ろろあ製菓堂の投稿作品一覧
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関われないで過ぎていくのは
薄っぺらい恥ずかしいノートの横にある
丁寧に作られた素敵な物語ばかりで
幸せな世界まで表紙と数枚だけだ
例えばそこに僕のページを紛れさせ
じゃあ幸せなお話を味わったとして
どの展開にだって僕が触れることはない
文字も挿絵も後書きも変わらない
インクの匂いだけを移されてしま...紙一重の幸福
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もしも今まさにその指先が
シルシを迷っているのなら
選ばないで全て並べてみて
思い浮かぶものを見つめて
そうね今だからその唇が
コトバを探っているのなら
躊躇わずに全て落としてみて
願い募るものを感じて
気持ちに張り付いて現して
見透かされるのは怖いかも...一人称サブスクリプション
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直後に吹いた風から「うそつき」と呼ばれ
笑ってしまうのを抑えきれないまま目を閉じた
仄かなアサツキの蒼い香りが鼻腔に抜けて爆ぜる
夜はまだ目覚めるのを嫌がっているようだった
遠ざかっては近づいていく潮の満ち引きに似た
あなたの揺らめく心はきっと私にも似ている
ぶつかりに行けばいいのに踏みとどまって眺...風の中傷、雨の祝福、
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この夜の終わりにする線が引けるなんて
誰も信じていなかったんだろうな
見つからない画鋲の海の底で這いずった
失望は画用紙を丸めた中に溜まってく
こそばゆい親近感はコンパスの針の先に
蔑んだ彩りは剥がれ落ちた付箋に似てる
焦げ茶色の感傷を飲み干した依存症を
白状さえ出来ないでステープル巻き込む
悔やん...捨て遺書也
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巡り続けてるグルグルの鏡見て
広げ合っているの自分自身向こう側
入れ替わってることも知らないで笑う
裏側の日付はもう何十年も昔なのに
嫌になる不謹慎スキンシップ辛め
今だからとか通用してると思うの?コワ
それを躊躇うくらいなら日本語でおk
叶わないと信じたなら最先端串刺し
転んでばっかりの冷凍庫中身...相 so 冷凍。
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さっきまで晴れていたのに今は
落とした言葉ひとつでモヤがかかる
雲の上に手を伸ばしたいのに
雷が鳴り響いてきてしまうんだ
止めたい止めなくちゃ
君の心から大粒のドロップス
拾いきれない感情は溢れてく
川になって海になって流されて
いつも謝るのは僕の方だけど
それよりも笑顔に届きたいから...まもなく雨が降り始めます
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吐息の形を見つけてしまったあの日から
視界に入る君の輪郭を確かめてしまうんだ
届かないのを知っていてもなお紡いでるのは
どうしようもなく下らない募る想いたち
待っている誰かをずっと待ち続けているの
期待も不安も全て閉じ込めた息づかいは
どこにも色なんて付いてないのに儚げで
ちっぽけな私の息の根を止め...タメイキ最終処分場
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木漏れ日も星明かりも眩しくて
捉えきる前に逃げてしまうんだ
大好きなのに寄り添いたいのに
許容値はとっくに超えている
さざ波もそよ風もうるさくて
感じきる前に塞いでしまうんだ
大切なのに抱きしめたいのに
キャパはもう溢れている
誰がこんなに大きなアンテナにした?
僕の受け止めるものを誰も知らない...ぱらぼら
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寂しさの蔓延したページめくる指
震えているのに気付いて本を閉じた
言い聞かせていたのはハッピーエンド
笑って終わる日が来るからって
でもねでもねやっぱり目を覆ってた
息がしづらかった脈が速まってた
笑えない言い訳を幾つも探しては
定規で引いた褒め言葉で繕ったんだ
汚さで埋め尽くす逃げ口上の墨色は
夜...いないのいないの・わんつうすりい
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聞き覚えのある笑い方に振り向いたけど
どこで会ったのか思い出せないままで
霞んでいく記憶に無いはずの答えを探す
それは涼しげな木陰の下だった?
それは湿っぽい裏路地の奥だった?
それは軋む廊下を曲がった先だった?
