lilumの投稿作品一覧
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―キーン コーン カーン コーン、キーン コーン カーン コーン…―
教室にチャイムが鳴り響く。そして担任がホームルームの終わりを告げる。それと同時に、部活がある生徒達はいそいそと部に向かい、その他の生徒達は友達同士で楽しそうに喋りながら帰り支度を始めている。いつもと変わらない風景だ。しかしどち...闇を照らす光 エピローグ ~光が照らす先へ~
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私が覚悟を決めていた丁度その頃、初音さんは私を放置していた事に気が付いたらしい。少し申し訳なさそうな顔で尋ねてきた。
「あ、ゴメン! わたしまた一人で決めちゃってた…。あの、大丈夫、だよね?」
彼女の問いに、私は力強く頷いて答える。
「うん、大丈夫。私、もう一度頑張ってみる事にするよ!」
彼女は私...闇を照らす光 9 ~新たな決意・後編~
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私が俯いて何も言えずに黙り込んだままだったので、既に日が傾き始め夕日が辺りを赤く染め上げている屋上には、しばらくの間吹き抜ける風の音だけが静かに響いていた。
そのままどの位時間が経ったのだろう。私の沈黙から何かを感じ取ったのか、先程までの強い調子とは打って変わっていつもの調子に戻った初音さんが、...闇を照らす光 8 ~新たな決意・前編~
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私が屋上に着くと、話すのに邪魔にならない様にするためか、初音さんは丁度荷物を置いているところだった。私が来た事に気付き、振り向きつつ笑顔で声を掛けてくる彼女。
「あ、早かったね。」
「他に用事も無かったから。それで、ゆっくり話したい事って何かな?」
まだ最悪な気分を引きずっていた私は、早く終わらせ...闇を照らす光 7 ~本当の気持ちは・後編~
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あの眠れなかった夜から数日が経過していたが、学校では特に何事も無く日々が過ぎていった。そう、“何事も無く過ぎていった”のだ。
私の言葉が効いたのか、あれ以来初音さんが無理に部活に誘って来るという事は無くなり、私自身もなんとなく彼女を避けていたので、以前の様な平穏な日常が戻ってきていたのである。
し...闇を照らす光 6 ~本当の気持ちは・前編~
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巡音先輩の笑顔に負けた私は、このままだと永遠に帰ってきそうにない平和な日々に思いをはせながらも、仕方無く歌う事を了承した。しかし、そこでふと名案が浮かぶ。
(あ、そうだ。なにも本気でやる必要無いか。そうすれば初音さんの思い違いって事にしてそのまま帰れるかもしれないし。)
よし、その手でいこう、私が...闇を照らす光 5 ~変化~
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(まぁ、見るだけだからすぐ終わるよね。それで一回だけっていう今日の約束は果たせるわけだし。)
流石に引きずられながら歩き続けるのも嫌になってきた私は、そう前向きに考える事にする。そしていまだ私の腕を離そうとしない初音さんに向かって
「あの、もう逃げないからいい加減離してくれないかな? すごく歩きづ...闇を照らす光 4 ~見学だけ、のはずが~
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発声練習も終わり一息ついてから、一応歌詞は配るわね、と咲音先生が全員に手早く歌詞カード(先程の準備の時用意したらしい)を配った後、テストは名前順に一人ずつ前に出て歌うという形で行われた。
急遽決まった実力テストに私も含めクラスの全員が戸惑っていたが、始まってしまったものはどうしようもない。皆、こう...闇を照らす光 3 ~きっかけ・後編~
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平和な日常が過ぎていき、生徒達が新しいクラスにもすっかり馴染んできた五月半ばの放課後の教室。
(よし! 居ないみたいだ。)
私はキョロキョロとあたりを見回して“ある人物”が居ないのを確認すると、逃げる様に教室から出て猛ダッシュで家に帰ろうとした。
しかし、
「ふふふ…。逃がさないんだからっ!」
―...闇を照らす光 2 ~きっかけ・前編~
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―キーン コーン カーン コーン、キーン コーン カーン コーン…―
一日の学校生活の終わりを示すチャイムが鳴り、担任がホームルームの終わりを告げる。と同時に、ある生徒は急いで部活へ向かい、またある生徒は友達同士で「帰りどこ寄る?」「カラオケなんてどう?」などと楽しそうに喋りながら帰り支度を始め...闇を照らす光 1 ~平和な日々~
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集団というのは何とわずらわしいものなのだろう。もちろん違うと言う人も沢山居るだろうが、少なくとも私にとってはそうだった。
「おまえ、キモいんだよ。」
「あなたと一緒に居たい人なんかいないわよ。」
「クスクスクス…。」
中三の時、私はいわゆる“イジメ”というものを受けていた。
私はただ自分を通し...ある少女の決意