ブクマつながり
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「リン、レン、自分の部屋が欲しくないか?」
始まりは父さんの一言だった。
「え―?なんで?」
私は口を尖らせた。だって別に不便があるわけじゃないし、今までもずっと同じ部屋だったし。なんでわざわざ分けなくちゃいけないのかな。
お父さんは暢気な顔で指を立てて見せた。
・・・あんまり可愛くない。いつも以上...私的アドレサンス(前)
翔破
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私は、ゆっくりと右手を真上に伸ばした。
電灯の明かりに透かすようにして、その形を眺める。床に落としていた左手も同じようにして、左右の手の甲を見比べる。
仰向けで床に寝転がっているせいでなんとなく背中がひんやりするな、なんて思いながら、それでも目線は両手から外さずに。
…そういや、コンセプトか...pair
翔破
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ほんのりと薄闇の中で鏡が光る。
それに気付いた少女はぱっと顔を輝かせ、不自由ながらも慣れた動きでそこまで這いずって行った。
「お帰りなさい、レン」
鏡に掛ける少女の声は最初の日よりも遥かに明るく、穏やかで、深い思いに満ちている。
それに対して返る少年の声もまた、同じ。
「ただいま、リン」
...魔法の鏡の物語.3
翔破
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すみません、ギャグです。
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私は、常々思うのです。
―――レンって、男じゃない!
<ぶつけろ枕!>
「信じらんない!信じらんない!」
「ちょ、リン、落ち着いて!」
「落ち着ける訳ないでしょこのヘタレ!」
「へた・・・!?僕が気にしてるの知ってるだろ!?」
「知るかぁ―――ッ!」...ぶつけろ枕!(私的アドレサンス)
翔破
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少女は独り、ベッドの上で膝を抱える。
自分が逃げただけだという自覚はあった。
―――避けられないと分かっていたはずの問題から、目を背けただけなのだと。
「分かってたことなのに…」
膝に額を押し付け、強く強く目をつぶる。
「…分かってた、はずなのに…」
優しい声は、聞こえない。
<魔法の鏡の...魔法の鏡の物語.5
翔破
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割とダークです。ご注意ください。
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闇のダンスサイト、二人で踊りましょう。
私は、限界だった。
世の中には耐えられないものがある。例えばいじめとか。劣等感とか。空気の悪さとか。その他諸々、人によって違うのでし...Side:リン(私的闇のダンスサイト)
翔破
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私は瞑目した。
ああ神よ、何故かくも残酷な運命を私に与えられたのですか―――
<ティアラを投げ捨てて>
「もう一曲、いいかな?」
絡んだ指に、意図せずして胸が高鳴るのを感じた。
端正な顔立ち、優しそうな笑顔。今まで私が見たことの無い、ガラス細工のようなその姿。
綺麗な人。
多分それは一目惚れで、私は...こんなサンドリヨンは嫌だ(前)
翔破
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食べるということは、昔は私にとってとても嬉しい事だった。
そばには大切な家族がいて、皆で笑いながら美味しいご飯を食べる。それは幸せの具現。
でも側に誰もいなければ美味しいご飯も美味しくない。
<Side:コンチータ>
がらんとした広間の中で、私は目の前に崩れ落ちたその塊を見詰めた。
金髪の少女。手に...誰もが皆(私的悪食娘コンチータ)4
翔破
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昔作文を書いた。
タイトルは『将来の夢』。
『じゃあ、鏡音リンちゃん』
『はい!』
幼い私は喜び勇んで返事をした記憶がある。あの頃はほんとに何も考えてなかったけど。
『わたしは、おおきくなったらおはなやさんになりたいです!』
『にあわねー』
『レンひどーい!っていうかわたしがはっぴょうしてるんだから...両手一杯の(私的恐怖ガーデン)上
翔破
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人によってはグロテスクかもしれません。
ご注意ください。
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ぐちゃぐちゃになった『それ』を見た瞬間、思考回路のどこかが決定的におかしくなった気がした。
俺とリンは恋人同士だった。
とても明るくて可愛いリン。側にいるだけで幸せで...Side:レン(私的闇のダンスサイト)
翔破
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『で、出来ない・・・出来ないよ!』
そう。
大丈夫、その気持ちはよく分かるわ。あなたが選んだことならそれはそれでいい。とやかく言うつもりはないの。
でもね、レン。だったら私も選ばせてもらうわ。
<Side:メイド>
「全く、使えない奴ばかりね」
「申し訳ございません」
カイトさんは深くうなだれる。
...誰もが皆(私的悪食娘コンチータ)3
翔破
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俺は何を知ってるっていうんだろう。
ねえ、どうして?
