タグ「世界崩壊」のついた投稿作品一覧(28)
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街頭テレビの中では
朝から国会の野次が映る
「小学生のケンカみたい」と
通りすがりの老爺が言った
流行りの服を掴まされた
見た目はこぎれいだったんだけどな
値段だってそれなりにしたのに
一週間で穴が開いたよ
「マスコミを懲らしめる」って誰かが言ってた
どっこいもうみんなあんたらの言いなりだ...さよなら独裁者
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沈みゆく世界の面影が
アクアリウムの空に反射するの
まるで舞い踊る幾多の蛍のようね
ガラスの雨に凍りついた刻
離岸流を古いものが漂っていく
忘れられていく かけがえの数々と
限りなく喪失と再生に近い淵で
命の重みを知る
風は凪いでゆく 世界は停まったよう
青く薫る水際(みぎわ)で 初めてここまで近づ...promise -青の果てで-
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“CQ, CQ……over………CQ…It's fine tonight…………..radio #R-Star On Air”
この地に燈(とも)る火を消したのは誰か?
遠き日の青い色を忘れたのは誰か?
灯りをつけるのは誰?
この声を聞くのは誰?
“みなさんこんばんは ラジオ#R-Starです”
“...プロローグ・ラジオ#R-Star
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黎明を告げる鐘が鳴り早数年
時計台は休む間もなく時を刻み続けてる
辿り着いたここは華々しい未来
ふわり舞う 花びら ビラ どうやら新都市完成のセレモニーらしい
“文明の進化が本能さえ超えた”
電気仕掛けのハコ手にして道行く人はつぶやく
その昔誰かが予想した理想郷
歩きだす 人びと ヒト スクランブル...Hello, perfect world.
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虚ろな瞳が切り取った世界は
意味を失った灰色の情景
時さえも動きを止めて
冷たい月の光がナイフのように 歪んだ廃墟に突き刺さる
果てしない空白 君はどこにいるの?
何処から狂い始めたのだろう
順調に廻ってたこの世界の歯車は
辿り着いたはずの 追い求めてた世界は
自分を疑いたくなるほど 何もなくて
握...Lost Scenery
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青い空を鳥が飛ぶ 乾いた音がして鳥が落ちる
一枚残された羽根はどこへ還る
暗い溝(どぶ)に花が咲く 何にも知られずに花が散る
名もないこの花が咲いた意味は いったい何だったというのだろう
針先にも満たない水 その上で僕らは繋いでいる
流星にも満たないほどの、淡く悲しい光を
赤い火が燃えている 太陽と...幻惑星ライフゲーム
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闇夜を裂いた 紅き辻風
終幕の刻告げるベルを鳴らす
悠久を語った歌劇は終わり
うたかたの命は鮮やかに燃えてゆく
度重なる悲劇と破綻を含んだカデンツァ
愛は幻想と 消えゆく世界
まるで報われぬ恋物語(ロマンス)のようで
一つまた一つ石化するペルソナ
気付けばただ一人で終焉を歌うのだ
矢来の盾のシャンデ...終焉のカンタータ ~孤独な人~
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荒れ果てた言葉だけ ここに残った
月のため息が 終章(エピローグ)を彩る
変わらないものをずっと 探し続けてた
その結末が こんな 変わり映えしないものなんて
同じように広がる空の下 平等に泥雨は降り続く
吹き消された足跡を 見えない目で探っている
闇に溶け泣いた 幼い記憶のカケラ
「未来」は「希望...アフターワールドエンド
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明かりを一つずつ消すように 暗い夜が終わってゆく
街は不自然なほどに遠く静まり返っていて
オレンジの手提げバスケットに 君を入れて走り出した
時々手に触れる二つの鼓動は最後の刻を測るメトロノーム
輝かしい未来ヴィジョンは見えてても
頭の上に釣り下がった結末には誰も気づかなかったようで
誰が言ったかも...終末とファンシーラット
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皇土(おうど)を蝕みゆく暗雲 雪の色
埋(うず)められた太陽が闇に泣いている
凍風(いてかぜ)に攫われた幼い肖像は
足跡を見失って震えていた
時計塔の針は一時を指して止まる
錆びついたままの振り子が胸に痛い
棘草(いらくさ)に覆われた 悲しきフェリスホイール
それでもまた繰り返したよ、愚かな人類は
...緑陽の町のドブルイニャ -Twilight eyes-
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天気輪の柱に昇って 星を眺めた夜
あの日の情景は今 遠く僕の心の中にある
