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26.
ええと、なんというか、その。
あえて結論を省くが、その後、二週間ほど寝込んだ。というか、まだ復帰してはいないのだけれど。
……。
……。
……。
……つまり、そういうことだ。
なんとなく察して欲しい。なぜ詳細を書きたくなかったのか、ということも含めて。
私の心はもう、完全に...Japanese Ninja No.1 第26話 ※2次創作
周雷文吾
25.
そして私は、瞳を開いた。
いろいろと覚悟を決めて、私はすっと見上げる。目の前の階段を下りてくる裸マフラーの、その背後に君臨する女帝を。
だが、女帝は私の視線を受けても悠然としており、少しも揺るがなかった。それどころか私を見下ろしたまま、恐ろしい笑みを浮かべる。
「あらぁ、ルカちゃん。...Japanese Ninja No.1 第25話 ※2次創作
周雷文吾
24.
「そこの変態に、辱めてもらいましょうかねぇ」
想定以上の、もはや鬼畜でしかないその内容に、私の思考は停止した。
その踊り場にいた奴ら……激闘を繰り広げていたにもかかわらず、存在を忘れられていたにままの忍者るかと裸マフラーが、咲音先輩の言葉に再度ピタリと動きを止める。
二人は、細切れに...Japanese Ninja No.1 第24話 ※2次創作
周雷文吾
23.
「ルカちゃんたら、あたしに断りもなくいろんな子をたぶらかして、困った子ねぇ」
咲音先輩は視線の恐ろしさをまったくゆるめることはなかった。それどころかさらに恐ろしくなっている気がする。
「咲音様、そうではございません! ただ、わたくしは……」
「んー? グミちゃん、なにが違うのかしら?」
...Japanese Ninja No.1 第23話 ※2次創作
周雷文吾
22.
その先輩は、現役高校生にしてアイドルの頂点に君臨している。
画面の向こうにいる姿はあまりにも華々しく、手の届かない遠くにいる人だということを私たちは否応なく実感させられてしまう。
そして彼女は、我が巡音学園が誇る現役女子高生アイドルである以上に、間違いなく一流のアーティストだった。
...Japanese Ninja No.1 第22話 ※2次創作
周雷文吾
21.
私たちはようやく全身ロープマフラー男のもとに追いついた。
だが、やつの目の前には下着姿で寮内を歩き回っていたという、控えめに言って恥じらいが足りない下級生の女の子がいた。現状では未だ学園内の歌姫という立ち位置ではあるが、将来的には間違いなく世界に羽ばたくであろう技術力と才能を持ち合わせ...Japanese Ninja No.1 第21話 ※2次創作
周雷文吾
20.
なんということだ。
なんということだ。
なんということだ。
なんということだ。
なんということだなんということだなんということだなんということだなんということだなんということだなんということだ!
大事なことなので何度でも何度でも何度でも言う!
ほんっとぉーに、なんということだ...Japanese Ninja No.1 第20話 ※2次創作
周雷文吾
19.
余ったロープでこの裸マフラーを再度ぐるぐる巻きにしたものの、こんな物体を私の部屋に入れたくなかった。なので、一階の入口付近にある談話室へと連行した。
本当なら女子棟の外――例えば、男子寮生と兼用の食堂なんかだ――にしておきたかったのだが、夜の八時半を過ぎると、女子棟の入口には鍵がかけら...Japanese Ninja No.1 第19話 ※2次創作
周雷文吾
18.
それから、約一時間半後。
巡音学園椿寮女子棟風呂場から、その声は漏れ聞こえてきていた。風呂場で反響しているせいか、声は意外に大きい。外にいても、少々耳をすませていれば会話の内容を把握するのはさして難しい事ではなかった。
「お嬢様……」
「グミ……」
「本当に、よろしいのですね……?」
...Japanese Ninja No.1 第18話 ※2次創作
周雷文吾
17.
そして再び、私の自室にて。
グミと二人で変態忍者を校内から運び出したのはいいものの、行き先に困り、結局、私の部屋まで連れてくる羽目になってしまったのだった。
ああもう、どこかその辺に捨ててしまえばよかったものを……なぜ私はそれができなかったんだろう。まったく、いいかげんにできない自分...Japanese Ninja No.1 第17話 ※2次創作
周雷文吾
16.
ようやくあらわれたるかを見て、私はなによりもまず、うつむいて深く深くため息をついてしまった。
「御館様。ど、どうしたのでござるか?」
私は顔を上げて、彼女の顔をまっすぐに見つめる。一瞬前まであった彼女に対するさびしさは、あっさりと吹き飛んだ。代わりに胸中に現れたのは、もちろん怒りだ。そ...Japanese Ninja No.1 第16話 ※2次創作
周雷文吾
15.
それから、放課後になるまでるかは姿をあらわさなかった。
逃げるようにしていなくなったるかに、しばらくして我に返った初音さんは猛烈に怒っていたが、なんというか、初音さんのヒートアップがすさまじかったせいで、私は逆に冷静になっていたような気がする。
今までのパターンでいけば、怒った初音さ...Japanese Ninja No.1 第15話 ※2次創作
周雷文吾
14.
「そこの席、空いているかな?」
――卑猥な発言が一段落した頃。
一人の男子生徒が、そう私たちに声をかけてきた。
「せ、生徒会長……」
初音さんが、その人を見てびっくりしたようにそうつぶやく。
そう、それはこの学校の三年生、生徒会長のカイトさんだった。
もはやみんながきれいさっぱり...Japanese Ninja No.1 第14話 ※2次創作
周雷文吾
13.