どうしてこんなに怖いんだ。
<Side:召使>
「レン、掃除が甘い」
「どこ?」
「二階の倉庫。桟が酷いことになってた。やっといたけどね」
「ありがと」
「サボり」
「悪かったって」...誰もが皆(私的悪食娘コンチータ)2
翔破
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わたしは可愛いお人形を持っているの。レンという名前よ。
私の言うことにはハイ、ハイと頷くとっても従順なおもちゃ。
檻の向こうでわたしに跪づく、とても綺麗なおもちゃ。
そして、何と言ってもレンは生きているのよ。自我だってあるし壊れ難さは段違い。
どうして手に入れたのだったかしら。覚えていないわ。
気付...私的篭ノ鳥
翔破
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俺に声なんて必要だったのかな。
私は目を丸くした。
その発言主であるレン君は静かに繰り返す。
「俺に声なんて必要だったのかな」
「・・・それは、必要なんじゃないかなぁ」
だってそもそも私達は歌うために存在しているんだから、声が無かったら大変なことになるんじゃないだろうか。
―――レン君、何かあったの...恋とはどんなものかしら
翔破
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とても綺麗な夢を見た。
手を伸ばしても抱え切れないほどの花の群れ。
色とりどりに咲き誇り、一つだって同じ花はない。
そのただ中を歩く私の足が花を踏む。
折れていやしないかと慌てて足を退けてみれば、花は無事元気な姿を見せた。
こんなに綺麗なのに丈夫だなんて、理想的。
さあ花を摘んで花輪を作りましょう。...両手一杯の(私的恐怖ガーデン)下
翔破
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白い雪が降る。
俺達の立てる音は足音でさえ飲み込まれて消えてしまう。
「ねーレン」
「ん?」
寒い・・・けど別にそれは嫌じゃない。俺達、人間じゃないし。
ただ視界の全てが白いのは、ちょっと不気味だ。
「カイ兄、さ」
「うん」
「きっと幸せだったよね」
「え?」...音のない声(私的soundless voice)
翔破
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枕元のシーツが微かに揺れた。
おなじみになってしまった、涙が落ちた振動。
そんな感触までわかるようになった自分に心の中で苦笑する。
どこまで敏感になるつもりなんだろう、私の感覚は。何年もこうしていたら変わっていくのも当然かもしれないけど。
また涙が落ちたのを感じる。続けざまにぽつぽつ、とシーツが揺れ...いのちの証(私的proof of life)
翔破
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少女が少年と出会ったのは、薄暗い部屋の中だった。
<魔法の鏡の物語>
静かな世界の中で、私はぼんやりと天井を見詰める。ここには窓や電球といったものがなくて、明かりとして機能しているのは部屋の壁と壁の隙間から漏れてくる光だけだった。
私が横たわっているのは狭い部屋。ううん、違う。本当はここは、部...魔法の鏡の物語.1
翔破
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・いろいろ捏造されています
・アドレ(ギャグ)の親世代設定です
・当然そういう繋がりになります
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語られずに済んだ後日談なんて、知らずにいた方がいい時もある。
あなたもやがてそれを知るでしょう。
<一人で遊んでろ!>
「・・・ふう」
私は重い桶を置いて溜息をつい...こんなサンドリヨンは嫌だ(後)
翔破
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かんかんかんかん。
非常階段を昇る音に、水を含んだスポンジみたいな頭を上げる。
カーテンを引き開ければ血みたいに真っ赤な夕日が見えた。
―――いや、血っていうか私の顔の色かな。
泣きすぎて真っ赤になった顔に触ってみる。少し冷たく感じる指が気持ちいい。というか、自分の惨めさと虚しさに一人で泣いたとかほ...私的炉心融解(下)
翔破
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うーむ…どんなのならばいいんだろうか。
留守番する時間の長いモカとコウのために、暇つぶし用に何か用意してやろうと思い、買い物に来た。
しかし何を買えばいいのか。
確か色鉛筆が大きくて描きにくかったとモカが言っていた。
だから千羽鶴用の小さい折り紙を買おうと思ったのだが…、正直これでもでかい気がする。...KAITOの種11(亜種注意)
霜降り五葉
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太陽が一番元気な時間。
マスターが帰ってくるまで、まだまだ余裕がある。
洗濯物はちゃんと干してあるし、さっき掃除機もかけた。
ベッドメイキングもした。
マスターの部屋の窓はもう少し開けておくとして…後は……えーと………。
……無い?終わった?
