楪 侑子@復活!の投稿作品一覧
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朝日が雨上がりのアスファルトに降り注ぐ。
雲一つない、快晴。
あたしが世界で一番大切な人に出会ったのは、そんな朝だった。
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窓から差し込む太陽の光。
少し唸って顔を上げると視界に入ったのは目覚まし時計だった。
ピンク色のかわいらしい時計で、確か3000円以上したはずだ。
そんなあたしのお気に入りの...【ロミシン鏡音ver.】喜劇のジュリエット1【リメイク】
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*Miku side
男の「アイシテル」は信用しちゃいけない―――
誰かが言ってた、この言葉。
カイトは私ではない誰かにも言っているのだろうか、「アイシテル」と。
心当たりはあった。
本当はもっと前からあったのだけど。
2週間前、ルカの首筋にあったキスマーク。
丁度、カイトが仕事で会えない、と言って...【ACUTE】歪んだ愛は、激化して 3
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彼を見つけたのは、満月の、不思議な夏の夜だった。
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「未来(ミク)ちゃん、迷子にならないように気をつけるのよ」
「もう、ばーちゃん、私もう中3だよ?心配しすぎ!」
「でもねぇ…この辺りにはお社の幽霊が出るとも言われていてね…子供にしか見えない、夏の幽霊が」
「ユーレイ!?迷信だよ、ばーちゃん。科学...【夏の終わり】泡沫の初恋【消えた愛しい人】
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こんなガラクタを拾ってくれた―――キミが居るから。
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卒業式。
できれば迎えたくなかった、学校最悪のイベント。
なんでお別れしなきゃならないの。...【ミヤグミ】ガラクタ、バイバイ【卒業】
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*Miku side
「ん…」
鬱陶しいくらい眩しい陽光に目が眩む。
太陽はもう南中高度に達している。
と、いうことはもう昼だ。
「カイト…?」
気がついたら、カイトはもう居なかった。
キングサイズのベッドの、何も無い真っ白のシーツ。
ひどく無機質なそれに、私の心は少し痛んだ。
くしゃ、と紙の音がし...【ACUTE】歪んだ愛は、激化して 2
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*Miku side
「え?今日も…会えないの?」
ケータイを肩と顔ではさみながら、クローゼットを開けて服を選んでいた所に舞い込んだのは、もう珍しくないドタキャンだ。
仕方ないのかもしれない。
あっちは仕事もしてて、こっちはまだ呑気な大学生なんだから。
「ごめん…ちょっと会議が入って」
「…うん、分...【ACUTE】歪んだ愛は、激化して 1
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*PM 11:00
特殊警察の三本柱を失った。
統括は、カイト先輩に代わって俺がする。
カイト先輩は、近いうちに辞表を出すそうだ。
そしてオレは、カイト先輩から組織の狙いを聞いた。...【からくり卍ばーすと】善の剣と悪の銃は交差して 4
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8月15日。
午後12時半くらい。
正に「真夏日」。天気は最高。
アスファルトの上で、陽炎が揺れる。...【カゲロウデイズ】陽炎の向こうに【自己解釈】
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お久しぶりの次回予告!
多分、きっと、恐らく次の次くらいはACUTEだと…思う。
あ、最初からクライマックスです。
ACUTEなら
*Luka side.
「ミ…ク?」
「貴方の全てを奪ってあげる…」
ミクは静かにカイトへと歩み寄る。
その手に光る銀色のものは、紛れも無く…
刃…!...次回予告?
