鉄塔の上に立って
目を閉じて耳を澄ませば
聞こえてくる
眩暈のような優しい声
気の遠くなるくらいに
待ち続けて待ち惚けた
なんて嘘さ
ずっと支度をしていたんだ
ゴーグル越しの夜空
何も怖くはない
月を見上げ足は地を蹴った
瞬く星のように
君を呼ぶパルスが
何億光年
経っても止まない
この手は翼となり
呼吸は仇となって
涙に似た空を破る
僕を彩る
会いたいと思うことに
理由を探すのも飽きた
待ち合わせの
終点までは何をしよう
風を切る流星が
頬を掠めてゆく
鉄塔はもう見えなくなった
重力を振り切って
引力が目覚める
僕に降り続く
生命のざわめき
視界を遮るもの
などはもう何もない
眩しいのはこの彼方に
君がいるから
ゴーグルが罅割れて
粉々に散っていく
きつく閉じた目を開けて
僕は飛んでいく
瞬く星のように
君を呼ぶパルスが
何億光年
経っても止まない
この手は翼となり
呼吸は仇となって
涙に似た空を破る
僕を 嗚呼
瞳に映る夜明け
君の待つ世界が
何度も何度も
僕を呼んでいる
震える唇から
古い名前が漏れた
応えるのは優しい声
僕を導く
どこまでも
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ブクマつながり
もっと見る君があまりにゆっくりと
この線を歩いていくから
僕はさよならが言えない
もう腕は届かないのに
君があまりに清潔な
さよならを残していくから
僕は涙も流せない
すべては汚れのようで
この感情の裏も表も
途端に醜く見える...ライン
吹憐
君がきっと忘れてしまうことを
一つ二つと数えています
傍にいるのに寂しく思うのは
隣り合うたび果てしない距離を知るからです
何億光年先に駆け抜けた
あの星の光を語るのと
変わらない深さで君を語って
僕の中に見出そうと漁っているのです
その罪の底までを測るよ
ロンディーノ...ロンディーノ
吹憐
散々愛して思ったことは
なんだやっぱりこんなものだ
皮肉にもそれに気づいた朝に
君は素足で珈琲を淹れた
午前七時と夜更けの夢が
煙になって混ざって消える
そこにあるラヴソング
拾ってよ
折れているかもしれないけれど
そしたら綺麗に貼りつけて...エレジスト
吹憐
落下した海底が
傷はどうした、と、云うから
「ああ、それなら今さっきあの娘にあげてきたよ。」
そう 半円をぶら下げた、
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離れなくてもいいように、
離れなくてもいいように。
だけど、
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かぼちゃを下さい
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絞められた首に
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昨日以上は要らないから
あ、終わってく...それは確かな愛でした
かぼちゃを下さい
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絡まってしまった
嗚呼
退屈な泳ぎを
呆れる程繰り返した海底
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あのとき、攫い損ねた一行に
纏う埃を払ったんだ
お前はもう戻らないと謂うのに...揺蕩う
かぼちゃを下さい
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