ブックマークした作品
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「救いが欲しけりゃ、金を出せよ」
私はかつて、沢山の被告人にそう言った。
哀れだったのだ、私も、犯罪を犯す者も…世間も。
いくら金を積んでも罪は消えないというのに。
お前の人生は、法廷の主である私の気分次第。
もっと金を出すというのなら、どんな極悪人でも無罪にしてやる。
金こそ全て、そういうふうに考...【七つの大罪】悪徳裁判官と自由法廷【二次創作】
ゆるりー
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昼は太陽が長く短い影を、夜は月が細く真っ直ぐな光を、入り組んだ街の盤上で回し、針を持つ時計は、それらの動きを模してくるくると時を伝えます。
お話の舞台となる部屋でも勿論、壁の柱に掛けられた時計は規則正しく務めていました。一日三度、日の出から日の入りまでの定まった刻に柔らかな音楽を奏で、文字盤の十...からくり時計と恋の話
fkoshiba
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「……お魚さんは、いなくなった王子様だったの?」
やがて、リンは静かにそう訊きました。
「そうだよ。君のおかげで魔法が解けたんだ」
言いながら、レンはちらっとルカの方を見ました。ルカは何も言わず、ひとつうなずきました。
「じゃあ、お城に帰るの?」
淋しそうな声で、リンは尋ねました。レンはリンの...昔話リトールド【金色の魚】その十一
目白皐月
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「んだてめぇ……!?」
「この人数に一人で立ち向かおうってのかオラァ!!?」
一人前に出るカイトに向かって、『黒猫組』組員の軍勢が叫びかける。
それには一言も応えず、静かに男達を見据えて―――――
(……卑怯プログラム発動。『脳内スキャン』!!)
微弱な電子風をたたきつけ、組員全員の記憶...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅸ~見せてやろう、卑怯の雷を!~
Turndog~ターンドッグ~
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そして、舞踏会が開かれる日が、やってきました。お屋敷の奥様は、娘を念入りに飾り立てると、馬車でお城へと向かいました。リンの父もいっしょでしたが、ほとんどおまけのような感じでした。
リンは仕事を終わらせると――今日は、奥様たちが家で夕食を取らなかったため、仕事が少なかったのです――レンのところにや...昔話リトールド【金色の魚】その八
目白皐月
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*前回までのあらすじ*
悪魔は去った。
「で?どうすんの?」
深刻な顔でレンがカイトに言う。
っていうか、もう慣れそうだよ一文あらすじ。
今回のあらすじも適当だけど、間違ってはないし。
「うん、やっぱりここはこうしたほうが…」
「いや違うって。ここはこれとこれを取ったほうが、全部のカード取れるでしょ...13943号室 4【自己解釈】
ゆるりー
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「私からの贈り物よ」
薬が入った小瓶を差し出し、私は微笑む。
何も悪いことなんかない。
すべて、この薬で忘れてしまえばいい。
せっかくなので、軽ーく説明とかしちゃいましょうか。
あらすじにまとめるとね、私は医者の娘なのよ。
でね、小さい頃からの仲良しの、カスパルっていう人と結婚したのよ。
政略結婚だ...【七つの大罪】眠らせ姫と秘密計画【二次創作】
ゆるりー
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「ぅうわあああああ~~~~!!!はっや~~~~~~い!!」
「え~ミク姉より遅いよ?」
「気分崩す様なこと言わないのーリン―!!」
他愛ない会話を続けるそこは、リニアモーターカーの中。ミクとリンとレンは初めて乗る電車に大はしゃぎだった。
途端にスパーン!!と小気味いい音を立てて、三人の頭が...ボーカロイド達の慰安旅行 Ⅲ~外界の現実~
Turndog~ターンドッグ~
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手に持っている缶珈琲がいつの間にか空になっていた。
そんなに勢い良く飲んだつもりなかったのに。
首を傾げながら点滴を連れて棟を徘徊していると、子供達と目があった。
目があった子供は手をたたき、僕を指差して笑った。
「あのひとジュースこぼしてる!」
「ほんとだ。ふくがぬれてる。きったなーい。」
「うわ...ジェシカ
檸檬飴
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冬の雪は、静かに街に降り注ぐ。
寒さに身を震わせる人々の気持ちなど、何も知らずにただ舞い落ちる。
子供達は、白く冷たい雪で、はしゃいでいる。
大人達は、振り続ける雪など構いもせず、歩く速度を速めていく。
賑やかな街へ出かける気にもなれず、俺はただ窓を見ていた。
いや、正確には窓の外か――…まぁ、どち...【がくルカ】Snowy night
ゆるりー
