笹倉の投稿作品一覧
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押し付け合いの簡単な愛情なんて
いらない
ただアナタのことが欲しいだけなの
唇で辿って 指先でなぞって
ワタシの全部惜しみなくあげる
だからアナタを全部
余すとこなく頂戴
縛り付けるのは嫌いよ
縛り付けられるのも嫌
けれど溺れてしまうくらいに...俗物的愛情論
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色を失った退屈な日々
今までだって そう
これからだって そう
思い込んでいた
何気ないきっかけに惹かれて
巻き込まれたその先で
零れ落ちた群青
灰色を剥ぎ取られた視界
埋め尽くす色達が
彩る世界に今...ドッグ・デイズ
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君はいない
あの日どこかへ消えていった
どこにいるの
聞こえない振りしないで
衝動(こころ)のままに 書き散らしたメモ
書いた言葉が宙を舞う
涙に濡れてく 手の平いっぱいに
抱えた手紙は 届かない
君がいない
いつもの声が聞こえなくて...「無題」
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約束よ、と彼女は呟いた
泣きながら僕は首を振った
困ったように微笑んで
それでも彼女は言葉を紡いだ
もし灰のように崩れてしまうのなら
最後まで見届けて下さい
もし塩の柱になるのならば
あの日の海へ帰して下さい
どんな最期でも貴方の手で
私という存在を葬って下さい...昼下がりの約束
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A
柔らかな色を重ねたような
優しい世界
あなたの瞼が閉じて
全ては急速に色あせていく
B
白い部屋
あなたの名残はなく
ただただ 空虚
離れてく 薄れてく...優しい世界
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止まない鼓動の喝采に 唾吐き捨てて
デタラメな鼻唄を紡いだ
今日も雨降り 良い天気ね なんて笑う
彼女は飛び出した 傘も持たずに
街の大通り 陰鬱そうな人々
踏み出す足 綺麗な髪ね
濡れていく 気にもせず くるくると回る
何故かしら 君には会いたくないの
フラストレーション イン ザ シティー
言...フラストレーション イン ザ シティー
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その場所では
聞き分けのいい子が求められて
僕は大人しく従っていた
抵抗なんて疲れるだけで
大人たちの都合に合わせた方が楽
だから 僕はイイ子だといわれた
笑えと言われれば笑ってみせる
泣けといわれれば泣いてみせる
不気味な人形だといわれても
君が居てくれたなら 構わなかったんだ...人間工場
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A
瑠璃色 夜明け前
西の空 沈む月
東の空 昇る太陽(ヒ)
太陽は昇り 月は沈み
B
シーソーのようだね
君が笑う
くゆらす紫煙 空気の
冷たさに そっと...andante.
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許されることなんて
望まないよ
このまま 許さないで
冷たい肌 虚ろな目
頬伝う涙をなぞる指
戻らない日々
暗い闇の中に重ねて嘲笑う
全てが手に入らないなら
この手で引き裂いてしまえばいい
記憶のカケラ握り締めて...罪
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微睡む意識の中
いつか目にした
現実と夢の物語
崩れ落ちた瓦礫
合間で泣き叫ぶ
たった一人の少女
愛しい人を亡くして
語り合った夢は
夢のままで消えた
その胸に残るは...弱き者からの絶叫
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ああ いつだって
作り上げたものに似合う代価など なくて
それでも 聞いてほしくて 見てほしくて
心を 思いを 願いを 紡ぐけれど
優劣をつけたがる言葉の群れ
作られたものを 傷つけて 踏みにじり
波紋のように広がる 言葉の波へ
落ちた涙は まぎれてしまう
傲慢だと受け取るなら それでも構わない...無題
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雨が降る街角 立ち尽くす
滴る雫 なぞる指先
晴れることが ないのなら
悲しむ事もない きっと
“私はここにいるよ ねえ 迎えに来て”
震える声で呟いた
届かないなんて 分かってたわ
雨音は鳴り止まず 肌を濡らし
冷え切った指 震えもしない
本当はもう 知っていた...雨音
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ワタシは空っぽなのです
けれど生きています
ねえ あなたは覚えていますか
