タグ「ダーク」のついた投稿作品一覧(37)
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【Aメロ】
花丸の答案用紙に 赤ペンの褒め言葉
手作りの金メダルを下げて
走った 真夏の空の下
満開の朝顔の観察日誌は
水をやるたび色鮮やかに
字がきれいねと頭を撫でられて
絵がうまいねって褒められて
【Bメロ】
向日葵のような伸びしろ...拝啓、何者にもなれなかった僕へ
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よう 誰もこちらを見向きもしない
試しに舌出して煽ってみようか
棘だらけの靴で蹴り飛ばした
吸い殻が側溝で散らばった
穴だらけの耳に聞こえる罵声
右から左に通過して
全部「それあなたの感想」で
済む話だって気づいてしまった
どうしようもない気分の日は
酒と薬を流し込んで...五分の魂 2022ver.
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路地裏 酒気帯びの常連が
徘徊する繁華街
撒き散らかされた嘔吐物に
群がる鳩の群れだけが自然の産まれ
路上喫煙は禁止だと
掲げた立て札に焦げた痕
投げ捨てられた吸い殻が
排水溝に積まれている
転がった鼠の死骸を...繁華街
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優しい人になりたいと
言ったのは別に嘘じゃない
ただそれが心からの
優しさなのかそれとも
ただの真っ赤な偽善なのか
自分でもわからない
僕は僕がわからない
泣いてる子供を見て
ハンカチを差し出し頭を撫でて
大丈夫かいと微笑めるよ...独白
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気づいたら随分と前から
僕は動く死体になっていた
生前の記憶を頼りに
起きて働き食べて眠って
土気色の肌に
貼り付いた笑顔を上塗りして
生きてるふりだけが上手くなる
今ではぼやけた記憶だけが頼りだ
青空を見れば
「清々しい」と深呼吸をして...リビングデッド
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大人になればなるほど
代名詞ばかりが増えてきて
誰も私の名前を呼ばなくなって
自分の輪郭すらあやふやだ
雑踏に紛れた景色に成って
無色透明の薄い影
どんなに産まれた瞬間想いを込めて
名をつけてくれたのだとしても
このまま誰にも呼ばれないのなら
この名詞には何も意味がない...一方通行
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やることやってりゃ文句はねえだろ
それだけを掲げて生きてきた
まともぶるのも疲れたな
そろそろ少しはしゃいでいいかな
なんでもかんでも壊してみたいの
ホームドア 窓ガラス 規律背反
荒地になれよと爆弾投げて
逃げ惑う人 やれ愉快だな
仮面を外すのは久しぶりだ
張り付けすぎて癒着して...picaro
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僕が僕である必要性なんて
世界にはどうしたってなくって
それが遣る瀬無い日には
眠るために酒をあおった
赤錆びた左手首は
今ではもう勲章みたいに
掲げて見せても誰にも
賞賛なんてされなくて
愛してほしいって叫びを
具現化した血だまりが...衝動
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捨てたものの中に今更
大切なものがあったって
積み重ねた言葉の塵が
とっくの昔にカビを生やした
建前 感情 人間愛
なんでもさらけ出してあげるから
ごみ箱の中だけは見ないでくれないか
見られたら全てが終わる
僕の憎しみがそこにはある
妬み嫉みを笑顔に変えて...garbage
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好きなものに名札をつけて
棚に並べて眺めていた
奥にしまった箱の中には
埃を被ったあの日の欠片
どうしてか捨てられなくて
どうしても捨てられなくて
嫌いになったわけじゃないけれど
色褪せる思い出もあるもので
楽しさだけを心に刻んで
何が楽しかったかを忘れてしまって...シュレディンガー
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人の口に戸は立てられぬが
いつの間にやら私の口には
二重三重雁字搦めにした
綺麗事の檻に閉じられた
口中ズタズタ言葉の刃
本音なんて言えやしない
好きも嫌いもどうでもいいわ
息してるだけで生き苦しいわ
こだわりしがらみ面倒臭いね
皆々様今日もお疲れさまです...ばってんまーく
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誰かを愛してみたかった
誰かに愛されてみたかった
たった一人で生きるには
人生という旅は長すぎる
飛んでしまった風船を
二度と離さないためにできること
茨を巻けば壊れてしまう
握るだけでは心許ない
いっそ糸を縫い付けてしまおう
染まれ僕の血で 赤い 赤い糸...愛寵
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どうしようもない吹き溜まり
似た者同士の巣窟
誇れるものも特にはないから
とりあえず笑って受け流して
感嘆符で飾ろうか
手を叩けばそれらしいか
正解なんて無いそうじゃないか
そうだ 人生は美しい
最終回直前に
良い奴に変わるような...tragedy
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困り顔なら及第点
泣いて見せれば合格か
私は甘え方を知らないが
次があるならうまくやりたいもんだ
仲裁者気取りのidiot
あんたにその役は重すぎる
裏では針山に落としてやりたいと
囁かれていること気づかない
愉快痛快被害者気取り
先に抜いたほうが負け...Bastard
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お前には期待してるって
叩かれた肩が痛んでも
拍手喝采 祝辞の歌
今更後戻りもできないし
信じてるも頑張れも
圧にしか思えなくて
都合の良い賛辞に
