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UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その9「ミクの希望とヨットハーバー」
沖のクルーザーはどこかに行って、青い海の水平線は夏特有の靄に隠れて、見えなくなっていた。
ミクが話しかけるまで、テッドは自分がリビングにいることも忘れていた。
「マスター」
テッドは、壁の時計...UV-WARS・ミク編#009「ミクの希望とヨットハーバー」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その9「コクピットvs砂嵐」
コクピットにいる全員が凄まじい重力に晒された。
一気に自分の体重が百倍になったのと同じ感覚だった。
指一本動かすことが不可能だった。まるで、指が釘で打ち付けられたようだった。
不意に加速が止ん...UV-WARS・テト編#009「コクピットvs砂嵐」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その8「シスコンの兄」
入れ替わりに兄が入ってきた。
「ちょっと、いいか?」
いつものわたしに甘甘な雰囲気ではなかった。
少し緊張した空気が流れた。
「父さんと母さんにはまだ言ってないんだが…」
兄は自分のスマ...UV-WARS・ヨワ編#008「シスコンの兄」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その8「踊る初音ミク」
画面は真っ暗だったが、突然スポットライトが一人の影を浮かび上がらせた。
そのシルエットだけで、それが誰なのかすぐに判った。
〔ミク?〕
よく聞くダンスナンバーのイントロが流れて、画面の中のミクが動き出した。...UV-WARS・ミク編#008「踊る初音ミク」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その8「輸送機vs流星雨」
突然、機体がガクンと揺れた。
あまりの大きな揺れに全員シートベルトが体に食い込むほどシートから投げ出されそうになった。
「きゃ!」
「うわ!」
「え、なに?」
機内の照明が非常事態を示す赤に変わり...UV-WARS・テト編#008「輸送機vs流星雨」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その7「UTAU学園入学案内」
わたしは、UTAU学園の話をしようと母の夕食の後片付けを手伝った。
母が洗った食器を布巾で拭いて食器棚に戻しながら、「進路の話」風に始めた。
「学費とか、下宿費用とか、食費とか、全部...UV-WARS・ヨワ編#007「UTAU学園入学案内」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その7「人造人間開発計画」
「で、モモちゃん、ご感想は?」
桃はテトに向かって一直線にテーブルを乗り越えてきた。
「すごい、スゴい! 凄いです!!」
目を輝かせて、鼻息も荒く、テトに迫る姿は、飼い主の投げたボールをくわえて戻ってきた...UV-WARS・ミク編#007「人造人間開発計画」
仮免美紀
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第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その7「テトvs小隊長(デフォ子)またはネネvsルーク」
帰り道は驚くほど平和だった。
機体もさほど揺れることなく、雲の中を滑るように進んでいた。
テトと小隊長以外は、疲れた体を休めるように深い眠りに落ちていた。
小隊長は...UV-WARS・テト編#007「テトvs小隊長(デフォ子)またはネネvsルーク」
仮免美紀
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第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その6「紫苑家の夕飯」
わたしは、家の前でネルちゃんと別れた。
とりあえず、遅くなった理由は、二人で口裏を合わせて、入学式の反省会をしていたということにした。
わたしの家は分譲住宅の中の一戸で、周りは似たような家...UV-WARS・ヨワ編#006「紫苑家の夕飯」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その6「ボーカロイドを触ってみた」
画面の中の八人の視線は、桃に集中していた。
桃の視線は完全に画面に貼り付いていた。
桃は目の前のテーブルを乗り越え、テレビ画面に向かった。
〔なんだ? 何をする気だ?〕
画面の中のミクたちも戸...UV-WARS・ミク編#006「ボーカロイドを触ってみた」
仮免美紀
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第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その6「リツvsサラ(?)」
テト、モモ、小隊長の三人が発生装置の穴を出ると同時に、発生装置は大きく揺れた。
その頂上から火柱が立ち上ぼり、空をおおう雲に突き刺さった。
同時に、地平線の向こうから日が昇り始めた。かすかな雲の...UV-WARS・テト編#006「リツvsサラ(?)」
仮免美紀
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第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その5「ステージからの誘い」
着替えた衣裳は、スカートの下が長めのスパッツのものとパンツスタイルの二種類があった。
ネルちゃんとじゃんけんをして、勝ったわたしはパンツスタイルを選んだ。
サイズはわたしにはぴったり...UV-WARS・ヨワ編#005「ステージからの誘い」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その5「彼の作ったボーカロイドたち・3」
「テッド君、君の作ったヴォーカロイドたちを、桃ちゃんに見せてやってくれ」
「え?」
長年テッドの家に出入りをしていたテトが、ミクたち、ユーティリティープログラムの存在を知っているのは当然だった...UV-WARS・ミク編#005「彼の作ったボーカロイドたち・3」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その5「モモvsタイプT」
