タグ「雑音ミク」のついた投稿作品一覧(17)
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『みんな、俺たちのライブを聞きに来てくれてありがとう!今日は、盛り上がろうぜー!!』
「きゃぁぁぁああああ!!不破さぁぁああああん!!!!」
ライブが始まった。キッチンダンプズという四人組のアーティストだ。俺も死ぬ前に活躍を何度か耳にした記憶があるが、テレビに出ていなかったのであまり詳しくは知らない...小説【とある科学者の陰謀】第十一話~束の間の対話
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「本当に……ありがとうございました!!」
チンピラ達が連れて行かれ、色々と混乱が収まった路地裏には
、今、ペコペコと頭を下げるハクさんと、照れる鈴音コンビの姿があった。
「いえいえ、当然の事をしたまでですよ……それよりハクさんにデルさんですよね!サイン下さい!!」
すると、ララの周りに《HoneyB...小説【とある科学者の陰謀】第十話~波乱と男心~その4
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はちゅね像とは、ピアプロで一番大きな広場の真ん中に鎮座する、巨大なはちゅねミクの銅像のことだ。
何かの記念に配置されたらしいのだが、とにかく目立つのでピアプロで生活する人々やボカロ達からは渋谷のハチ公みたいにわかりやすい待ち合わせ場所という認識で定着している。
その例に漏れず、俺もまたここでハクさん...小説【とある科学者の陰謀】第十話~波乱と男心~その一
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「……」
街のざわめきが遠い。
パフォーマンスを行っていた商店街を離れ、住宅街まで戻った俺が第一に思ったのは何故かそんな事だった。
夜の帳が降り始める中、俺が立つのは一つの宿舎の前。
普段俺が日常生活を送っているものより数段綺麗なそれは、亜種の中でも凄まじい人気を誇る者のみが生活を許されている、言わ...小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その三
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量産化祭中には、様々なイベントや出し物がそこら中で行われている。
その大多数は、初音ミク人気に惹かれやってきた客に自分たちを知って貰おうと考えた亜種達が開いたものだ。そしてそういった中に混じり、また、《男の娘☆ボカロ同盟》も
活動をしていた。
「リッちゃーん!こっち向いてー!!」
「サイン下さいサイ...小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その二
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3、2、1、ポーン。
『たった今、初音ミク量産化祭が開催されました!今日はまだ一日目ですが、既にピアプロの中は人でいっぱいです!!この日の為に全国、いや世界中からボカロファンが集まったということで……』
ピッ。
『……ょうは、長年ボーカロイドについて研究をしてきた、高坂晋太郎教授にお越し頂きました。...小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その一
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「いやーみんな、おーつかれさまー!!」
数時間後、セントラルビルを脱出、散開したのち、俺たちは我らがアジト(因みにアジトは宿舎の地下にある。本当にいつ作ったんだ)に再集結していた。
「最後の方でハプニングもあったけど、なんとか無事に目的は果たせた……よって今回の作戦は大・成・功ー!!やったぞ野郎ども...小説【とある科学者の陰謀】第八話~悪の組織、始動~その3
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「おお、もうこんな時間でゴザルか……」
「これでお別れなのは名残惜しいスねー……でも仕方ないス、じゃあね、シグナちゃん!」
「はい、行ってらっしゃいませー……はぁ」
ヲタ二名を見送り、俺は漸く一息ついた。個室にいる間ほとんどぶっ続けで歌い通しだった。常人なら喉を痛めるだろうが、そこは曲がりなりにも俺...小説【とある科学者の陰謀】第七話~最悪の一日~その二
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ピアプロの商店街の中でも目立たない一角にある、ボーカロイドの経営するメイド喫茶、通称ボーカメイド喫茶「あーくのーれっじ」。
開店前のこの店の更衣室から、けたたましい笑い声が響いていた。
「サイッコー!シグもうあんたサイッコー!!ぷくっ、ぷくくく……アハハハハ!だめ、もう耐えらんないアッハッハッハッハ...小説【とある科学者の陰謀】第七話~最悪の一日~その一
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(なんなんだ、こいつら……!)