あ……いやでも買い物はマスターに頼まれてないし。
…やっ...KAITOの種 番外編2(亜種注意)
霜降り五葉
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アイスとその他諸々が入った袋が重い。
歩く度に揺れ動き、手が痛くなっていく。
その横で美鈴がアイス入りのぶんぶんと袋を振り回している。
そうしていると、やはり高校生のようだ。
ぽつりと美鈴が話しかけてくる。
「…モカ君が熱出した時、何考えましたか?」
美鈴の口調は答えを求めているような感じではなかっ...KAITOの種20(亜種注意)
霜降り五葉
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陽の光が部屋に差し込んでくる。
暖かい。
ぽかぽかと気持ちが良い。
薄い毛布を手にして窓際へ向かう。
今日こそは昼寝したい。
忙しいのとコウの邪魔で、ここのところ昼寝する暇が無かった。
麗らかな今日。昼寝には最適だ。
陽に当たりながらぬくぬくと眠ろう。
「み」
コウが後ろを付いて回る。...KAITOの種14(亜種注意)
霜降り五葉
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マスター
謎。全てにおいて謎な人。
性別、年齢等において決定的な記述はなし。
マンションの三階に在住。KAITOの種を手に入れるまで一人暮らしだったようだが実際はわからない。
器用貧乏、地味な人。
興味があれば何にでも手をつける。
何でも出来るが秀でたものはない。
一つの事に集中している時、稀に周り...KAITOの種 どうでもいい設定
霜降り五葉
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寒い。外に出たくない。
だが横でみーみーと散歩を促す奴がいる。
どうしたものか。
この寒いのに。
大体今日予報は雨だぞ。
氷から生まれただけあって寒さには強いらしい。
だから寒いからと言っても聞かないし、太陽が出ていなくても関係ない。
出たいか出たくないか。それだけだ。
この間外に出てから散歩が気に...KAITOの種10(亜種注意)
霜降り五葉
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緑茶。ジュース。チョコ。ポテチ。鶏肉。素麺。袋麺の醤油と塩。シーチキンとコンビーフとコーンの缶詰。アイス。
買い物リストを見ながら買った物を思い出す。
…よし、ない!
ホッとしながらリストをしまって地面に置いていた袋を持ち上げる。
…………おっもいんですけど!!
マスターったらどうして重かったりかさ...KAITOの種 番外編4(亜種注意)
霜降り五葉
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モカの様子がおかしい。
熱がある。
息も荒い。
とりあえずわかるのは、尋常ではないということ。
泣きじゃくるコウの横で、モカが苦しそうに目を開ける。
「………………ま、す……た…?」
大丈夫か、どうした?
ソファの上にクッションを置き、モカをその上に移動させる。
コウが涙を拭いながらソファに飛び乗っ...KAITOの種16 前編(亜種注意)
霜降り五葉
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笹を貰った。
そういえば、今日は七夕だった。
雲のある紅色の空を背中に、道を歩く。
歩く度に乾いた音を立てる笹を見て思う。
願い事か…。
願い事を短冊に書いて笹に飾ると、願いが叶うんだ。
折り紙と画用紙。それから笹を用意して、モカとコウに説明する。
真剣に笹を眺める二人は理解してくれただろうか。
モ...KAITOの種22(亜種注意)
霜降り五葉
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雨が降っている。
豪雨とまではいかないが、それなりの量だ。
問題は雨よりも、風。
強い風が吹いていて雨を強くさせている。
意味の無い傘を閉じて、雨をもろに受ける。
あっという間にびしょ濡れになってしまった。
風が強くて元から濡れていたが、傘があるかないかで大分違うな。
水を吸って重くなった服がどんど...KAITOの種18(亜種注意)
霜降り五葉
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何度もお礼を言い、電話を切って、冷蔵庫へと向かう。
そういえば…買い物しないで帰ってきたのだった。
不安だったら種を植えたのと同じアイスの方がいいと言っていたが。
カフェモカアイスあっただろうか。
見落とさないように冷蔵庫を漁る。
…残り一つ。ギリギリだな。
というか足りない気がするが。
とりあえず...KAITOの種16 中編(亜種注意)
霜降り五葉
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窓から入ってくる風は湿り気を帯びていて、今すぐにでも雨が降りそうだ。
背中でその風を受けながらフライパンを動かして、綺麗に焼き上がったホットケーキを皿に移す。
ふむ。
我ながら中々上手く作れたと思う。
一枚のホットケーキに包丁を通す。
何等分がいいのだろうか。
普通ならば六等分だが、食べる人の事を考...KAITOの種17(亜種注意)
霜降り五葉
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マスターは今、家にいない。
何してるのかとかは知らない。
夜には帰ってくるとは言ってたけれど。
退屈しないようにと色鉛筆と画用紙を置いて行ってくれた。
氷KAITOが苦労しながら楽しそうに絵を描いている。
何の絵かはすぐ分かった。
「みー!」
何アイス?
