タグ「ミクオ」のついた投稿作品一覧(37)
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共に振り上げ、渾身の力を込めて繰り出された拳は空中で衝突し、俺とメイトの体は反動で大きく仰け反った。
「ぐっ!」
次にメイトは足を鞭のようにしならせ俺を薙ぎ払うが、俺はその瞬間に跳躍し、メイトの頭上を飛び越え背後に貼りつき、首根っこを捕まえて後頭部に一発の打撃を与えた。
脳に強烈な振動が加...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十八話「soldier」
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薄暗い照明の下に、細長いコンテナを手にしたミクオの姿が照らし出された。
「この中に、あなたの装備が全て入っています。」
ミクオはコンテナを足元で開き、中から俺の着ていたス二―キングスーツを取り出した。
「さ、早く着て下さい。」
「ああ。」
振り向くと、ワラはこちらに背を向け、しゃがみこん...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十七話「皮肉」
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思い返してみると、この任務も終局に向かっていることに気がついた。
いや、向かっているというより目前なのだ。
俺が既にピアシステムを制御不能にするワームをマザーコンピューターに挿入したことで、あとどれくらいかは分らないが、時間が経てばシステムは完全に分解され、停止し、テロリストの兵器は一切使い物...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十六話「ストリーキング・ミッション」
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今まで行動を共にしていたはずの二人が、突如として、俺に刃の矛先を向けていた。
「おい!どうしたんだ二人とも!」
呼びかけても二人から返事はなく、次の瞬間、俺はワラの放った大蛇の如き草日から身を翻していた。
「ミクオ!!どういうことだ!」
振り向くとミクオのいた場所に巨大な光の円が飛び去り...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十話「Indulge in TWO」
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ハンガーを出てコンピュータールームに向かう途中、無線機に通信が入った。
相手側の周波数は分らない。セリカやタイトではないだろう。
「誰だ。」
『僕です。』
無線に応答すると、ミクオの声が返ってきた。
「何の用だ?」
『僕はコンピュータールームに居ます。今、貴方がワームをインストールしや...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十九話「処刑」
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果てしなく広大で、果てしなく静寂な鋼鉄の空間、ハンガーに、彼のつぶやきが響き渡った。
ミクオが発した言葉は、間違いなく、俺のことを指していた。
意外すぎる出来事に思わず目を見開いた。
「ご覧になっていたんでしょう。大丈夫、攻撃したりはしません。」
クロークを起動し、気配すらも押し殺していた...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十六話「何が正義か」
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タイトに背を任せ飛び込んだ先は、思いのほか静寂に包まれていた。
階段から見下ろした先には、広大なハンガーが広がっている。
どうやら航空機用のカタパルトらしいが、無数あるカタパルトには四機の黒い戦闘機が設置されているだけだった。
さらに奥へスコープをズームさせると、人型の巨大なABLがある。
...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十五話「自由のために」
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一瞬にして、鋼鉄の絶望が群れを成し、蒼天の空を覆い隠した。
俺達は、タイト達が乗るブラックホークごと完全に包囲されたのだ。
この絶望は、一体どこから?
「これで逃げられはせん。ゆっくりと話をしよう。」
奇妙なヘルメット越しでも、目の前に立つ男の余裕の表情が見て取れる。
「あなたが・・・・...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十七話「戦い」
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「おや、これはこれは。まさか貴方が勝っちゃうとわねぇ・・・・・・。」
ミクオが鋼鉄の怪物の上から笑いかける。
「ミクオ、貴様、何が目的なんだ!!正気か?!」
「フッ・・・・・・ククククク・・・・・・ハハハ・・・・・・!!!」
俺がボルトガンの銃口を向けると、ミクオはミサイルサイロ全体に響き...SUCCESSORS OF JIHAD 第十話「迫る死」
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狂気に満ち溢れたその叫び声と共に、苦音シクという少女の両手に握られた二丁の大型拳銃が火を噴いた。
「ッ!」
一瞬のみ視界に入った鉛の弾丸が俺の前髪を僅かに抉り取った。
俺は瓦礫に身を隠し、ボルトガンを引き抜きチャージレバーを引いた。
彼女も機械だ。これを一発でも当てれば、たちまち気絶す...SUCCESSORS OF JIHAD 第九話「GUNs LOVEGAME DARKNIGHT」
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鉄の扉の向こう側、そこに足を踏み入れた俺は、一瞬思考を働かせることを忘れていた。
ここはミサイルサイロ。核を貯蔵し、発射する場所であり、
俺の第二の目標の場所でもある。
思考が蘇った俺はまず、考えた。
これはなんだ?
