身薙ぎ首刈り血を散らし
落ち椿と唄われた
とある男が死んでいた
名無き村より名を馳せて
名無し子供よあわいの子...薮の中
一色
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ありがとうと
言えるときは
大したことも
ないときで
ごめんねが
言えるときは
笑って言える
ことばかり
大事なことばは軽いもの
ふわふわ心がぬくまるの...ありがと。
一色
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長い休みが終わる頃
だれた体を引っ張って
河川敷の飛び石を
一人蹴りに行きました
首の裏がジリジリと
西日に焼ける思い出が
私ののどを渇かした
‘お水を下さいな’
記憶がホロホロ零れ出す
口に含んだ氷ごと...夏休みと残暑
一色
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浮き沈む夜
青い爪の音
やるせなさばかりが慰める
美しの君
絵画の姿
はしばみ色の紙に傷
開けて、開けて、駆け下りた戸を
いくつ、いくつ、くり返し
どこへ、どこへ、続くのか
私の足は知らないの...テレイドスコープ(遠華鏡)
一色
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鼻をすすった帰り道
なんだかほっぺたしょっぱいなあ
乾いたまぶたがひっついて
やけにまつげを引っ張った
なんだかとってもつかれたなあ
なあなあ鳴き出す小猫ちゃん
とてもお腹が空いてるの
特に理由もないけれど
路地に転がるブラウン管
ヒビ入る音に砂嵐...ボーダーライン
一色
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C
川の瀬に凍みる足が
光る筋に晒されて
連れや、連れ行け天の橋
糸が垂れるその先へ
A
怒れる辰の涙を拭う
お役目いただく十の夜
願い結われた五色の紐
八重二重、襲ね鎖...糸滝抄
一色
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Nein Nein Nein Nein ×2
崩れたお砂糖 殺した記憶と
泣き濡れたお顔 アタシのお化粧
信実これほど 不幸なコトなど
在るわけないやと アタシを誤魔化す
幸いを疑い 蹴飛ばした扉へ
某かの嘲笑が 響いては消えない
何処にも続かぬ 卑屈やのオアソビ
まぶた...ハッピーバースデーとその顛末
一色
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月明かりたどり歩いて
思い出から切符に変えて
改札の向こうの影に
あの時間を重ね見ている
あたり前にあった世界は
かんたんだけど幸せで
「“誰かさん”の声が好き」
素直に言えた
真冬の吐息 口にした名前
触れる、感じていられる...【歌詞応募】月行葬
一色
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かさぶたのような
しこりのような
胸に抱えた
もやもやもどき
明日の天気も世間話も
ろくに出来ないあなたとわたし
嫌いなんだけれど
無視もできない
きっとわたしの片思い
否定の言葉も侮蔑の視線も...むかんしん
一色
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万葉(まよ)が森の歯和(しわ)の土
とこしえ阻んだ願いの羽(わ)
納屋の奥おく赤の穂を
ひと差し刃(やいば)に掛け結ぶ
水を括ると流(りゅう)となり
比和(ひわ)の曙(あけぼの)穿つ露
見れば術なく迷う子ら
幾久しく涙せよ
相合彼方(あなた)の綾の檻
娑羅の林はまつの末(すえ)...悪阻
一色