ブクマつながり
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#9「光と影」
アイツがグミに想いを伝えた
グミがアイツに想いを伝えた
結果……二人は両想いだった……
嬉しさのあまり、泣いてしまったグミを優しく抱きしめるアイツが、私は憎らしい
あれからどれだけ時間がたっただろうか……外はだいぶ暗くなってきた……
天気が悪いこともあるが、そろそろ部屋の中は、電気を...私とアイツとあの子 #9
しるる
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嘘つき。
約束したのに。
どうして。
あなたは、……。
瑠花様へ
あなた様がこれを読んでいるときには、私はもうお傍にはいないことでしょう。
あなた様は私がいなくなったことを気にしておられないかもしれない。ですがどうして私がこの家を離れたか、それだけはどうしてもお伝えしたいのです。身勝手は承知の上...【がっくん誕】約束の地
ゆるりー
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徐々に暑さが遠のく九月下旬。
お客の少ないこの頃、ネルは特に依頼もないのに俺の部屋に入りびたりである。
「……暇ー……」
「本店の方は大丈夫なのか?」
「お客さん少ないのよこの時期って……ほら、ちょうど学生は新学期だったり、受験生は追い込みはじめだったり、社会人だっていろいろ忙しくなるじゃない? だ...dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑩~
Turndog~ターンドッグ~
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受験。
それは全ての人間が、一回り成長するために欠かせない関門。
今この世に働くすべての社会人は、一度なり二度なりこの関門を潜り抜けてきた者たちだ。
そして今も、数多の小・中・高・大学生が受験に挑むために、勉強で力を蓄えている。
だがその受験、本当に自分の糧になっているのか?
ちょっと手詰まった時、...dogとどっぐとヴォカロ町! Part9-1~戦う者たちとTurndog~
Turndog~ターンドッグ~
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9月9日。
夏休みもとうの昔に終わり、全生徒(全国民?)が憂鬱な平日。
スイカも夏野菜も枝豆も美味しい季節が終わり、私はしょぼんとしながら時期が終わる枝豆をもぐもぐ食べる。ああでも枝豆本当美味しいもう幸せ。
学生は夏休みの課題(残り)をヒイヒイ言いながらやったり徹夜したり最早開き直って一切やらずに先...【かなりあ荘】秋風
ゆるりー
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《with あゆみんさん》
「ハロー!ゆるりーさん!」
すぅさんとちずさんがこたつから出て行き、読書をしていた私。
ちょうどちずさんから借りていた本が読み終わったので返しに行き、そこでごたごたに巻き込まれ。
なんやかんやあって、リビングへ戻ってこたつむりをしていた私に、あゆみんさんが声をかけた。
「...White happiness --後編-- 【かなりあ荘】
ゆるりー
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日を重ねるごとにわからなくなる。
年月が流れるほどに理解ができなくなる。
こんな感情が存在する、その理由に。
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彼女に出会って、考え方が変わった。
同年代の人間とまとめられて、「いいから先生の言うことを聞きなさい」と馬鹿げた常識と知識を詰め込まれた、あの学校という空間が大嫌いだった。...Memoria --『Fantasia』--
ゆるりー
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彼の冷たい一言は、曖昧だった私の心を引き裂いた。
その言葉に昔のような温かさは少しも含まれていないのだと気づくのに数秒かかった。
何をしても楽しくない。
何をされようが上の空で返事をする。
時間の感覚さえもが曖昧で、もうどうでもいいやと投げやりになっていた毎日。
その理由を自分なりに結論付けたのはつ...【カイメイ】Distance【Ⅰ】
ゆるりー
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「あー楽しかった!」
久しぶりに休みがとれたある日の帰り道、私は友達と話していた。