バリヤ発生装置の外壁をコツコツと叩いて、マコが音を確かめた。テトが切り落とした右手は、モモによって完璧に修復されていた。
「どうだ、マコ」
小隊長の方を振り向いて、マコは決然と言いはなった。
「やは...UV-WARS・テト編#005「モモvsタイプT」
仮免美紀
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第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その4「重音テトとの出会い」
わたしたちはそこを通り過ぎようとしていた。
ネルちゃんがわたしの脇を突っついて小声で話しかけてきた。
「ねえ、今の人、ひょっとしたら、『重音テト』じゃない?」
「かさね? だれ?」
...UV-WARS・ヨワ編#004「重音テトとの出会い」
仮免美紀
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第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その4「彼女が初めて来た日」
開け放たれた玄関の向こうは海があり、沖には白いクルーザーが一艘浮かんでいた。
「それにしても…」
テトは辺りを見渡してため息をついた。
「玄関なのにこれほど涼しいとは」
もう一度ため息をついた。
「相...UV-WARS・ミク編#004「彼女が初めて来た日」
仮免美紀
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第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その4「マコvsタイプD」
頭を抱えたタイプBに横から飛び込んできたのはマコだった。
マコとタイプBが頂上から落ちる寸前、タイプBは頭を放り投げていた。
もう一体のタイプBが頭をキャッチした瞬間、テトのビームサーベルがその両...UV-WARS・テト編#004「マコvsタイプD」
仮免美紀
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第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その3「悩む。そして、反省する」
教室の窓際でわたしは親友と昼御飯を食べていた。
「もう決めた?」
お弁当の中のプチトマトを最後まで残してから、口の中に放り込んだのは、わたしの大親友、亞北ネルちゃんである。
わた...UV-WARS・ヨワ編#003「悩む。そして、反省する」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その2「プロローグ・2」
わたしの名前は、紫苑ヨワ(しおん・よわ)。今年、4月から中学三年生になる女子である。
変わった名前は、両親が付けてくれたものだ。
小さい頃はよくからかわれたりして嫌な思い出もあるが、小学...UV-WARS・ヨワ編#002「プロローグ・2」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その1「プロローグ」
西暦二〇××年、アイドルは滅んだ。
二千年代初頭に「会いに行ける」をコンセプトに、ファンとの距離を縮めるアイドルが増え、ファン獲得競争が激化し、モラルの低下が物議を醸していた頃、事件が起きた。...UV-WARS・ヨワ編#001「プロローグ」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その3「彼の作ったボーカロイドたち・2」
リビングのテレビモニターは、彼がやりかけだったゲーム画面のままだった。
テレビはリビングの東側置いてあり、南側はテラスに続く窓があった。
窓にカーテンは掛かっていたが、薄いレースのカーテン...UV-WARS・ミク編#003「彼の作ったボーカロイドたち・2」
仮免美紀
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第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その2「彼の作ったボーカロイドたち」
彼女、初音ミクは、毎朝5時半に起きる。
彼女は、自分の部屋のベッドを下りると、パジャマを脱いで、いつもの衣装に着替えた。と言っても、CGなので着替えは一瞬で終わる。
そして、寝室のドアを開け、...UV-WARS・ミク編#002「彼の作ったボーカロイドたち」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その1「ある素人プログラマーの記録」
初音ミクは、VOCALOIDと呼ばれる音声合成ソフトウェアの名前である。
パッケージに少女の姿を描いたことから、ソフトウェアに人格があるように思う人が増えた。ゆえに、初音ミクは「それ」ではなく「...UV-WARS・ミク編#001「ある素人プログラマーの記録」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その3「コヨvsタイプC」
目標地点まであと5000に近づいた。
目標のバリヤ発生装置は高さ10メートルの岩にカモフラージュされた建造物だった。
「索敵完了。数、108。タイプA、66。タイプB、41。タイプC、1」
「さすが...UV-WARS・テト編#003「コヨvsタイプC」
仮免美紀
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第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの唄」
その2「テトvsタイプA」
今、この世界では長く続いた戦争が終焉を迎えていた。
戦争がいつから始まったのか、正確なところはわかっていない。
世界は、「U」と「V」の二つに別れて、ただお互いを滅ぼすためだけに戦っていた。
「...UV-WARS・テト編#002「テトvsタイプA」
仮免美紀
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第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの唄」
その1 「序章」
夜明け前の闇の空を輸送機が飛んでいた。
それも視界のない濃密な大気の厚い雲の中であった。
時折、気流の乱れが機体を叩くように揺すった。
輸送機の積み荷が数個、一斉に小刻みに震えたが、すぐにクッションが吸い...UV-WARS・テト編#001「序章」
仮免美紀