抹茶丸の投稿作品一覧
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(Aメロ)
少しだけ笑ってくれた黒い目と重ねた
ちょっとばかり擦り切れたふやけた肌
まだ大人になれない感じがするだけで
捩じれた窓辺の片隅に口を噤んだ
(Bメロ)
背伸びなんかしたって見えない
案外とても遠くて白い雲の行方を
どうでもいいような気がするけど
ただずっと見つめていたかった...シャロン
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(サビ)
両の手で手繰り寄せる
必然的な在り得ない奇跡は
既に遅すぎたかのようで
もうたぶん手遅れなのかな
(Aメロ)
そんなことさえも知らずに居て
相変わらずの遠い目で見た
幻像にもかかわらないのに
街は何にも変わらないまま...絵空事
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(イントロ)
もしもあの時を過ぎていたとして
果てのない冬がそこにあったら
きっと回るはずのないあの春を
いつかまた思い出せるのかな
(Aメロ)
次第に絡まっていく恍惚さに
同じようにまた目を背けてしまう
過ぎていく時の侘しさなんて
もう何度もここに刻んでいた...セロ
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(イントロ)
色の混じった世界にのぼる何百マイル先の
あの輝く光を見つめていた矢先
ぼんやりと遠い影が揺らぎだして
止めることのできないその導光が
(Aメロ)
足音を立ててこっちに向かってくる
その意味を考えたとしても
一向に捉えることのできない線に
バランスを崩しながらでも立ってる...Milestone
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融けない半透明さに隠した
見つけられなくて黙ったままの
疎かになっていく夜明け前
薄暗くなる空模様
彩られたはずのテールランプ
鳴らしたままのシューゲイズ
廻り続ける砂時計をいつか
この手で止められたらって
過ぎ去っていくこの時間を
忘れたくなんかないよ...冬愁
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青い眼をしていた鳥は
果てしない青の向こう側を
覗き込んでいた
吹き抜けた風は馳せることなく
曖昧なまま通り過ぎていく
限りなくゼロに近い答えは
次のイチに進む為には
羽ばたかなくちゃいけない
ドアを手で叩けば
秒針が進んでいくはずなんだ...プロペラと歯車
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薄暗い心像に少し似ていた
芽吹く歪んだ正しさは何処か
解れ欠けていて見えない
俯いた弔いみたいに明日にはいない
通り過ぎていくあっという間な言葉を
待っているのかもしれない
忘れ去られゆくかじかんだ白さを
いつまでも覚えていられるのかな
もうそんなに遠くはないような
日の沈みの確かさを近くで感じてい...抄本
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ただ荒んでいくだけだった
やり場の無い気持ちを
君と投げ合ったりしていた
手を取り合った時のあの純粋な眼差しは
僕を突き刺すように温かかったことを
今でも覚えている
でもそれさえもこの目に
焼き付けることは
もうできないかもしれない
探していたはずの美しさを...仄明かり
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探した吐息とうだる曙
何度も吹き返していた
華やいだ空想の中ではとても
手は振れなかった
またいだ月日に向けては
上書きされた記憶の裏側で
君の産まれた日を思っていた
満ち引きはいつだってそう
終わりゆく架線が
凪る風を指し示していた...哀願
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そうやって目に沁みる光が偶然
隠れた前髪から覗いてたどり着いた
少し傾いた風景に見える後ろ姿は
何一つ変わり映えのしない
あの頃の優しいため息と同じ
それに感情を重ねてしまう侘しさに
浮かび上がる笑い顔を積み上げた
なのにどうしてだろうか知らない
そこはかとない思いが込み上げる
ありふれたいつかの痛...リバース・ノヴァ
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白い息のように夜空に昇っていく
誰も気が付かない街外れの4ビート
高い丘の影から見下ろした
射止めることすらできない壊れた心
夕方に置いた霞草の種を蒔いて
闇の中に消えていく永遠の冬に眠る
染み込んだ明かりは馳せるばかりで
開く青い眼で見た天井を抜けた
君に少しずつでも伝えに行くよ
もう何一つ失いた...ノーザンクロス
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いつもの癖毛が猫みたいに可愛らしい
君の前では嘘なんてつけないみたい
一喜一憂している気持ちは浮ついて
風船のように空に飛んでいきそうで
ありきたりの言葉を当てはめたとしても
満足するかどうか考えてしまうんだ
揺れている心の中を話せずにいて
期待と不安のフレーズが頭を回る
あまり気が利かないいつもの...猫毛
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朝霧を待つようにして君は問う
一人になることの意味を
白い凍えた夜を抱いていた
彷徨える部屋の端っこで
咎められることもなく
止まらないおもちゃの汽車が
静かに音をたてて走るのは
並行な日々に重ねていた
あの小さな唇の愛おしさが
まだ香っているから...朝陰
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君はまだあの虹を編んだ空を覚えてるかな
もう何も望まないなら僕のここには
何も残らないんだろうけど
空蝉が空を泳げるようになるのは
とてもまだ早かったみたいなんだ
唱えられる呪文には限りがあって
呼びかける声の色には青がかかる
深い静かな冷たさを横目に
重い命の温かさを感じれたら
そんな思いさえも信...虹を編む
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あぁ きっとそうだ 確かめる指先が
触れた風になびいている その不確かさに
怯えていた 閉じかけの感情に見飽きて
またここから誰かが離れてしまうのを
伸びかけの黒い髪と影を重ねていた
目映いばかりの街を見下ろしていた
輝く祈りの先に誰が待っているのか
そんな考えさえも陳腐なのだろうか
光の速度で繰り...ポラリス
