タグ「KAITO」のついた投稿作品一覧(66)
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カイトとみんなと新年会!
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カイトとアイスとクリスマス!(後編)
『ミクさん、クリスマスの予定は?』
『今彼氏いないんですよ~。でも仕事優先で頑張ります!』
聞き覚えがある声にカイトがぴくりと反応して振り返ると、そこには家電量販店に陳列された液晶画面に映るミクの姿があった。
「なんだか、随分遠いところに行っちゃったみた...【クリスマス特別企画】 カイトとアイスとクリスマス!(後編)
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カイトとアイスとクリスマス!(前編)
まずい。 カイトは強く、そう、とても強くそう思った。街は華やかに彩られる十二月、いつの間にか日本中で恒例行事となった、イルミネーションが輝く街中の映像がカイトの脳裏にちらついた。
今日は12月24日。そう、クリスマスイブである。
今年こそは。そう、今...【クリスマス特別企画】 カイトとアイスとクリスマス!(前編)
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弱音ハク探偵事務所(後半)
「お、ご予定はお済で?この後どうです?」
ハクがミクを連れて一番に訪れた人間は、先程から懸命な営業活動に励む先程のホストであった。未だに客が捕まらないらしく、その表情には軽い焦りが見えている。
「景気よさそうね。」
社交辞令とばかりに、ハクはそう言った。
「いや...弱音ハク探偵事務所【ハロウィン特別企画】(後半)
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弱音ハク探偵事務所(前半)
都市の中には様々な風景を目にすることが出来る。近代化された、造形豊かな建築物。天をも恐れぬ高さへと伸びた、機能を追及するがゆえに生まれた美しさをもつ高層ビル。そして、そこを生活の場とする、数多くの人間、成功者。清潔な、光に見出された種族。
だが、そんな街の中であっても...弱音ハク探偵事務所【ハロウィン特別企画】(前半)
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皇帝カイト
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第二章 ルーシア遠征 パート17
一方、本陣で全軍の指揮を執っていたカイト皇帝もまた、恨めしい表情で天空から舞い降りる冬を告げる使者の様子を眺めていた。夢でも幻でもない、身体だけではなく心をも凍えさそうとばかりに降りしきる初雪はその濃さを時間の経過と共に増していった。
なぜだ。
カイトは自...ハーツストーリー 40
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第二章 ルーシア遠征 パート16
サンクブルグ侵攻作戦と名付けられた、帝国軍による遠征作戦はそれからおよそ一週間後、八月二日に開始された。その準備に一週間程度の時間を必要とした理由には諸説あるが、最大の理由はサンクブルグに関する知識的な問題であった。当初から最終目的地を王都ルーシアと定めていたミル...ハーツストーリー 39
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第二章 ルーシア遠征 パート15
「イングーシめ、我らをあくまでも愚弄するか!」
カイト皇帝の怒声が王都・・いや、既に旧王都となったルーシア王宮の一室で鳴り響いたのは七月二十五日午後の出来事であった。ルーシア王国による遷都宣言を受け、普段は冷静を保つカイト皇帝ですらも平静を保つことが出来なかった...ハーツストーリー 38
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第二章 ルーシア遠征 パート14
「皇妃様!」
それから暫く経過した頃、自身の名を呼ぶ一人の男性の声を耳にしてアクが振り返ると、火に怯える馬を叱咤しながら火炎の中を駆け抜けていたのだろう、額を熱風による汗に濡らしたテューリンゲンの姿がそこにはあった。
「どうしたの?」
テューリンゲンの様子を見...ハーツストーリー 37
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第二章 ルーシア遠征 パート13
記録としてのミルドガルド帝国による王都ルーシア占領はネール河の戦いの翌日、七月七日に成されることになった。前日に王都ルーシアの捜索が完了した段階では日没が迫っており、戦と進軍に疲れた兵を休ませる必要があるとカイト皇帝が判断したためであった。そして予定通りに七月七日...ハーツストーリー 36