ゲームのコントローラーを握ったまま、俺は戦慄にうち震えていた。
「つ、強すぎるだろ……」
現在、画面では他にミク、リン、レンの使用する四人のキャラが入り乱れている訳だが……俺の使用するキャラ「偽装英雄 シグルド」は、他の三人とは距離を置いた場所に退避していた。
(様子...小説【とある科学者の陰謀】第六話~電子の歌姫~その二
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「ここが、鏡音の家か……」
ピアプロの敷地内の中でも「住宅街」と揶揄される、ボカロや一部のピアプロ会員たちが住むマンション群が建ち並ぶ一角に、どこか場違いの感すらある一軒家が幾つか建っている場所がある。初音ミクを始めとする、俗に言う公式ボカロ達が暮らしている家々だ。
その一つ、表札に「クリプトン公式...小説【とある科学者の陰謀】第六話~電子の歌姫~その一
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「きゃああああ!!助けて、誰か!!」
薄暗い路地裏に、絹を裂くような悲鳴が響き渡る。
「クックック……無駄さ、ここには誰も来れない、そう、だぁれも、ね……さて、そろそろ眠らせてあげるよ!!」
いたいけな少女を取り囲む無数の陰。その中でもリーダーらしき怪人が、カマになった腕を振り上げる。まさしく絶対絶...小説【とある科学者の陰謀】第五話~青いマフラーなびかせて~その一
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「……」
(……どうする……)
俺に許された選択は2つ。
一つは普通に一言残す事。俺の面子は保たれるが、どんなリスクがあるかわからない。最悪もう一度死ぬ。
一つは組織の宣伝をする事。俺の命は助かるが、無数のギャラリー、そしてハクさんに狂言を吐く変人と認識されかねない。最悪死ぬ。社会的に。
即ち、どっ...小説【とある科学者の陰謀】第四話~天国と地獄~その二
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こうして、俺の歓迎会が始まった訳だが……
「なんつう規模だよ……」
数にして200は下らない亜種ボカロ達が、順番に舞台に上がって歌や踊りを披露してゆく。今は初音ミクを男にしたみたいな奴(おそらくは初音ミクオ)と、KAITOを女性化したみたいな奴(おそらくはKAIKO)がカンタレラなる楽曲に合わせ踊っ...小説【とある科学者の陰謀】第四話~天国と地獄~そのー
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「ここは、確か商店街だっけか……」
俺の視界には、様々な店が建ち並び、人やボーカロイドが騒々しく行き交う光景が映っていた。
なんでピアプロの敷地内にこんなものがあるかといえば、ピアプロの敷地が広がるにつれて仕事が忙しくて外までろくに出かけられない人やボカロ達が増え、ならいっそ中に店を作らせてしまおう...小説【とある科学者の陰謀】第三話~黄色の二人、現る~その二
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「さて、と。どこから回る?」
「お前の好きに案内してくれよ。ところで……」
俺は宿舎の隣にあった建物を指差した。
「ありゃなんだ?宿舎っぽいが随分こっちとは趣が違うな」
「ああ、あれは私たち亜種の中でも大人気な……いわばVIPの宿舎よ。見た目通り中もこっちより豪華だわ。一部屋に二人押し込められたりも...小説【とある科学者の陰謀】第三話~黄色の二人、現る~その一
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(汚い部屋だな……)
部屋の中は酷い惨状を呈していた。
床には雑誌やお菓子の空き袋などが散乱している。流し台は洗っていない食器が乱雑に積まれ、タンスからは強引に押し込められた衣類が飛び出している。何故かベッドの上はきれいだったが。
(掃除できないロボットっているんだな……)
そういえば、実体化亜種ボ...小説【とある科学者の陰謀】第二話~潜入~その二