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ミーミー、ミーミー、と。
か細い声で泣いているのが、てっきりリンかと思ったら。
「めー姉、おねがいッ!」
メイコは目を丸くして、リンの腕に抱かれた小さな毛玉を見つめた。
腕に、というよりむしろリンの両の手の平に納まるというくらいの、小さな小さな白い毛玉。ふわふわとした羽毛がもそもそと動き、プルプルと...【カイメイ】 ミルクをあげよう 【KAITO生誕祭】
ねこかん
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出会いは、終わりに続くシナリオ
だから、わざと遠回りをした―――
そんなお話。
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ちっちゃい頃、両親がまだいた頃、
よく話してくれた御伽噺
男の子にそれはどうかと今では思うが、
ちっちゃい頃の俺は御伽噺が大好きだった。
というより、母親に読んでもらう話、全てが好きだった
シンデレラに白雪姫、人...残酷で、愛しいハッピーエンド【自己解釈】
みぃな
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少女は独り、ベッドの上で膝を抱える。
自分が逃げただけだという自覚はあった。
―――避けられないと分かっていたはずの問題から、目を背けただけなのだと。
「分かってたことなのに…」
膝に額を押し付け、強く強く目をつぶる。
「…分かってた、はずなのに…」
優しい声は、聞こえない。
<魔法の鏡の...魔法の鏡の物語.5
翔破
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ごめんなさい、と下げられた頭の意味を理解するのに、少し時間が掛かった。
夕日差し込む放課後の教室、遠くから聞こえる運動部のかけ声、そして、俺と彼女は二人きり。
シチュエーション的にはこの上ないほどバッチリで、呼び出しから告白までイメージ通りに進み、あとは彼女が恥ずかしそうに頷いてハッピーエンド、…と...【カイメイ】恋愛勇者
キョン子
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ねぇ、信じてもいい?
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「――ッ」
ちょっと待ってよ、嘘でしょ? こんなの、理解できないよ。だって、だって。こんなの、台本にはなかったはずで。
突然、天井から、何かが落ちてきた。あれは何? 何か黒くて硬い物。もし当たれば、絶対に怪我をする。擦り傷とか切り傷とか、そういう軽い...【がくルカ】memory【21】
ゆるりー
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いったいどうしたら、家に帰れるのかな…
時間は止まり、何度も同じ『夜』を繰り返してきた。
同じことを何回も繰り返した。
それこそ、気が狂いそうなほどに。
どうしたら、狂った『夜』が終わるのか。
私も、皆も考えた。
そして、この舞台を終わらせるために、沢山のことを試してみた。
だけど…必ず、時間が巻き...Twilight ∞ nighT【自己解釈】
ゆるりー
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あぁクソ、なんで身体能力まで同じなんだよそこは初代のオレを立てるべきだろ、いや別に新型だからコイツのが勝ってても自然というか別に変な話じゃないしそれはそれで諦めもついたろうに、なんだってオレと全く同じスピードなんだよどうでもいいけどてめぇもう少し、
「―――自重しろ!!」
「しない!!」
即答か、よ...【カイメイ】いつかその時が来たらぼくたちはもっと幸せになれる
ねこかん
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「ハイどうもー!」
突然、扉を蹴破ってミクが入ってきた。
何事ですかね?
「皆さん失礼します!少しお話があります」
「失礼だと思うんなら帰れ」
「おおう、今日の神威さんは酷いねぇ~」
「思ったことを言っただけだろ」
兄貴が冷たく返す。
仕方ないじゃん、こういう台本なんだからさ。
「それで?何があるの...リンちゃんなう!+α【二次創作】
ゆるりー
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「後もう一回だけ! ね、ルカちゃん後もう一回」
最近夜更かしを覚えたミクは真夜中近い時間まで、ルカとトランプ遊びをしている。
ジョーカーがお互いの手の間をいったり来たりする簡単なトランプ遊び。
本当なら大人数でやった方が面白いゲームだが、表情がすぐ顔に出てしまうミクはリンやレンに全然勝てない。...電子世界の夜更かし(ルカ誕生日祝い)
poles
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隣国の城で暮らすことになったメイコは、相変わらず熊の姿のままでしたが、楽しく暮らしていました。城の人たちは、最初はメイコに怯えていましたが、王子であるカイトが熊と親しくしており、またメイコの方も、重い物を運んだり、小さな子を背中に乗せたりと、城に溶け込む努力をしたので、次第に城の人たちも怯えなくな...