「み」
バニラか。...KAITOの種 番外編(亜種注意)
霜降り五葉
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「か…可愛い……!」
何度目かの台詞。
ソファに座る彼女が言った。
視線の先の机にはモカとコウがいる。
黒ゴマイトがその横でため息をつく。
「マスターさっきからそれしか言ってないですよ」
「しょうがないじゃん。クロより断然可愛いんだから」
それを聞いて拗ねたように、顔を膨らませる黒ゴマKAITO。
...KAITOの種19(亜種注意)
霜降り五葉
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街のはずれの豪奢な洋館。
とても美しいたたずまいだというのに、その扉を叩く人はほとんどいない。
―――あの館に行ったら、食べられてしまうよ。
そんな噂が立ちはじめたのはいつのことだっただろう。
<Side:コック>
「カイトさん、箱ここに置いときますね」
「ありがとうミクちゃん。いつも悪いね」
「い...誰もが皆(私的悪食娘コンチータ)1
翔破
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そして僕は彼と出会った。
<王国の薔薇.4>
あれは、何歳の時だっただろう。
どちらかといえば最近のことだったと思うけれど、僕達の一家は海を越えた隣国である青の国に行った。
青の国に行くのは初めてだったから少し楽しみに感じていた。
他の国で知り合った人から話だけは聞いていたけれど、実際かなり住み易そ...王国の薔薇.4
翔破
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それでも、君を信じたいんだ。
<王国の薔薇.6>
リンは僕を忘れたわけじゃない。
僕はこの二年間、ずっとそう言って自分を励ましてきた。
たまに、そう、忘れたようにふと見せる無邪気な笑顔や優しい心遣いだってそうだ。全てが全て変わってしまったわけじゃない。
だけど。
だけど―――
「レン、ちょっと珍しい...王国の薔薇.6
翔破
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「Trick or treat!」
「………………」
ソファーに座ってテレビを見ていたレンは、いきなりの事に言葉を発せずにいた。
「反応薄いなぁ…」
「いや…、やぶからぼうに言われても困るから」
膨れっ面なリンに対し、レンは冷静に意見を述べる。
そんなレンに、リンは説明するように言った。
「今日はハ...Trick and treat ―お菓子も悪戯も―
欠陥品
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何故、戻って来たの。
<造花の薔薇.1>
はあ、と溜め息をつく。
正直なところ書庫の本は読み尽くした。手持ち無沙汰というか…まあ何回読んでも面白い、いわゆる名作というものも確かにあるけれど。でもいかに素晴らしい本であっても、何百回も読めば流石に飽きが来てしまう。
―――外に行けたらいいのに。...造花の薔薇.1
翔破
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ねえ、私だってわかってる。もう引き返せないんだって。
はじめはささやかなものから始まったはずだった。
「愛してる」
彼の言葉に薄く微笑みながら、私はぼんやりと全ての始まりについて考えていた。
始まりなんて昔過ぎて覚えてない。
―――違う。どこが始まりだなんて線引きができないだけかな。
どこかまでは、...私的赤い花
翔破
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だんだん暖かい日が増えてきた。
晴れた日は外に出ようと思える。
「………マスター…」
ん?