「いやあカラオケなんて数年ぶりだったからすっごい楽しかった!」
「それはよかった」
「でもルカちゃん、あんな歌も歌うんだね?なんだか意外だなあ」
「そう?割といろいろ聞くからさ」
彼女が言っているのはおそらく、私が選...「Both sides」
ゆるりー
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ねえ先生、知っていますか。
どんな人間にも守りたい存在があるんです。
それは形のあるものとは限らないんです。
例えば色褪せた思い出。
目を閉じればいつでも大切な人に会えるんです。
でもそうすると、少しだけ寂しくなります。
やっぱり会いたいんです。
私にとっての守りたい存在。
私はあの時、それを伝えら...【がくルカ】Liar
ゆるりー
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#「雨にも負けず、風になりたい」【前編】
未来(ミク)……それは両親が私にくれた名前
未来を強く歩めるようにと……
私は子供時代を、この小さな田舎の村で育った
私が小学校に入ってすぐ、両親が離婚し、母親に引き取られた私は、母の実家のあるこの山奥の村で暮らすことになった
その家には、母の母……つまり、...雨にも負けず、風になりたい【前編】
しるる
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#「しるるの日常」
かなりあ荘管理人にして、駄目大人の見本
それが私、しるる
年下の女の子に弱く、小さな子供にはさらに弱いという変人
◎しるる&ターンドッグの場合
「はい、ターンドッグさん」
しるるは笑顔でお茶を出す
「どうも」
ずずっと、出されたお茶を飲むターンドッグ
「あ……そうだ、しるるさん、...しるるの日常【かなりあ荘】
しるる
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1月30日
今日は私の誕生日
友達が祝ってくれるって言ってくれたけれども…
久しぶりにあの人に会ってみたくて
≪Reencounter≫
昼間の各駅停車の車両はやけに空いている
少し早すぎたかな
別に急行でも行けるけど、このドキドキを隠したくて
時計はまだ11:43
待ち合わせまで一時間以上ある...【超遅刻】 Reencounter 【がくルカ】
ayumin
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「ねえ、この世界にさよならしちゃおうか」
彼のリクエストであるホットケーキを焼いている時、テレビを見ていた彼がそんなことを言った。
あまりに突然のことだったからびっくりして、私は手元に注意が向かないまま彼へ言葉を投げる。
「急にどうしたの。今火を使ってるから、驚かせるのはやめてよね」
「ああ、それは...【がくルカ】夜明けの約束【ルカ誕】
ゆるりー
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かなりあ荘だって人の出はいりがある。
ほぼ常駐の人(まぁ主に俺だけと言っても過言ではない)、比較的頻繁に顔を出す人、たまに顔を出す人、ほとんど顔を出さない人、いつの間にかいなくなっていく人。
中には、忙しかったけど多少の暇ができたから顔を出す人や、新しく入ってくる人もいる。
そんな中。
浅葱色の髪を...dogとどっぐとヴォカロ町! Part8-1~新たな色~
Turndog~ターンドッグ~
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「僕は、あなたが好きです」
二十六年も生きていれば、それなりに恋もする。
オトコなんて結局素直で可愛いバカなオンナを演じてる女が好きで、「好き」とか「愛してる」とかそんなの信じるに足らない甘言で、今更誰にそんなことを言われたって心は動かないと思っていた。
なのに、あまりに真剣な彼の瞳を見つめ返したら...【カイメイ】明日への扉
キョン子
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1月30日、今日は高校時代のみんなで集まって同窓会があった。
私たちは今22歳。
高校を卒業して以来顔を合わせてなかった懐かしい人たちが揃いに揃っていて、とてもうれしかった。
旧友に会い、お酒を飲み、昔話や現状報告に花が咲く。
皆変わってないようで、実は変わっていて、大人っぽくなっていたり、人当たり...あなたの笑顔【イズミ草】
イズミ草
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いつから自覚していた?
自分が他人と同じだと。
自分は普通だと、なぜそう信じていた?
どこから狂い始めた?