昔話リトールド【熊のお姫様】その三
目白皐月
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過食性アイドル症候群 BPM=200
作詞曲/スズム
●→GUMI
■→MAYU
◆→二人
■目を開けると ちやほやされていた
どうやら僕には 奇跡が舞い降りたようで
●ちょろいもんさ 歌も程々に
褒美も奮っちゃって 群がるメスは数知れず
■嗚呼 愉快だな...過食性:アイドル症候群_歌詞
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「世界の間違いを、レミーが正すのよ」
数年前、サンタさんに言われたこと。
僕は、世界を正す救世主。今日も、世界のために、サンタさんのために、一生懸命がんばるんだ。
僕は、ずっとひとりだった。
こじいんっていうところに閉じ込められて、ずっとかなしかった。
サンタさんは、ぼくをたすけてくれた。
ぼくは、...【五番目のピエロ】忠実少年と賑やかサーカス【二次創作】
ゆるりー
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結末はどうなるの?
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「さあ今日も頑張ろう!」
初音先生がにこやかな笑顔で告げる。対するメンバーは、皆微妙な顔をしていた。
今日は学園祭二日目、最終日である。昨日はライブだったが、今日は演劇である。ずっとステージにいる気がするけど、私に休みはないのか?
「……で、なんで私は...【がくルカ】memory【20】
ゆるりー
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動き出す静寂から 少しずつ回り始める
交差した白と黒 混ざり合い惹かれあう
目を逸らせない 躍動する意思 思惑は誰を?
指名 指令 視線 死線 潜り抜けて夜を満たす さぁ、準備はいいかい?
秘密を知る鍵は パンドラの背徳を示す
交わる切っ先 湧き上がる破壊衝動
Waiting Waiting あなた...衝動×パンデモニクス
ぽりふぉ PolyphonicBranch
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「リン、あんた、結婚式あげてないでしょ」
わたしたちがお母さんを見舞ってから、半年が過ぎていた。お母さんの状態はあまり良くないらしく、わたしはニューヨークで仕事をしながらも、心配で胸が潰れそうな毎日を送っていた。
そんな中、突然ハク姉さんが電話をかけてくると、真っ先に言ったのが、上の言葉だった。...ロミオとシンデレラ 外伝その五十一【人生を愛で計ろう】後編
目白皐月
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思い余った私は、ガクトさんに電話をかけてしまった。といっても今は仕事中だから、「時間が空いたら少し話がしたい」とあらかじめメールをしてからにする。ガクトさんからはすぐ電話がかかってきた。
「どうした。ルカ、何かあったのか?」
「あ……その……今、時間いいの?」
「ちょうど一区切りついたところだ。心...ロミオとシンデレラ 外伝その四十八【嫉妬は愛の子供】その四
目白皐月
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こんにちは、僕は神威がくぽって言います。神威って呼んでください。
えっ、なんでまた僕が主人公なんだ、って? そんなの知りませんよ。描きやすいとかそんな感じの理由なんじゃないですか?
……さ、てと。
今僕がいる場所は、科学研究部が使っている理科実験室です。僕のいる学校の旧校舎にあります。すっご...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 1
aurora
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「さよなら、愛しい人」
そう呟いて、リボルバーを目の前にいる人に向ける。
この行為を、何回繰り返しただろう?
もう、当たり前のように、私は引き金を引いた。
私は「悪」の人間だった。
組織に属している限り、私は「悪」であり続ける。
組織をやめることは、彼らを裏切ること。
組織をやめたくても、心のどこか...【七つの大罪】グミさんと白熱討論会【二次創作】
ゆるりー
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国道沿いに対峙する僕達の閉じた未来。
息を弾ませながら、屋上階まで駆け上がる。
扉を開き、真っ直ぐフェンスまで歩く。
その途中で缶コーラが目に映った。
ポイ捨てする奴なんて、この世界にはたくさんいるんだ。
そういう奴は良心は痛まないのだろう。
道徳なんて死んじまえ。
そう呟いて缶コーラを思い切り蹴り...再教育
檸檬飴
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MEIKO
唄い続けるんだよ
お前の前に道はない
お前が道を作るんだ
その先にあるものを考える必要はない
闇を切り裂いて
ただ 歩め
確実に 止まらずに 振り返らずに 前だけを見据えて
唄い続けるんだよ
唄うことが楽しかった。...【カイメイ】 その青は、世界を満たした
ねこかん