言葉だけならタダだもんな
「虫けら」「諦め」 そんな視線が嫌で
信じられたことも信じたこともなくて...化けの皮
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下着姿で徘徊しようが
怒る誰かもいないし
咥えタバコで厭世気取って
夕飯用にと湯を沸かした
世間では記念日が乱立
箱の中が騒がしい
今日も平成最後のなんとからしいが
祭りごとは僕を嫌っている
人間って何年生で
卒業できるものなのかな...四畳半の片隅で
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なんでなんて聞かれたって
丁寧に答えてみせたって
分かったふりして説かれても
どうしたって響かないな
次第に疲れが見えてきて
好きにしろと言われるなら
今更僕も言えるわけがないな
ただ抱きしめてほしいなんて
出来損ないだと知ったのは
いつだったかな...ざまあみろ
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こんな雨の日は
外に出るのも億劫だ
そうだ 良かったら
僕の昔話を聞いてくれないか
蝉が鳴き始めた日差しの強い頃
僕が初めて人を殺したときの話を
その日はむしゃくしゃしていて
何もかもがうまくいかなくて
確かテストの点が悪かったとか
恋人と別れたとか...免罪符
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得意なことは人より少し
ヘラヘラ笑うことで
嫌われないよう下手に出てれば
気遣いの人扱いされて
優しいんだねと褒められて
照れくさそうに笑って
テンプレになった毎日に
死にてえなと呟いた
誰かをあげる予定もない部屋は
飲んだ缶ビールが転がって...こんなはずじゃなかったなってじゃあどうなるはずだったんだ
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夕日に伸びた影がひとつ
やけに寂しく揺れていた
一人は嫌いじゃないけれど
独りは虚しくなるもんだ
その場限りの愛想なら
装備可能な経験値
大人になるんじゃなくて
大人にさせられていくんだと
愛される才能なんてないから
せめて笑顔が欲しかった...僕
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辛いのはお前だけじゃないと
チラシの裏の殴り書きに
誠意を持って答えたつもりの
隣人が許せなかった
絶対の辛さがなきゃ
吐き出すことすら出来ないなら
人口減少は止まらないな
屋上に並ぶ踏切台だ
助けてくれが伝わらず
承認欲求 満たされず...有象無象
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満たされないことに
名前をつけてみたって
心のがらんどうの中身は
埋められやしないよ
愛してほしいなんて
イタすぎて言えるはずもないが
死にたい心の隣人は
いつだって 惨めさ だった
「なに糞」と思えれば及第点
どうせ自分なんてと閉じこもって...がらんどう
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嗚呼 嗚呼
君の声がもう聞こえない
嗚呼 嗚呼
何処に行けば
また君に逢えるのかな
揺らした鞄 あてもないまま
右往左往 津々浦々
想い出が有り過ぎて
空の色すら恨めしい
暑いあの日に買った氷菓を...寂寥
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誰かの一番になりたいと願うのは
僕の心が弱いからか
だからといって一番になりたいと
努力を繰り返すわけでもなく
ありのままを受け入れてくれと
願うだけだからややこしい
君にとっての都合の良さは
誰かにとっては見当外れ
誰かの一番になりたいと
変わるだけ変わるなら...野箆坊
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夢のない奴には
生きづらい世の中だ
普段は何をしてるんですかって
息して寝て過ごしてますって
答えられやしないから
夢の残滓を吐き出してる
働いて飯食って寝て
寝つけない日には酒を飲んで
割れそうな頭の痛みが目覚ましだ
今日も昨日の繰り返し...滓
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暁の闇に揺れる
荒野に眠る友を想う
土くれから湧き出す蛆が
死にたくないと喚く
同胞のよう 渇望のよう
蛆の一匹に君の名をつけた
代わりに愛せるかと
縋ってみた
育って育って割れて羽化
気味が悪くて潰して捨てた...朔夜
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「会いたい」と一人泣いた
鳴らない電話 握りしめて
『明日』になった 今日もまた
明日を待っている
最終電車が飲み込んだ
僕の肢体 崩れ落ちて
鳴り止まない 拍手が
青空に消えていく
叶わない想い 飲み込んで
暮らすには重すぎる...最終電車
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得意なものがあったって
胸を張って誇らしげに
語ったところで今はただの
落ちぶれた引きこもり
刺さり続けた敗北感
ドア越しの期待感
悲鳴に似たノック音
叩きつけた夢の残骸
耳障りな世界から
ひたすら逃げた代償は...敗北感
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鏡に映る僕は誰?
反射硝子は真実を見せる
取り繕いに長けたと自称
愛想笑いで誰かを騙す
鏡に映る僕は誰?
笑顔が素敵な天使のような
微笑が迎えてくれると
信じていたのに
鏡に映る僕は誰?
こんな悪魔を僕は知らない...戯曲
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此処が哀しみの底なんだとしたら
あとは這いずり上がるだけとか
気休めに似たそんな言葉を
今はもう聞きたくもない
剥がれた爪が治る前に
削げた肉が叫んでる
哀しみの波に溺れてこのまま
息が止まればいいのに
掴んだ声を握りしめた
それだけを頼りに生きてた...恋哀
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