凪揺の投稿作品一覧
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絡繰贋造 偶像崇拝
電柱 磔 人形信仰
怠惰汚染 腐敗のレッテル
無謀な特攻に臨んだニヒリスト
中心街には巨大な空洞
改造薬品 連投 暴論
過去の産物に縋っている
蜘蛛の糸には空想科学の傷痕と誓願
聾啞老婆は毒林檎を投げた
無菌室の中で笑っている...贋造都市の悪夢
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錆びた鉄屑の舞台で厭う人形劇の館
眠れない夜を巡る
小さな子供の影が見えた
遣る瀬無い夜の瀬を縫う
凍り付いた感情を溶かした
人を傷付ける事しか出来ないその口が
世界平和を謳うか
真夜中三時の汽笛が
夜空を越えて
古い童話の牧場に届いたなら...廃世界探訪と空想模型
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埋没された夢の汀で 躍る夜の静寂を抜け
忘れじの花 空を抜ける 鏡の中 私は揺れる
枕詞で舵を切った 齊は崩れ錯乱してる
統一されたアイソレート 只の言葉の価値が無くなって
落ちる果実は贋の様
辟易の壁 受け容れる事も出来ず
既に飽いてるイニシアチブの綱渡り
醒めた挿絵と乱丁
間違いもせず染まる文字...Peregrinus
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夢から醒めた夜の噺
月光の街灯が映る夏夜の窓辺に
咲いた水槽の虚いは
廃校の終日を残す。
昨晩の花火は残花となって
今でもプールサイドから
幻日 或いは夢の中
虹彩の現と爆ぜる。
水槽の万華鏡
灯篭の光が現実の隙間から...廃校、空水槽からの光景。
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星の樹を焚べる夜祭
灯籠流しで忘れたんだ
在るべき像は真空模型の様
歯車回せ
星降りの夜に
白昼夢の森
天使の翼で飾り付けて
天秤に置いた心臓を
月の魚が呑み込んだ
夜空を蝶が埋め尽くした...Åštяøɣѧ
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あるところに「世界」があって
あるところに人が二人
自分達が何者なのか分からないけれど
とりあえず服を作った
すぐ隣に貴方がいて
すぐ隣で息をしてる
自分達が見えてる物こそが全てだと
信じて進んでいました
雨が降ったら身を潜めて
空が晴れたら遊びに出よう...名付け師の輪廻
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滲む青と夏風の慰め。
丘の上の教会で
猫を撫でて君が笑った。
笑っていた、昔はずっと。
黒い屋根と十字架が目立つ
丘の上の教会で
君と子供達が笑った。
笑っていた、楽しそうに。
集まっていた子供達は孤児で
だからこそ、みんな家族で。...弔い、晩夏の教会
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何も無い部屋の真ん中
オルゴールの音が響いてる
見かけだけ綺麗に飾り付けられた
天使のいない楽園に独りぼっち
期待だけ肥大して裏切られた
爪も剥がれて目も見えない
許す事に慣れ過ぎて
許されてる事にも気付かない
伽藍堂のこころを埋めてくれないか?
私を見つけてくれないか?...天使のいない楽園
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陽も焼かない廃墟の片隅に座って
顔も分からない誰かをずっと待っている
揺らいだ花の香は私の身体をすり抜けて
錆色の世界に溶けて消えた
待っている
手を伸ばしても掴めるのは枯れた夏の大気だけ
閉ざされた廃墟
眠れる繭 或いは揺り籠の中
誰かをずっと待っている
冷たさも暖かさも感じないこの場所に...廃墟の胎動
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星の欠片が落ちてさ、僕に笑えって言うんだ
空と海が蜃気楼に似た夢のような気がして
季節が過ぎ去って殺せないだろう?
溶けて仕舞えば何も残らない
銀河瓶に閉じ込めた星の丘、陰り
明日、空は濡れ羽色 痛みと食傷の縫合に
言葉は要らない 形も無いから
ただ空が眩しい
幻覚でも良い
見え透いた嘘、その価値も...銀河瓶の箱庭
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希望代替症自暴癖
功利的孤高感情欠落性
情報統制理論上乖離的不可逆ト再生成
絶対多数仮説検証幾何学構造ト感情論
相対後退主義ニ何ヲ願エバ良イノカ
空想ニ縛ラレテル 意味ノナイ文字列抱イテ
誰カガ定メタ 未定世界的理想郷
定義サレタ幸福感 連鎖 連理
思考スル描写 有罪判決
空想科学ニ身ヲ捧ゲヨ...思考管理局
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海岸の白砂が月の光を反射する
銘々の夜、夜光虫の海の静けさを患い
弔った残り僅かな残滓に捧げる
水葬の夢、漂う泡沫の隙間
月の繭で楽園が孵化した
祭典の刻は眼前にまで迫っている
灯台の灯りが点滅した頃
全てを忘れ、告別の言葉を
教会の鐘が鳴った
極彩色の魚の群れ 空に満ちて游ぐ...或る夏、箱庭と月面描写
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楽園に近い庭の片隅に林檎の木
燃やしてみればいい
幸福が梳かれたアムリタの一雫が
願っても叶わない夢に溺れた人の口に触れた
火鉢に入り込んだ蝶に帰道を示したい
狂ったフリして守って貰いたかったんだろう?
