タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(153)
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番外編 滄海のPygmalion ネタばれまんがその2
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恐怖に震えるあたしの前で、前奏が進んでいく。
となりのトロンボーン、前のホルン、もしかしたら、うしろでスネアドラムを叩いている蓮も。仲間があたしの異変に気付いたが、しかし、曲は止められない。やがてその気配はステージ全体を巡り、不安がバンドいっぱいに満ちる。
あと数小節で、トランペットのメロディ...【短編】リンちゃんでブラバン小説!「風の唄」~Real Side~ 4【二次創作】
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本番の日は容赦なくやってきた。
あたしたちのバンドは二五人。部活にしては多い方だが吹奏楽部としては小さなほうだ。トランペットパートは全学年を合わせて四人。三年生はあたしだけだ。
半年前に入部してから腕を上げてきた一年生も含めて、交替でファーストからサードのパートをつとめる。向き不向きに関わらず...【短編】リンちゃんでブラバン小説!「風の唄」~Real Side~ 3【二次創作】
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「んで? 毎日毎日バカみたいに練習しているのに、何で上手くならないのかね、凜ちゃんは」
このころはすっかり暗くなった、部活からの帰り道で、蓮があたしを追ってきた。
「……知らない」
「効率悪いことやってんじゃないの?」
蓮が、ドラムスティックで自分の学ランの肩をとんとんと叩きながら話しかけてくる...【短編】リンちゃんでブラバン小説!「風の唄」~Real Side~ 2【二次創作】
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『澄み渡る 風の声 どこまでも遠く
果てしない世界へと 響く風の唄―……』
リンちゃんでブラバン小説!「風の唄」~Real Side~
あたしの目の前には、真っ青な空があった。夏が過ぎ去ったあとの青は、余分な熱をそぎ落とし、夏よりも高く広がっている。
遠く近くにさわさわと揺れる木立の緑...【短編】リンちゃんでブラバン小説!「風の唄」~Real Side~ 1【二次創作】
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駆け込み☆ハロウィン企画!
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気がついた時、僕は海の上に浮かんでいた。
海面に浮かんでいるのではない。僕が、水面から人の背丈ほど離れた空中に浮かんでいるのだ。
風の中に浮かびながら周囲を見渡すと、360度の濃紺の海原が広がっており、足元で青黒い波が砕ける。
そして、僕は悟ったのだ。
「ああ、僕は、死んだのだな」と。
...【二次小説】海を越える唄【春巻P】
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38.最終回・海と空の伝説 ~滄海のPygmalion~
「……今でも、ここは、あの時と同じ風が吹いているのよ」
語り終えたレンカは、そう言って笑った。
傍らに腰掛けた孫娘は、海を見つめ、レンカを振り向き、そして今も岬に残るサンダルの像に駆け寄った。
ぺたぺたとさわり、目を丸くする。
「本当に...滄海のPygmalion 38.最終回・海と空の伝説 ~滄海のPygmalion~
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37.永遠の愛
いとしいひとよ、あなたをよぶ。
リントとルカが、歌いながら岬への道を登る。その後ろを、ヴァシリスとレンカが並んでついていく。
岬の先に、手を広げて立っていた女神像は消えていた。
まるで海に飛び出していったかのように、そのサンダルだけを綺麗に脱ぎ捨てて。
「リントの飛行機が、落...滄海のPygmalion 37.永遠の愛
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36.そして終わる戦、始まる日々
戦争は、終わった。
銃弾が飛び交った島の中央広場では、はがれた石畳や崩れた建物の撤去が始まっている。レンカもヴァシリスも無事であった。
博物館の建物も、半分崩れてしまっていたが、幸いなことに火災は起こらなかったおかげで、資料のほとんどが無事に残された。
「これ...滄海のPygmalion 36.そして終わる戦、始まる日々