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第二章 ルーシア遠征 パート12
案外、抵抗が少ない。
ミルドガルド帝国軍には到底追いつけない速度で撤退してゆく竜騎士団の姿を見つめながら、アクはそのように考えて諦めたように愛用の長剣を鞘へと戻した。しかも、撤退する方角がおかしい。本来ならばルーシア王都へと撤退し、篭城作戦を展開することが定石で...ハーツストーリー 35
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第二章 ルーシア遠征 パート11
まるで大震災のような地響きと共に、雨あられのように砲弾が襲い掛かってきた。その一つ一つが人間の生命を複数同時に奪い去る死の刃であり、我々はミルドガルド帝国軍の圧倒的火力を避けるために軍全体として逃げ回る以外の方策を採ることが出来なかった。
当時ネール河防衛に参加...ハーツストーリー 34
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第二章 ルーシア遠征 パート10
その後、ルーシア王国竜騎士団による夜襲は止むことがなく、それに対してミルドガルド帝国軍はただ防戦一方に回るという状況が長く続いた。しかし、そのような状況の中でもカイト皇帝の進軍意欲が失われることはなかった。まるで他に変えがたい執念に取り付かれたかのようにカイト皇帝...ハーツストーリー 33
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第二章 ルーシア遠征 パート9
「一体、何があったのだ。」
本陣へと帰還したアクを迎え入れたカイトの第一声は、彼にしては珍しく平静を失ったその言葉であった。アクがセキトに跨って戦場からの撤退を始めてから一時間程度が経過した頃である。日が変わる頃合だろう時刻にも関わらず、本陣がこれから出陣するか...ハーツストーリー 32
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第二章 ルーシア遠征 パート7
カイト皇帝がルーシア王国の攻撃意図に気付き始めたのはそれから五日程度が過ぎた頃であった。六月十七日を境にして、ルーシア王国からの攻撃回数は日を追う毎に増加していったのである。六月十八日は先陣の第五軍に対して二回。六月十九日は第五軍に三回、第三軍に一回、六月二十日は第...ハーツストーリー 30
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第二章 ルーシア遠征 パート6
ただ、広い。
ニーベル出立から十日が過ぎた日に、カイト皇帝は前面に広がる大地を眺めながらそのようなことを考えた。東西南北、どの方角を見ても見えるのは一面の大地ばかりであった。まるで緑色をした海原を歩む船に揺られているかのように。この時ニーベルから既に二百キロ程度の...ハーツストーリー 29
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第二章 ルーシア遠征 パート5
ルーシア遠征軍が帝都を進発したのはそれから二週間後の六月三日のことであった。総勢十万という大軍を率いての戦はカイト皇帝であっても初めての出来事である。その軍容は第五軍を先陣とし、第三軍と第六軍が中核を担い、後陣にカイト皇帝率いる第一軍が続くという構成であった。ミルド...ハーツストーリー 28
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第二章 ルーシア遠征 パート4
「今日は遅かったな。」
日も暮れる頃になって漸くカイトとの私室に戻ったアクは、先に私室に戻り、ゆったりと過ごしていたカイトのその言葉によって迎え入れられた。
「バラートと、ジョゼフとお茶を楽しんでいた。」
カイトに向かって、アクは普段どおりに落ち着いた様子でそ...ハーツストーリー 27
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第二章 ルーシア遠征 パート2
ルータオ占領が完了したことがカイト皇帝の下に届けられたのは5月も終わりかけた、良く晴れた日の出来事であった。報告をもたらしたものは帝都守備の要として活躍している青騎士団隊長であるオズインである。
「して、リンの捕縛は?」
一通りの報告を聞き終えたカイト皇帝は、暫...ハーツストーリー 25
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第一章 逃亡 パート8
