タグ「MEIKO」のついた投稿作品一覧(79)
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演者のエチュード / ゆるりー
思い返せば、その日は本当に「ついていない」日だった。
枕元の目覚まし時計は十五分遅れて起床時刻を知らせ、朝食に十秒で食べられる栄養ゼリーを探せばキッチンで転び、急いで履いた靴下には穴が開きかけ。駅に向かえば電車は五分遅れていて、始業時刻までになんとかデスクに着けたの...【カイメイ合同誌】とある2人のおうち事情【新刊サンプル】
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「――――――ロ、シアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!!!!」
ルカの悲痛な叫びが、一気に全員の意識を呼び戻した。
同時に、その絶望感が伝播する。
「ロシアン……あんた……!!」
「嘘だろう……!?」
「ロシアン……ちゃん……そんなぁっ……!!?」
「ねこ……助...SOUND WARS!! XVII ~審判~
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《ビビーッ!ビビーッ!ビビーッ!ビビーッ!ビビーッ!》
鳴り響くアラーム。警告灯で赤く染まる操舵室内。
それはどう解釈しても―――――退艦警告。今すぐの退艦を命じる警告音だった。
「な……何なの……!?これはいったい……!?」
困惑するルカ。完全に油断していたことが、その焦燥に拍車をかけていく。
周...SOUND WARS!! XVI~神獣、絶望と共に征く~
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「くそっ……遅かったか……っ!!」
悔しげに、レンが破壊された町の門を叩く。
リン、レン、鳴虎がその町の入り口に到着した時には、既にそこは惨状と化していた。
破壊され、鉄屑と化した戦車や戦闘機。
零れた燃料が独特のオイル臭を撒き散らし、そこかしこで引火し燃え広がっている。
そしてその合間に、目を...【※流血表現強め】四獣物語~魔蟲暴走編③~
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『ぐ……ああああ……っ!!』
膝をつき、呻き声を上げるハク。地面に描かれた電子魔法陣は今にも消えてしまいそうなほど明滅を繰り返していた。
突然の不調を目にして、グミの表情が困惑に包まれる。
「え!?ええ!?メ、メイコさん!?ハクさん、どうしちゃったの!?」
「…………あの子の能力、『ボカロマスター』...SOUND WARS!! XIV~ハクの本気③受け入れられた力~
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「『ボカロ……マスター』……!?」
唖然とした表情で、グミがそのスキルの名を繰り返す。
『6人のVOCALOIDの能力を全て扱える』。それだけでハクの能力の凄まじさを物語ることができる。
「それじゃあ何!?ハクさんは、メイコさんの『メイコバースト』も、ミクちゃんの『Append』も……ルカちゃんの『...SOUND WARS!! XⅢ~ハクの本気②其の力は誰の物~
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「……状況は概ね理解できました。3分……は厳しいか。5分で引きずり下ろします」
腰まである白髪を束ねたリボンをほどきながら、あっさりと爆弾発言を放つハク。
あの巨大戦艦をたったの5分で墜落させる―――――普段の彼女であればあり得ない、大きく出た言動に、グミは目を丸くした。
メイコは動揺こそしなかった...SOUND WARS!! Ⅻ~ハクの本気①She's VOCALOID's master!!