自分の想定していたものが、そこには無い。
あるのは、広大なミサ...SUCCESSORS OF JIHAD 第八話「裏切りの奇襲」
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朝というものはいつ何時でも穏やかなものだ。
大都会の中心でさえ、あの喧騒を取り戻すのは昼に近い。
まして、人々が日々生活を営むこの高級住宅は平和という言葉が相応しい。
爽やかな風が全身をすり抜けるように空間を流れ、
顔を覗かせて間もない太陽の日差しが眩しく、
聞こえるのは、かすかな生活音...I for sing and you 最終話「I for sing and you」
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我ながらバカなことを言ってしまった・・・・・・。
いくら海に来たからって、着替えも水着もないのに泳ごうなんて無茶もいいとこだ・・・・・・って。
「ほら、ネルも!」
雑音の体が半分海に浸かっとる!
自分がどんな格好だか分かってんの?ワンピだぞワンピ!!
まぁ・・・・・・あたしのせいだけど。...I for sing and you 第三十六話「ずっと一緒」
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その朝は二度繰り返された。
自分の習慣に従い、行動した故に招いた事態である。
起床時にPDAを手に取り、メールの受信状況を確認するという行動である。
そして、それは繰り返されていた。
PDAの液晶画面には、確かにメールが届いていた。
送り主も、昨日と同じく。
しかし、その内容だけは繰り...I for sing and you 第三十二話「書置き」
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「ごめんね。勝手に上がりこんじゃって。」
その声は、ドアの向こうの、玄関のほうから聞こえてきた。
ミクオの声と、その影。
「ちょっと大事な用があったもんで。ホラ、朝のことだよ。この時間帯しか自由に動けないからね。」
朝のこと・・・・・・ミクオが博貴のことで何か言おうとしていた。
そうだ。...I for sing and you 第三十一話「真夜中の話」
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今日という日も、いつも通りありふれた朝を迎える筈だった。
しかし、目覚めと共に何気なく覗いたPDAに届いていた、一件のメール。
それが、ありふれた朝を非日常のものへと変貌させた。
メールの中身は、一件の動画と僅かな言葉が綴られた文章。
文章を先に目にした俺は、見れば分かる、という言葉のせい...I for sing and you 第三十話「厄日」
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視界が開けていく。そして、白く、良く手入れされた天井が目に入る。
次に、木々のざわめきや、小鳥達の囀りが耳に入る。
都心の喧騒など、全く感じない。
今日も悪くない起床だ。
毎日のように、俺は朝五時半に目覚め、ベッドから起き上がる。
そしてまず、ベッドの脇に置いておいたバックの中に、無造作...I for sing and you 第二十九話「三度、凶の兆し」
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ミク・・・・・・ミク・・・・・・。
誰だ・・・・・・わたしを呼ぶ・・・・・・。
ミク・・・・・・・・・・・・。
誰だ・・・・・・・・・・・・。
アタシ・・・・・・・・・・・・アタシヨ・・・・・・。
誰なんだ・・・・・・・・・・・・。...I for sing and you 第二十七話「思い出の中に」
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時計の秒針が、決して止まらず、決して戻らず、ひたすら突き進むように、 あらゆる物事は、例外なく、進行していく。
時計の針が止まることが無いように、皆、一秒一秒突き進んでいく。
時計の針が戻ることが無いように、物事は元には戻らない。
そして、例の計画も、実行へ至ることに、もう時間は残されていな...I for sing and you 第二十六話「刻」
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自分以外は誰もいない、静かな空間。
だが正直、ほんの先程まで静かではいられなかった。
雑音さんとネルの新曲の作成で、ヘッドホンをし、機材のモニターに張り付くように作曲に没頭していた。
時計の針が十一時を指したことに気付くと、何故かそれまで没頭していた作業を中断し、休憩を取ろうと考えた。
こ...I for sing and you 第十六話「疑惑の者」
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右も左も分からないまま、また訳の分からないことが起こった。
