千魔猫アリス(アリス@ココロナ)の投稿作品一覧
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ここは雨の国。
青空は生まれて一度も見たことがない。
今日も学校、傘をさして登校。
イヤホンをして、世界を遮断。
傘は好きだ。
僕の顔を隠してくれる。
音楽も好きだ。
現実を忘れさせてくれる。
ウォークマンの中には、君の歌が入っている。
君が僕にくれた唯一のものだ。...遮断した世界(ショートストーリー)
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私はこの世界で「忘愛の君」と呼ばれている。
友達のことは覚えていられる。
親友のことも、家族のことも。
ただ、愛した人を愛した記憶は、愛してしまった時点で砕ける。
忘れてしまうんだ。
その人への愛情を。
それ以外だけが私の中に残る。
だから、愛してはいけないし、求められたら避けてしまう。
愛されたい...忘愛の君(ショートストーリー)
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「繋がりって、誰が作るの?」
幼い君が、首を傾げ、答えを求めてきた。
ただ不思議だっただけだろう。
それに対し、神様がと言った方がいいのか、それとも、自分でと言う方がいいのか、私は迷った。
だけど、口からこぼれ落ちたのは、
「認めあえるように努力して作るんだよ」と私は言った。
君は、「そっか」と、少...幸福な繋がり(ショートストーリー)
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なんとなく気分が重くて、
屋上の扉、開けたんだ。
そこにはひとりの男の子。
冷たい風が吹いていた。
こちらを背にして、空あおぐ。
僕に気づいて、振り返る。
君の辛そうな微笑み。
その時、僕は感じたよ。
ほんとは泣けたかもしれない。
その瞬間を奪ったこと。...僕の我儘(ショートストーリー)
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僕らが住んでる世界には
不幸せを感じる者はいませんでした
なぜならひとりの乙女が
とても美しい声で
平等に愛を
歌い続けていたからでした
どんな姿をしていてもどんな声でも
どんな感情をもっていても
それを言葉にしても
しなくても...歌う乙女
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今は亡き妻の出会った頃を模して作った人形。
それに僕はナナルと言う名をつけ、傍においた。
話し相手になって欲しかったから、まずよく喋るように設定して。
でも、プログラムの仕方がおかしかったのかもしれない。
君が声を出すまでに、とても時間がかかった。
感情を宿す筈のない君だったけど、「いつも傍らに」「...ショートストーリー
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西の果てに住む占い師の男、彼を殺すことが僕の仕事。
彼が殺される理由。
それは、世界を生きるものすべての未来を知っているからだ。
彼に恨みはない。
だけど、母の薬代を稼ぐ為、7つで僕は初の人殺しをする。
出来るかどうかわからない。
でも、そしたら僕は、母を見殺しにするのだ。
彼を殺せば人殺し、殺せな...彼はすべてを知っている ☆ショートストーリー
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「お前は恋をしてはいけない」
物心つく頃から、父に言われはじめた。
ずっと、ずっと思ってた。
なんで私、恋ができないのって。
だけど知った。
恋をして。
人は人を裏切るんだって。
ひとり残された私は、人を恨みはじめた。
恋なんてしなきゃよかったって思った。
(お父様、ごめんなさい)...君がくれた優しさ ☆ショートストーリー
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神は僕に、3つの薬をくれた。
最初に手渡されたのは、生まれるための薬。
僕はそれをゴクリと嚥下した。
前世の記憶を、僕は失くした。
僕の人生は終わりを告げた、
そう思うか、
僕の人生はこれから始まると喜ぶかは、
他の誰でもない僕の自由のはずだ。
2つ目の薬は罪の薬。
気づけば、僕は、人を愛していた。...神の薬
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今日はハロウィン祭り。
年に一度、アラタと逢える。
カボチャのマスクに、ひるがえるマント。
「お菓子くれなきゃ」
