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-進入-
館へと戻り、レンはリンとランの飛びつき攻撃によって出迎えられることとなった。
「お帰り!遅かったね、レン!」
「もう、リンさんとずっと待ってたんだよ?お姉ちゃんを困らせないで」
楽しそうに言うリンとランを適当に振り払うと、レンは思い切り悪態をついて見せ...鏡の悪魔Ⅲ 2
リオン
-転校生-
今日も退屈な毎日が始まる。
今日からまた五日間、金曜の夕方ほどまで毎日毎日、学校での退屈で面倒な授業を繰り返さなければならないのかと思うと、“反吐”が出そうだ。
「――リン?どうした、学校行かないのか?」
そんなことを考えていたリンの妄想を断ち切...鏡の悪魔Ⅲ 1
リオン
-REUNION-
学校に行けるまでに回復したリンは、今日から学校に行くことになっていたが、その足取りは今までになく重かった。
「リン、気分が悪かったら、早退してらっしゃい」
「うん…」
あの手紙のことから、もう一ヶ月がたつことになる。それだけの時間、リンはレンと会わ...鏡の悪魔Ⅱ 8
リオン
-RISK-
鋭い刃が舞うように宙を切る。
何度か美しい黄金色の背中をかすって、数本のやわらかい毛が床に落ちていくのも気にせず、毛を踏んで刀をかわす。
「避けてばかりではいつまで経っても私は倒せぬぞ!」
『…黙れ。そっちこそ、息切れしているだろ?』
「その言葉、...鏡の悪魔Ⅱ 7
リオン
-FOX OF FLAME-
ゆっくりと近づいてくるレンは立ちすくみ、自分を凍りついたように見ていた主にそっと手を伸ばした。その手は、リンの細く白い喉へ――。
「きゃあっ」
軽いリンを押し倒し、レンが上に乗るような格好になってレンはその喉へかけた手に、力を入れていく...鏡の悪魔Ⅱ 6
リオン
-ESCAPE-
二人が目覚めた部屋は最初にリンが通された部屋を同じような造りになっていた。所々違うが、その辺はいちいち上げていられない。まあ、一つくらいはあげておこうか、窓の横辺りにこげ茶の木目が美しい、大きな本棚が置かれていた。
二人――リンとランはまず、部屋の中...鏡の悪魔Ⅱ 5
リオン
-AWAKING-
仕方がない。
気づかれてしまったからには、どうにか始末するか仲間に引き入れるしか方法はないのだ。しかし、彼が仲間を作ることを黙認するとは思えないし、彼女自身も仲間を作ることにまだ意義を見出せないで居るのだから、どうしたものだろう。
今のうちは...鏡の悪魔Ⅱ 4
リオン
-DOOR-
ゆっくりと進み出た前に、巨大な扉があった。
三人は結局、あの手紙の通り地図に書かれた住所の場所までやってきて、今その門をノックしようとしていた。
「…いいですか?リンさん、レン」
「…うん」
「ああ」
リン――髪が長いほうといわれていたが、ややこし...鏡の悪魔Ⅱ 3
リオン
-WELCOME-
「ようこそいらっしゃいました」
門の前で赤黒い可笑しな色の兎が頭を下げた。
「…地獄の入り口へ」
そういった途端、兎の皮がはがれて中にいた“何か”がうごめいてきぐるみを破くと、襲い掛かってくるのだ。恐ろしく歪な何かが。黒くうねうねと動くそれはもは...鏡の悪魔Ⅱ 2
リオン
-LETTER-
ある日届いたのは緑色の封筒に入った、一枚の地図と走り書きの便箋だった。宛名もなければ差出人すらも書いておらず、切手も貼っていなかったのだから、自分でわざわざ郵便受けに入れて行ったのだろう。
「何だよ、これ。メイコさん?変な手紙来てますけど」
「えー...鏡の悪魔Ⅱ 1
リオン
-蒼-