どうか一匙の幸福が意味を成すように
鍵をかけた
足跡を辿って、「善は閉じ込めろ」と叫んでいた
標...第一標本世界
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朝は然る事乍ら、窓辺に傾いだ花が冷たい月を待っていた。
一瞬の永遠を統べる様な画伯が擦る。
生まれ落ちた時から、世界は目を背けて笑っていた。
巡り合わせの螺旋、或いは運命の悪戯について
花を抱えていた。荒んだ瞳で何を考えていた?
呟いたんだよ。
「分かり合えると思ったのに
分かり合えると思ったのに...或る画伯の愚作
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天蓋が開いて身体が曝される
眠り姫の夢、誠の言葉
造花で埋め尽くされた顔が傾いて
朝日の色と薬の匂いがした
揺れる、揺れる 白露の花
揺れる、揺れる 贋物の身体
触れる
冷たい指先でなぞる窓越し
太陽と月が混ざって溶けた
揺り籠の中、眠っていたんだね...眠り姫の寓話
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ゆるしてください なにものこせずに
あのはなのように ちってしまうことを
からすがないたら さあ、かえろう
みじめなこころすら とりになれるよ
わかってください いえにかえらずに
べつのどこかに かえってしまうことを
ゆうひをやいたら さあ、もどろう
どうけしみたいに えがおがはりつく
あかねにとん...Rooftop Clown
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醒めない夢は無いの
硝子張の地面の上で
歩き過ぎたら壊れてしまうから
引鉄の無い冷たい銃
空の言葉の内側に
目を塞いだ自分の姿
誰かが見つけてくれれば
変わる気がした
そんな気がしたのに
私の世界には誰一人、人がいない...不連続世界と私の証言
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向日葵の墓碑銘 丘の上
纏った夏の風と共に眠る夕日
燻んだ色彩の送葬曲は埃を冠る
飛び立つ翼を着飾るだけの
忘れられた人の季節
空色に溶けた記憶をなぞる
繊細な輪郭と永遠に還らない生命
掠れた面影の笑い声は音を通さないまま
そのまま薄れる記憶の片隅
置き去りにして来た季節に...夏の墓碑銘は「或る心象」を写す。
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浅キ夢見シ蝶ノ様
宵ヲ舞フ影色 空一面ニ満月ノ光
燈揺レテ 連ナッテ 私ハ今モ待ッテイル
花月嵐昇 幻艶千夜
櫻雨天塗 夢儚終久
流ルル花ニ命ハ芽吹ク
闇照龐煌 待累廻風
影常晩涙 情酔環息
永劫ニ近イ春ノ一瞬
夢ノ跡ニハ花咲カセ...花宵夢々
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誰の所為でも無い事なんか
昔から分かってた
それを知ってて傷付けたのは
紛れも無く自分自身
どうでも良い事だけを
心に背負ってばかりだ
何をやっても、何を願っても
ただの一度も許された事なんて
心の傷が見えたら少しは楽になるのか
人の心が見えたら優しくなれるだろうか...許せるのは。
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テトラポッドの舞台の上で
月の明かりと夢遊ワルツ
埠頭を歩く誰彼も
静かに影を消していた
硝子の靴を無くした少女も
何処かで誰かを待っていた
愚図な脚も廃材で
言葉は哀を積もらせて
今、嗚呼
月光鉄塔 常夜の燈篭...月光地区ローダンセ
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Asxlxz'x B'muxnip
Ixu mozq'e woriz.
Tia Nz.2 azoniva ox rvz'x livz'll
Woulx'x AlldZ ie Knopl.
Asxlxz'x simec
Yxv suzq'e gradz.
Tia qmet azt fevr zdn g...AZONIX LYIEX
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九月の病棟 花の香り
一秒でも長く繋ぎ止めておきたくて
閑静な病室 あなたと二人
夜の向う岸で笑い合う話をしよう。
「乾涸びた幸せも
きっと白昼が照らしてくれる。
例えばそれが
戻らない物だったとしても」
夢から醒めたあなたは
目を細めて笑っていた。...九月、想望の病室にて。
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小さな造形物が見る夢
廻る環状線の輻輳を超える。
鉄格子の空 広い時間を眺める。
複視の窓辺 解像度の高い現実が生まれる。
稀薄な現象体が得た夢
捲る架空線の重層を過ぎる。
遺伝子の宙 狭い命を視つめる。
鏡裏の相似 鮮明度の高い幻想が生まれた。
瑕疵の片割れ 誰かが圧し付けた。
今、僥倖を攫む 畢...Existenz
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町は何も変わらずに写真の中に収まっている。
劇は無いと言い切れない。
花は相も変わらずに保身の中に咲き乱れる。
敵はいないと言い切れない。
足を折る/名前が無い傀儡(マネキン)と
手を離す/名前が無い演奏会(コンサート)
総ては台本通りの台詞だけ。
脚光(スポットライト)が照らしてる。
使い回しの部...Distribution
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空に飛べる様な感覚で
海に沈んで行く。
フラスコの中の水彩画には
何かが足りないまま。
揺るぎない愛情の欠陥を糸で縫い付けて。
眩む紅茶の香り、匙の音
気泡が溢れている。
展翅板に心を押し付けて
恋は散ってしまったんだ。
フラスタには水滴が流れて...RACRIMOSA