人生の選択は。
自分は他人と何ら変わりはない。
その主張が間違っていると気づいたとき、自分はとても愚かだったろう。
人を助けることは善いことで。
人を見捨てるのは悪いこと。
人を生かして希望を...Memoria --『Preludio』--
ゆるりー
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「ねぇ、Turndog」
「んー? なんぞルカさん?」
「突然だけどさぁ……デートしない?」
「んぁ? デートね、いいよー………………………って」
『えええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!?』
――――――――――想定の斜め上を行ったルカさんのとんでもない一言...【ルカ誕】I Never forget you【最期の時まで忘れない】
Turndog~ターンドッグ~
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夢を見た。遥か遠くに大切なものを置いてきた、そんな夢を。
目覚めた時、首元に汗が流れるのを感じた。何か恐ろしい夢を見た気がする。でもそれがどんなものだったかなど、もう思い出せそうにない。
時計を見ると、まだ深夜三時を回ったばかりだった。眠らなければ、明日の仕事に支障が出る。毛布を被り直して寝よ...【がくルカ】Plus memory【5】
ゆるりー
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わからない。貴方の声も、物音も。
音の無いセカイに、私は一人…
孤独はいやだ。独りは嫌だよ。
誰か、私を助けてよ…
「おはよー神威くん。」
「あ、巡音さんおはよう。」
私は神威くんと幼馴染で、家が近い。
そして仲が良かった。
勉強や遊び。友達の家に出かけて。...【がくルカ】キミの声が無いセカイ【音を失った少女に】
ゆるりー
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彼女は今日もベルスーズを訪れていた。
カウンター席に座り、雑誌を広げてそれに目を落としている。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
声をかけると、彼女―芽衣子は振り返って私の姿を一目見て、ため息をついた。
「あんたならわかるでしょ?いつものよ」
「かしこまりました。アイスコーヒーをお一つですね」
「違...【カイメイ】Distance【Ⅲ】
ゆるりー
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#1
この世界……コンピュータの世界に大量のバグがはびこって、もう5年になろうとしていた
バグたちは、ある時、突然現れた黒い人型のコンピュータウイルス
数多くのワクチンソフトである同胞たちが、彼らの前に散った
バグたちの目的は、世界の破壊……と言われている
彼らはコンピュータから世界中の回線をつたっ...0と1に響く言の刃#1
しるる
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夢を見た。あなたが遠くへ行ってしまう夢を。
夢の中のあなたはとてもよそよそしくて。学校では毎日すれ違う度に「今日も頑張って」と優しく挨拶してくれていたはずなのに。
それは、彼の余命を知った日からだった。彼は私に目も向けてくれなくなった。廊下で会っても、委員会や学業に関することだけを告げて、彼は...【がくルカ】Plus memory 【4】
ゆるりー
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「もしやり直せるなら…」
彼は思い出の花火を見たいと答えた。
私もそうしたいと返した。
だけどそれはできない。
私は最後に「ごめんなさい」って言った。
あなたは最後に…
あのね、私はあなたを失いたくなかった。
だけどこうなってしまった今、私が生きている意味もない。
「ずっと一緒にいようって、いつも言...【七つの大罪】ネメシスの銃口 Ⅰ【自己解釈】
ゆるりー
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夜も暮れると、子供達の姿は見えなくなる。
仕事が終わった人々は疲れを癒すために、様々な店に立ち寄る。
私は立ち寄るほうではなく場を提供するほうなのだが。
「……ん?」
いつもと同じように接客していると、店の扉の前に変な気配を感じる。
誰かが立ちっぱなしでこちらを見ているらしい。なんだか黒い影が見える...【カイメイ】Distance【Ⅱ】
ゆるりー
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12月24日。
街中が白い魔法に包まれる日。
街を歩く人々が、思い思いの感情を胸にその日を祝う。
息を吐けばそれは朝でも夜でも白く舞い上がり、小さく小さく分散されて静かに空中に消えていく。
ふわふわと舞い降りる粉雪は太陽の光で反射してきらきら光り、掴もうとすれば儚く溶けてしまう。
例え街でどんな事件...【がくルカ】前夜祭に抱えし夢は【舞台裏】
ゆるりー
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今日は日曜日。
某国民的アニメを見て、「あぁ、明日学校(仕事)行きたくないなー」と思う日のことである。
絶賛春休み中の私には関係のないことだが、勉強だけは毎日しなければならない。
学生って忙しいよね。
世間ではこの人の誕生日だ感謝の日だ、とやたら忙しい。
いや、毎日誰かの誕生日ではあるが。
とくに今...White happiness --前編-- 【かなりあ荘】
ゆるりー