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35.空に散る
リントは目一杯操縦幹を引いていた。
いつもの離脱コース。女神の岬を島から海へと抜けるコースのはずだった。しかし、高度が上がらない。加速も減速も出来ない。舵の自由も効かない。
「駄目だ! 操縦全部持っていかれた!」
「無茶するから!」
ルカの声がする。その通りだとリントは思った。...滄海のPygmalion 35.空に散る
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34.神話
島の人々と奥の国の兵士が見上げる中、リントの飛行機と奥の国の飛行機は互いを牽制するように旋回しあっていた。
リントは、慎重にタイミングを測っていた。
「手紙はすでに撒ききった。オレの仕事は終わった。離脱するぞ!」
しかし、相手の飛行機に後ろを取られれば、撃ち落される可能性もある。
...滄海のPygmalion 34.神話
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33.空戦と奇跡
少し前のこと。
飛び続けるリントたちの視界に、いよいよ島が見えてきた。
真っ青な水平線の間に緑の線分が浮かんでいる。
島の上空にさしかかる前に、リントたち郵便飛行機隊は散開を決めた。
「リントとバルジ機は島の広場へ、右翼の二機は島の右側から回りこんで、東の端と北東の集落...滄海のPygmalion 33.空戦と奇跡
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32.君に伝えたいこと ~後編~
迫り来る命の危機の中で、ヴァシリスが告げた、レンカに伝えたかったこと。それは「島の女神像の対となる、王の像が大陸で発見された」ということであった。
「俺たちがこんなになってしまう前。リントが逃げてくる前に届いた、大陸の博物館の報告書に書いてあったんだよ!」
思わ...滄海のPygmalion 32.君に伝えたいこと ~後編~
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32.君に伝えたいこと ~前編~
リントの飛行機は、まっすぐに島へ向かっていく。
リントが合計五機の飛行機の先頭を飛び、他の四機が二機ずつ、リントの両翼に従うようについてくる。
「ルカ」
リントが声をかける。
「なに、リント」
ルカの返答を待ち、リントは声をかけた。
「……レンカと、ヴァシリ...滄海のPygmalion 32.君に伝えたいこと ~前編~
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31.炎の島
リントたちの飛行機が飛び立った直後から、ドレスズは戦場となった。地下の遺跡は、ほどなくして火の海になった。
それもそのはず、ドレスズの地上に基地を構える『奥の国』が、至近距離から打たれた大陸の国への発信に気づかないはずはない。ルカたちが島に来て、ソレスとエスタが大陸に連絡を入れたあ...滄海のPygmalion 31.炎の島
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30.飛翔
「リント?! ここは……」
驚きのままに言葉を紡ぐルカの前で、リントはやや慌てた様子で首を振った。
「あ、着替えさせたのはオレじゃないよ。ここの島の女の人たちだから」
ちぐはぐな答を返され、ふとルカは自分の体を見た。着ていた軍の制服のズボンと機能性重視のシャツは脱がされ、ゆったりとし...滄海のPygmalion 30.飛翔
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29.奇跡の始まり
リントから遅れること数刻、ルカたちはドレスズ島に到着した。
リントたちの島から、ドレスズ島までは、船で六時間かかる。それは作業工程的にはほぼ一日作業に近い。
ルカたちのような大陸軍の船がドレスズにいく時にいつも使う港があるのだが、今回は奥の国の動向を警戒して、人里から離れた...滄海のPygmalion 29.奇跡の始まり
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【歌詞】なつのむし と バーゲンセール
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ぴぐまりんとくん アナログ!
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28.翼の矜持
ぐ、とリントの喉が詰まった。溢れた吐き気と熱をこらえきれずに、リントは思い切り思いをぶちまけた。
「悪いけど、オレには無理だ! 誰かを守るために他のどこかを犠牲にするとか! 手を汚さずに綺麗ごとばかり言うなとか!