甘いハチミツと爽やかなレモンティーの香りで、レンは目を覚ました。
天井に目を向け、何か違和感のようなものを覚えた。天井は灰色の低い天井などではなく、明るい白く整えられたキレイな天井であった。
傍らで二人のリンがお菓子をつまみながら、レモンティーを楽しん...鏡の悪魔 11
リオン
-橙-
勢いだけで発した言葉。
苦し紛れでも、誰かを励ますことはできないだろうか?いや、そんなことはない。たとえ目に見えた変化がなくとも、その言葉に何かを感じ取ることは出来るのだと、わかったのだ。少しだけ微かに微笑み、レンは目を閉じた。
「…君もこんな風になりた...鏡の悪魔 10
リオン
-黄-
「…いい?母さん、ルカ」
「ええ。つかまっていてね」
「はい」
ぶつぶつと呪文を唱えるメイコの前に、徐々に何かの形が形成されていく。それはすぐに大きな翼の巨大な鳥の形になり、何もなかった場所に確かに実態のある大きく人五人は悠々乗れる程度の大きな鳥が、羽を休め...鏡の悪魔 9
リオン
-紺-
暗い青の空を見上げ、レンはため息をついた。
今は午後二十三時五十分。あと十分で、こちらの世界から魔界へと連れ戻されて、もうリンたちには会えなくなってしまう。
窓を大きく開け放し、夜風を胸いっぱいに吸い込んで一気に吐き出し、顔を窓の外にぐっとつきだしたら頬や...鏡の悪魔 8
リオン
-桃-
その後、特によい案も挙がらず、月は沈んで太陽が地平線から顔を出し始める時刻となっていた。
ゆっくりと朝の支度を始めたメイコはまだ、カイトのことを考えていた。どうしたらレンを渡さずにすむかということもそうだが、何故カイトがそこまで変わってしまったのか、それ...鏡の悪魔 7
リオン
-紅-
二人が夕食を済ませ、随分と疲れも取れたころ、メイコが真剣な面持ちで二人からテーブルを挟んで向かいに座った。
「さあ、本題に入りましょうか。どうしたらいいかしらね、まず、私のほうから話そうかしら。いい?」
「うん」
「はい」
「ここにいるルカは、私の中では二人...鏡の悪魔 6
リオン
-青-
響いた銃声は、屋上から聞こえたもので、月で逆光となってリンにはそれが誰なのか分からなかったが、少なくともミクとレンには分かったらしく、酷く怯えたような顔をしていた。
「レン、大丈夫?」
「あ、ああ…」
魔法でどうにか動けるまで回復したレンは上半身を起こして...鏡の悪魔 5
リオン
-緑-
手紙を持って保健室に戻ったレンは、早速封筒をリンに渡して自分はベッドの横のパイプ椅子に腰掛けた。
「なぁに?これ」
「靴箱に入ってた」
「ふぅん、だれから?」
「そんなこと、俺が知るかよ」
「だれだろう?」
淡い赤の封筒をとても雑に開けて中の便箋を取り出...鏡の悪魔 4
リオン
-紫-
「レン、起きて!ねえ、起きてってば。学校に行くの、一緒に来てよ!」
「はぁ?何で俺が!」
「命令!」
起きて着替えるなりリンは指輪を思い切り振ってレンを無理やりに呼び出して、そういった。無論、レンはそんなわけが分からないものは嫌に決まっているが、そんなこと...鏡の悪魔 3
リオン
-黒-
彼女は大きな屋敷に住んでいた。
というのも、彼女はこの世界で上位に着く大賢者の一人娘で、とても大事に育てられてきた、お嬢様なのだ。お嬢様の名はリン。金髪と蒼目のかわいらしい少女であった。
屋敷の庭の片隅に小さな円と六芒星、何か意味ありげな文字の羅列が描か...鏡の悪魔 2
リオン
貴方の大事な人は誰ですか?
恋人ですか?
家族ですか?
いや、自分自身でしょうか?
まさか、いらっしゃいませんよね?
悪魔を好きになってしまったなど...鏡の悪魔 1
リオン