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*AM:6:00 特殊警察本部
特殊警察本部の重役が、二人も欠けた。
一人は殺戮人形との戦いで命を落としたルカ先輩。
そしてもう一人は、重傷を負い入院していたメイコ先輩。
今日の午前三時に、静かに息を引き取ったそうだ。
二人の後任を決めるのも難儀なことで、二人の分も統括しなければならないはずのカイト...【からくり卍ばーすと】善の剣と悪の銃は交差して 3
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夜の根も暗く、人々が眠れぬ夜をすごしている頃。
組織の研究室は、昼間のように明るく、蛍光灯に虫が集まる。
そこでは、少女を囲んで二人の人物が対峙していた。
「…なんですって?」
「人形の洗脳の効果が弱まっているかと…」
「どうして!」
「恐らく、人形と化する前の記憶を刺激するような何かを見たのでし...【からくり卍ばーすと】善の刃と悪の銃は交差して 2
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鳥居の下、殺戮人形は口角を上げた。
街は丑三つ時だが、眠る気配は全く無い。否、眠れないのだ。
この街に蔓延る組織と、その殺戮人形のせいで。
殺戮人形は指に入らないほどたくさんの人を殺めてきた。
人形は、それを快感だと思っているからだった。
「たぁくさん、居るじゃない♪」...【からくり卍ばーすと】善の刃と悪の銃は交差して 1
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ガタガタと音を立てて馬車は揺れる。
その形は、南瓜などではない。
目の前にいるのも無論、魔法使いなのではない。
これは、現実なのだから。
「あなたは、誰?」
その人の顔は無機質で、無感情。
常に薄ら笑いを浮かべる、ゾっとするような人。
「私のことはどうでも良い、用があるのは君なのだから」
明るみに出...【ミク誕、遅刻。】12時の鐘と偽りのシンデレラ【サンドリヨン】
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春は、嫌いだ―――
連は立ち並ぶたくさんの桜を見上げた。
鮮やかに、そして時には妖艶に、自分を誘っているようだった。
月に桜が映える夜だった。
そう、あの夜も、こんなに月が綺麗だったな…
連は目を閉じた。
嘗て絶望の底に幾多の命が消えていった、大災害。
人々は後にそれを関東大震災と名づけたが、どう名...夢桜~終わらないセカイの夢~
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春は、嫌い―――
鈴は密かに肩をすくめた。
桜の花が綺麗だけれど、どうせすぐに散ってしまう。
春は別れの季節。
鈴は桜が散る頃に神威の家に嫁ぐ。
それは、慣れ親しんだはずの大好きな家を離れるということ。
何一つ不自由のない暮らしを約束させられているというのに、春が嫌い?
鈴は再び肩をすくめた。
「今...夢桜~色褪せたセカイの夢~
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朝起きたのは、ケータイが鳴ったからだった。
「もしもし?」
「ミク?ごめん、起こした?」
「くくくくクオ!?」
ロクに発信源を見てなかったので、危うくケータイを取り落とす所だった。
「あのさ…今日、来れない?」
「今日…」
今日は日曜日。
カイト先輩と約束した日だ。
「今日は…カイト先輩って人に会わ...【裏表ラバーズ】表裏一体の恋愛感情 5【自己解釈】
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「たまには…会いたいよ」
始まりは私のこの言葉だった。
言の葉に小さな願いをこめて。
「いいよ」
たった3文字のこの言葉に、私の心は躍ったものだった。
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時計の真下で、私は待つ。
誰を待っているのか忘れてしまうほどに待った。
気がつけば、もう2時間も経っていた。
街往く人々は待ち呆けている一人の女...【思うままに】悲しいピエロの末路【操ってよ】
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赤ちゃんに会えないという現実は、時が経てば忘れられるような軽いものではなかった。
「嫌なことばっか…」
どうせなら夢で終わってほしいのに。
それなのに私はまたクオを求めていて。
「あぁっ!もうイヤっ!」
最近、部屋にこもってばっかだ。
多分お母さんはまた泣きはらしてる。
ごめんね。出来の悪い娘で。
...【裏表ラバーズ】表裏一体の恋愛感情 4【自己解釈】
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※注意
・1と2は前の展開を改訂してあります。
改訂版を読んでいないと矛盾点だらけになるのでご注意下さい。
・卑猥な表現を含みます。ご注意ください。
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3日後、私は退院した。
手術の痕は生々しく残っていて、まだ痛くて。
どうしようもない喪失感までもが残っていて…
赤ちゃんはまだ生きてる、殺してな...【裏表ラバーズ】表裏一体の恋愛感情 3【自己解釈】
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「…まだ来ない…もう3ヶ月だよ…」
女の子なら一度は悩まされる生理が来ない。
中学生のときは不規則で2ヶ月止まっていたことがあるけど、私は高校生で、ましてや3ヶ月。
何かの病気を抱えているんじゃないか、と心配になってくる。
どうして?