「どこか……行くんですか…?」
外に出る準備をしているのが気になったのか、モカが聞いてきた。
買い物がてら散歩しようと思っただけなのだが…。
そうか。こいつら留守番させなくてもいいのか。
行くか?散歩。
「み...KAITOの種8(亜種注意)
霜降り五葉
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突然の出会いから数日後、ふたりの種KAITOとマスターさんが訪ねてくる事になった。
あの後、最初のマスターの休日だから、双方よっぽど早く会いたかったんだろうな。
「お邪魔しまーす」
「いらっしゃいませ。迷いませんでしたか?」
チャイムの音に、迎えに出たのは俺だった。マスターだと初対面だから、玄関で挨...KAITOful☆days #16【KAITOの種】
藍流
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*亜種とイメージ崩壊注意*
我が家にはカイトと帯人、そしてアカイトが居る。
とはいってもカイトは一緒に住む友人のものなのでおいそれと勝手に遊べないしかといって二人にはカイトの音域は高すぎてかわいそうだ。
まあ無理して歌うさまはかわいいと言えなくもないのだが…。
「あ、同居人さん何見てるんですか...「亜種注意」手のひらサイズの彼 その①「KAITOの種」
純チョコ
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春、と呼べるほど暖かい。
寒い日も少なくなった。
ただ天気がころころと変わる。ここ最近雨ばかりだった。
久しぶりに晴れた今朝、気分も自然と良くなるものだ。
雨が嫌いなわけじゃないが、しばらく続くと流石に飽きてきて、太陽が恋しくなる。
まぁそう思えるのも雨のおかげだったりするわけだが。
天気が悪かった...KAITOの種13(亜種注意)
霜降り五葉
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朝、何かに起こされる。
みーみーと鳴くそれは目覚ましかと思ったが、違った。
氷KAITOだ。
時計を見る。四時。
…早起き過ぎる。
モカはまだ寝ているようだ。
つかいつの間にベッドの上に乗ってるんだこいつら。
ソファで寝てただろ。
「みーっ」
あーはいはい。何ですか。...KAITOの種4(亜種注意)
霜降り五葉
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あれから二時間。
状況は今だ変わらず。
あえて言うならラムレーズン色した氷KAITOが疲れて寝たぐらいだ。
…二日酔いするのだろうか。
いくらアイスで酔ったのだとしてもあれだけ酔ってれば明日大変そうだ。
はぁ…。
ため息なんかついてみる。
どうするかなぁ。
結局何があったのかわからなかったし。
そう...KAITOの種6 後編(亜種注意)
霜降り五葉
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玄関に入ると、大きく、コウの声が響いているのがわかった。
…五月蝿い。
美鈴を置いてすたすたとリビングへ向かう。
帰ってきた事に気がついたらしいコウが一層騒ぐ。
五月蝿いぞコウ。
「み!」
精一杯に伸ばしてくる手は、はたしてどういう意味なのか。
黒ゴマKAITOがお帰りなさいですと頭を下げてきた。
...KAITOの種21(亜種注意)
霜降り五葉
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カフェモカアイスとその他いくつかのアイスを自転車の籠にいれて風を切りながら走る。
いくつかの出来事を振り返りながら思う。
己の不甲斐無さと、コウの強さ。
二度、助けられた。
とても大きな二回。
落ち着いたつもりでいて、全く落ち着いていなかった。
冷静に成り切れずにいたせいで周りが見えなくなっていた。...KAITOの種16 後編(亜種注意)
霜降り五葉
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「私の恋を悲劇のジュリエットにしないで
ここから連れ出して…」
セリフ:さあ、覚悟は出来た?
パパとママはもう夢の中
きっと幸せな夢を見てる
大人は 何も知らない
月が光る明るい夜に
君の瞳の妖しい輝き
今夜はどこまで行こうか?
痛みにも似た...ロミオとシンデレラ 盗賊版
山田直喜
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君にはまだ 教えること 出来ないのですが
ホントは 教えてしまうのが惜しいのですよ
だけど 君がボクの瞳を見るものだから
うっかり零してしまいそうになる ホントの気持ち
だから ね ボクだけの秘密兵器
ギミギミック フィルターマジック
レンズ一枚通しただけで
ボクのココロ 全部隠せるといい …ダメで...ギミギミックフィルター
シンギメル