それは優しげな色で見つめてた三日月?
そうしている間に遠ざかっていく
こうやって逡巡し...いつか会ったね
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鳴らなかった音が見つめているのは
省みることを促してるからじゃない
響かなかった歌が振り返ってるのは
巻き戻すことを願ってるからじゃない
「誰しもが」って呪文のように唱えても
「自分なら」っておまじない繰り返して
始まりも最後も抱きしめられないでいる
どちらも一緒で同じくらいドキドキする
灯る希望は...無くならないオービット
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頂点があるって信じてたもとい
思い込まされてたんだ無理もない
足されたゴールラインは永遠に
君が逃げ出すのを待つかのように
我に返ったら壁はなく水平で
信じたものたちが血眼で這いつくばってる
背中を預けて空を仰ぎなよそして
知らない色を焼き付けたいんだ
限りある未来もフィールドも見ずに
「いつか」を...夜を吠える
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今日のごはん何しようって悩む前に
昨日何食べたか分からなくなる定期
胃袋に刻むログにはおいしいってだけ
魔法は使えないからフライパンと遊ぶ
教えてあげられない三拍子のリズム
踊ってみたら分かるかも手を取って
離ればなれにならないようにギュッと
遠くで焦げる臭いはさっきのフライパン
ちゅーちゅーちゅー...はらぺこアペタイザー
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ふわり着陸は落ち葉みたいなスローモー
春風を気取ってもごまかせない湿り気は
誰かの別れの雫を取り込んで離さない
正直に言わなくたって良いのに真面目だな
どこかに遊びに行くふりをして逃げて泣いた
走っても転んでも痛みは消えていかない
更新されていくのはいつも背表紙だけだね
からかおうとしてるのわかって...不時着ぺなるてぃ
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不安そうに見えたのなら丁度良かった
放っておいてくれるのが一番心地よい
貴方が気にしていることなんてもう既に
私は忘れているなんて言えるわけがない
いくつもの結び目に繋げる術を考えていた
最初から最後まで産声から棺桶まで
ひと粒の答えよりも沢山の言い訳を
言葉にできない思いも寄らない全部を
不機嫌そ...願望めくりずむ
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空を歩くならきっと足跡は残らない
宇宙空間の揺りかごに子守歌は届かない
それが終わりへの道しるべだとしても
雲の向こう側に星の向こう側に遠く
回れ右した人たちが重力に彷徨ってる
冷たいため息で悴む手はひび割れていく
それが途切れた夢の跡だとしても
色の向こう側に虹の向こう側に消える
熱を帯びるかどう...Spark/Speak/Spectrum
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針の触れそうなステンレスベイビー
強靱な囚人による散々な検閲を経て
世界は可愛いドクロマークに満たされる
笑っているのは終わるから?始まるから?
人情に問われる刃傷の時計塔からは
頭のおかしなリズム刻んで止め処なく
秒針が短針を殴ってるグルグルの包帯
飾っているのは逃げるから?挑んでるから?
心地よ...すとらっか
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なんだろうなくすぐったい
ゴールラインの2歩手前
終わるの分かってて止まれば
終わりは来ないなんて嘘つき
読んだのかなあの手紙
ガラに無い便箋ふためくり
閉じるの分かってて止めれば
次から来ないなんてほら吹き
残念がる姿見たかったの?悪趣味
当然のように何もない笑顔で泣いた...ゼロポイントゼロ*ハート
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窓から投げ捨てていくの音の魔法たち
どうしようもないじゃない要らないんだから
本当に必要なものを考えたことがあるの?
ここに有るものは引き算を知らないんだって
教えてあげるなんて上から目線では言わない
だけどねあなたのお友達は口がひとつだけ
繋ぎたい手は二本だけそれできっと充分でしょ?
360度まん...vanadium/rendezvous
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その旗が振られないことを知っていた
なし崩しの約束は容易く千切れてく
裏返りの言の葉も荒波に飲まれて
今日も誰かが誰かの終わりを決めた
星の数だけあるのなら光る星も光らない星も
ただそこに居られることを願っていた
大きな重力に引き寄せられて今も
どこかへ落ちていく最中なんだろうね
今鳴り響いているな...synthetic-active
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散る散るひとひらそよ風の五線譜
ピンク色の音符は漂うスタッカート
目では追いかけられない優雅さで
おでこに掴まって離れていかない
このコーディネート素敵でしょ?