……いいじゃないかよ! きれいごと言ったって!」
リントの絶叫が、...滄海のPygmalion 28.翼の矜持
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27.ドレスズ島の真実
「何をする! やめろ! 放せ!」
リントは全力で暴れた。頭では相手が放すわけないとわかっていたが、それでも力のかぎりに暴れた。相手は四人。ひとりがリントの背を押さえつけ、一人がリントの口に布をかませ、一人がリントの手を後ろに回し、一人がリントの足首を地面に縫い付けていた。
...滄海のPygmalion 27.ドレスズの真実
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26.守る者、守られる者
空気を切り裂く音が耳を掠めた。
「来たぞ!」
驚いて思わず物影に身を引いた若者のかわりに、ヴァシリスがさっと物陰から銃口を出して、風の来た方向に続けざまに撃つ。
響いた音に、広場の緊張が一気に高まった。
瓦礫の山に身を隠しながら、ヴァシリスの班の六人は、二人ずつ組に...滄海のPygmalion 26.守る者、守られる者
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25.防衛開始
海岸では、駐留部隊の高射砲が空に向かって火を噴いていた。
牽制にはなっているようだが、飛んでくる飛行機の数のほうが多い。
一機しかない高射砲の火線をすり抜け、次々に飛行機が飛んでくる。
爆撃機は島の中央を目指し、落下傘を落とす飛行機は島の外縁を旋回する。
駐留部隊は必死に対...滄海のPygmalion 25.防衛開始
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24.破壊される島
激しい轟音とともに、島の景色は一変した。
突如襲った激しい音と揺れに、ヴァシリスは慌てて子供たちを腕の中に抱きこむ。パウロ医師が飛び出そうとした子供たちの代わりにドアを開けて外を見た。
坂をまっすぐ降りたところに、島の中央、市庁舎と広場がある。
その広場から、土煙が上って...滄海のPygmalion 24.破壊される島
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23.晴天の雷鳴
リントが空の異変を見つけた頃、医院では、レンカがゆっくりと目を覚ましたところだった。
「三日も立ち通しだったんだ、三日は寝ておれ!」
ふらつきながらも、せっかく医院にいるのだからと仕事をしようとしたレンカを、パウロ医師が厳命してやっと休ませたのである。
「パウロさん! 水、汲ん...滄海のPygmalion 23.晴天の雷鳴
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22.襲撃の始まり
陽の光と熱を感じ、リントは目を覚ました。固い小船の上で眠る生活も、これで三日目である。食料は、この小船の持ち主が、船底に保存してあったのを使った。
「いつまで、隠れていれば良いのだろう」
潮に焼けて乾いた髪が、ばりばりと音を立てるほどに荒れていた。
レンカは、リントを逃がす...滄海のPygmalion 22.襲撃の始まり
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21.太陽の供物
明け方の雲が去り、地獄のように青い空が広がり、力強く太陽が昇ってくる。
午前八時。
平日である。島は農作業や商売のために往来する島の人々や舟の行き来でやってくる外の人で活気付く時間であるが、この日の朝は、異様な静けさに包まれていた。
その原因が、市庁舎の前、石畳の広場の真ん...滄海のPygmalion 21.太陽の供物
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20.懲罰
「やはり、隠し通すことは出来なかったか」
ヴァシリスは呻いた。彼自身もレンカも、リントを十日間、うまく隠しおおせたと思っていたのだ。しかし、軍が博物館の近所やレンカの勤める病院、そして、リントとレンカの自宅付近の者たちの証言を集めるだけで、あっと言う間にレンカとヴァシリスは追い詰められ...滄海のPygmalion 20.懲罰
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19.愛の形
岬の先端、海を臨む女神像の足元にたどり着き、リントとルカは息をついた。
上り坂を駆け上がったにも関わらず、ルカの息はそれほど上がっていない。
「リント。……体力、持ち直せる?」
ルカが岬のふもとに目をやった。
制服集団が、ちょうど岬のふもとに差し掛かったところで、横に隊列を展開...滄海のPygmalion 19.愛の形