人鳥飛鳥＠やましぃの投稿作品一覧

『人類諸君、これは戦争だ』
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―時は20XX年。
《VOCALOID》の存在は一つの音楽ジャンルとして、人々の生活に浸透しつつあった。
そんなある日、某動画サイトに“VOCALOID”タグで投稿された謎の動画。通称・ワンミニッツ。
タイトル通り一分間のそれは、黒い背景に文字一つない、無音の動画...

(A1)
あまりにリアル過ぎて
上手く生きられないゲーム
震える手でstartを押したんだ
(A2)
握り締めている
shotgunだけが現実で
今 この世界をsurviveしていく
(B)
駆け抜けろ サイバー・サバイバー...

数時間前。
「久しぶりだね、義兄さん」
カウンター越しに対面した少女は肩で切り揃えられた緑の髪で、耳の横、一部だけを長く伸ばしている。店内だと言うのに小型のスクーターを押して入ってきて、当然のごとく、ガコッ、とスタンドを立てた。
『…相変わらず、お前は行儀がなっていないな』
営業用スマイルは早々に引...

「もう大丈夫、容態はだいぶ落ち着いたみたいね」
赤い服の女が言って、にこりとレンに微笑んだ。清潔そうな白いベッドには淡緑色の髪をした少年が、すっかり落ち着きを取り戻したように安らかな呼吸を繰り返している。
「あ、あの。ありがとうございました」
ぼんやりと少年を見遣っていたレンだが、女の言葉に慌てて頭...

水に溺れているような感覚。
重く纏わり付く闇と、呼吸さえ許されない圧迫感。
…ああ、死ぬんだ。
薄れていく意識が漠然とそんなことを考える。
結局ボクは、何も変えられないまま、こんなところで…
そのとき、最期の赦しを求めて伸ばした右手を誰かが掴んだ。
＊＊＊
地上のリンを追って、無茶苦茶に振り回される...

メインストリートでは大型バイクに通行規制が掛けられているため、遊歩道を押して歩く。KAITOに主電源を落とされて静かになったフロートボードの方は、当然のごとくレンが抱えていた。
「結局、そのフロートボードに関しては収穫なし、か」
解ったことといえば、内蔵PCのメモリに膨大な数のパスロックが掛けられて...

【￠ity】メインストリート。
「…それでさ、レンは、『絶対に俺のじゃない!!』って言い張るんだよねー」
磨き込まれた木製のカウンターに肘を突き、差し出されたグラスを呷る。中身は何の変哲もない水なのだが、リンがやると、いやに様になっている。柄が悪そう、という点において。
ショットバーのような内装の店...

呆気ない幕切れ。最後の一体が０と１とで構成された粒子と化して砕け散り、１００だの２５０だの、宙に青白い文字を浮かべる。何か、意味のある数字なのだろう。それを見遣った少女がショットガンを肩に担いで溜息を吐く。
「…やっぱり、この程度のモンスターじゃ殆ど稼ぎにならないわ」
指先で数字を摘む。少し迷った後...

ありきたりな日常。時々、無性に嫌気が差す。
けれどもそれは、必ずしも即物的な現実逃避を求めるものではない。
言ってみたいだけ。ちょっとした口癖。
所詮はその程度のことなのだ。
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クリプトン郊外。
深夜の住宅街に突如爆音が響き渡る。
周辺住民の安眠など全く考慮しない音圧と衝撃が窓ガラスを震わせて...

※
これは、私が大好きな、ねこぼーろさんの【樂壇】自己解釈です。
ねこぼーろさんの素敵な世界観を壊されたくないという方は、閲覧しないで下さい。
廃れた音楽ホール。それはかつて少年がオーケストラを夢見た場所。 一人の青年へと成長し、いつの間にかマエストロの夢も諦めてしまった。そんな彼が現実に嫌気が差し...

【￠ity】郊外。
人気のない大通りを一台の大型バイクが疾走する。それを駆るのは金髪の少女。黒の一眼式ゴーグルに、通信用インカムを装着している。風圧で、頭の黒いリボンが引き千切られそうな勢いで靡いている。
「…まったく、しつこいわね!!」
バイクの風防をモニター代わりに、映し出したナビゲーションマッ...

＊あらすじ＊
《サイバー・サバイバル》と称される非合法のソーシャル・ネットゲームが侵食する都市・クリプトン。
クリプトン郊外に暮らす少年・鏡音煉は、ある古びたフロートボードを拾ったことでゲーム世界に干渉してしまう。プログラムに参加者＝“サバイバー”として認識されてしまったレンは直後、現実世界には存在...

(A1)
アンバランス 不似合いな欲望
分不相応だって？わかってるよ
それでも止まらないんだから 仕方ねぇじゃんｗｗ
アンタンたる午後の授業(レッスン)
「I love」の目的語なんて「You(キミ)」に
決まってんじゃん とかね夢なら言えるのに
(S1)
もっとキミに近付いてみたい
この感情は恋で...

(A)
ありふれた「ボク」に相応な存在意義(イミ)を見付けたい それだけなのに
適当なコトバさえ奪われて動けない 何も見えなくて
(B1)
「居場所なんて何処にもない」とキミは言った
それなら弱いボクは何処へ逃げればいい？
「君が今居る場所、それが居場所だ」と
キミの声が聞こえる… ボクは耳を塞いで...

(A)
You'll leave me here
and never return to my world
;still please…
promise me not to go anywhere
tell a lie that you won't go anywhere
(B)
If a nigh...

乱立する死亡フラグを
ご丁寧に残さず回収して
それを花束みたく束ねて
それを過去（僕ら）に捧げてみようか？
「アリガトウ、サヨウナラ」
「嗚呼、其レモマタ、人生」
すれ違い通信（コミュニケイション）
自虐的にもトドメを刺して
確かに壊したのは僕だが
確かに愛してたのだって、僕だ...

(A1)
最初の言葉は何だった？
「君の名前」「僕の名前」
僕等代名詞を叫びあって
生命(こ)の存在を示すには
それ等はあまりに儚くて
だから僕等は刻みあった
(A2)
君が「僕」を呼ぶように
僕が「君」を呼んでみると...

―失われた者…遺された者…面影を探して旅人が歌う詩
青くたなびく丘を往く
《遺された者》の足取りは重く
口ずさむ数え唄は幾度
《最終楽章》と《序楽章》を繋ぐ
涙の河を行き交う舟に
《失われた者》の影はない
凍てついた途の果て
裸足の足に血が滲もうと
其処に貴方が居るようで...