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夕暮れ時、黒板に刻まれたその文字列を、なかなか消すことができなかった。
この場所で、優しい声で、だけど決して私だけには向けられない視線。
彼の優しい笑顔は仕事のためだと、私は知っている。
それでも。彼には、私だけを見てほしかった。
彼とは、多分他の人と変わりない出会い方をした。
四月の教室で...【カイメイ】独占欲
ゆるりー
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「はーいじゃあ休憩!」
5月23日。
撮影で張り詰めていた空気が一気に和らぐ。
その場に座り込みたいけど生憎今は衣装(しかも制服)、汚れたりしてはいけないので立ちっぱなしである。
「ふう」
持参した水筒を手に取る。
ちなみに中身は麦茶。
暑い時期に飲むのがすごい好き。
現在、一番長いシリーズの撮影中...【がくルカ】Segreto
ゆるりー
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「さあ、跪きなさい」
愚かな王女の――いや、少女の話をしましょう。
絶対の権力を持っていたがために、あっけなくその首を落とされた彼女の話を。
昔々、とある大きな国がありました。
そこは「黄ノ国」と呼ばれていました。なんでそう呼ばれていたのかは正直よくわかりません。
その国に、一人の王女様がいました。...【七つの大罪】リリアンヌと楽しい日常【二次創作】
ゆるりー
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僕がどんなに必死に叫んでも。
君にはこの声が届かない。
音の無いセカイに、君は一人。
どうすれば君を、孤独の無いセカイに連れ戻せるだろうか…
「おはよー神威くん。」
「あ、巡音さんおはよう。」
僕と君は幼馴染だ。
仲が良いし、家も近い。
君といると、なんだかもっと喋っていたくなる。...【がくルカ】この声が届くまで【音を失った少女に】
ゆるりー
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#105「家族」
とある一軒家でのこと……
「ちょっと!こら、待って!まだ拭いてない!」
お風呂上がりの娘が、裸のまま、勝手に走ってリビングに行ってしまった
最近、おてんばの盛りだ……
「全く、しかたないなぁ……」
僕は腰にタオルを巻いて、後を追う
すると、娘は母親の陰に隠れていた
「こら!お母さん...妖精の毒#最終話
しるる
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「Sweet's Date」
かなりあ荘、初夏
梅雨が近づく五月半ば
暑かったり、涼しかったり、暑かったりする時期
どこかまわずひっつく私、しるるは、そろそろ「ええい!くっつくな!暑苦しい!」と言われ始める時期
そんな時期の、とあるお休みの日
午後2時を回ったくらい
「イズミさーん!おひまですかー?...【かなりあ荘】Sweet's Date【しるる】
しるる
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昼休みに、いつものように3人で教室で昼食を食べていたときだった。
「明日はバレンタインかー」
蓮がバナナジュースの紙パックのストローを口に離してからそう呟いた。
きょとんと呟く僕らに、レンは無邪気な子どものように目をキラキラさせた。
「去年みたいに女子からチョコをたくさん貰ったせいで、グミにあらぬ疑...【カイト誕】フォンダンショコラ【カイメイ】
雪りんご*イン率低下
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「世界の間違いを、レミーが正すのよ」
数年前、サンタさんに言われたこと。
僕は、世界を正す救世主。今日も、世界のために、サンタさんのために、一生懸命がんばるんだ。
僕は、ずっとひとりだった。
こじいんっていうところに閉じ込められて、ずっとかなしかった。
サンタさんは、ぼくをたすけてくれた。
ぼくは、...【五番目のピエロ】忠実少年と賑やかサーカス【二次創作】
ゆるりー
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某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
6/23ひとりめ投稿。
おやつと一緒に詰めた妄想たち。
sunny_m
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何もかもを放り出した午後。
私は赤信号の為、止まりながらいろんなことを考えていた。
───行き先はどうしよう。
───ちょっと私服はマズイかな……。
そうしてるうちに信号が青に変わってしまった為、迷いごとを無理矢理振り払い、足を進めた。
いつもの背伸びしたヒールじゃちょっと踏みだしにくいから、赤いス...如月アテンション【自己解釈】
雪りんご*イン率低下
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7月31日23時50分。
「……………………」
俺は自分の誕生日にもかかわらず、自分の部屋のベッドの上に体育座りで、スマホの画面を穴があくほどに見つめていた。
だがスマホの画面は黒いままで、俺の仏頂面を映すだけだった。
暫くして俺は空しくなってスマホを見つめるのを止めた。
これがにらめっこだったらス...【がくぽ誕】dead line
雪りんご*イン率低下
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残された時間で