雑木林の中からあたしが見たのは、雑音に目にも止まらぬ速さで飛び掛った、ミクオの姿だった。
「なッ!」
雑音の体が、大きく宙に舞い、空中でくるりと一回転すると、静かに石畳の上に降り立った。
雑音は、頬の切り傷のようなものを拭った。
...I for sing and you 第十三話「隠し事」
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ここは暗くない。
電灯、建物の明かり、お店の明かり。
静かでもない。
傍を通り過ぎる人達、お店から流れる音楽、道路を通る車。
暗くも、静かでもない。この街。
明るくて、活気にあふれている。この街。
わたし達の街、水面。
「へぇ・・・・・・これが水面都かぁ。」
ミクオが辺りを見回しな...I for sing and you 第十二話「運命と宿命」
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あたしは、雑音とユニットを組むことになったんだ。
そう。これならファーストの連中に勝てるかもしれない。
と、言うわけで敏弘のプロデュースで活動を再開することになった。
だけど、雑音が・・・・・・。
雑音の様子がおかしい。
あの、新人の初音ミクオを見たとたんに。
最初は、昔のなんかの仲か...I for sing and you 第十一話「記憶の者」
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朝だ。
あたしは、とうとうピアプロに行くことを昨日の夜、決意した。
やっと自分を見つめなおすことができたんだ。
あたしにも、何かできることがある。じっといてはいられない。
何かを、始めないと。
そして、確かめないと。
大丈夫。あたしには・・・・・・。
「ネル。」
雑音がいる。
「...I for sing and you 第十話「再臨」
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どうして・・・・・・。
どうして、わたしだけが生き残ったんだろう。
キクも、ワラも、ヤミも、タイトも、ミクオも・・・・・・。
誰も自分から死にたいなんて、思うわけがない。
ミクオだって、本当は、死にたくなかったはずなのに・・・・・・。
...Sky of Black Angel 第四十九話「別かれの前に」
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ただ澄んでただ蒼くて
指先すり抜けていく風
「いぃぃやぁッ!!」
「ふんッ!!!」
手が届きそうででも届かなくて
...Sky of Black Angel 第四十七話「Sky of Black Aengel」
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運命の時は刻一刻と迫っている。
額から汗が滴り落ちる。いや、額どころではない。
この緊急事態に、全身が汗で濡れ、震えていた。
心臓の鼓動が高鳴り始めてから随分と立つ。
目線の先にある立体投影型ディスプレイには、ストラトスフィア、ゴッドアイ、その他敵味方航空機の機影が映し出されている。
オ...Sky of Black Angel 第四十六話「自らの意志」
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「終わった・・・・・・のか?・・・・・・おい、円。生きてるか?」
「うるせーな飛鳥・・・・・・俺ぁここにいるよ。」
「なんだ、生きてたのか。」
「お前こそな。」
「当然だ。周りの連中みたいにグロい死に方だけは勘弁だぜ。」
「にしてもすげぇな。どれくらい死んでんだコレ。」
「こっから見え...Sky of Black Angel 第四十五話「再び会えると信じて」
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腕を一振りすると、目の前の黒い敵が真っ二つに切り裂かれる。
切れ目から透明な液体を撒き散らして爆発する。
弱い。こんなやつら、どうせ何匹いたって同じ。
それなのに、基地のみんなはてこずってる。
無線を聞く限り、もう何人も死んでる。馬鹿なやつ。
まったく、めんどくさいことになった。
あの...Sky of Black Angel 第四十四話「翠の銃槍」
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総合司令室にいる者全てが、モニターに映し出されたミクオの姿を見て愕然とした。
『久しぶりですねぇ世刻司令。』
『ミクオ君・・・・・・何故ですか。』
ストラトスフィアの司令であるミクオと、今までに耳にしたことのない、世刻司令の困惑した声がスピーカーから響いた。
この向こう側のモニターは司令...Sky of Black Angel 第四十二話「決戦へ」
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