「…ご馳走様」
「ミク、もういらないの?」
「なんか気持ち悪い・...【裏表ラバーズ】表裏一体の恋愛感情 2【自己解釈】※改訂版
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梅雨明けによる鬱陶しい位の気温で目覚めた。
全く、梅雨明けするのも早すぎる。
異常気象もここまでイっちゃったらそろそろ終わりも見えてくるんじゃない?
横にいる〝一応の〟恋人の存在に気づいて、溜息をつく。
そっか。イっちゃったのは異常気象だけじゃない、私もだ…
「あれ?もう朝か…あ、お早うミク」
「お...【裏表ラバーズ】表裏一体の恋愛感情 1【自己解釈】※改訂版
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「っいたあああああああああああ!」
グミはピクっと動いて目が覚めた。
足を攣った。尋常じゃない痛さ。
足を曲げて押さえてひぃひぃ言うこと、約2分。
グミはようやく立ち上がることが出来た。
「まだ2時じゃんよ・・・」
何となくリビングに降りてテレビをつけると、
「いやああああああああああ!」
血まみれ...夏の夜の小さな事件【ミヤグミ】
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*Rin side
「ぃ、やぁ…!」
精一杯抵抗する。してるのに!
指は深くに入り込んでいく。
「可愛いね?」
男の人の手が再び中に入ろうとしたとき、目を瞑った。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌、嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌・・・・
「いただきます」
助けて、誰か、誰かぁッ!
「いやああああああああああああああああああ...初恋の円舞曲 12
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少し昔の、悲しいお話。
一人の少女が居ました。
少女はその日、怖い夢を見たために眠れませんでした。
するとそこに夢喰いのバクが現れました。
少女はバクに溺れ、そして最後には―――
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「・・・」
少女は仰向けに寝転がったまま、天井を睨んでいた。
怖い夢を見た後。
またあの夢を見るんじゃないかという恐...【夢喰い白黒バク】ユメの代償はモノクロの世界【自己解釈】
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「レン~!おかえり!疲れた顔してるね、アクエリ飲む?」
「あーサンキュ」
オレは家に半居候している幼馴染の好意を素直に受け取った。
ホントは部室で飲んできたから要らないんだけどな・・・
「ハイ!」
思いっきり運動した後に飲むアクエリは美味いが、要らないときに飲むアクエリはなぜか不味い。
せっかくリン...【七夕】天の川の下の二人【レンリン】
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*Len side
亞北が教室に入ってきたことが全ての始まりだった。
「んだよ、お前かよ」
リンかと思った俺は冷たく言い放った。
こいつは別にどーでもいい。
「レン君に話があるの」
あいつはそう言ったんだっけか。
「あたし、レン君のことが好きだから」
「・・・」
返事はしなかった。...初恋の円舞曲 11
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コツコツと規則正しいハイヒールの音を響かせて未来(ミク)は歩く。
綺麗な夕日がアスファルトに未来の影を映し出す。
ふとそこで、足を止めた。
なんの変哲も無い、ただの住宅街。
相変わらず夕日は町を橙色に染めている。
そこに歩いているのは、高校生のカップル。
女の子が恥ずかしそうに男の子の少し後ろを歩い...【初音ミク】夕日が照らす坂で【夕日坂】
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いつも歩く通学路。
よく晴れて、暑くなってきた通学路。
隣に居る美少年。
私の〝友達〟・・・?
レンは、私の何?
グミに言われて生じた、この疑問。
今日こそ、絶対に確かめる―――
*
・・・だけど。
「ごめんっ今日委員会あるから教室で待ってて!」...初恋の円舞曲 10
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白い雪は、誰の為でもなく降り続ける。
少し寒いのか、傍らにいる恋人・・・リンは、ぶるっと身体を震わせた。
「リン、寒いのか?」
「ううん、大丈夫」
正直、北に二人だけで引っ越して良かったのかどうかは分からない。
けれど、それで少しでもリンが、リンの病が治るのならと、こうして二人で寄り添っている。
「...soundless voice
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馬鹿みたいに大きな音で目覚まし時計が鳴る。
それを叩いて黙らせる。うるさい黙れ、時計の分際で。
朝が来た。
来たのは分かってる・・・けど。
「うぅ・・・」
起きづらい。昨日はいろいろありすぎだし。
作者は出しゃばり過ぎを反省してもうこのシリーズで出てこないって言ったし。グミも無事だし。
とにかく今、...初恋の円舞曲 9