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「ふわぁ~、眠い……」
大きく伸びをしながら、欠伸をする神威先生。彼が無事退院して学校に帰って来てから、二週間ぐらい経つ。
それまで退屈に思っていた国語の授業も、ようやく楽しく思えてきた。それに代理で教えていた先生の授業、全然面白くなかったし。元々国語が苦...【がくルカ】memory【27】
ゆるりー
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私の名はカイル=マーロン。
通称“青ノ国”の王だ。
近々“黄ノ国”ことルシフェニアの王女、リリアンヌとの結婚を控えている。
しかし、私は恋をしてしまった。
ミカエラという、緑の髪の娘に───────………
【小説「悪ノ娘」完結祝い】青ノ王と狂おしい娘たち【小説に土下座しろ】
「やぁ、ミカエラ」
「カ...【小説「悪ノ娘」完結祝い】青ノ王と狂おしい娘たち【小説に土下座しろ】
雪りんご*イン率低下
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[第2話] ~かんざしや
ああ・・・私はどうして此処に居るんだろう…。
呉服鏡屋へ来て現代の時間では、1週間が経った。
一向にどうして此処へ来たのかを思い出せていない。
「空が綺麗だなあ・・・。」
ひとりで、縁側にちょこんと座って、空を眺めていた。
都会ではまず見ることのできない綺麗な澄み切っ...緋色花簪
イズミ草
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[第7話]~喪失
私は、布団で眠っているお凛をひたすら見つめていた。
「姉さん…?」
呼びかけても返ってくるはずのない反応を、待つ。
とても綺麗な顔だった。
じきに朝だと気づいて、目を開けるのだと信じていた。
小刻みに震える唇を無理矢理動かして、お凛に再び話しかけた。
「姉さん、朝ですよ。...緋色花簪
イズミ草
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[第4話]~過去
頭の中が、ざわつく。私は、その場から1歩も動けずにいた。
早く、此処から離れないと、連とめい子さんに気付かれてしまうのに…。
私のほうへとだんだん近づいてくる、2人の足音。
「…りん…。」
連が、私の名前を呟く。
瞬間大きく波打った私の心臓。
「りん…、今の…聞い…」...緋色花簪
イズミ草
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『君はどこかで笑ってて』
彼は行ってしまった。
そう―――
いもけんぴアイス作りの旅に。
彼と私は双子で、一国の主と召使だった。
どうやら私は大罪の悪魔というやつに乗っ取られていたようで、毎日おやつにブリオッシュを激しく推していたらしい。
ええ、好きですよ。ブリオッシュ。あのもふもふとした食感とか...後悔と、いもけんぴと。
姉音香凛
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たった少しのことだけで
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「じゃあ、次はここね」
初音先生の言葉で、今日も劇の練習は進んでいく。なんでもないような光景に見えるが、本当はそうでもなくて。放課後の講堂での練習は、私にとって少し特別になっていた。
今日は九月十三日。学園長が失踪してから、一週間が経とうとしていた...【がくルカ】memory【17】
ゆるりー
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#77「答え」
「ミク~!!」
僕は真っ暗な暗闇の中、傷つけてしまったミクを探していた
今となっては、自分でも、どうして気付けなかったのかと思う
僕はレンの言うとおり、馬鹿野郎だった
しかし、今は後悔している暇はない
早くミクを見つけなくては……
僕は思い当たる個所を片っ端から行ってみた
そして、最...妖精の毒#77
しるる
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#82「再び」
僕とルカさんは妖精の世界への入り口に向かう
「ルカさん、メイコさんとリンちゃんを助ける方法って、考えてあるんですか?」
ただ単に相手方に乗り込んでいっても、駄目なのは目に見えている
「正直、何も考えてないわ。」
僕の横を歩くルカさんは、しれっとそう言った
「手紙の相手が誰かもわからな...妖精の毒#82
しるる
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どうしてなのか
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「ねえルカ、最近様子がおかしいよ?」
毎日投げかけられるその質問。その言葉から考えるに、メイコやグミちゃんが私を心配してくれているのかもしれない。でも、でもさ。私の価値観は、心は、歪んでしまった。
「現実が重過ぎるよ……!」
あの日、あの時。私が盗み聞きし...【がくルカ】memory【28】
ゆるりー
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#103「複雑」
式典が終わったあと、僕は一人になった
一人になりたかった……
こんな姿……だれにも見られたくなかったから……
そのとき、カツカツと誰かが近づいてくるのがわかった
「こんなところにいたのか……マイと別れの挨拶しないと……」
それはレンだった
僕は自分の気持ちを必死に隠そうとする
「や...妖精の毒#103
しるる