摘み取ることなく歩きだしていけば
私もいつか桜色になるのかなって
鼻先の花びら口笛で飛んでくの
その旅がどうか幸いであるように
舞う舞うひ...さくらとぽろじ
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倒れ込んで動かなければきっと
物語は始まると思ってた
フイルムの回る音がしてすぐに
あっと驚くような展開に
誰かに追われるかもしれないし
誰かに会いに行くのかもしれない
誰にも会わないのかもしれないし
誰でも良かったかもしれない
私は私のオーディションに落ち続けて
幾つの封筒をシュレッダーに飲ませた...クランクキック
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多分さこれってすごくわがままだと思う
大切な気持ちもう少し気軽でいいなんて
満面の笑みで「ありがとう」なんて照れるし
どうしたらいいかわからなくなるから
消しゴム拾ったときくらいの感じでさ
「ありがと」ってこっち見ずに言うくらいが
流れに乗せてすぐ消えていくと安心できる
言葉に詰まって「うん」ってだ...だめだなためらい
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飛び降りた星には赤い靴だけ
ヒールは折れてくたびれていた
足跡のない道を音もなく歩く
なにか残せると憧れていた頃
鉢植えの木は大きくなったかい?
花も実も小さくてふわりと薫る
そのまま夢にまで届きそうなほどに
なにを気に病んでいたのだろうって
どれも大切だったのにたくさんの歯車
時間と数字が惜しくて...持続可能性残響
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溶けかけた過去を認証中ギョロリ
通せんぼ増えるあの子の笑い声も
いつだって燃えているのは髪の毛と視線
焦げ茶色だけど染めてなんかいないし
悴んだ指先を頬にそっと寄せていく
ときめきはゼロミリメートル毎秒で進む
ラストに待ち受けるのは誰も知らない未踏
口にしたらしただけ損をするキスとアイスクリーム
ざ...えむすらえすに
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魔法があると思ってしまった
錆び付いた現実を投げ捨てて
手にできるものは全て満ちて
ありふれた幸せを撫でていたい
穴の開いたポケットにはもう
君からの手紙も落としていた
ついでに涙も消えてったから
軽い頭で夜空を見上げたよ
縋っていたのは誰しもが夢を見る
御伽噺のような不思議なチカラ...悲しい雨は降らない
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旅する持ち物揃え始めてみたけど
スーツケースの中身は空っぽだった
荷物を運びたくなくて取り出して
お散歩と同じ程度になっていたから
必要なものは揃わないって知ってる
背負った荷物を捨てるだけの旅になる
沢山の未知と出会いたいのならきっと
両手が塞がってたら抱きしめられない
日記に書けないことは覚えて...未知待ちロストバゲージ
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かちんと音がして背中のネジが切れていた
時計の中身が飛び出したように眠ろうよ
こじ開けた扉の向こうにもまた扉があって
さえずったライオンの群れに身を投げている
その空はどこまで続くか言い当ててみてよ
同じ答えにならなければ僕らの星が違うんだ
だからこうやって聞こえない音で歌った
助かる意味を求めなが...ぱすきい
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こんなにもこんなにも思いつづけてるのにね
どうしたって届かない言葉があるのです
こんなにたくさんあるのに手を伸ばしていると
指先からするりふらりと逃げてしまう
追いかけて追いかけて一生懸命になっても
掴んで見つけた言葉はいつの間にか逃げてく
こんなにたくさんあるから手を伸ばせばほらね
指先へとふわり...届かない言葉にリボンを
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握手をする手を差し出したのに
君はとても寂しそうな目で払いのけた
分からないのかいと言ったような目で
そのままどこかへ居なくなってしまった
笑えることもない泣けるほどでもない
ただわからなくなって消したかった
汚い点が散りばめられて見たくもなくて
でも上書きも消し込みもできなかった
どれだけ時間が過...不必要安楽