上と下二つの星空 両手で抱き締めて
どこまでも僕らのものだと同じ夢を見ていた
突然 海が裂け 空は燃え 地は鉄条網に奪われて
宇宙船は再びくだらない戦の道具になる
どうやらこの惑星(ほし)の命は もう長くないらしい
何人(な...蒼星コスモナーフト2261
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一番星が曇り空で泣いてる
かすかに震える吐息は 私の言霊を映す
太陽が消え果てて 鳥も鳴かない四月
何時(いつ)から止まったのだろう この惑星(ほし)の歴史は
絶ち切れなかった憎しみの輪廻に
花は舞い散り、私もひとり
大切な寝顔 置き去って果てへ逝く
遺された悪意から ひよわな“希望”守るため
全て...ホワイトヘザーの追憶
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静かな闇の中 幽(かす)かに響く音
誰かが呼んでいる 途切れかけの声で
世界は歪んでる 歯車 終末時計
穴のあいた傘は 終焉(おわり)のエクリチュール
“皆様残念です 世界はもうここまで”
“あなた方の明日は もはや二度と来ない”
理不尽なフェルマータ 呆然と置き去られ
僕等はただ白紙のページ前に惑...Messiah the one before the last
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磨きあげた 真冬の空に
最後の星の欠片が流れる
眼を閉じて 耳澄まして
眠る世界の声を聞いた
さよなら 愛しき明日よ
必ず来るはずの夜明けは来ない
さよなら 輝ける日々よ
僕等の物語のページはここで途切れた
二〇時間前 昇る太陽
最後の暁の日の熱さ...ワールドエンド・ヴィーナス
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八月の雨が地を濡らし 熱く揺れる陽炎を連れてきた
青い空を往く鳥を眺めて
そう、僕らは遠い昔確かに空を飛んでいた
天気輪の柱に昇り そこから見える青に手を浸した
“宇宙(そら)から見るこの星も青いって”
そうしてさかさまの地球を仰ぎ見る夢を見た
駄菓子屋で買った模型飛行機 飽きもせず暮れるまで飛ばし...ロスト・エンジェル
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しみだらけの文書なんて 身勝手な理屈振り回して
今日も東の海で愉快な国盗りゲーム
見かねた審判(ジャッジ) 「出るとこ出ましょうか?」なんて言っても
口を開けば「自分のものだ」としか言わない
「まるで籠の中の九官鳥だね」
世界のため池の一つで 鳥は浮島の縄張り争い
水浴びする場所が足りないわけじ...20**年のケードル
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急霰(きゅうさん) 途絶えた世界の声(ボイス)
見上げた氷空(そら)に星がきらめく
恩愛 今も耳に残る音
一瞬 物語(シナリオ)が息を止める
鉛の空に舞う白い造花(はな)を見て微笑んだ
「いつかまた花が咲いたら私に贈ってね?」
氷輪(つき)に喰われてた黎明が 明星(みょうじょう)追いかけ昇る
ガラス...Silent World
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重みのない言葉で
分からせて
崩れ落ちた世界に 意味をください
すべての色調が消え去った今でも
この世に真実は残っているのだと
冷たい雨光(レイン・グロウ) 照らしだされた景色
悪夢が現実になったとしても すぐには信じきれない
この風景は何だろう? 当たり前の毎日が消えて
世界中が息を殺して 終焉を...Painful world
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“我が勳(いさおし)は民の平安”
地平に揺れる蜃気楼 砂塵は視界を汚す
褪色飽和した街で 神の子に迫るのは災厄(わざわい)の羽虫か
オアシスの水が涸れる 王は夢を否定する
この手にもっと恵みがあれば 幾万の民を救えるのに
はるか見わたす眼(まなこ)に 映るは翡翠の杜(もり)
彼の大地にはない鮮やかな...ギルガメッシュは進撃せり
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世界の終わりの夕暮れに
君が星を捕まえに行こうと言った
オレンジに染まる空
私の部屋のドアをバタンと開けて
「あの丘の向こうまで行こうよ」
薄暗い玄関(ポーチ)の中で白い歯が光る
君の笑顔に誘われて
私もうなずき部屋を飛び出した
二人で手に手を取り走り出す
壊れていく街の喧騒を駆け抜けて...終末スターゲイザー
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長い長い夢が
突然に終わったのね。
必ず来るはずだった朝(あした)は
とめどない哀しみに満ちた淡いブルーで
いつかの丘の上は
さざ波の寄せる小さな避難所(アイル)
気がつけば星を数えてばかりだった君が
飛び去ってもう何年になるのかな
ごめんね。
哀しい思いをさせて。...地球ノート
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ねえ、今 見えるかい?
