流華の投稿作品一覧
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「思ってたよりひどいわね……。」
リンの住んでいた国にきたのはいいけど、酷い状況だった。
今はお城に向かうためにかつて城下町だった場所を歩いている。
「あの日、火のあがったお城から逃げてきて、ちょうどこの辺であいつと会ったの。
まさかあいつが犯人だと思わないでいたから信用して着いて行ったの……。
で...思い出円舞曲 8
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隣街へむかう馬車のなか、ずっと2人とも黙っていた。
「ねぇ……。」
「何?」
「なんであの国にいくの?」
「君に聞くことがあるからだよ。できればあの国で話したかったから。」
「そう……。」
質問をしてきたのはリンだけど、なんか上の空っていうか、窓の外を見てぼーっとしてる。
「ねぇ。」
「今度は何?」...思い出円舞曲 7
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薄暗い地下へと続く通路の中で、靴の音が響く。
地下には、牢屋があり、僕はリンに罰を与えるために地下室へ来た。
「リン。僕が誰だか分かる?」
鉄格子を挟んで正面にいるのは“愛しい人”
はっきり言って自分でリンに対する罰を決めるのは嫌だったし、苦労した。
「………。分かるよ。レンでしょ?で何の用?」
「...思い出円舞曲 6
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………。
何があったんだっけ………?
リンと会って、ずっと好きだった元婚約者ってことが分かって、それで、リンの国を滅ぼしたのが父さんだってことが分かって、リンに刺されて………。
ん……?刺された?
「……っ!」
思い出した瞬間、傷口の痛みが戻ってきた。
「おー、レン。起きたか。」
「父さん!?」
「...思い出円舞曲 5
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もうすぐ舞踏会も終わる。
テラスに出て外を見ていると、下にリンがいるのが見えた。
さっき話せなかったことがたくさんあったから、リンのいる庭へ急いで行った。
リンがあの男と話しをしていた。
一瞬、男と目が合い、男は逃げるように去っていった。
「リン!!」
「あ、レン!どうしたの?」
「さっき言いたかっ...思い出円舞曲 4
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「ごめん、待たせた?」
「いえ、私も今来たとこです。」
彼女はそういっているけど、多分ウソ。来る途中にいろんな人に話しかけられたからね。
「そういえば名前きいてなかったね。僕はレンっていうんだ。」
「え、えとっ…リン……です…。」
「リン?かわいい名前だね。」
「そうですか!?ありがとうございます!...思い出円舞曲 3
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流れだした曲はワルツ。
昔、婚約者と踊った曲。
父親に『あの国が滅びた』ときいた。きっと、婚約者の姫も死んでしまったのだろう。
「お手をどうぞ。お姫様。」
「か、からかわないでください!」
ワルツは何回も練習した。
まぁ、舞踏会なんて出ても踊る気なんてまったく無かったんだけどさ。
「曲、終わっちゃい...思い出円舞曲 2
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なぜか眩しいのと、熱いので目が覚めた。
・・・寝ちゃったんだ………。
パチパチという音がする。
周りを見回してみると炎が出て真っ赤になっていた。
「あ……あっ、い…………いやぁぁぁあああ!!!」
怖い、何が起こっているの?お父様、お母様、助けて………。
とにかく両親の部屋に向かって走った。
裏口の前...思い出円舞曲 少女2
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『あの…私と踊ってくださいませんか?』
私から話しかけたのは久しぶりだった。
もともと、人と話すのは苦手でできるだけ話しかけないようにしていたから。
それを考えると王子に話しかけることができたのは、自分でも勇気を出したと思う。
というより、この国の王主催の舞踏会に来ること自体間違いだったような気がす...思い出円舞曲 少女1
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『あの…私と踊ってくださいませんか?』
急に言われて振り返って見るとそこにいたのは1人の少女だった。
今日は王である父親の気まぐれで行われている舞踏会なのだが、どうみても彼女はおかしい。
みんなが綺麗なドレスを着ているのに、彼女は真っ黒なドレスを着ているのだ。
それに、顔の表情もどこか暗い気がする。...思い出円舞曲
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