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「……ミキさん。聞こえるか?」
――――――――――ミキの正面に立ったレンの第一声が響いた。
その『音』を認識し、言葉を返すミキ。
《……ニンシキ。カガミネレン》
やはりその無感情な口から放たれたのは、プログラムに沿った定型文。感情も意思も奪われたミキは、完全にコンピュータ同然の反応しかしない。
本...SOUND WARS!! Ⅺ~迸る感情の奔流~
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――――――――――私達は誰からも愛されなかった。
家族を失い、親戚にも疎まれた私たちは、全ての人間に忌み嫌われた。
唯一信じていた人間にも、あっさりと裏切られた。
だから……だから―――――――――――――――
救いようのないクズ野郎が、愛されている様を見るのは我慢がならなかったんだ。
~~~~~...四獣物語~魔蟲暴走編①~
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リンが恐怖のあまりミクを抱えて飛び上がった頃―――レンとルカは、ようやくお互いの攻撃のダメージから回復しつつあった。
とは言っても、勢いは若干ルカに流れていた。
その理由は二つ。一つは最後に攻撃したのがルカであること。そしてもう一つは―――――レンの戦力。
(くっそ……白鯨まで使っちまった……これで...四獣物語~獣憑戦争編⑥~
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「……はぁ……はぁ……はぁ……」
大きく息をしながら、メイコが量産型の残骸を足元に叩き付けた。
そしてあまり余裕のない声で、後ろに立っているミク達に声をかける。
「ね……ねぇ、ミク、リン、レン……あんたたち、何体倒した?」
「わ……私は300体ぐらい……かな……」
「あたしとレンで……400体ぐらい...SOUND WARS!! Ⅴ~救いの焔~
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「……あんですってぇ!?」
思わずグミの声が裏返る。
震えるミク、リン、レンの3人は、困惑したような、苛立つような表情を浮かべていた。
「まさかあんたたち、ホントにビビっちゃったの!?」
「んな訳っ……ねーだろ!? ビビッてなんかねぇ……本気で戦おうとしてるのに……!!」
「足が……動いてくれないの...SOUND WARS!! Ⅳ~優しさの落とし穴~
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「あ……待ってルカさん!」
いざ戦いに出ようとしたところで―――――不意にネルがルカに駆け寄った。
「これを……!」
「ん? ……これは!」
ネルが手渡してきたのは、新品の鉄鞭。しかもその質感は、前回の改造鞭以上に柔軟かつ強靭であることが触れただけでわかってくるほどの代物だった。
「たった二本の鞭じ...SOUND WARS!! Ⅲ~蘇る音色のハーモニー~
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《――――――ギャギャギャギャギャギャッ!!!》
悲鳴のような摩擦音を立てながら、ネルフォンバイクがルカ達の元へと突っ込んできた。
停止すると共にネルがバイクの上から飛び降り、駆け寄ってくる。
「お待たせー!! ……ってあれ、ミクがぶっ倒れてると思って救急修理セット持ってきたのに……ってあれれれ!?...SOUND WARS!! Ⅱ~量産されたDIVA《戦闘員》~
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「……馬鹿な」
唖然とした表情でレンが呟いた。
「そんな……馬鹿なっ!!? だって今……確かにミク姉が壊したはずじゃあっ……!?」
そのミクもまた、目の前の現実が信じられなかった。
確かに船の真ん中をぶち抜いた。本当の力に目覚めて、その力を以てその場で編み出した奥義で、確かに船を轟沈したはずだった。...輝く鏡、拡がる音 Ⅵ~エピローグ~
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『あ……あ……ああああああああああああああああああああっっ……………!!』
上空では、主砲の直撃を喰らったミクが断末魔をあげていた。
主砲の炸薬を全身に浴びたミク。化学反応で体を形作るバイオメタルが融けはじめていた。
全身の皮膚は既にドロドロ。幼くも美しい顔は、崩れ頭蓋骨がむき出しになり、喉も融けて...輝く鏡、拡がる音 Ⅵ~Twin・Append①~
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ぐらりと傾ぐ身体。
ふわりと消える音波。
タイムリミットを迎えたミクの体は、もはや完全に動きが止まっていた。
(やっちゃった……まさか……もう20分経っていただなんて……!!)
わかっていたはずだった。自分の体は20分しか動かせないことを。それ以上闘おうとしてもただの的にしかならないことを。
そのこ...輝く鏡、拡がる音 Ⅴ~鏡の音、覚醒~
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低い駆動音を鳴らしながら、静止する空中戦艦『破壊者《デストロイア》』。
その船の中では、『TA&KU』の四人が余裕綽々とした様子で操縦を行っていた。
「くく……この船をまともに飛ばすのはかれこれ5年ぶりだが……思ったよりまともに動いているじゃねえか、安治よ?」
田山権憎に声を掛けられた安治怒羅介は、...輝く鏡、拡がる音 Ⅳ~ミク、孤軍奮闘~
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「……あ!」
不意にリンとレン、そしてルカが声をあげて駆け出した。
走っていくその先には、『ネルネル・ネルネ』から出てきたミクとメイコの姿が。