そう微笑んで。
☆
「今年も来たんだね、ミミ」
見上げる視線にカボチャの赤い瞳。
「アラタに逢えるもん!」
「……そ?」...ハッピーハロウィン☆(ミミとユウとアラタ) ショートストーリーm(_ _)m
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神はひとりだった。
初めはひとりだった。
何も得ようとしなければよかったのに、人を造った。
人の欲望を知り、
神は人を諦めた。
人はそんな神に認められようとした。
神にすがりつく人を、
神は見捨て、
人は、
そんな神を殺そうとした。...ストーリー「神」
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僕らの生まれた世界には哀しいルールがありました。
他人の不幸をポイントに、命が1年増えるのです。
最初の寿命20年、それだけあれば十分と、僕らは普通に生きていた。
ずっと傍で、支え合い、ほんとにささやか、微笑んで。
そして、ついに来たのです。
僕ら、ふたりの死ぬ日です。
教会で愛を誓い合い、僕らはK...僕らの世界の哀しいルール(完成☆)
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僕らの世界が偽物だと言うコトを僕は知っている。
此処はバーチャル世界で、
リアルの人間によって僕らは動かされ、生きているように感じている。
ちゃんとココロはあるのに、
そう思わされてるだなんて……。
僕らの生も死も性別も【獣人】である種族も、なにもかも【人間】の成すがまま。
☆
それでも……
僕には...僕らの世界が偽物だと言うコトを僕は知っている。☆コラボにUP済み
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君はただの猫じゃない。白銀に輝く猫人だ。
いつも海を見てる。君の目もそんな色。
オレは利き腕をなくした絵描き。
7年前、君の恩人になった。
だから君は誓う。
「ずっと傍にいるよ」と。
☆
君の名はスバル、オレの名はケイ。
オレは明日、20歳になる。
見た目はオレよりほんの少し上くらいのスバル。...いつも海を見てる
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雨が降っていた。
ずっと、降っていた。
生まれたときから降っていた。
笑顔が苦手だった。
赤ちゃんの時から、何処に行くにもレインコートを身に着けていた。
空は青くなかった。
いつも曇りだった。
晴れた空が見たい。
太陽を見れば、笑顔になれるのかな……?
太陽が雲の向こう側に姿を隠したのは、私が生まれ...ずっと雨(手直し後) コラボ用済み
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それは7回目の誕生日。
母にこう尋ねられました。
「カイ、何が欲しい?」
僕の誕生日はクリスマスでした。
だから、僕はこう答えました。
「サンタさんが欲しい」
それを聞いた母は驚いた顔をして、
困ったように、もう一度聞きました。
「サンタさん以外で」
僕の父はサンタさんです。...愛の輪廻(短編小説)
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僕の名はナノカ、
それは神様がくれた名前です。
僕を造った神様は、
僕に7日の生命を与えました。
7日後に僕は消えてしまう。
僕は何の為に生きればいいのでしょう?
そんな僕に
神様は言います。
『対話しなさい』
僕は色んな人に声をかけました。...7日戦う!(短編小説)(コラボ用)
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私の母は物書きでした。
最期まで物書きでした。
母はいつも書斎に居て私達に背を向けていました。
幼い弟と私は、母の愛を知らず育ったのです。
弟が7つの誕生日、
今年も弟とふたり、赤飯とチキンを食べました。
弟の大好きなショートケーキ、
それにフォークを伸ばしたときです。
「……姉ちゃん、母ちゃんは僕...母の貯金箱(短編小説)(コラボ用)
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幼き人魚がおりました。
それは、とても哀しい結末の。
愛する人の言語と引き換えに、愛を叶えねば死んでしまう。
そんな呪いを魔女にかけられて。
人魚には時間がありません。
タイムリミットまで、あと8日。
この恋は叶うのか?
それとも……?
先日の夜のコトです。
海賊にやられ、海に落ちた王子を人魚は救い...儚き人魚(短編小説)(コラボ用)