昔々、町外れに『円尾坂』というさほど急ではない
大きな坂がございました。
その坂の入り口の片隅に小さな仕立て屋がありました――
「あらお早う、るかちゃん」
「お早うございます。女将さん」
このお店を切り盛りしているのは巡音るかという若い女主人です。彼女は気立ての良さとその確かな腕からか、
近所でも評判の娘でした。
「朝早くから頑張ってるね」
「えぇ。ありがとうございます」
「おやるかちゃん。お店の準備かい?」
「はい。お早うございます叔母さん。」
「しかしるかちゃんも偉いねぇ。
おっ父さんとおっ母さんが亡くなってから
一人でお店切り盛りしてるんだから」
「そんな事ありませんよ」
「全くだよ。ウチの嫁にも見習わせてやりたいもんだ」
「でもるかちゃんもまだ若いんだし…もし家でよければ
来てくれても良いんだよ」
るかがこんな事を言われるのも
勿論これが初めてではありません。
「せっかくだけれど大事なお店をたたむ訳にはいかないわ今の店の主人は私だもの」
「……そうかい。でも気が向いたらおいで。
私はいつでも歓迎するよ」
「ありがとうございます」
るかはそう言うとお店の中へ入って行きました。
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