その様子に気づいたのか、少し離れたところで待っていたカイトとグミもミク達の元へ近づいてきた。
「ミクちゃん! もう……大丈夫なの?」
「うん! 平気平気!!...輝く鏡、拡がる音 Ⅲ~破壊者《デストロイア》~
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「そいやああぁぁぁぁああああ!!!!」
――――――――――雪合戦。
「ほっ」
-―――――――――雪玉を投げ合うだけの楽しい遊び。
「どりゃああああああああああああ!!!」
―――――――――――――――のはずが。
いつの間にかカーブやスライダーやシンカーやシュートやナックルの乱れ飛ぶ超次元戦場へ...dogとどっぐとヴォカロ町!Part12-3~芸術的な戦術式雪合戦~
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いろは・リュウトとの死闘から一週間。
メイコ、リン・レン、そして未だロリ化したままのルカは、『改造専門店 ネルネル・ネルネ』にて、ネルが現れるのを待っていた。
しばらくして……
《♪てんてんてててーん♪》
どこかで聞いたことのあるようなチャイムが鳴った後、奥の扉が開いてネルが現れた。その後ろからは―...輝く鏡、拡がる音 Ⅱ~満身創痍~
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世界には、主役と脇役がいる。
主役がいなければ物語は始まらず、脇役がいなければ物語は色付かない。
だが主役と脇役は別にあらず。視点を変えれば主役と脇役は表裏一体。
ある者が主役のつもりで動いていても、他の誰かから見れば脇役の一人でしかない。
そう、皆が主役であり、皆が脇役。それがこの世界の理だ。
…...【カイト誕】完全で瀟洒な雑用係【ヴォカロ町の脇役】
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『……うーむ』
ヴォカロ町に到着早々、俺は一つ唸り声を上げた。
「……人っ子一人いねえな、この時期は」
「そりゃあ、町の人も忙しいもの」
俺たちが降り立ったのは町の中心部―――――センターステージ。普段はミク達が歌を歌い踊りまわって大騒ぎしている場所だが、さすがにこの師走月末に騒いでいる人はそうそう...dogとどっぐとヴォカロ町!Part11-2~年収め:カイト・ミク・リンレン・メイコ
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リュウトたちが去って行ったその晩―――――。
バー『whine&wine』の扉が勢いよく開かれた。
バーテンのハクがびくりと身を震わせながら入口の方を見てみると。
「……なんだ、メイコさんですか。脅かさないでくださいよ……」
「あははははははごめんごめ~ん、許してちょ~☆」
「……べろんべろんですね...仔猫と竜と子ルカの暴走 Ⅷ~エピローグ~
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巨大な火の手が上がっていた。リュウトのドラゴン体が、爆発炎上していたのだ。
そのドラゴン体の握りしめた両手の間から、いろはが這い出してきた。
「う……うう……はっ!? リュウ……リュウっ!!」
慌てて燃え上がるドラゴン体の頭部まで跳んで、強固な頭蓋骨をこじ開け、リュウトを助け出すいろは。
だが―――...仔猫と竜と子ルカの暴走 Ⅶ~終結~
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―――――メイコ―――――
―――――おい、メイコ!―――――
『メイコ……また町民とケンカしたのか!?』
「……だってマスター」
屈強な男たちを足蹴にしながら、あたしは後ろからやってきたマスターを文句ありげな目で見つめた。
『こいつら、ミクやリンの事を馬鹿にしたのよ!? 『ロボットのくせにうざって...仔猫と竜と子ルカの暴走 Ⅵ~メイコ、再誕~
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「……………はっ!!?」
突然ルカが山の向こうを見つめて立ち止まった。
「? ルカ、どうしたの?」
「……ミクおねえちゃんが……危ない……!!」
「え!? ……あ!?」
ようやくメイコも気づいたようだ―――――山の方向、町はずれから異様なほどの音の波が襲ってくることに。
「行かなきゃ……行かなきゃ!...仔猫と竜と子ルカの暴走 Ⅴ~ルカちゃんの本気~
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「へえ? ルカさんが子供にねえ……どうなってるのか調べてみたいなぁ……」
「もう少し落ち着いたら調べさせたげるわよ、ネル」
「ネルお姉ちゃん……あんまりいじられたくないよ……」
「う゛っ!!? う……なんて破壊力……このあたしが良心の呵責に苛まれるなんて……」
『改造専門店 ネルネル・ネルネ』のカウ...仔猫と竜と子ルカの暴走 Ⅳ~Queen of VOCALOID・HATSUNE MIKU~
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「こ……この子があの巡音君だというのかね……?」
「信じたくないだろうけど……まぁ、その通りよ」
呆れ返ったようなメイコの言葉に目を丸くしているのは、ルカの上司・橋本喬太郎捜査一課課長だ。
メイコの横で、幼女となったルカが首をかしげている。
「めーちゃーん、このおじさん誰ー?」
「おじっ……!!?」...仔猫と竜と子ルカの暴走 Ⅲ~ミクの決意~
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「どぉしたの~~~~~? みんなさっきから変な顔してさー」
「い、いやあの、その、え~~~~~と……」
どう対応していいかわからないといった表情をした一同の前で、『ルカ』―――――と言っていいのかどうかわからないような幼女だが―――――が首をかしげている。
「……状況を整理させてもらっていいかしら…...仔猫と竜と子ルカの暴走 Ⅱ~荒ぶる『ルカちゃん』~