ミルドガルド帝国宮殿の正門を越えてまず始めに訪れる景色は、宮殿の最後の防衛線ともなる、日光すら遮るような濃い緑に包まれた原生林である。未だに舗装されていない、獣道のような曲がりくねった道であった。その道の移動距離はおよそ一キロ程度だろうか。更にこの森にはミルドガルド帝国軍の...ハーツストーリー ⑨
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第一章 逃亡 パート7
「逃したか。」
カイトはアクの姿を見ると、何事も無かったかのようにそう告げた。そのまま、沈黙する。アクはそのまま、小さく頷くと視線を床に落とした。まるで悪戯が見つかって、叱られる事を恐れる幼子のように。
「カイト皇帝。」
恐る恐る、という様子で口を開いた者はカイトの昼...ハーツストーリー ⑧
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第二章 ミルドガルド1805 パート15
作者註:この回は冒頭から「大人のシーン」が展開されています。ある程度抑えたつもりですが、苦手な方はご注意ください。それでもおkな方はどうぞ。(消されなきゃいいけど^^;)
汗ばんだ身体に、茉莉花に似た心地の良い香りがふわりと馴染む。昨晩の行為を思い起こしな...小説版 South North Story 33
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第一章 ミルドガルド2010 パート17
ミルドガルドには現代日本と同様に、四月の終わりから五月の頭にかけて一週間程度の連休期間が存在していた。メイが迷いの森の探索を目的として指定した日はその春の連休の初日のことである。カイルが運転する車の後部座席に腰かけたリーンは、隣に座るハクリと一緒に流れる...小説版 South North Story ⑱
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第一章 ミルドガルド2010 パート16
セントパウロ大学前駅から地下鉄南北線に乗車したカイルは、それから半時程度が経過した頃にグリーンシティ駅に降り立つことになった。グリーンシティ駅は文化都市グリーンシティを象徴するような芸術性の高い建物になっている。現代建築特有の、近未来をにおわせる明るい配...小説版 South North Story ⑰
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第一章 ミルドガルド2010 パート15
大学に入学して初めての講義を終え、リーンとハクリは二人で歴史研究会の部室へと向かうことになった。正確には部室という設備は歴史研究会には存在しないため、メイが適当に見つくろってきた空き教室を部室の代わりとして使用しているらしい。その場所は大学の奥、リーンが...小説版 South North Story ⑯
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第一章 ミルドガルド2010 パート13
「ハクリ、こっちよ!」
それから半時間ほどが経過した後、リーンとメイ、そしてカイルはセントパウロ大学の正門でハクリと待ち合わせることになった。学内には待ち合わせに適した場所が他にもあるが、入学したばかりの新入生にも分かりやすい場所を、ということでメイが...小説版 South North Story ⑭
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第一章 ミルドガルド2010 パート12
入学式を終えたリーンは、他の学生たちと共にひとまず大講堂の外へ向かうことにした。今日の予定は入学式だけだ。早い段階でハクリと合流しようと考えたリーンは、大講堂の出口へと向かって歩き出すことにした。大講堂の一般出口は舞台とは反対側、リーンから見て後方にしか...小説版 South North Story ⑬
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最終章 白ノ娘 パート2
カイト王がアクと青騎士団隊長であるオズイン将軍を引き連れて青の国の王宮へと帰還したのはそれから二週間ほどが経過したころであった。もう雪はすっかりと消え去り、温かな風が新緑に包まれた大地を覆い尽くしている。草原は色とりどりの花に覆い尽くされ、ほんの少し前まで白木が覆い尽くし...ハルジオン74 【小説版 悪ノ娘・白ノ娘】
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最終章 白ノ娘 パート1
「いつまでここにいる?」
厳しい雪が終わりを迎え、雪解けが進んでいる野山の様子を旧黄の国の王宮の最上階、かつてリン女王がその生活を営んでいた私室の窓から眺めていたカイト王に向かって、アクが苛立ったように声をかけた。本来の予定では年明けには青の国の王宮へと戻り、帰国次...ハルジオン73 【小説版 悪ノ娘・白ノ娘】