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誰かが言っていたような気がする
人が死ぬときは忘れられたときだって
まるで過ぎた日々みたいに笑った
ある季節の斜陽を浴びた
退屈気な乾いた髪の隙間から
淡い空まで落っこちていく
覗いたどこにもいない昨日は
平行な線を気だるげに伸ばしていた
塞いだ手から溢れ出す差す茜とともに
幻想に紛れるように揺れて...茜差す
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ベランダで広がる思いを見上げていた
天井は美しい色をして手を伸ばしたら
後 もうちょっとで届きそうだった
真昼に揺れていたブランコは
風に動きを任せていた
上に乗っていた紙切れは何処かへ
吹き飛ばされてしまった
作ったはずの広場にある川の中に
落ちて流された先に見えた出口
指先で手を濡らしながらそれ...アーティファクト
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一体何をどうすれば
辿り着くのかな
分からない愛を知ろうとして
ただ愛せばいいと思っていた
おもちゃの車輪は風を切って
走り続けるばかりで
振り向くことを知らなかった
募っていく思いの欠片を
散らかった部屋の片隅で
パズルのピースのように...知らない愛
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静かな夜に溶けていった偽りが
答えを失くして待っているような
墓石と同じ重さの街は
僕を迎え入れるかのように
静まり返っていた
今夜交わされる誓いに
尊く小さな明かりを消して
待ち焦がれた魂を覆い隠す
もう何度目の夜なのか
分からないくらいだ...墓場の街
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香る季節をなぞっている絵空事のような
曖昧さに惑わされている僕の可笑しさを
まるで必然かのように無邪気に笑う顔と
少し恥ずかしそうに振る両手で仰いでいた
君はもう消えてしまいそうなその小さな身体で
はかり知れないほどの孤独を見ていただろう
変わる陽を見つめ「一人なんかじゃないよ」と
愁いと時を重ねて...Short hair
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どれだけ君を待っていたことだろうか
その涙で重たくなっている眼が開くのを
深い夢に落ちているようで
奏でられた幻はいつもどこか綺麗で
一瞬 震えたあの美しい空に吸い込まれそうだよ
まだ君を光の中で探しているみたい
憂いの積もった季節の隣で
ずっと流れている悲しみが
今でも眠っているんだろう
どれほど...眠る幻日
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どんな夜もいずれ明けるんだろう
いつかの静けさを拾い集めていた
更けるのを待っていた別々の夜の中で
顔を隠している似つかない朝
望んだはずのくだらない幻を見て
どこにもいない号哭を認めたら
木洩れ日が差すあの場所まで行けるかな
淀んた夜を通り越した君の後ろ姿を追っている
抑え込んでいた涙の足跡を辿っ...夜行[Nightmare]
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もう既に経とうとしている時と共に
朽ち果てていく呼吸は掠れて
内側にある罪を数えていたんだ
この心を閉ざそうとしていた
地下室での美しくも淡い季節は
募りゆく憧憬の向こう側を
部屋の片隅から見つめていて
この広く覆われた白い雲で
終わりの見えない尊さを描くみたいに
青い罰でいつか見える儚さを塗り潰し...地下室と夏
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遠い果ての空に浮かぶ
雲を見つめて思うんだ
幸せは何処にあるのと
投げやりに石ころ転がしたって
伝わらないんだけどね
知らないまま過ごしていく
そんな日々はいつか終わる
それまでに何かを
残せたらなんて
誰かが見てくれていることも...Philia
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腐敗した後書きに指先で触れる
それと同時に苦い蜜の味がした
果てをまだ知らない空模様を
夏の影を横目に歩いていく
坂を下った先に見えたそれは
どこか虚しくなるだけだから
美しき日々に囚われた隣り合う太陽
照らされた君はまるで向日葵のようだ
僕にあの新しい海を見せてくれた君の
抱いた明日を待ち焦がれて...海辺の蝶
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蝉時雨が止みそうにもない
擦り切れた微々な体温を感じていた
溶けかけの飴玉をかじっていた君は
遠くを見て何を思うんだろう
その眼に見つめられてしまえば
この心臓さえにも手が届きそうで
くだらない話を交し合ったら
君の左手を僕が掴むんだ
あの日の真似事なんて忘れてしまった
差した赤みを前髪で隠して...林檎飴
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まだ遠い日のことを思い出してた
何処にもない慟哭に促され
君の体温を片隅に置いていた
忘れられた挟んだままの栞
古ぼけた壊れかけの時計
光り続けるまだ夏のままの最中
手を引かれたままのあの日には
もう戻れないって知っているのに
不意に思い出す君の優しさに
まだ溺れていてもいい...浅瀬、泳ぐ夢の最中
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まるで答えを求めてるかのよう
満たされない心の傷が疼いて
かじかんだ指先でなぞる
夜明けの遠い綺麗さを見て
未だに明けない夜に飽きて
目を逸らしていた
何処か似ていた面影を写して
光を見ていた頃に馳せる
車窓から眺めて見るだけだった
詮議的な慟哭は幼いようで...カラノココロ
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真夜中に生きるこの身体は
とても小さく震えていて
僕の中で生きているこの心は
とても脆く壊れそうで
いつも通りの痛みに慣れないまま
誰にも巣食われないと思いながら
遠い日々の中であなたがくれた
あの柔い優しさも思い出せない
何もかもが白紙に返って
流した涙の意味も知らないままでいた...漂い
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重たい荷物を背負って
あの桃源郷を目指そう
日差しが照り付ける今日
砂浜が音をたてる
たまらなく痛い肌
赤くなってジンジンする
目まぐるしく回る目
暗くなる前に覚まそう
埋めたサンゴ礁
何処にいったか分からない...浜辺の風車