この海に浮かぶ 僕達の惑星(ほし)が。
暗いこの宇宙の中で、ここだけが妙に青く、明るい。
君も見ているかい? 思ったより、ずっと美しいだろう?
終焉(それ)は静かにやってきた
熱くもなく、騒がしくもなく、ただ唐突に。
僕達が想像していたものと、全く違っていた。
ああ、もうこの...ATLANTIS
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黄昏が忍び寄るわ
音もなく影を着て。
どこって、見えないの?
あなたの心の中よ。
爛熟した果実のように
紅い日が、落ちていく
腐れたリンゴの汁が
街角のポスターを染めた。
“ミンナ気ヅカナイフリシテルダケダヨ。
ソレトモソノ目デ見ルノガ怖イノカ?”...落日国家ロマネスク
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さあ宴を始めよう
今こそ華やかに楽しき一夜を
残れる者ども皆々集いて
まぶしく灯の点る樹の下へ
静まりゆく黄昏の騒がしかった世界
ようやく安らかな夜が来るね
街は荒れ果てて 寒さしのぐ屋根もないけど
今なら君と二人夜明けまで側にいられるよ
明かりのないこの街の上で 星はきれいに瞬く
こぼれ落ちそうだ...終戦のメリークリスマス
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朝はまた巡り来る
この壊れかけた世界に
分厚い灰色の雲の隙間に
天使の階段を君は見たか
冷たい惑星の夜明けに
始まりは突然やってきた
残されたわずかな人々が
囁きざわめいた
一人の赤ん坊が 今 生まれた
幾多の人々が灰と化し...連作「戦争」5 「奇跡の子」
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戦火の燃えさしも消え果てて
全てがひっそりと静まった世界で
寒々とした空に向かって生えた
一本の灰色の樹
熱を失った色のない太陽
きのこに似た梢(こずえ)が覆い隠す
造り物のように命を感じない枝に
転がる骨の色の 白い鳥が巣をかける
懐かしい街並みも 飛行機の残骸も
みんな一緒くたになって融けて固ま...連作「戦争」4 「灰色の樹の下で ~世紀末幻想~」
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大きなのっぽの古時計
逆さに針を巻く古時計
世界が揺れる百年間
いつも動いてた運命の時計
赤ん坊の生まれた朝に
動き始めた長い針
今はまだ動かない
零時の少し前指したまま
もしも零時を指したなら
世界に破滅が訪れる...連作「戦争」3 「大きな古時計 ~The Clock Of World 's End~」
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はじめに混沌から青い惑星(ほし)が生まれ
惑星は人を生み 人は機械を造り
やがて機械はその手を離れ 人もろとも世界を呑み込んでいった…
冷たい銀色の月 かりそめの空は光に白く
見上げたビルの間を 吹き渡る風さえもザラつく電子音
眠らない街のネオンの海に ふっと目を閉じ 飛び込んできたのは
〈発展〉の...Hybrid Singer -digitized heart-