ワタシのことを
きっと覚えていないでしょう
それで良いのです
それが正常なのですから
あなたが鋭い針のように
ワタシに突き刺していった言葉
きっとあなたは忘れたでしょう...カラッポッラカ
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触れ合う指 感じる温もり
明るい笑み 優しい声
それだけで満たされたら
どれだけ幸福(シアワセ)なんだろう
満たされなくて もっと欲しくて
手をのべて どうか触れて
ココロとカラダの奥まで
なんて
Love addict
愛して 触れて...Love addict
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晴れ渡る空
二人で歩いた道
笑う君の声 鮮やかな日々
目を閉じれば 蘇る
会いたい気持ち
君と交わした
小さな約束はこの胸に
「それぞれの道違っても またここで会おう」
あの日の言葉
明るい笑顔忘れずに...約束
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何事も無いように
流れていく日々の中
切り離されたよな 路地裏
迷い込んだ 午後三時
日陰の谷底には
捨てられたモノたち
低く唸る機械の声が
僕を呼んで 導いた
平和なことを喜べない僕が
迷い込んだ先 アンダー・グラウンド...アンダー・グラウンド
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きれいだと 君が言うから
僕はわらって 吐き捨てた
いらない
空を汚す灰色 白い吐息
叫んだって誰も
見向きもしないから
ただ僕はココにいるだけ
それなのにさ
君は きれいだと笑うの
そんな言葉を 僕へ...いらない
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青い蒼い 月下の灯(トモシビ)
ゆらめく 今宵も
誘うよう 誰かを待ちわびて
深い青 沈んでしまえるのなら
何もいらない そう呟く
ことのは ほどいて
浮かんで 消える様
まるで 泡沫
壊れて ゆくのなら
手放しては そっと遠ざけてきた...泡沫
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桜舞う季節 誰かの声を合図に
別れは訪れる 唐突に
響く あなたの嬉しそうな声
わたしは何もいえない ココロ揺れて
嬉しいんだ 嬉しいんだけど
あなたが遠くに行ってしまうようで
ねえ わたしを忘れないでいてくれる?
小さく呟いた 行かないで
笑えないわたし あなたに気づいて欲しくないけど
後でちゃん...Thank you,Good luck!
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私は歌姫(ディーヴァ)
どんな歌だって 魅了して
悲劇も 喜劇も
美しく咲かせてあげる
けれどあなたの傍に侍り
音を歌うばかりの歌姫とは違うわ
さあ、私だけを見ていなさい
いい加減にして
見くびられるのは御免よ
言葉では 繕えるけど...diva
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いつも 素直に言えなくて
口を開けば 悪口ばかり
こんな自分が 嫌になる
優し過ぎる君の気持ちに
甘えて 付け込んでいるよう
はっきり言葉にするのは 苦手
けれど 伝えたい思いはあって
気持ちを素直に言えない性格が
悪口しか思いつかない思考が
とても嫌で 仕方がないの...甘え
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深い赤色沈む夕日
温もり残る毛布手繰って
笑う君の幻影へ手を伸ばした
瞬いた 視界
塗り替わる 世界
心を擦り減らしても
守り続けたいモノはどこへ?
手を伸ばして
「許さない」泣いてたあの娘
手を伸ばして...アカイロ
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何かを振り切るように
踏み出した足は
気付けばまた
夜の街へ紛れていた
陽が落ち月浮かぶ頃
「一夜の幻想(ユメ)を」なんて
僕はただ想いに任せて
声は歌を紡ぐけれど
僕の記憶(メモリ)に刻まれた
あなたの声を...届かない歌
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君を 君が好きだった花で送ろう
君に似合う 澄んだ色合いの花で
あの日 そっと手に摘まれた花とは
きっと 何もかも違うけれど
美しく咲き誇る花
華やかな香りと共に 今は
安らかな眠りを
ただ 次に生を受けた時
どうか 笑っていて
なんて 願い祈って泣いた...花送り
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“それは、終わりを示すモノ”
針は知らない
ひとつ進むごとに
誰かが嘆いていること
ひとつ戻るごとに
誰かが笑っていること
一歩踏み出す瞬間
誰かの影を踏みにじる
ちいさく音を立てながら
六十億(スベテ)を終末へ...“終末時計”