まずい。
いや、なにがまずいって、半年も更新を途絶えさせてしまったことだ。いや違う。半年どころではない。違う違うそうじゃない。また話をなにも進めないままに一話を費やしてしまったことだ。
確かに、読者の皆さんが考えている通り、実際にはグミが泣き出した直後なので、半年とか一体なにを言って...Japanese Ninja No.1 第13話 ※2次創作
周雷文吾
12.
「じゅるるるるっ、ずびーっ、もぐもぐごくん。じゅるるるるっ、じゅるるるるっ!」
翌日、昼休み。
巡音学園の食堂にて、私の目の前に座るその子――るかは、周囲に醤油トンコツのスープが飛び跳ねるのもお構いなしに、すさまじい勢いで麺をすすっていた。しかも、かれこれ三十分ほどその騒々しい音をエン...Japanese Ninja No.1 第12話 ※2次創作
周雷文吾
11.
シュパン、という空気を切り裂くような風切り音が耳に届く。
その特大の十字手裏剣は、私、グミを通り過ぎ、袴四人衆の隙間を抜けて、裸マフラーへと迫ったかと思うと――
「甘いと、そう言ったはずだ」
そうつぶやきながら、裸マフラーはその風魔手裏剣――あくまで、るかがそう主張しているだけなのだ...Japanese Ninja No.1 第11話 ※2次創作
周雷文吾
10.
「覚悟ッ!」
私の背後にいたるかが、およそ三メートルほどの距離を、予備動作なしで一足飛びに跳んだ。この馬鹿の身体能力には、やはり侮れないものがある。とても残念な事実だ。
どこから取り出したのかはわからないが、るかはいつの間にか握りの先に短い両刃の刃がついた、いわゆるくない手裏剣というや...Japanese Ninja No.1 第10話 ※2次創作
周雷文吾
9.
怒られてしまった。
いや、誰にってそれはもちろん書き手にだ。
同じ演出を繰り返さないようにと抗議したのだが、そうなってしまった原因はむしろ私の方にこそあったのだと逆に怒られてしまった。
すなわち「グミの部屋で、るかを尋問するのにそんなに時間がかかるはずではなかったから」ということだ...Japanese Ninja No.1 第9話 ※2次創作
周雷文吾
8.
「お嬢様。危惧した通りの事態にございます。第七話は文庫本換算で約十二ページ、つまりは今までで一番の文章量を費やしているというのに、なに一つとして話が進んでおりません。わたくしといたしましては、今後のことが心配で心配で仕方ありません」
「なにを言っているの。こいつが洗いざらい話すと言っているの...Japanese Ninja No.1 第8話 ※2次創作
周雷文吾
7.
「さて、とりあえずは事情聴取といきましょうか」
――引き続き、グミの部屋にて。
一応あの袴四人衆には犯人が捕まったからと伝えて、探索は中止してもらった。そのまま解散させようとしたのだが、万が一に備えてと、皆はグミの部屋の前で門番よろしく待機している。
メンバーは変わらず、私とグミ、それ...Japanese Ninja No.1 第7話 ※2次創作
周雷文吾
6.
「お嬢様、落ち着いて下さい。敵はまだ倒れてはおりません」
感傷に浸っていた私を、グミの声が現実へと急激に引き戻す。
「なっ」
まさか。そんな声をあげてしまいそうになるのを必死にこらえて、私は慌ててベッドを見る。するとそこには、私の偽物が両手で身体をかばった体勢のままで固まっていた。
生...Japanese Ninja No.1 第6話 ※2次創作
周雷文吾
5.
「さあ、その両手をどけてごらん」
「あ、あの……巡音先輩、あたし、まだ心の準備が……」
「大丈夫。私に全てを任せてくれればそれでいいの」
「で、でもでも、あたしなんかでいいんですか? 寮内には、あたしよりももっと素敵な人は沢山いるのに……」
「あなたは、私では不満?」
「い、いえ! そ、そん...Japanese Ninja No.1 第5話 ※2次創作
周雷文吾
4.
私は気を取り直して(さっきのやり取りを無かったことにして)立ち上がる。
「グミ、奴はどっちへ?」
「申し訳ありません。詳細を確認する余裕がありませんでした。ただ、外に出た様子はないかと思われます。なにか根拠があるわけではありませんが、そうでなければ書き手としても話を進めることができなくなり...Japanese Ninja No.1 第4話 ※2次創作
周雷文吾
3.
「全員、武器構え」
静かに、我ながらなかなかに澄んだ声で、私は言う。呆然と立ち尽くしたままだった袴四人衆は、私の声に慌てて竹刀と薙刀の切っ先をあげ、紫とピンクの変質者に向ける。
「遠慮はいらないわ。あれを滅殺、いえ、殲滅しなさい。毛髪一本、血液一滴、肉片一つ、決して残してはなりません」
『...Japanese Ninja No.1 第3話 ※2次創作
周雷文吾
2.
「行くわよ」
低く、静かにつぶやいてドアノブに手をかけると、私は袴四人衆の返事を待たずに脱衣室のドアを開けた。
皆の緊張感が高まるのがわかる。
細く開けたドアの隙間から、中を覗く。
――気配は感じられないわね。
私はそっと、ドアを開けすぎないようにして、まずは一人だけで脱衣室に入る...Japanese Ninja No.1 第2話 ※2次創作
周雷文吾
1.
午後七時三十八分、巡音学園椿寮女子棟。そこは、まさに戦場だった。
「グミ、状況報告を」
「はっ。今より五分前、三〇九号室の初音嬢が脱衣室にて敵影を確認した模様でございます。その初音嬢が、縞パンのみの扇情的な姿で飛び出してきたところを、その場に居合わせたわたくしが保護いたしました」
「そう…...Japanese Ninja No.1 第1話 ※2次創作
周雷文吾